197 獣ノ國
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
回想 商店街にて―
さあ僕は、彼女の反応にどう表情を揺らがせたのだったか。 彼女の唇から弾き出された言葉は痛みを訴えるものだったか>>1:336。僕は少しの罪悪感に苛まれながら、続けられた彼女柔な言葉に悲愴に顔を強張らせました。 いつも通りなら。僕は、僕の足は尾鰭を見せずに。 いつも通りなら。僕は皮膚が焼かれるような苦しみに惑うこともなく。 優しい人間なら。こうして彼女を苦しめることもなかったのに。
「…ぼ、僕は」
声は震えています。まるで人間ではないと、心が僕を人間ではないと、否定を促す。情けなく震えた声はどうしようもなく、空に空笑いさえ浮かび上がる。重ねられた手はびくりと震えることもしたけれど、手合わせの形が成されれば変わらない手の形に安堵はしただろうか。
(39) 2014/10/05(Sun) 06時頃
|
|
安心すべきなのか? それとも拒絶し尾鰭を地面に敲くべきなのか。
僕の頭は混乱を極め、瞳は透明な膜を張ることでしょう。 下を決して見ない彼女には気付かずに、彼女の好きな御伽噺に喩えられたそれ>>337を耳に通します。
嘘をつくと鼻が伸びるなら、伸びない自分は何なのか。
しかし其れはあくまで夢の御伽噺。僕は彼女を知っています。だから、だからこそ―そのぎこちない救いの手を、言葉を、振り払ってしまった。
「だって…御伽噺は、所詮御伽噺だから…現実のことなんて、ちっとも!…」
まるで拗ね怒る餓鬼だと、遠くない未来に冷静になるだろう彼女は僕を罵るでしょうか。僕はただ彼女の救いに救われようとしながら、しかし彼女を傷付けない為にも彼女を拒絶する。その御伽噺の偽物加減を、現実を見てくれないと罵って。そう!だってここがもし御伽噺なら、僕はピノキオではなくて、赤頭巾を喰らう狼であることだって。「獣じゃない」と嘘しか吐けない唇は、人を騙し喰らう為にあることだって、あるのだから。
(40) 2014/10/05(Sun) 06時頃
|
|
僕は駆け出したことでしょう。 彼女のリアリズムで、しかしどうも空想家なそれを睨み付けながら。良くなった視界の中で、優しく笑いかけてくれる彼女さえ僕を泡にする魔女に思えて仕方ないと、彼女を拒絶し、気泡を何処か別の場所へ吐き出そうと、彼女の元に獣の手が伸びる前に―――もっと、別の場所へ駆け出した。 行方なんて何処へでも。僕はただまだ慣れない足が、時折砂浜に降りたばかりの魚のように揺れるのを知りながら、それでも必死に地面を蹴る。*
(41) 2014/10/05(Sun) 06時頃
|
|
―→花屋―
行く先ははたしてどこだっただろうか。 もしかすると、道中誰かに会うことだってあったかもしれない。不器用に走っては曇天の下でさえ嫌い、影を走って、時折よろける姿を見られていたかもしれない。また、声をかけられることだって、もしかしたら。
ふと、僕は顔を上げました。 見えた先には何時ぞや世話になった花屋>>10の建物。 昼間のことだから、閉店しているなんてことは、きっとありえないだろう。僕は何気無しに、フラフラと以前告げられた言葉>>0:377を思い返しながら、その扉を開きました。
「……、」
無言で扉から顔を覗かせ、その中を伺い。ひょこりとまず頭だけ店内へ覗かせたその姿は、付近に客や店員が居れば驚かせたかもしれない。暫くして、僕はその扉の隙間から中へと体を滑り込ませ、よたよたと覚束無い足取りで、花々の前へ。視界は涙の雨の痕さえ残っていたかもしれない。ぐすぐす情けなく鼻を鳴らして、僕はまた一歩、店内へと足を進めました。**
(42) 2014/10/05(Sun) 06時半頃
|
測量士 ティソは、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 06時半頃
