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でも、同室が辛いなら言ってくれ。
俺はどこかに部屋を借りてくるよ。
[このままでは普段の癖でミイユを抱いて寝かねない。
湖で暴れられたようにされるかもしれないし、
無理強いもしたくはない。
くっついて寝たいのは本音だが]
触られるのも苦手なら、しないようにするし。
[髪に触れて香りを吸い込み、
頬を撫でて身体を抱き締めたい。
あまつさえ自作の紐で飾ったら……
なんていう下心は全て封印だ**]
メモを貼った。
[沈黙の間に襲われるのは、声なき声の言葉の渦。]
(ぼくといたって)
(トレイルのこと心配する。)
(当たり前じゃん。)
(抱き合って、頭を撫でるくらい)
(仲がいいんだ。)
[笑い声から生まれ、気がつけば森の奥に独り。
家族なんていなかったから、わからない。
ジェレミーとトレイルの関係性を、なんとなく知識では把握していても
淡すぎる知識は心まで納得させるには不充分だった。]
(や、だ。)
(今日も、あえたのに。)
(明日も、あいたいのに。)
[こんな仮の同棲みたいなのじゃなくて、いっそ。
そう思えば俯いた顔が、うっすらと眉間にシワを寄せた。]
(無理だ、そんなの。)
[何を自惚れているんだ、と。
たった一度、誘われただけで。
あいたいと、あいたかったと云ってくれただけで。
そんな時に聞こえるのは、何処か少し震えたような声と言葉。(
(───す、き?)
[距離は遠いまま、顔を上げて向けてしまう。
それは、どういう感情なのか。
ミイユは自覚さえしていないのに。]
女の子、じゃ… ……な、 …い。
[きっと勘違いしているんだ。
体を見られていたことも忘れて、呟きが落ちる。
思い出す、遠い昔の些細な出来事。
そのせいで声はどんどんと失われていった。]
(やだ、一緒にいたい。)
(傍にいてほしい。)
(触られるのも、嫌じゃない。)
[そう云いたいのに声は出ず、首を振ることさえも出来なくなって。
指先が冷たくなってくるから。
痛いくらいに、自分の腕を握った。
細い紐に触れていないと、バラバラに壊れてしまいそうで。]
メモを貼った。
ああ、ミユは女の子じゃないね。
それでも触りたいとか傍に居たいって思ったんだ。
あとは、ミユが親しくするのは俺だけでいいとか。
[動物にだって嫉妬する、
ずっとミイユの傍に居て声を聞いていたなんて
羨ましい、俺もそうしたい。
いっそ動物に成れたらいいのに]
もっと色々なミユを隣で見ていたい。
これからはずっと、手の届くところに居てほしい。
だから、ミユが好きだ。
[これでもまだ想いは届かないかな、
ミイユを見つめ返して自信なさげに眉を下げた]
メモを貼った。
──っ、!
[触りたい、傍にいたい、親しくするのは、なんて。
まるで同じような感情を言葉にされて。(
じわと涙が溢れそうになる。
泣くなんてしたくない、でも瞳は逸らしたくない。
きゅっと眉間にシワを寄せた、無表情ではない顔を向ける。
まっすぐ向けた瞳は、滲んでいた。]
き もち…わる ……く、ない?
[昔から大人しい妖精だった。
初めて街に行ったとき、声を掛けられたことがある。
優しくて、王子様のように振る舞う相手だった。
女の子と間違えて声をかけてきたその相手は、ミイユの声を聞いて
男とわかった瞬間、気持ちが悪いと云って離れていった。
ほんの些細なことだ。
けれどミイユから声や表情を奪うには充分だった。
女の子のような顔が気持ち悪かったのか。
顔に似合わない声が気持ち悪かったのか。
なにもわからないままに拒絶された、小さな出来事。
男と知っても、ジェレミーは好きだといってくれる。
どうしよう、どうしよう、胸が痛くて苦しくて張り裂けてしまいそうで。]
す、き。
[滲む瞳のまま、ジェレミーを見つめる。
触れたい。
なのに怖くて、二文字を口にするのが精一杯だ。
距離を縮められずに。
けれど唇を動かした言葉は、自然と。
泣きそうで、柔らかな笑顔を見せていた。
もっと笑えと、彼が云ってくれたから**]
メモを貼った。
[
泣かせたい訳ではなかったけれど、
こんな表情まで隠さずに見せてくれるミイユが愛しい]
気持ち悪くない。
ミユが可愛く見えて仕方ないんだ。
[強いコンプレックスを抱えているのは解る、
自分も見た目通り軽いとよく言われてきたから。
最近では半ば軽く振る舞ってすらいた]
[感情が高まる、というのを初めて体感した。
今すぐ空に飛び上がりたくなるほどに歓喜をもたらす]
ミユもすき?
