3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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……貴女の待つ「せんせ」、は来ないのかもしれません。
ですが、もしこの事態がわかったのなら、来たのでしょう。
[少女へ向けて。
あの国語教師がどれほどの教師であるのか知らない。
けれど今まで慕っていた教師であるなら、助けに来ないはずがない。
例え少女に対し特別な思いがなかったとしても、彼が「教師」であったのなら。
否、「人」であったのなら]
この手が届かないことが、恨めしいと、思います。
貴女がしたことは許されることではない。
ですが、万が一にでも助けられるのなら、その心だけでも。
[けれども少女は助かる事無く]
……――。
[ただ苦い思いを闇の中に含ませただけ]
けいと
[深淵で鳶色の目を開ける。
ごろりと闇に身を沈めたまま呟くのは]
|
−生徒会室⇒小ホール− [夕闇 から 深淵の闇 に落ちる。 夜 長い長い 夜。絶望と 苦痛の夜。 過去 居ないはずの過去が消えて また夜に戻ったことに。 一度だけ、眉を寄せて、目を閉じる。けれど。]
……静かになったな?
[>>239睨むミッシェルを 闇の中でも尚その闇は 昏く。 彼女にも、横たわる 屍 にも愉悦を浮かべる。]
もう直ぐ、同じ所へいける。 聞こえるだろ、声
さみしい くるしい、 おいで、って、さ。
[死人 の 屍 の だれか の こえ。]
(250) 2010/03/07(Sun) 23時半頃
|
[現代へと戻るあちらの景色。
聞こえてくる音。
闇の中]
――…。
[視線を落とす。震えることのない自分の裡]
[哂い声。
ふと思う。
あの二人の教師は、いまはどうしているのだろうかと。
思うだけで問うことはなかったけれど。
それだけは、心に疑問として浮かんだ]
[光が消えた。綺麗な生の気配が消えた]
[今まであったのは幻。過去の光。ただ、それだけ]
[そんなことは分かっているのに]
………ない。ここには何も無い。
『来るな』(おいで)
『やってしまえ』(やめとけよ)
[闇に溶けかけた魂がかすかに蠢く。
綺麗なものが、たった一つでもこの死後の世界にあればいい。
それだけを頼りに、闇へと対抗している**]
[ピアノを、――嫌になった。
才能などないからなのか
あの子が生まれたからなのか
元々好きではなかったのか
全ての思いが消えて
ピアノを弾いた時の音。それは]
……そか、夢じゃないよね。
あっはは何を期待してるんだか
[鳶色の眸を開くたびに思ったそれは
“夢物語”でしかないのだ。]
[溢れた悲しみは、抱えてきた心の闇で]
[離れていた指先を再び鍵盤へ向けたのは]
[彼の音に惹かれたからか]
ですから私はもっと、あの音を聴きたかった。
[聴きたくないのは本当。聴きたいのも、本当。
忘れてしまいたい(忘れたくない)]
|
−小ホール− [異形の、蠢く、音、声、それが耳に心地よい。 下りた 闇、落ちた 闇。交わって、合わさる。 >>253言葉に、僅かに人として残った部分、右眼でわらう。わらう。]
それはそれは、殊勝なことで。 ついでに大人しく殺されてくれたら、もっと嬉しいんだがね。
[あの子みたいに、と。]
ま、大人しくしてなって。 目の前で、誰かが殺されるの 見てな よ。
(259) 2010/03/07(Sun) 23時半頃
|
…メアリー。
[金色を染めた冷たい闇は、赤く染めた絆の糸へと染みていく。]
こっちへ、くるかい?
