26 Fairy Tales Ep.4
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……ハァ……やっぱり。 手放すしか……。
[無理矢理に身体を起こすと、ぐらりと視界が傾く。 杖に縋り、蒼白を超えて土気色の顔のまま。 ふらふらと宿を後にする。
近くの住人に聞けば、森の方へと歩いて行った所を見たと返事が返ってくる。]
(45) 2010/08/09(Mon) 22時頃
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―森の中―
[深い森の中。 風に吹かれ、緑の漣が森全体を揺らす。 前回此処に来た時に置いた毒花の束は、そのまま萎れていた。
まるで墓標の様に置かれた大きな石。 人狼達の間で風の海の墓標(エピタフ)と呼ばれるそこはまさに墓標だった。 レグルスとカストルの。]
……カストル。 預かっててください……。
[首に巻いた『証』 取り外すと胸の痛みが強くなる。 墓標の傍にそれを埋めると、足を引き摺り村へと再び歩き出す。]
(49) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 23時頃
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―広場―
[手助けしようとする村人の手を振り払い。 かなりの時間をかけ、なんとか村まで辿り着く。]
………ハァ………。
[深い溜息をついて。 建物の壁に背をつけ、ずるりと崩れ落ちた。 その光景はカウンターに座り、外を眺めるソフィアからも見えただろうか。]
(52) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 23時頃
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[激しい鼓動を繰り返す胸に手を当て、何度も何度も息を吐き出す。 近づく人の気配と掛けられる声に。 閉ざしていた赤茶の目を開く。]
……あなたは、いい人ですね。 救い難い偽善者だ。
……ハァ……。 大ッ嫌いですよ。
[殺し損ねた――そして多分それに気付いている相手に吐き捨て、苦笑する。 その首もとに『証』はない。]
(61) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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一緒に生きたいなら。 助けてくださいよ。 何とか、してくださいよ。 ほら、早く。
[差し出された薬と薬缶には目も呉れず。 暗い陰気な声で請う。]
さあ? 怪我したかどうか。 ソフィアさんなら、知っているんじゃないですか。
[寄せられる身と瞬きと共に覗き込んでくる瞳に。 くつりと喉を鳴らす。]
(73) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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俺だけ痛いのは、不公平だ。
[避けられぬなら、身体を少しだけ寄せ。 ソフィアの首に、甘噛みをするように開けた口を寄せる。]
(74) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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[顔を寄せたソフィアの耳元で昏く哂う。]
……二人っきりで心中なんて御免ですよ。
絶対に、嫌だ。 そう言えば止まるとでも思っているんでしょう。 自分の犠牲で済めばいいと思っているのでしょう。
本当に、いい人ですね。
[口調だけは優しく、けれど毒に満ちた言葉。 手は伸ばされない。]
(89) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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[オスカーの制止に、牙は突き立てられぬまま、離れ。 尻餅をつくソフィアへ向ける赤茶は冷たい。]
でも―――。 俺だけがこんな足で。 俺だけがこんな身体で。
俺だけが全てを奪われる。
[一気に言い立てはあ、と酷く疲れた溜息を漏らす。]
(91) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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痛くなくなったら?
[意外な言葉にオスカーを見る。 ソフィアの友人――オスカーにはその程度の認識しかない。]
……生きられるなら。 足も治るのなら。 もっと、もっと上手くやれたでしょうね。
[何を、とは言わず、緩く笑う。 先程で力を使い果たしたかのように、疲労の色が濃い。]
(94) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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……本当に? 本当に、何とかなるんですか?
[縋るような表情が浮かび、苦しげながら身体を起こそうと。 瞳は赤く爛々と揺れる。]
(104) 2010/08/10(Tue) 01時頃
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罠―――。 あの、罠を仕掛けたのは……。
[ぎりっと奥歯を噛んで、薄く笑う。 目に冷たい薄暗い光を宿して。]
ひとつだけ。 聞いていいですか?ソフィアさん。 納得できたら、あなたの言うとおりにしますから。
なんで、10年前。 カス……人狼の子供は殺されたんでしょう?
