167 あの、春の日
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-校舎・廊下-
…、…、
[俯いて、小犬を抱いて、目立たないようにエルゴットは歩く。 先刻のフィリップのように盾になってくれるひとは居ない。
寮生は減ったといっても、校舎は部活動などで登校してきている生徒がちらほら見受けられた。 一度、寮の自室に戻ろうかとも考えたが、彼女の足はなぜか引退した部室へと向かっていた。
道中、誰かと話をするようなことはあっただろうか。]
(52) 2014/03/05(Wed) 20時頃
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-美術室-
(どうか誰も居ませんように――――)
[そーっと音を立てないように扉を開けて、エルゴットは中を覗きこむ。 傍から見たら完全に不審者であるが。]
良かった…
[一通り確認して、ほっと胸を撫で下ろせば中に入り。 大人しくしててね、と抱いていた小犬を下ろした。]
…、…、
[静寂の教室。 白いレースカーテンが揺れている。 少しだけ開け放たれた窓から、運動部の生徒達の掛け声が遠く聞こえる。
エルゴットは傷が付けられた長机に手を滑らせるようにしながら、イーゼル群へと進む。 未完成のままの自分のキャンパスを通り過ぎ、立ち止まるのは後輩の作品の前。]
(53) 2014/03/05(Wed) 20時半頃
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…優しい色…
[初めて見た時から変わらない、その"視線"をエルゴットはじっと見つめる。
彼の絵は、壊れて埋もれそうな僅かな色も掬いあげる繊細さと、世界中の色を温かい眼差しで見つめているような、そんな優しさが感じられて。 見ているだけで、陽だまりの中に居るような温もりがして、赦されているようで。]
…
[ぽたり、大きな雫が床を弾く。]
(54) 2014/03/05(Wed) 20時半頃
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あ、あれ…
[滲んだ床に、泣いている自分に驚いて。 馬鹿みたい、と独りごち、涙を拭う。]
(もう、ここには来ないでおこうと思っていたのに。 私、どうして―――…)
[そんな疑問が頭に浮かんだが、近く何かと戯れている小犬に気付き、霧散した。]
それ…、
[何やら夢中になっている小犬を覗きこめば、それは誰かの生徒手帳のようで。]
―――っ!
[慌てて取り上げてみたが、なかなかどうして悲惨な状態のそれにエルゴットは言葉を失った。]
(59) 2014/03/05(Wed) 20時半頃
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どこにあったの、これ…
[傷だらけの生徒手帳を開けば、裏表紙。 入っていた身分証明書にエルゴットは再び、言葉を失って。]
どこに…
[そんなことは今となっては些細なことなのだけれど、呟かずには居られず。 ふと端に書かれた絵に気付いて、手帳をぱらぱらと捲れば動きだすそれに、つい笑みが零れてしまい、ハッとして。]
どうしよう――…
[途方に暮れた。]
(66) 2014/03/05(Wed) 21時頃
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《わんっ》
[くりっとした瞳をこちらに向けて、尻尾を振る小犬。 無邪気で純粋なその様子に癒されつつ、生徒手帳は一旦ハンカチに包んでポケットに仕舞い、エルゴットは美術室を出ることにする。
自分のキャンパスを一瞥すれば、後で処分しようと心に決めて。]
(73) 2014/03/05(Wed) 21時半頃
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―寮・自室―
ジリヤさん、居ますか…?
[自室なのにノックをし、小さな声を掛ける。>>86 理由はひとつ、小犬を連れているからだ。]
(90) 2014/03/05(Wed) 22時半頃
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…うん。 いきなりごめんなさい…
[扉を開けたジリヤが小犬に目を丸くするのに謝罪をして。>>103 頬を緩めるのが見えれば、きゅっと勇気を振り絞る。]
退寮まで、この子とここに…その、 一緒に居させて頂けませんでしょうか?
新しい飼い主も――、…
……っ
[心の目を瞑る。]
…、出来れば…、 退寮までに探してあげたくて…
(109) 2014/03/05(Wed) 23時半頃
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ありがとう…ございます…
[優しくも玲瓏なジリヤの声に、顔をあげる。>>113 一切エルゴットを責めたりせず、微笑んでくれる彼女。 顔を覆う髪を耳にかけられれば、ありがと…、と俯いた。]
[この3年間、エルゴットはジリヤに少なからず守られていた。 実際、他人に怯え俯きがちな彼女をよく思わない生徒は沢山居て。 そんな中、エルゴットに向けられる、負の視線を物ともせず、ずっと変わらず接して来てくれたジリヤはエルゴットにとってもかけがえのない存在だった。 けれど、劣等感の塊であるエルゴットには、ジリヤが大切であればある程、嫌われるのが怖くて、敬語じゃなくていいと何度言われても、治すことが出来なかったのだ。]
[自身が小犬を飼わないのか、と尋ねられれば、胸で眠る白を震えるように伏し目がちに見つめ。]
うん……、私は、駄目なの… 許してもらえない…
[消え入りそうな声で応える。
来月から、留学が決まっては居るが、ここのように寮ではなく、執事がつくことになっている。 それは言い変えれば監視であり、体裁ばかりを重んじる世界で捨て犬を飼うことなど認められる訳がなかった。]
(133) 2014/03/06(Thu) 00時頃
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ごめんなさい…
[ジリヤの声音が弱くなったことに気付けば、エルゴットはまた謝罪して。 夢現だった胸の小犬が顔を上げれば、手を伸ばすジリヤに抵抗することなく撫でられ。 初めて、その名前を聞かれれば。]
ノア…
[少し恥ずかしそうに付けた名前をジリヤに教えた。*]
(152) 2014/03/06(Thu) 01時半頃
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-寮・自室-
[よろしくね、とジリヤが小犬を撫でる。 柔らかく微笑む彼女にエルゴットも遠慮がちながらも微笑を返して。
その後、眠かったらしい彼女がベッドに沈めば、その隣、自分のベッドに未だうとうとしている小犬を寝かせれば、殆どの荷物が纏められ、閑散とした自分の机、エルゴットはこそこそと何かを探し始めるのだった。*]
(172) 2014/03/06(Thu) 14時半頃
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-そうして、少し時間が流れ-
…え?
