3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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(「せんせ」はいつも 優しくて 平等で)
( これは ちがう 、 はず ) ( サイラス せんせ だ、これは )
(でも そう 思うだけで )
( わかんない )
( あたしに こんなことしてるのは )
( だれ )
(@59) 2010/03/07(Sun) 20時頃
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( だれか 名前を呼んでる ) ( だれ だっけ、 さっき 会ったのに )
―――― ぁ、…
[ サイラスせんせの 手が 身体を這って ] [ そのたびに ぼろぼろと涙しか出なくて ]
( こんなことって好きな人としかしないと思ってた )
( あたし ) ( いやだよ ) (これからどうなるの?)
だれ か、
[ 声を 振り絞る ]
(@60) 2010/03/07(Sun) 20時頃
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[闇の中に、誰かが呟く声がする]
[さびしい]
[さびしい]
[さびしい]
[それは、この事態に自分達を巻き込んだ張本人のものか。
それとも、黒い花に彩られていた少女のものか。
それとも、それとも]
…………下種が。
[目の前で展開される過去の情景。吐き捨てて、目を逸らす]
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…… たすけ て、――――。
[掠れた声を 扉の向こうに向けた。 過去は変えられないことなんて 知らない。 少女に取ってこれが 今 で、先のことも解らない。]
(@61) 2010/03/07(Sun) 20時頃
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文芸部 ケイトは、メモを貼った。
2010/03/07(Sun) 20時頃
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( ―――― いやだ、 やめて )
[少女を襲うのは不快感と 知らない 痛みを伴うもの。 ]
っ、ぐ ぁ、 …やッ っあああ
[ 涙が 止まらない。] [こんなにまで 泣いたこと なんてないくらい 泣いた。]
(@62) 2010/03/07(Sun) 20時頃
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[昔の犯罪者が、注射器を手にする。
そして、それを、彼女に打った]
[隣にいる、ピッパの手を強く握った。縋るように。
震える手で、ただひたすらに]
………………死ねよ………
[知っている。とてもよく知っている。それを使えばどうなるか。
どんな風に壊れていくのか。
最も、彼女はそれまでもたなかったのだろうけれども]
…………でも。
[でも、彼女のことを許す気にもなれない。
同情する気にもなれない]
[だから、ただ目を逸らして闇を見つめる。
闇を見つめて、闇を見つめて、体の一部が徐々に闇に溶け出す。髪の先から、右手の指から、溶け出した闇が闇色のスケッチブックをどろりと染めた]
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[ 用具室の前――― セシルと ドナルドがいるだろう背後に ]
――― 寂しい
―――― 寂しい
さみしい
[黒い花から生まれた キャロライナの姿が 闇色の瞳を左に 輝かせながら あらわれる。]
(@63) 2010/03/07(Sun) 20時半頃
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[拾えないビー玉から目を逸らすと少女の目]
(過去は決して変わらない
だから未来を変えたい)
[今はいない。この体の持ち主は動いていただろうか
残滓が気薄になると、体は原動がなくなった如く止まる。]
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[やみいろを左に宿らせた 堕ちた少女は ゆらりと語る]
―寂しい
どうして、あいつだけ
あんなに優しいキスをくれたのに
[ドナルドを闇から見るように見て、歩み寄りながら]
(@64) 2010/03/07(Sun) 21時頃
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[ 一歩、また 一歩と ]
寂しい どうして、私には 何もないの? 誰もいないの? [ ぽかりとあいた心を 闇が埋め尽くして ]
寂しい 誰か私を求めてよ 私の手を取ってよ
[ ぬらりと 腕を ―――― ドナルドへ伸ばした。]
(@65) 2010/03/07(Sun) 21時頃
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[耳に届くは、かつての友人達の残滓]
……やればいいんだ。
[目をそむけたまま呟いた]
愛なんて、所詮、全てが自己満足で。
正義なんて、所詮、全てがエゴを奇麗事で包んだだけ。
関係の無い他人を落として、殺して、これ以上悪くなんてなりようがない。なら、逆効果だろうと何だろうと。
愛が真実だろうと、偽だろうと。
やればいいんだ。
[口にするたび、魂は崩壊して、闇色の絵の具に変わる]
止まる必要なんてないんだ、本気で信じるならば。
所詮、誰にも他人の痛みなんて分からない。彼女の孤独は、あんたの孤独は、自分だけにしか分からない。
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[闇に囚われた瞳の 少女が歩むたび 黒い足跡が生まれ]
どうして、あいつなの。
[寂しい]
どうして、私じゃないの。
[――寂しい]
[伸ばした腕と手は、ドナルドの首に―――。]
(@66) 2010/03/07(Sun) 21時半頃
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ほしいの
貴方がほしいの
あの口付けが
優しいキスが
私のものになって
私を貴方のものにして
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[―― 寂しい][ キャロライナの 叫びが、 ]
―――!