(109) 2010/08/10(Tue) 01時頃
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死んだらダメ、ですか……。
保障はない。 けれど、起こらない奇蹟ではないでしょう。
[心臓は痛み、肺からはゼィと嫌な呼吸音がする。 それでもよろよろと、なんとか立ち上がろうと。]
(113) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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[ソフィアから差し伸べられた手。 俯いて昏い表情を隠して、その手を取った。]
……二日、ですね。 わかりました。
[隠した口元は三日月に歪ませ、オスカーに頷く。
捕まったカストルは怖がっていた。 銃を向けられて怖かった。 撃たれて怖かった。 庇われて怖かった。 人間が怖かった。
迫る死が怖い。]
(126) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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俺も、怖かったですよ……。
[手を借り、立ち上がりながらぼそりと呟く。 久しぶりに会う気がするグロリアとは目を合わそうともしない。]
(127) 2010/08/10(Tue) 01時半頃
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……………。 …そうですね。 一緒、ですよ。
[表情は相変わらず隠しながらも僅か笑む気配。 グロリアの紹介には僅かに視線をやっただけ。]
……少し、疲れたので。 休ませて貰ってもいいですか。
[立ち上がれはしたものの足元は覚束無い。 ソフィアの許可が取れたのなら、雑貨屋でしばし休憩をさせて*貰う。*]
(137) 2010/08/10(Tue) 02時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 02時頃
―広場―
〔不安定な『モノ』は、ようやく白濁した白い人の形になり、オルグイユの村を彷徨う。〕
――気づいて。
〔ともにベンチに腰掛ける兄と妹。 どうか、気づいてほしい。〕
……
〔差し伸べた半透明な手は、何も触れることもなく、透けたまま、二人を抱きしめていて*〕
―ありがとう。 気づいてくれた。
……お願い。 守って。 私の代わりに。
大切なもの、大切な人を。
〔魂は兄の後ろを点滅しながら追いかける。時折妹を心配して振り向いては祈る〕
ティナさま…… ご加護を。
どうか、 二人を守って。私の代わりに……
〔祈りに呼応する証の石は、点滅を繰り返す。〕
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―雑貨屋―
[カラン 鈴の音の共に駆け込んで来た雑貨屋の主が店番をしていたオスカーを抱き締める。 そして訪ねる言葉の意味は、今だ村に起こるもう一つの異変を知らぬから分からない。]
……すぐに、帰ります。
[俯き、床を這う視線は上げぬまま。 お茶菓子には手をつけず、お茶を啜る。]
もっと、休んで行けなんて。 ソフィアさんは、本当に―――。
善い人ですね。
[呟きに、お茶の味は*変わらない。*]
(179) 2010/08/10(Tue) 14時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 14時頃
〔大精霊を目覚めさせた心のもとへ 証が還るなら 一瞬の強い輝きを放ち、その指へおさまる。〕
〔心と魂が現世に留まる間、石は微かに死者の心を映し、死者が旅立てば、ただの石へ還り 再び沈むのかもしれないが〕
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―雑貨屋―
[硬い音が響き、温かいお茶が床に広がる。]
ソフィアさん。 どうかしましたか?
[床を滑らせ、その身を抱くソフィアへと向ける眼差しは昏く。 白々しい言葉を吐き、嘲笑うように口端を上げる。]
怖い、ですね。 オスカーも、気をつけてください。 殺気立った人間は、何をするかわかりませんから。
[出て行くオスカーに顔は向けぬまま。 珍しくその身を案じる言葉を掛けた。]
(189) 2010/08/10(Tue) 22時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 22時頃
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……嘘つき。
[はっ、と咽るソフィアを哂う。]
怯えて……というよりも、何かあったようですね。
[ゆらりと頭を傾けるように外を見遣る。 そこにはアイリスに危害を加えたものを探す男達>>151の姿が見える。]
(194) 2010/08/10(Tue) 22時半頃
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/* 訂正 を受けて。*/
〔エネルギーとなる心の拠り所を失った愛の精霊は石となって沈み、証は石へと還った。〕
〔再び愛の心がどこかに目覚めるならば、精霊はまた甦る……のだろうか?〕
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お茶だけ、ですか?
