25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[ゆらぐ椿は小さく返す]
――獣も、人を求めると?
けれど、喰らう。
[す――と、主が袖を掴む。 透きとおる命無き腕]
月瀬殿の“子”……どうなさるのです。
[憎むのならば、人が憎むべきは獣だと。 獣が憎むべきは人だ、と。聴こえたうたを 思う]
(@4) 2010/08/08(Sun) 19時頃
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[イアンは獣を嫌っている、 とその言葉にふと過ぎる]
獣をきらう…… それが、本来、あるべき姿……
[狭間を過ぎったこえ、 うつろに呟き、反芻する]
今も、其処に――…?
[交わらぬ姿があると、言うのだろうか]
(@5) 2010/08/08(Sun) 19時頃
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[本郷の家が、一介の花が遺言といえど その邸宅を一つ、得れるのか… 現実的に可能なのか ……そもそも、生きてここを出れるのか]
……そうか……わかった。 そこで舞い、 そこで、子の替わりに……蓮を育てよう。
[短い髪を撫でながら頷く。 閉じる瞳、もう少し見ていたかったけれど。 笑みが消えぬなら、いいと思った。 だから、そのまま、細い首に絡む力、加速させて]
それでいいか……嘘吐きの本郷……碧
[二回目の、かなわなかった約束に、そう囁いた]
(75) 2010/08/08(Sun) 19時頃
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[聞こえた言葉に、肩の力が抜けた。 もうこれで、本当に花主を辞めることができる。 そう思うと、それは安堵に変わった。 己の言葉がなくとも、紋の入った短剣の揃えがあれば 其れなりの効力はきっと発揮できるだろう]
頼む。 十分だ…これで、きっといつでもお前の舞姿を空から見られる。
[髪を撫でる手がくすぐったかった。 けれど、それも喉にかかる圧力にすぐにそんなものは 解らなくなってしまった]
……これで、心、置きなく…あれのもとに、ゆける。
[浅い息の中呟く。 喉が濁った音を立てているのが解る]
(76) 2010/08/08(Sun) 19時頃
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>>@4
セシルの子…というより、セシルの身柄はセンターが管理することになるだろう。 まずは無事に生まれるかどうか。 生まれても、まともであるとは限らない。
そして、人の子の形で生まれたならば、 それは、ある程度までは育てられる。
のち、人狼発症しないような処置が取られ、検査をパスすれば、以後、生活は一般人と同じだ。
[そこまで言って黙る、処置は何かとは言わず。]
(77) 2010/08/08(Sun) 19時半頃
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…………うん…
[鈍い音が、手の内で鳴る。もう、後には引けない音。 包帯を取った以上、最期まで見届けようと 開いている視界が滲んで 返す返事は子供じみた頷き一つ。]
――――………………………
[耳に届く呟き、羨ましいと思った。 ただ、ただ、羨ましいと思いながら 本郷の頭を抱えながら 首を絞める手に渾身の力をこめた]
(78) 2010/08/08(Sun) 19時半頃
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>>@5
ん?何かが聴こえてるのか?
[その時、報告がまた入る。 イアンが、殲滅≠ノ動いていると、 無差別の……。]
――……何。 殲滅許可は出していない。
ぐ……。
[もう、駄目かもしれない。 報告義務も無視し、守秘義務も違反した。 殲滅部隊だからといって、勝手にそれを始めていいわけではない。 なんのために二人いるのかと…。]
(79) 2010/08/08(Sun) 19時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 19時半頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 19時半頃
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[桜花の処遇を知れば、 一度眉を潜めるのだけれど]
発症しない処置。 それは、いったいどのような。
[人と獣の因果を聞いたがゆえに、それを問う。 主があえて沈黙を知らず]
……発症者には効かぬのですか?