[セシルが手を払うなら 虚空に誘うような闇色の視線で睨む]
" あんたがいなければ "
[ 繰り返される 呪詛 ]
" ほしいの 貴方がほしいの "
[払われた腕を下ろして ゆらりと ドナルドを見上げる]
" あの口付けが 優しいキスが "
(@67) 2010/03/07(Sun) 22時頃
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" 私のものになって 私を貴方のものにして "
(@68) 2010/03/07(Sun) 22時頃
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文芸部 ケイトは、メモを貼った。
2010/03/07(Sun) 22時半頃
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…「せんせ」?
( いたい ) ( いたい )
( なにも みえない )
っ…「せん せ」
( どこか、わからない )
[不意に こえが 飛び込んだ気がした ] [ ――――― チャールズ じゃない ] ( じゃあ あたしは、 )
( ダレ と、 ? )
(@69) 2010/03/07(Sun) 22時半頃
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( いけない? ) ( あたし 何かしたかな )
[ 思考が 纏まらない ]
( あたし、 なにをしたの )
( あたし )
[ ただ、 迫る恐怖が 解って ]
―――― やめ、て。
嫌、やだぁぁああっ…!
(@70) 2010/03/07(Sun) 22時半頃
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[残滓は消えた己に問う]
(もう少し強ければ―
耐えたならば―
魂がなく残留思念だけでは動けない
終わった過去でも変えられない過去でも動けば―)
還って来い、ヘクター・アナ・ダ・シウヴァよ。
[握れない大地色のビー玉]
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( チャールズ「せんせ」じゃないなら ) ( 憧れてる人じゃないなら )
( 好きな人じゃないなら )
…い、やッ …だ
[ぼろり][涙がこぼれて 必死で 叫ぶ]
―――――― っぐ
[ 急に 苦しくなった ] [ 息が詰まって こえが 、 ]
[ 嗤い声だけが 耳に きこえて ]
(@71) 2010/03/07(Sun) 23時頃
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[ 扉を叩く音に 薄紫を向ける ]
――― ゲホ …ッ
[咳を吐けば酸素が薄れて]
( たすけて )
[ こえに ならず、 ]
( どうして、 あたし ――― )
( ――― あたし、 )
(@72) 2010/03/07(Sun) 23時頃
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( 「 せ ん、 せ」 )
[蛍光灯の下 サイラスが拾ったビー玉の色だけ ぼんやりと 浮かびあがる あかい いろ ]
っ、 ―――――
( たすけて、「せんせ」、たすけてよ )
( このままじゃ あたし、 )
( 死んじゃう )
(@73) 2010/03/07(Sun) 23時頃
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ケイト・グリフィズ、貴女は。
[闇の中。少女の名を呼んだ。
見える光景に顔を歪める]
そこ、で。
[助けは恐らく届かないのだろう。
もしも間に合ったのなら。
この世界に飛ばされることもなかったのだろうか]
生物「教師」、ですか。
でもそれは、「先生」ではありません。
それはただの獣です。
[言葉は冷たい響き]
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( 誰かと恋人になることもできないまま ) ( 「せんせ」とまた会えないまま ) ( ともだちとも会えないまま ) ( 大人にすらなれないまま ) ( 夢を叶えられないまま )
( みんなと 卒業もできないまま )
( あたし、 は**)
(@74) 2010/03/07(Sun) 23時頃
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ピッパ。フィリッパ。
[名前を呼んだ。この光景は、かなりきついもの。
過去のもの、何より自分たちは亡者で。
だから、何も出来ない]
……見ない方がいい。
[彼女に向かって手を伸ばす。
彼女はケイトは嫌いではないと言っていた。
そして、何より彼女とケイトは同じ性だから]
[出来ることなら、望まれるなら。
そのはじめから終わりまで、彼女の手をとってその目を、耳を、ふさぎたい]
……貴女の待つ「せんせ」、は来ないのかもしれません。
ですが、もしこの事態がわかったのなら、来たのでしょう。
[少女へ向けて。
あの国語教師がどれほどの教師であるのか知らない。
けれど今まで慕っていた教師であるなら、助けに来ないはずがない。
例え少女に対し特別な思いがなかったとしても、彼が「教師」であったのなら。
否、「人」であったのなら]
この手が届かないことが、恨めしいと、思います。
貴女がしたことは許されることではない。
ですが、万が一にでも助けられるのなら、その心だけでも。
[けれども少女は助かる事無く]
……――。
[ただ苦い思いを闇の中に含ませただけ]
けいと
[深淵で鳶色の目を開ける。
ごろりと闇に身を沈めたまま呟くのは]
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( クスクス )
( クスクス )
(@75) 2010/03/07(Sun) 23時半頃
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[ 緋色の瞳をした少女は ――― 闇の中で 哂う ]
(@76) 2010/03/07(Sun) 23時半頃
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