[ソフィアの指が古ぼけたナイフを撫ぜるのを目を細め。 同時に少しばかりぎこちない体の動きも眺めながら。]
……へぇ、あのひと。 あの女を殺していたんですか。
[アイリスの死に、表面上は俯いて。 けれど、くつくつ小さな笑い声を漏らす。]
オスカーに、一体なんの用があったんでしょうね。
(203) 2010/08/10(Tue) 23時頃
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最近は、食欲が無くて。
[片手でお茶のカップを持ちながらも。 もう片方の手は胸に当てられたまま。]
……グロリアが、何をしたのか。 知りたいですか?
[ソフィアの口から出るグロリアへの不信の言葉に。 痛みに表情を僅か歪めながら立ち上がり。 背後からソフィアの肩に手を置いて、耳元で囁く。]
オスカーに、何をする気か――。
[語る言葉は出任せ。 にたりと笑う気配だけは伝わるか。]
(212) 2010/08/10(Tue) 23時半頃
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[一呼吸、間が空いて。]
俺は、生きていたいだけですよ。
(213) 2010/08/10(Tue) 23時半頃
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――――……ッ!
[怒声と共に突きつけられるナイフ。 震える刃は『証』の無い首元の皮一枚掠め。 ひやりとした感触を伝える。
見据える瞳から、赤みを帯びる瞳は視線は逸らさず。 その顔は笑んだまま。]
俺は、生きられない。 喰らって糧にしてやる気も起きない。
……是以上殺すなら―――。 ねえ、ソフィアさん。 あなたは、不問にするんですか?
死んだ彼らのことはどうでもいいんですね。
(219) 2010/08/11(Wed) 00時頃
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若者 テッドは、店番 ソフィアを見詰めたまま、逃げようとはしない。
2010/08/11(Wed) 00時頃
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そう、人間を殺した。
[すっと笑みが失せ。 胸を押され、ふらつき一歩後退る。]
死者は生き返らない。 それも当たり前。
だから、なんです?
[赤く染まった瞳は降ろされるナイフを追い。]
(224) 2010/08/11(Wed) 00時半頃
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そんな事、知ったことか。
俺は死ぬ。 だからみんな死ね。
[ゼィと苦しげな深い溜息をつき。]
俺が、生きる為に足掻かなかったとでも思っているんですか。
誰も彼も奇麗事ばっかり言って。 一緒に生きたいなんて心にも無いことを。
[ふいっと逸らす視線。 赤色は褪せ、暗い蔭のかかる赤茶に戻る。]
(225) 2010/08/11(Wed) 00時半頃
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あなたほど、俺はオスカーを信じてない。 けれど―――。
万が一にもよくなったら。 考えてあげますよ。 一緒に、生きるのを。
[無表情で抑揚のない言葉。 お茶を飲み干し、見詰めてくる瞬きすらしない瞳とは、もう目を合わさない。]
……ええ、遠慮なく。 休ませてもらいます。
………ハァ………。
[気力が尽きて。 短く息を吐くと、部屋の隅にへたり込む。]
(234) 2010/08/11(Wed) 01時頃
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[俯いたままソフィアの手を借り椅子に座る。]
……薬、置いてきたので。
[双眸を伏せたまま、嘘をつく。 薬は今だポケットの中。
ソフィアがナイフを手に店を出て行くと。 緩く笑い、ゆっくりと*瞑目した。*]
(240) 2010/08/11(Wed) 01時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 01時頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/11(Wed) 01時半頃
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