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あんたは―――まさか
[ムパムピス。思い出したのは随分久しい名だ。
かつてその力強き騎士を先輩として敬ったものだが
ある時突然騎士の座を退き、僧の道に入ったと聞いた]
……そうだね。
[弱々しく頷く。自分か忠誠を誓った者などもういない]
私は、騎士なんかじゃないさ。
[在るのは女として身を灼くような怨恨だけ。]
[死ぬかもしれない
いや、死ぬだろう
そう思った時に…考えたのは
魂の抜けてしまった体でも
誰の手にも渡したくはない、と
意固地にも似た感情
ただ それだけ]
[神は、慈悲深く寛容だ。
だけどそれは正しき行いをする者に対してだけの事。
慈悲深い顔の裏で己の教えに逆らうものには、
世界を海に沈めてしまうほどに苛烈な制裁を施すのだ。
魔に堕ちた自分には、
神のの慈悲は一片たりとも与えられる事はない。
ただこうして、
人々が天に召されているのを、薄暗い場所から見上げる事しか、出来ない]
どうしてこうなってしまったんだろう。
なにを間違ってしまったんだろう。
[自分の手を見降ろし、呟く。
苦しみも悲しみも乖離した世界においてなお、
後悔だけは今も胸に残る。
もし道を違えた場所が判るのなら、
その場所へと戻りたいと思うくらいに]
[誰の手にもわたらぬように
肉を噛み
舌を食み
骨までもしゃぶりつくしたかった
そんな自分は…きっと知らぬ間に
化け物になっていたんだろう]
俺が今、見えるのは、既に狂った国だ。
盲いた王子が、得体の知れない国の女に惚れこんだ事から、狂い始めたか。
[興味のなかった結婚式。けれども謎の小国の存在は噂レベルでは聞いていた。知る限り、何もわからない国。王達はそれを畏れとしなかったのだろうか。見える範囲の事で納得してしまったのか。魔の力に当てられたのか。どうだとしても一生、知る由もないだろう]
なんだ、ラルフ王子。
君も、俺と同類か。
[王子の躯が収められた棺を見た。寝室で殺された王夫妻を見た。女の指示のまま、白い布に被せられたピッパが運ばれていくのも見たか]
全く、情けない。
国よりも一足先に狂ってしまって申し訳ない。
[嘗ての私服。黄色と白の派手な衣服のまま、壊れていく城内を眺める。虫に塗れた料理人達。グロテスクな子供を産み続ける女使用人。触手と融合した王国騎士。目の焦点を失って徘徊する生餌達。彼らはまだ終われていない。気の毒な事だ]
[女のすべてを喰らってしまえば
永遠に一つになって
満ち足りる
―其のはずだったのに
何故だろう、
いつでもいつまでも、
満たされることはなく
まだ 苦しい
苦しくて苦しくて
堪らない
溜まらない]
[一人は、寂しい。
だけど師であるパピヨンの傍にいる事は、憚られた。
あの人の肩に乗せてしまった「弟子殺し」の荷物を、
これ以上重くするわけにはいかない。
友だと言ってくれたピッパの元にも行けない。
自分は彼女を殺した男と近しいものだ。
彼女に蔑みの目で見られたら……。
そう思うと傍に気配を感じても近づく事は出来なかった]
きっと世界は寒いだろう。
人は震え続けるだろう。
[城下に目を向ける。教会に集まっていた下級モンスター達、奴らと同程度の化け物が撒き散らかされた。広大な国土全てを犯されるまでには時は早いが、食い散らかされている速度は、緩くはない。心臓である王都が壊れている。ならば手足は機能はしない。偶々か英雄の匙加減での運不運しかないだろう]
ああ、槍か剣が欲しいな。
手が寂しくて仕方がない。
[両手の平を開いたり閉じたりを繰り返す。寒い時、行軍中に咄嗟の行動が常にとれるようにと、植えつけられた習性。見ている此処に、此処にいる...に暑さ寒さはない。それでも目下の景色を見れば、寒さだけを感じる]
門を固く閉じ、部屋の片隅で震える人よ。
心を閉ざし、己を苛む全ての人よ。
人を愛せ。
汝の隣人を愛せ。