測量士 ティソは、メモを貼った。
2014/10/06(Mon) 02時頃
|
―回想→眼鏡屋―
途切れたその先>>1:300は、一体何を紡ごうとしていたんだろう。僕は噛んだ下唇を離して消えてしまった言葉の向こうを待ちました。待てども見えないその先を待ち、来たる別事のジョークめいた言葉には苦笑にも近い笑顔を浮かべます。「ドームなんて、そんな」―まるで水槽じゃあないか。僕は笑みをそのままにひらひら手を振るのです。そもそも、科学者に直談判したところで捕まりそうだと、その様を思い浮かべてぶるりと身震いを促しました。
「…気にしないでください。僕はこれに慣れなきゃならないのだから、」
ヘルメットが外され外の空気に触れた途端。僕に向けられた謝罪には凛としてみせたことでしょう。女性を落ち込ませるのはよろしく無いと、幼少の頃植え付けられたそれを元に僕は彼女に笑むのです。苦笑とはまた別のそれで、曇天に似合わぬ晴れやかなそれを。
(248) 2014/10/06(Mon) 03時頃
|
|
「お気遣い、ありがとうございます。貴女が僕の脚になってくれるなら、…一体僕は、」
「何になれば良いですか?」 お礼を込めたその言葉に、彼女は何と答えたのでしょう。もしかしたら、何も答えなかったかもしれない。それほどまでに僕の聲は小さく聞こえたのだから。やがて僕は遠退く彼女の背中に視線を当て、その背中が遠く遠くへしぼんでしまうと、ようやく視力を正そうと付近の眼鏡屋に入った。*
(249) 2014/10/06(Mon) 03時頃
|
測量士 ティソは、メモを貼った。
2014/10/06(Mon) 03時半頃
|
―花屋Lamo―
虚ろに視界に映る花屋を見ていた時でした。奥から僅少ばたばたと片付けのような音が耳に届いて、ゆうるりそちらへ視線を向けました。向けた先にはいつぞやの、そして僕に声を掛けてくれた花屋の店員の姿。呼ばれる声>>184が耳に届けば、ひとつひとつ、尾鰭の邪魔な足で其方へ歩きます。
外からはぽつりぽつり、雨の音が聴こえてくる。
「……」
まるで体重をそのまま下ろしたように僕は椅子へ腰掛けました。その様は崩れ落ちたと譬喩されることもあるかもしれない。俯き加減にぼうっとしていると、その視界の中で咲く茶の花。僕は少しだけ瞳に光を差し込んで、店員の彼を見上げた。
「…あり、がとう…ございます…」
掠めた声は彼に届いただろうか。目前に斜めに腰掛けた彼>>187は、ふうふうと茶の先に息を吹きかけていました。「…猫舌、なんですか」余談とばかりに、曇った心を晴れさせる為に僕は問いを投げます。ゆらゆら揺れる花は、まるで波に揺られる花のようだと碧の世界を連想することも、あったけど。
(266) 2014/10/06(Mon) 10時半頃
|
|
「――…あたたかい」
僕はカップに口付け、こくりと液を喉に通しました。じんわり広がる温かみは冷えた体を暖めてくれる。美味しいと、そう感じる前に感じたことを僕は素直に吐露しました。そして緩む涙腺には、ハッと慌てて眼鏡の下を拭う。ぼろぼろ、止まらないそれは如何してだろうか。
ちりんと、続いて客が来た音を聴く。 僕は彼の言葉に優しさに>>188こくりと静かに頷いて、頭に置かれた手を甘受しては、その暖かさに殊更溢れる涙雨につらいと鼻を啜りました。
「…喉、痛い」
ひくりひくりとしゃくりあげた為か、鈍い痛みを発する喉に眉間に皺を寄せました。そしてその痛みを抑える為に、もう一度温かな其れを頂きます。今度はぼろぼろ泣くことはないけど、やはりその温かみに僕は安堵の息を洩らした。
からん。誰かが出て行った音にはちらり其方へ視線を向ける。 見れば彼が扉に何かをしていて>>228、何をし終えたのか僕の方へとまた戻って来る。その顔に悪戯な笑みが浮かべられているのを確認すれば、僕は申し訳なさと共に「ふたり」の部屋に、碧ではなく色とりどりの花々に囲まれる部屋には、安心に拍車を掛けました。
