151 雪に沈む村
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― 翌朝 ―
[洞窟の中でピクリと目を覚ますと、すでに夜が明けていた]
……ちょっとは、良くなったかな。
[呟くカルヴィンは、すでに子供の姿を纏っている。 んーっと伸びをすると]
腹減ったなあ。
[ぐうう、と鳴るお腹を反射的に押さえる。 温かいスープが飲みたかった。冷えた身体を芯から温めてくれるような。 その足は、自然とピエールの店へと向かっていた**]
(36) 2013/11/23(Sat) 01時頃
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― ピエールの店 ―
ピエール!腹減ったー!
[バタン、とドアを勢い良く開けてカルヴィンは店に上がり込む。 肩や頭に乗った雪を、ぷるぷると子犬のように首を振って払った]
うおー。寒い寒い。
[びゅおう、と刺すような冷たい風が店内に入り込むと慌ててその扉を閉める]
なにか温かいものを頼むよ。 今日はちゃんとお金持ってきてるからな。
[ぴょんぴょんジャンプすると、ポケットの中の錆びた小銭が鈍い音を立てた]
(69) 2013/11/23(Sat) 18時頃
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─午前・時計塔─
さて、と。取り敢えず掃除からだな。
[村に一つだけの山道への入口。そこにある古びた時計塔の玄関で、キャソックの腕を捲ったチャールズは、腰に手を当て、ふむ、とひとつ息を吐いた。
石造りの四角い塔は先端に緑の屋根がついた尖塔となっており、壁面には装飾の施された天文時計が設置されている。
山間の小さな村にはおよそ不似合いな豪奢な様式は、百年も二百年も前のものと言われていたが。実際、チャールズには馴染みでもあり、懐かしくもあるものであった。
それは、村中にある教会と同じ様式、同じ時代のもの。この時計塔も、祈りの家のひとつだったのだろう、真冬になれば雪に埋まってしまう一階部分にはこじんまりとした礼拝堂が設けられている。
しかし、矢張りそこに祈りの対象である神を現す偶像は存在せず。
過去、その信仰に「何か」があったのは明白であった]
……ここを綺麗にして、先ずはサイラス君の旅の無事を祈る事にしよう。
[今朝早く、未だちらちらと雪の舞う空へと旅立っていった金の髪の翼人。
クシャミと共にその背を見送って、数刻経つ。
帰ってくる、旅の無事を祈ってくれ。そう言った彼が、思う通りの旅を続けられるように。
ここに宿る神はもう居ないけれど、もしかしたら彼ら翼人を加護する神聖な存在に届くかもしれない。
よし、と小さく呟いて、珍しく気合を入れた表情で、チャールズは掃除に取り掛かったのだった。]
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[>>69ジャリジャリと音を鳴らす小銭に、ピエールは怪訝な顔をしたかもしれない。 カルヴィンは付け足すように]
大丈夫だよ。お金足りるって。 それに今日はパトロンがいるし。
[にひひ、と不敵に笑ってみせる]
あれ。バーナバスのじーさん、来てない? 今日は朝食を奢ってもらう予定なんだけどなー。
[言いつつ、カウンター席に座った]
(81) 2013/11/23(Sat) 22時頃
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『金はガキからは取るつもりねえ』>>79
[ピエールの言葉にカルヴィンは、きししと笑って]
ガキかあ……うん。確かにガキだ。 そうだなあ。カボチャのスープ、あるかな。 甘くて好きなんだ。
[ガキ、という語感を噛みしめるように繰り返す。 子供扱いされることが嬉しくてたまらない。]
うーん。良い香り。
[厨房から漂ってくる香りが鼻腔をくすぐる。 子供らしく目をキラキラ輝かせて、まだかまだかとスプーンを手に握った]
(82) 2013/11/23(Sat) 22時半頃
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おこちゃま、セット……!!
[ぱああ、と顔を輝かせて目の前に出された料理を見る。 上目遣いに「食べていいの?いいの?」とピエールを見上げて、ニヤリと笑う彼の表情>>84を肯定と受け取ると]
いっただきまーす!
[礼儀正しく手を合わせたのは一瞬のこと。 お行儀の悪い食べ方で、あっという間にかぼちゃスープを飲みほしてしまう。 丁寧に裏ごしされたされたカボチャが、優しい舌触り。贅沢に生クリームをたっぷり使っているのだろう。ふわりとした甘さが、口の中に広がった]
おいしい……!!
[子供はお世辞なんか言わないのだ。 だから口から漏れたそれは、カルヴィンの心からの賛辞]
(91) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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― 4年前 ―
『……お嬢様、そろそろ冷えますから』>>85
[隠れていた茂みのすぐ背後から、男の声がする。 カルヴィンに戦慄が走った。思ったよりも近い]
やべっ。もっと頭を下げろ、トニー。
[トニーの耳元でそっと囁く。 ブランフォート家の庭園に忍びこんでやろうと提案したのは自分だった。まさかそれが、こんなスパイごっこになろうとは]
『――……誰?』>>86
[アリスの声に、カルヴィンは諦念してため息をつく。茂みから渋々と這い出た]
あー。見つかっちま、った――
[呆けたように、アリスの顔を見た。本当に似ていた。あの子に]
(98) 2013/11/24(Sun) 00時半頃
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[ぐるぐると昔の思い出が頭をよぎったが]
『その汚い恰好でお入りになるなんて。不届き者ねっ!』>>86
[アリスの声に思考を中断され、すぐさまカルヴィンは子供らしく頬を膨らました]
汚くなんかねーし! ちゃ、ちゃんと風呂には入ってるし!
[ピントのズレた答えを返す]
(99) 2013/11/24(Sun) 00時半頃
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バーナバスのじいさん、遅いってー。
[>>95隣に座ったバーナバスにぶーぶーと口を尖らせる。 今のカルヴィンは子供だから、目の前の老龍に対しても礼儀を欠いた行動だって取る。 ピエールに知り合いなんだな>>100と言われると、キョトンとして]
んーまー。近所のじいさんなんだ。 お世話になってる、っていうか。
[嘘は吐いていない。ねぐらの洞窟は近所にある。 おかわりのポタージュをごくごくと飲みながら>>97]
マドレーヌもパウンドケーキもどっちも食べたい!
[子供らしくピエールに我儘を言ってみる]
(102) 2013/11/24(Sun) 00時半頃
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