[届かせる気はない言葉。届いていたとしても、特に気にすることもなかったが]
つむじ風に吹かれて、
消える程度の温もりも、
繋いでいる間は暖かい――くっ。
[だから行ける場所は限られていた。
ゆらりと舞う、透けた身体。
三階の豪奢な部屋の中で、
真っ赤に染まった側仕えの女に微笑む女の傍に身を寄せた。
薄い膜に遮られるているかのように、
王女に触れることは叶わない。
それでも――]
もう、あなただけなんだ。
あなたの言葉だけなんだ。
あなたにとっては戯れの言葉にすぎない事は判ってる。
それでも今の私は、あなたの言葉にすがる事しかできない。
【人】 鳥使い フィリップ―回想:貴賓室にて― (167) 2013/02/24(Sun) 01時半頃 |
【人】 鳥使い フィリップ[昂りが落ちつけば、菊門から雄を抜きだす。 (168) 2013/02/24(Sun) 01時半頃 |
はは、あはは。
だーから俺は神を信じない。
[信じる事を許すのは、自分が信じた人だけだ]
此処にいる人間よ。人間ならざる生き物よ。
誰でもいい。何でもいい。
此処をどうにかしてくれ。
此処にいると、自分が神様になったみたいで堪らない。
[前髪を片手でかきあげながら、失笑を続ける。望む限り、国の全てを眺めていられるこの場所で、困ったように口元を曲げる]
なあ、俺がおかしいのか?
祈る者、助けを求める者を、ただ見る。
見るだけの立場。
まさに神様の席だろ、此処は。
俺はそんなの求めちゃいない。
俺は、そこまで傲慢ではない。
ただの、人殺しだ。
それ以上の何者でもない。
[顔面を隠すように、片手で覆う。涙一つ出ない*]
愛してるってもう一度言ってよ。
可愛いって。
[自分じゃない他の女を見ている彼の人へ、
届くはずのない言葉を紡ぐ。
言ってくれたら、もう他に何もいらないから。
あなたの言いつけを守って、
あなただけを見つめるいい子になるから――]
もう一度だけ、
愛してるって、ねえ――……。**
メモを貼った。
メモを貼った。
[防腐処理をして、自分の身体を綺麗にしてくれるパピヨンには
"ありがとう" ――届かない言葉を小さく紡ぐ
が]
何笑ってるんだ。
[いつもの軽口の体で思わず問いかけていた。
それも届かないとわかっていても。]
【人】 鳥使い フィリップ おや、大丈夫ですか? (190) 2013/02/24(Sun) 03時半頃 |
[苦笑する王女の傍に、そっと降り立った。
触れられぬとしても、
ただ寄り添うように傍に]
……………。
[こうして傍にいる事しかできない自分が、
彼女にとってはつまらない、取るに足らない存在なのはわかっている。
それでも―――…]
傍に、いるから。
私は、あなたの傍に。ずっと……。
メモを貼った。
メモを貼った。
【人】 鳥使い フィリップ[部屋へ入れば、一度ソファへとコリーンを導いただろう。 (195) 2013/02/24(Sun) 04時頃 |
【人】 鳥使い フィリップ そう……ですか。 (205) 2013/02/24(Sun) 04時半頃 |
パピヨンは、何を……してる、んだ?
[自分の死体から採取する胚が、
水槽に移るのを見て、不思議そうな顔。
死んだ、という諦観からか
いつもの調子が戻ってきたものの
―――仮にその胚が、芽吹き、形作るなら]
……―――
[それは歪な心を持った、不完全な人間が、生まれることだろう]
【人】 鳥使い フィリップ―研究室― (213) 2013/02/24(Sun) 05時頃 |
【人】 鳥使い フィリップ[それを聞いた錬金術師様は声を高く嗤っただろうか] (214) 2013/02/24(Sun) 05時半頃 |
【人】 鳥使い フィリップ あくまで、抵抗されるのですね? (215) 2013/02/24(Sun) 05時半頃 |
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