良かった、ドキドキして少し怖かった。
[
真っ黒の中にきらきらした色が反射してとても綺麗だ。
浮かぶ笑顔は、今まで見たどんな表情よりも心を鷲掴みにした]
もうちょっと近づいてもいいか。
できれば触れられるくらい近く。
[いきなり抱きしめたらまた驚かせてしまうだろうし、
此処は一歩づつ歩み寄ってみるつもりで。
男であることなんて問題ないという証明も
すぐに見たら筒抜けになるだろう。
それぐらい今は嬉しさを隠し切れない表情をしていた**]
メモを貼った。
[浮かんだままの涙は言葉に一、二粒落ちる。(
気持ち悪くないと、云ってくれた。
こんな自分を、気持ち悪くないと。]
っ ──!
[床をぱたぱたと濡らして、瞳はそれでもそらさない。
ただ一人、たった一人を見つめ。]
……す、き。
昨日、あった ばっかり──なのに
[触れられるくらい近く、と云われて。(
首を横に振れるわけがない、自分から近づくこともできない。
じっと見つめて、きらきらと光る黒い瞳を向けて。
ほんの少しだけ、手を伸ばした。
触れたい。
傍に、いたい。]
[
そっと頬に触れて、指先で雫をすくい取った]
こうやって触ったり、他にも……
色々とね。
[するよ、と小さく付け加えて伸びてくる手を取る。
そのまま腕の中へ迎えようと軽く引き寄せた]
[延びてきた指先が頬に触れる。
涙の粒を掬い上げて、肌を撫ぜていく。(
触れあえばびくりとするけれど、逃げはしない。]
っ、ぁ
[他にも、するよと告げられて。
逃げ出したいくらい恥ずかしい、暴れだしてしまいそうなのに。
伸ばした手は掴まれて、引き寄せられた。
そのまま、きゅぅっと抱き付く。
恥ずかしくて顔はあげられない。]
――やっと捕まえた。
今日は暴れないでくれよ。
[顔は見えないけれど仕方ない、
抱きしめられるだけでも随分な進歩だと思う。
ついでにちらりと見える耳に唇を落とした]
ちょっと位慣れて欲しいし。
[だいぶ荒療治ではあるが、
ただの紳士ではないことも知っておいてもらいたい]
───、っ
[暴れだしたいけど、暴れないでくれと云われてしまった。(
先に釘を刺されては、何も出来ないし。
そんなことよりも心臓がばくばくとうるさくて。
囁く声に更にぎゅうと身を寄せて。
おかしくなってしまうような感覚を堪えようとする。
なのに、耳に落ちる感触は…。]
……、っ…!
[触れられた耳先は真っ赤に染まり、腕の中で体はプルプルと震えて。
優しいだけの王子様じゃないジェレミーの服を。
小さく噛み締めて、声を出さないようにした。]
[小動物の雛を手の中に閉じこめたら、こんなだろうか]
本当に嫌なら、ちゃんと教えて欲しい。
でも恥ずかしいだけなら、やめないから。
[とは言いつつもだいぶ手加減はしているのだ、これでも。
腕の中で震えるミイユの背中を撫でたり、
さらさらの髪を指で梳いたり、
今日は濡れていないから触りたいだけ触る]
(もっとすごい事したいなんて言ったら)
(ミユ倒れるんじゃないか?)
[やはり段階を踏んで慣れてもらうしか、
方法は無さそうだった]
や……っ!!
(だったら、殴ってる!)
(ばか…!!)
[思わず声を出してしまって、それが拒絶にとられただろうか。
背中を撫でる手が、髪を梳く指が、離れてしまうだろうか。
今のは拒絶ではないんだと、背中に手を回して体を寄せる。
もっとなんて考えもつかないから。
そんなときが来たら、卒倒してしまいかねないが。
いまはまだ、抱き合う体温を離したくも離されたくもなくて。
潤む黒い宝石を、ジェレミーの方へ向けて見つめた**]
メモを貼った。
[や?
ミイユが逃げる様子はなくむしろ距離は縮まる。
抱きつかれているということは、反射的に出た声だろう]
いいんだ。
[ぎゅうと抱きしめると見つめる黒い宝石、
潤んできらきらしているから、覗きこむと顔はとても近づいて。
ごく自然に軽く、唇を重ね合わせていた**]
メモを貼った。
[目と目が、瞳が重なる。
縮めた距離、二人の間にあるのは高鳴る胸の音ひとつ、ふたつ。]
(す、き。)
(ジェレミー、すきだよ。)
[なにがいいのか、わからないけれど。
微かに小さく、こくと頷く。
彼の瞳の色をきちんと見るよりも前に、瞼はきゅうっと閉じてしまっていた。
顔が近づいてくるから、息まで止まって。
唇が触れあう。
初めてのことに、体はぴくんと跳ねる。
唇が離れれば自然と瞼が動き、ジェレミーをまた黒い瞳の中に映す。]
────っ、!