喰われるがゆえに殺すのですから、 喰われることなければ、交わる道も……
[あるのでは、と 呟けば聞こえるは“殲滅”なる言葉]
(@6) 2010/08/08(Sun) 19時半頃
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…泣く、な。
[声は酷く歪んで、空気ではなく骨を通して伝わるだろう。 衣が落ちて血濡れの解る掌は、首を絞める手を引きはがすのではなく ただ、慰めるかのようにそっと触れた。 裏庭で背を撫でた時と同じようにぎこちなく撫でる。
泣いているのを見るのは、苦しかった。 其の涙も、苦しさも全部一緒に自分が奪って行けたらいいのにと 花が、狂うのではなく花らしく在れるようにとの願いがそうさせる]
生き 、て。
[掻き消えそうな声は呟いて]
(80) 2010/08/08(Sun) 19時半頃
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ほら。
[それみたことかと、亡者が謂う]
……人は獣を本能的に恐れるもの
獣はひとを、本能的に喰らうもの
たとえ交えたとしても
長くは続かず
やがて
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[それから花が散るように 撫でる手は重力に逆らわずに零れ落ちた。
赤い花弁を色硝子が夕焼けに滲む床の上に散らして───**]
(81) 2010/08/08(Sun) 19時半頃
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……止めずともよいのですか。
[一瞬、惑うような主の息の音に、 黄泉花はひたり、と眸を見上げて]
(@7) 2010/08/08(Sun) 19時半頃
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>>@6
発症しない処置。 それは、発症の元になる初衝動が訪れる前に、 それを沈静化させることだ。
ひらたく言うと、去勢だ。
[あまり言いたくはなさそうだったか。]
まだ言葉も覚えるか覚えないかの時期に為すことで、人狼発症はほぼ押さえ込むことが可能となる。
だが、ある程度の年齢を超えてしまえば、もう意味はない。
[つまり、既に発症したものにはもうならぬということ。]
(82) 2010/08/08(Sun) 20時頃
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……………うん
[泣きたい訳ではない。けれど、伸びる指先が 触れる感触が、どうしても、涙腺を緩ませて。 なにか、言おうと思っても、言葉が声にならない 酷くかすれる声に、ただ、ただ頷いて。]
……………っ
[暖かな感触が手から離れる。 知っている、急速に命が消える感触。 ……自分で消した命を、留めようとするように 青年は既に意識も、息もない本郷を抱きしめて ただ、抱きしめて、静かに泣いた]
(83) 2010/08/08(Sun) 20時頃
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>>@7
まて、とりあえず、今、呼んでいる。
[だけど、どこかやはりずれた受け答えしか返ってこない。]
(84) 2010/08/08(Sun) 20時頃
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[もう、そこには、青年の望みを 叶えようとした本郷の姿はなく、 夕日が赤く染め上げていった……――]
(85) 2010/08/08(Sun) 20時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 20時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 20時頃
――嗚呼、別離の時だ
[呟き、主の胸に顔を埋めた。
子を成しても月瀬はひとのまま。
彼が生きて此処を出たとしても
遠くない先に、繰り返す事になるだろう
発症してしまえば、きっと*]
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[暫く、本郷の遺体を抱きしめ泣いていた青年は ある程度泣くと、途方にくれて
頼まれ事、約束ごと。どうやって叶えればいい?]