(267) 2014/10/06(Mon) 10時半頃
|
|
「…聞いてました。”紫色のカラー”」
話される失敗談には、ゆるりと笑みを浮かべてみました。気遣いと解って、あえてそのことには言及せず。 鼻を啜る回数も徐々に減ると、またひとつ花茶を貰って―ついには神妙に、気まずさを隠すことなく表情に押し出し、話題をぽいと投げる。
「…あの。…獣人って、知ってますか。」
その声は、酷く震えていた。彼が僕を獣人と知って、どこかへ追い払い売り払わない保証はどこにもないけど。それでも花茶の温かみに信を置き、尋ね、そしてもしかしたら告げることくらいはしたって良いかと…僕は思いました。
(268) 2014/10/06(Mon) 10時半頃
|
測量士 ティソは、メモを貼った。
2014/10/06(Mon) 10時半頃
|
天井に向かう煙草の煙>>341を、僕はぼうっと見つめていました。ぷかぷか上へと浮かび上がるそれは、まるで夢にみた気泡のようだと独りごちてはそっと視線を逸らす。鼻を擽る煙草の香は、詰まっている為かロクに嗅覚は働かずただ感覚が擽るのみ。
僕は彼の口から流れる言葉を唯黙って聞いていました。掲示板との言葉には思わず僕も利用している獣専門と言っても過言ではない板を思い出す。そして科学者と、謎のスレ主が時折現れては不吉な言葉やししゃもとの謎の言葉を遺して行くことも、深く記憶に残っている。
(393) 2014/10/07(Tue) 00時半頃
|
|
「…、…ぼ、くは…」
友人がそれでも何とも思わない、なんて。僕は先に振り払った級友を思い出し、胸の締め付けられる感覚に陥りました。彼女を睨み振り切った時、僕の後ろで彼女はどんな表情を浮かべていたのだろう。例えば人より可也現実から遠退いて居る彼女でも、その内脳の奥底では一番現実に向き合っていることは、そばに居て見て取れていた筈なのに。「…ごめんなさい…」僕は誰に言うでも無く、締め付けられ苦しむ胸中の念を吐き出しました。彼女も、そして店員も、きっと心の内から思っていることを僕に伝えてくれて居る。どこか鋭くなった感覚が、じくりと脳を刺しました。
(395) 2014/10/07(Tue) 00時半頃
|
|
「――獣、なんです」
優美な笑みを浮かべる店員>>342を見つめることは、無かった。ただ脳裏に無意識に浮かべたのは今や碧に咲く花々。碧に塗れて苦しい筈が、華麗に咲き誇る花々には今朝方の鬱屈が晴れたことを思い出しました。 然し僕はただ気まずそうに煙の上がる水面から目を背けては、足元を、深海を見据える。その深く深く、例え深海に慣れ親しんだ魚でも五感が可笑しくなりそうな程深い碧に目前さえ覚え、震える足に無理に力を入れました。ずるりと、引き上げた裾から覗くのは雨に濡れ渇きを取った尾鰭。魚のような陳腐なそれでは無く、もっとしっかりとした―海豚のような、それ。
「……前々から予兆はあったんです。目が見えにくくなったり、日に照らされた肌が灼けるように熱かったり。…ねえ、店員さん。」
「僕は、…僕は今、人間なんでしょうか。眼鏡さえ取ってしまえば、霞む視界はきっと、貴方さえ映すことが出来ないのに。」
唇に出る震えは動揺の証。僕は縋るように、意識の下差し出された手をつかむ様に彼を見詰めました。目元を飾る硝子の下、色素の薄い瞳は鮮明に彼を認め。
(398) 2014/10/07(Tue) 00時半頃
|
|
――ただ僕は、突如として変わってしまった日常に震え、怯えている。
(399) 2014/10/07(Tue) 00時半頃
|
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
4日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る