181 巫蠱ノ匣
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そう。 じゃあ何か特殊な身体のつくりでもしてるのかな?
[くす、と笑いながら銃口を男に向けたまま。 一度、引き金を引く。一発目は外れた。
相手は同じように銃を発砲するだろうか。弾道すれすれで避けながら、相手との間合いを取る。]
まァ、楽しめるなら何でもいいか。
[間合いを取りながら── ・・・は、接近するタイミングを見計らっていた。]
(13) 2014/06/26(Thu) 07時半頃
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― 2階:広間 ―
[ふと気が付くとそこに立っていた。
自分の身体を見ると透けているような気がして。]
……ああ、俺は死んだのか。
[呟くを視線を更に下へと降ろした。
倒れている遺体は自分だ。
肩からばっさりと鉈で切られ、太腿には銃痕があり床には血溜りが出来ている。
それを認識した瞬間、半透明な現在の身体に同じ傷が作り上げられていく。
痛みはない。
しかし傷口から血がだらだと溢れて床を汚していく。
止まる事のない出血、しかし今ならどれだけ血を流しても死ぬ事はない。]
…あんた、千秋サンだっけ。
ずっと見てたんだ?
[視線をすっとずらせば凄惨な姿をした自分と同じような存在がそこにあった。
生きていない事は分かる。
右腕は欠損しているし、顔はぐちゃぐちゃだし。
あれと比べれば自分は案外綺麗に死んだものだとすら思った。]
なあ、見てたんなら分かるよなぁ。
アイツさぁ、化けもんだと思わねぇ?
俺、2回は弾当ててんのにさ、なんで倒れねぇんだよ。
[たった一発で痛みに蹲った己が弱すぎるのだろうけども。
銃弾とボウガンの攻撃に曝されても平気な顔をしているアイツは。
きっと化けものに違いないと苦笑を漏らした。]
……うわぁ、痛そ。
[攻撃を受けながらも立ち続ける来栖を眺めていたら、いつの間にかそこには、また別の存在があって>>-1。
声を受けて、流れ続け、床を汚す血>>-0に、言葉をこぼす。
問いかけには、曖昧に笑って、再び視線を生きる二人へ。]
見てたよ。アンタ、あんまりあっさり死ぬからさ。
[ちゃんとしろよなぁと、子どものように無責任な揶揄を飛ばす。
来栖の話題になれば、顔を顰めて。]
……あの変態だろ。イタイのさえ楽しんでんじゃねーの。
でもさ、キチガイばっかだろ、ここ。
もっと化け物みてーな女もいたって。
[自らの腕を齧る姿を思い出し、自嘲気味に笑う。]
[また響く銃声に、視線を動かしながら、ふと、戦闘を続ける男を化け物と呼んだ死者を見やる。]
アンタは、割とまともそうなのにな。
……だから死んだのか。
[まじまじと血まみれの男の顔を見て、顔の左半分をくしゃりと歪め、笑った。*]
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君にそう言ってもらえるとは、感激だねェ 君も随分と、丈夫そうだし!
[放たれた銃弾>>14を腹部のすれすれで避けながら。牽制の意味も合わせて銃口を男に向けたまま動きを見て、同様に動く。]
いいねェ、楽しいダンスを踊ろうよ あんたと俺なら、いい踊りが踊れそうだ
[楽しげにそう言いながら、相手の様子を見ていた時に、聞こえてきた女の声>>0。男の意識がそちらに向いたように見えた。]
(今だ──!)
[ボウガンの矢に伸ばされた手を狙い、2発目の弾丸を打ち込む。それは男に命中しただろうか。]
(15) 2014/06/26(Thu) 16時頃
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痛そうってならあんただって相当だけどなぁ。
[ふらりと動けば流れた血が床を汚していく。
それでも痛みは感じない、死んでるからだろう。]
あっさりとか言うなよ。
俺は普通の人間なんだ、そう簡単に人殺しなんか出来るわけねぇだろ。
[それでも銃弾を叩き込んだのだから褒めてほしいくらいだ。]
…俺がまとも?