[途端に真っ赤になって、思いきり顔を逸らした。
弱い力でぺちぺちと胸元を何度も叩く。]
メモを貼った。
[
ミイユが真っ赤になって小さく暴れだした。
痛くないから只の意思表示、にしても可愛すぎる]
嫌じゃないんだろ。
[手を捕まえて指先にも唇を押し付けるだけのキス。
構い倒したら逃げられてしまうだろうか、
それでも追いかけてまた捕まえるのだけど]
メモを貼った。
──、─…!
[嫌じゃない、でも恥ずかしくて爆発してしまいそうだ。
伝えるために胸をぺちぺちと叩いたのに
その手まで連れ去られて、意地悪な王子様の口付けを受ける。
指先に触れられただけなのに、肩が竦まった。
恥ずかしすぎて、泡になって消えてしまいそうだ。]
ば、……かっ
[真っ赤なまま、呟けたのはそのくらい。
嫌じゃないんだろ、なんて、ものすごく意地悪な質問だ**]
[
でもそんな風にされる反応すら愛しくてたまらない、
意地悪くもしたいけれど、沢山愛したいから]
好きは免罪符にはならないけど言わせて。
ミユが好きだから、馬鹿になってしまう。
[これくらいで照れていたらその先は……
ゆっくりと事を進めないと本当に大馬鹿になる。
ミイユを抱きしめ直すと、
肩に額を乗せて今の幸せを堪能しているところ**]
メモを貼った。
[ばかと告げても、叩いても。
拒絶の反応ばかり示すミイユを抱き締めてくるから。(
嬉しいのに、嬉しすぎて素直になれないことがばれているんじゃないだろうか。]
──、ぅ……ん。
[抱き締められるだけでも、充分恥ずかしすぎて暴れてしまいそうなのに。
何度も好きだときいて、心臓ははちきれそうだ。
だからきっとおかしくなってしまったんだ。
肩にのる額、こちらを向いた耳に口付けをしようと近付けて。
結局できないまま、耳元で『うん』ともう一度囁いた**]
メモを貼った。
[
つられるように自分までドキドキしてきて。
耳元に落とされる小さな声にぶわりと体温が上がる。
このまま押し倒してめちゃくちゃにしてしまいたい、
でも少しばかり特殊な性癖まで晒したら
流石に本気で泣かしてしまいそうだから、まだ我慢]
もう一度、するよ?
[今はまだ子供のような触れ合いでミイユを慣らす、
夜までこうやってくっついていたら
そして抱きしめて眠ることが出来たなら
明日はちょっとだけ先へ進めるだろう。
宣言の囁きを落としてから、ちゅっと唇を奪った*]
メモを貼った。
[重なりあう鼓動は歌を重ねたような響き。
自分のものと、もうひとつ聞こえるのはジェレミーのもの。(
どきどき… ──し、てる。
(ぼくだけじゃない…?)
[好きだからばかになるなら。
もしかして、自分もそうなるんだろうか。
我慢していることも知らないまま、また落ちてくる囁きに身を固くした。
子供のような触れ合いも、今までに経験がない。
また唇が重なって、微かに吐息だけが漏れた。]
──も、 や……ぁ
[このままでは心臓がもたない。
顔は真っ赤で、瞳は滲ませたまま。
離れる唇に懇願するように、囁いた。]
メモを貼った。
[
可愛いけれど本当に限界が近そうで、
懇願の声に少しだけ眉を下げ]
わかった、今日はキスだけにしよう。
毎日したら流石に慣れる……筈だし。
[つまり毎日キスする宣言をさらりとしつつ、
とくとくと早い鼓動をさせるミイユを抱き寄せた。
ベッドは一つなので添い寝はすることになるが
そのことはまだ黙っておこう]
[ミイユの声に、目の前の近すぎる表情は眉を下げた。(
悲しませてしまったのかと思うと心苦しくもあったが。
これ以上は本当に倒れてしまうかも知れなくて。]
──あ、り がと
[ごめん、はなんだか違うだろうし。
わがままを聞いてくれてありがとう、と呟いたけれど。 言葉にしてから、なんだかそれも違う気がした。
あまり喋らないからか、言葉は難しい。]
(それは、毎日する…ってことか?)
(キスだけにって、これ以上なにか…するのか?)
[だめだこれ以上考えてはいけない。
抱き締められてしまって、思考回路もショートしてしまったので
そのまま暫く体を預けていた。
ベッドがひとつで添い寝に寝るなんて、勿論まだ知るはずもなく。]
[ミイユはどうやら思考の容量を超えると大人しくなるようだ。
腕の中で静かになった姿を見てなるほどと思いつつ、
この船旅の最中ずっとこの部屋で過ごすからには
ほぼ生活の全てを共にするという事実に
まだ気づいていないのではという不安も感じた。
狭くないとはいえ一人部屋。
食事はルームサービスのようなものがあるらしいが、
他人との生活をしたことが無さそうなミイユは
いろいろな姿を見せることに抵抗もあるのではないだろうか]
(一緒にお風呂、なんて言ったら叩かれそうだし)
[それは将来の夢に、残しておこう]
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