[ハルカがやって来たのはジリヤが仮眠を始めてから、どれくらい経った後のことだったろうか。 彼女の道場破りのような掛け声に目を丸くしつつも、エルゴットは扉を開ける。 足元では目覚めた小犬が尻尾を揺らしつつ、物欲しそうにハルカを見つめていたことだろう。]
ハルカさん…、 どうかされました――――、…え?
[自分の姿を認めれば、ハルカは良かったと真面目な顔で、何も言わずに愛を受け取れと言う。 エルゴットは訳が解らず目を白黒させつつ、差し出されたものに視線を向ける。]
(173) 2014/03/06(Thu) 14時半頃
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これが…? しま…?
[ジリヤの存在に下打つハルカにきょとりとしつつも、彼女がジリヤに告げる「僕はエルゴットへの愛しか持ち合わせていない」にエルゴットは激しく混乱するが、ハルカはそんなことはお構いなし、言うだけ言って嵐のように去っていってしまった。]
――…
[封筒を手にジリヤに視線を送る。]
………愛ってこれ、みたいです…
[困ったようにして。 ジリヤが拒まなければ、一緒に中を確認しようとしただろう。**]
(174) 2014/03/06(Thu) 14時半頃
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-校庭-
―――――…綺麗…
[さわさわと流れる風が髪を撫でる。 夕暮れの空。 黒髪を亜麻色に照らす青と朱のグラデーションをエルゴットは見上げる。
ハルカからの愛の詳細を確かめた後、彼女は小犬を連れてここに来たようだ。]
(175) 2014/03/06(Thu) 15時頃
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[絵が、好きだった。
幼少時、覚えなければならない沢山の中、部屋の窓から見えた空を描いたのが一番最初。 世話係は、そんなことをする暇があるのならと、画用紙に描かれた一面の青をその場で破り捨てた。
それでも止められなくて、隠れてノートに描いていた。 この学校に通わせて貰えることになって、初めて自由に絵が描けるようになった。 3年間の社会勉強という名の執行猶予。
怖かった。 他人が、視線が、光が、明るい声が。 失うものなんて何もなかったけれど。
ただ、絵を描いている時だけは、その時だけは前を向いていられた。 見たい景色を、見たかった景色を、素直に見ることが出来た。 他人も、視線も、光も、明るい声も、人の温かさも。]
(176) 2014/03/06(Thu) 15時頃
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[写真部のルーカスがエルゴットの絵を見せて欲しいと言ってきたのはいつだっただろうか。>>91
成績は優秀でもジリヤと違い存在感が薄く、他人と積極的に関ろうとしないエルゴットは彼のその申し出に心底驚いた。 声も出せずに頷いて、おずおずとその時描いていた夕焼けの空のグラデーションを見せる。 隣で自分の絵を眺めるルーカスをじっと見つめるエルゴット。 気の利いた言葉は紡げなくても、振り向いた彼の一言はきっと。 普段笑顔を見せない彼女を心から嬉しそうに微笑ませるには十分なものだっただろう。**]
(177) 2014/03/06(Thu) 15時頃
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[蒼が藍に、藍が紫紺に、そして夜―――全てが黒に塗り潰される。 けれど、真昼の輝きは、澄んだ青に溶けていた白月が代わり、星々と共に失くした道を照らして―――。
今日という日の、その移り変わりを、エルゴットはその瞳の中に切り取るようにじっと眺めて。]
…鍋、始まったかな…
[小さく、呟く。
ハルカの、雑炊なら犬"も"という言葉。>>200 連れて行っても大丈夫、という意味だったのだろうか。 ジリヤも部屋まで持っていこうか、と提案してくれた。>>205 それでも、朝のこともあって躊躇してしまって、大丈夫です、なんて口にしてしまったのだけれど。 それは返って、ジリヤの心の負担にしてしまったかもしれない。 心優しい彼女のこと。 例えエルゴットが断っても、きっと持ってきてくれるつもりなのだろう。]
(210) 2014/03/06(Thu) 23時頃
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(ああ、まただ。 また私は、自分のことしか…)
[考えて、落ち込む。 遊び疲れて足元で丸くなっているノアに気付けばそっと抱きあげて、月明かり、寮へと戻る道を歩き出す。]
[行ったほうがほうがいいのかもしれない。 行かないほうがいいのかもしれない。
両極端に揺れる。
わからない。どうしたらいいのか。 どうすれば、誰の負担にもならないように出来るのか。]
[寮に入れば、食堂から漏れ聞こえる灯りと声。]
―――…
[一度立ち止まれば、その場から動くことが出来ず。*]
(222) 2014/03/06(Thu) 23時半頃
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