どうだろうな、普通の人間をここに呼びだしたりしねぇだろ。
[ふと脳裏を過るのは手紙に書かれていた”秘密”
他の連中がどういう理由でここにいるのかは分からない。
でも、きっと似たような理由で集められたに違いないと思っている。]
きっとさぁ、アイツの秘密はサイボーグって事なんだ。
そうじゃなきゃおかしいよ、なんでアイツ普通に動いてんだよ。
[アイツ、と顎で来栖を指す。
痛みに鈍感なのか、当たり所がよかったのか。
自分よりも攻撃を食らっているはずなのに立っているあたり相当人間離れしている。
そう思わないと、あまりに自分が軟弱すぎて泣けてくるし。
アイツが人間離れしてるんだ、そう思う事にした。]
そりゃ、痛かったっつーの。
腕切り落とされてもさ、腹に銃弾打ち込まれても死ねねーとか、聞いてねーし。
やっぱりアンタはあっさり死んだよ。
[反撃もできなかった自分のことは棚に上げて、ケラケラと笑う。
こんな風に死ぬなら、相討ちでも、膠着状態になった時に【手段】を使うんだったーーなんて、実際自分にはできやしないことには、きっと気付くことはない。]
へぇ、アンタもまともじゃねーんただ。
[俺はまともだぜ、と悪びれもなくことわって。]
だけどさ、この状況に、興奮したか?
自分の性癖が満たされるって、×××おっ勃てたワケ?
人が死にかけてんの見て興奮したり、女襲ったり、挙句の果てに、人間を食ってみたりーー
だから、最初から、ここにはさ、捕食者と餌しか用意されてなかったんじゃないかって、思ったんだよね。
[もちろん、俺もお前もタダの餌。憎々しげに笑って、未だ激しい戦いを繰り広げる男たちをだらり、と下がった短い右腕で指し示す。]
だからさ、皆死ねばいいよ。
[そして、男が指した来栖を見て、首を傾げる。]
アイツの秘密?
ーーどーせ、人を殺したコトとかがあるとかじゃねーの。
言ってたぜ。「人を殺すのは久しぶりだ」って。
[残念でした、とへらり、笑って。
秘密、ねえと小さく呟く。自分のソレは、彼らと釣り合うような秘め事だっただろうか。
目の前の、このさほど異常にも見えない男にも、何か秘密があるのか。
ふと湧き上がった好奇心に、ついと血を流し続ける男に近付いて、問う。]
……アンタの【秘密】って、なんだったの。
教えてよ、オニーサン。
…これでも頑張ったのになぁ。
[あっさり死んだと言われれば苦笑するしかない。
あれでも自分なりに精いっぱい抵抗したつもりなのだが。
一般人としては頑張った方だと誰か褒めてくれてもいいくらいだ。]
あんたはまともなのか。
まともなヤツは自分で言わねぇけどな。
[ぺらぺらとよく喋る男だ。
話す内容も不快で思わず眉を寄せるが。]
俺が餌かよ、俺は喰わねぇって言われたんだけどね。
…でも、どうせもう死んでんだし喰いたきゃ喰ってくれてもいいんだけどな。
[死体を弄られるなど嬉しくはない。
それでも駒江になら喰われてやってもいいと思う。]
……そっか、人殺しか。
つまんねぇ秘密だ。
ここじゃ殺すのが当たり前だもんな。
[だからそんな大層な秘密も掠れてしまう。
自分の秘密はそれに比べたらもっと小さく、矮小で。]
ナイショ、あんたが考えてるよりずっとくだらない事だよ。
[虐めをして、あげくに自殺させた。
それは学校側に隠ぺいされて、でも噂は広まって。
だから家族は崩壊して今や絶縁状態だ。
大層な秘密だと思っていたのに、ここでは小さい。
だからと言って気持ちが軽くなる事はない。
自分にとってそれはずっと刺さったまま抜けない棘のように記憶に貼り付いているから。]
[ふと、喰われてもいいと思った相手を脳裏に浮かべ。
今頃どうしているのだろうと気になって。
まだ死んだと報告されてはいないから生きているのだろう。
ゆらり、と身体が揺らめいて。
そのまま姿は消えてどこかへと**]
[男の言葉に、ゲエ、とわざとらしく顔を顰める。
喰いたきゃ喰ってくれても、だなんて]
……ホント、アンタもまともじゃねーな。
[彼等が親しかったことなど知る由もなく。
…にとってはただの化け物女だった彼女の顔を思い出して、またムカムカする。]
……あっそ、つまんないね、オニーサン。
[はぐらかされれば、フンと小さく鼻を鳴らして。
生者の動きに視線をやって、次に振り向いた時、そこに男の姿はなかった。]
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