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─ 星見庵 ─
[東西南北に座する四神の祭殿。 それらを結んだ時、丁度交わるところにその庵はあった。 柔らかで優しい風が吹き、揺れた桜の枝からこぼれた花びらが緩やかに舞う。 外界から切り取られたように、穏やかな時が流れる中。 ドタドタと騒がしい足音が庵を揺らし、老婆は大きな溜息を吐いた。 それから、足音の主が老婆の部屋に飛び込んで来ると─────]
こんの、戯けが!もっと静かに来れんのか! 騒々しいったらありゃせんわい!
[ぴしゃりと一喝する。 思いもよらぬ一喝に、訪れた面々は驚いた顔をして。 その顔を見るなり老婆はもう一度溜息を吐いた。]
(40) sunao 2019/04/22(Mon) 01時半頃
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やれやれ…その顔を見るに、よっぽどアタシが死にそうだと思っとったんじゃろ。 見くびられたもんじゃわい。
[あの決戦から半月の間、老婆は眠り続けていた。 傷と負荷でボロボロになった身体を、聖なる鳥の───光の唄が癒やしてくれたが、待てども意識は戻らず。 そのまま息を引き取るだろうと誰もが思っていたことだろう。]
アタシゃまだまだ死なんぞい、それこそ孫の顔もまだ見とらんしのぉ。
[ちら、と攻芸とモイを見遣って。]
(41) sunao 2019/04/22(Mon) 01時半頃
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朱雀と応龍の子なんぞ拝めた日にゃポックリ逝っても構いやせんがな。 …それとも、嬢はあっちの坊(ぼん)の方が好みかいのぉ。
[楽しそうに”誰か”を思い浮かべる素振りをしてみる。 その誰か、が誰であるかを察するのは容易い。 老婆が”坊”と呼ぶのは、あの弱虫の金髪の青年のことだけなのだから。]
(42) sunao 2019/04/22(Mon) 01時半頃
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カーッカッカッカッカッ!
[一行の反応なぞお構いなしに、老婆は楽しそうに笑った。 この命が繋がったということは、きっと星に課せられた使命はまだ残されているのだろう。 ならば、先が短くとも使命のために命燃え尽きるまで我武者羅に生きるのみ。
星が満ちる、その時まで──────**]
(43) sunao 2019/04/22(Mon) 01時半頃
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