[闇が戻ると掴かもうとした大地色のビー玉は消えて何もない]
壊れたモノは還らない。
[立ちつくす男
空虚な声]
|
護るって 言ったやつ は 殺 された。
[お前らに。]
お互い 様 な。
(260) 2010/03/08(Mon) 00時頃
|
[侵蝕してくる闇。
それに抗うのは
最後に抱いた思いを忘れたくないからだろう]
…ル。
[その名を呼ぶ声は小さく掠れた]
[闇の中 緋色の哂い声のする方へと 蒼い蝶は羽ばたいた]
[闇は冷たいのか、温かいのか。
横たわった身体を闇色が包んでいく。
どろり、と手が沈んだ。]
……行きたい
[赤い糸の先は、どこか。
聞こえた声に笑った。]
過去は変わらない。
元通りになんかならない。
たとえ、本当に夜明けが来ても、
犯した罪が消えることも、
壊れたものが直ることも無いね。
[浮かべるは、哀しげな笑み。]
扉が閉じてしまう
暗い、怖い ひとりは嫌
おいていくの?
あたし---い子だから?
[一瞬闇に囚われて]
サイモン?!
[どこかから聞こえてくる知らない男がサイモンの声に聞こえる]
『こんなに君のこと、想っているのに。
君に傍にいてほしかったのに。
僕を一番だと想ってほしかったのに』
[塞いでいた耳に流れ込む闇の声]
『…のために みんなを おくってあげないとね。』
ちがう、 ちがう あたし そんな事望んでいない
[手の中のビー玉は徐々暖かみを失いつつも
ケイトの冷たさを温める]
[闇の中 蒼い蝶は緋色の少女を見つける
そっと差し伸べられた手の周りを しばしの間 ひらひらと舞い
やがて 指先に止まった]
だから、おいで。
[抱き寄せる。
闇の中へと引きずり込むように。]
もう戻れぬなら、墜ちるところまで堕ちて行こう。
[鳶色の髪が溶ける。
ひらひらと飛んでいった蒼い蝶が鮮やかに飛んでいく。
闇に、ディーンに抱き寄せられ
小さく頷いた。]
行きたいよ、……生きたかったよ。
貴方と、ディーさんと
[見上げれば葡萄色はまだそこにあるだろうか。
双眸でそれを愛おしく見上げて]
|
−小ホール− [>>263返って来るミッシェルの言葉、肩を竦めて息を吐く。]
御転婆娘だな。
[御転婆のように思えた少女の方が余程大人しく死んだ。 うっかり手を出すと言う言葉に、闇 が蠢いて彼女の手を掴む。 それは 人 の左腕の形。]
大人しく見てなって、……顔色悪いよ?
[にたり、嗤って。邪魔はさせないと、阻む。けれど、気付いて、居ない。 >>257担任教師の彼女の、蜘蛛越しに立つ姿が、無防備なことを。]
そ?
[最初から、全滅するしか。 こちらには確約された 死 があったけれど。]
ま、仕方ねーやな。
(271) 2010/03/08(Mon) 00時半頃
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嗚呼、君と…ともに生きて行けたら…。
[叶う事のなかった願い。思う程に痛む胸。
伏せた葡萄色の瞳が揺れる。]
|
−小ホール− [>>276腕の軋みは 闇 を通して伝わる。 千切ってやろうか、と思いながら。 負けるといわれれば、口元を歪めるだけ。]
この…… もう少し大人しくしてろ!
[落ちたナイフを蹴り飛ばすのに 彼女を掴んだ手の 闇 が強まる。 振り向いて見えたのは ―― >>278ナイフは足元を滑って行ったか、黒髪の少女は譜面台を振り上げて。]
…… センセ!!!
[呼ぶ けれど。 少女に気取られた 彼女 の 今は背面から >>279オスカーが見え ミッシェルを掴んでいたのとは違う、腕 止まっていた 闇 の鳥を彼へ向けて――]*
(283) 2010/03/08(Mon) 00時半頃
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あは、やっだ……ちょっと泣けてくる。
ごめん。ディーさんといられれば私は
[決めるのはあなた。
かつての友人は、己に向けてそう言った。
決めたのは、私。
伏せられた葡萄色にそっと手を伸ばす。
僅かに闇色に染まった指先は頬を滑る。]
大丈夫だよ、一緒だもの。
[闇を微かに蹴って、ディーンの唇に己の唇を添わせた。]
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