……高嶺殿や霞、なら、わかる、かな
[殲滅は一旦中止し、まずは請け負ったことをと 相続の手続き等判断できそうな二人を思い出す 事情を説明する為、太刀はそのまま放って 本郷の遺体を抱きかかえて立ち上がり どちらかの姿を探し始めた]
(86) 2010/08/08(Sun) 20時頃
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[言葉を聞けばそれは、 少しだけもぞりと居心地悪そうに。 犬猫でもあるまいし、と己が言った言葉がふと過ぎる]
――…それは残し、増えるという 獣の意思とは、反するものになりますね。
そう、発症者には効かぬ、と。 [交えたとしても、長くは続かず、と。 亡者の謂う声がする。
主の待て、という声に案じる顔をすれば]
[ふわり、その背を翻す。 己が身に出来ることなどない、 それを分かってはいれど――。
――小袖のかえれば、姿の消える]
(@8) 2010/08/08(Sun) 20時頃
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―表座敷―
[ゆらり。伏した人の傍で光る。
いまは無力な小さなひかり。
記憶が影と流れてゆく。
あか。
白に飛んだ緋。床に落ちた紅。
ああ、そうだ]
ごめんなさい…。
約束、したのに……。
[命の欠片が、姿を変える。
その目の前で倒れる人
慌てて支えようと手を出しても。すり抜ける]
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―本邸・廊下― [ひたり、と足の落ちた先、 色硝子の差し込む光に染まるその廊下。 燃え落ちる陽光が、赤い七色と彩る]
―――……、これは。
[足先に赤い花弁のひとひら。 この廊下で言葉を交わした人がある。 見上げた月を思い出すのだけれど――
けれど空は 鉄をも溶かす燃える色]
(@9) 2010/08/08(Sun) 20時頃
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記者 イアンは、本屋 ベネットを抱えさまよう様子は、迷い子が人形を抱え歩く様に似ていた*
2010/08/08(Sun) 20時頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 20時頃
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― 双花の眠る場所 ―
[ふわ、と風がそよぎ、軽やかな靴の音と共に降り立つ。 見下ろすは、高嶺の双花。]
声が聞こえると思ったら…、…やっぱり。
[苦笑を浮かべて、兄弟子である華月を見る。]
羽は二つで一つ。 一つを失えば飛ぶ事も叶わず。
…呼び合うように、為るべくして成ったんだな。
[一度は別たれた羽が再び対となった。 哀しくも美しい双花に一度琥珀を伏せて。 またふわりと風に揺れた。]
(@10) 2010/08/08(Sun) 20時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 20時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 20時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 20時半頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 20時半頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 20時半頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 20時半頃
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[二つの月が割れた半月となる前の話。
霞の手を引き気に入りの書庫へと連れて行った。 それに酷く怒った先代が 強く叩いたのは霞だった。 ――…其れは高嶺にだけ許される場所。 高嶺の名を持たぬ霞は、此処に入ってはならないと。
霞の真似をし、縁側で共に先代の好きな唄を歌った。 それに酷く怒った先代が 強く叩いたのは私だった。 ――…其れは花にだけ許されること。 花の名を持たぬ朧は、決して唄ってはならないと。
同じ顔であるのに。 同じ場所に在るのに。 ―――…どうして、ここまで違う姿なのか。]
(87) 2010/08/08(Sun) 20時半頃
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懐刀 朧は、記者 イアンと本郷の間に起きたことは、はまだ此処には伝わっておらず。
2010/08/08(Sun) 20時半頃
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[通信から顔をあげる。]
――…本郷を、殺したらしい。 本郷は狼だったらしいが……。
[と言ってから、振り向いてきょろきょろ]
明?
[どうやらいなくなってたっぽい。]
――……
[ちょっと恥ずかしかった。]
(88) 2010/08/08(Sun) 20時半頃
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―本邸・廊下― [そして、転がる太刀が一鞘。 花弁と刃、―――あるべき人の姿だけがなく。
そのこえは未だ聞こえず。 けれどあの宵と同じく見上げれば]
―――……本郷様?
[凛々しき蓮の佳人の姿を描く、 それが獣であるとは知らず――、
紅の花弁の引きずる後を一つ見つければ、 その方角へと、意識と足を向けて。 彷徨い花は、見えるだろうか]
(@11) 2010/08/08(Sun) 20時半頃
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鵠が鵠やから、双花になれたんやよ。
多分、双花であることが、朧様んとって大事やったんと思うわ。
わての相棒になれるんは、鵠だけやで?
[常世に二つ並んだ花の亡骸。重ねるのは2つの月。
彼岸では瞼を伏せれば、目裏に映る。
そこに、弟弟子の姿を見た気がして、嗚呼と息を漏らした。
悟ること――「また、後で話が出来ればええ」
意識が対岸に強くある人に、密かに想う。]
鵠が鵠であるだけで、えかったんや。
[かなしい――胡蝶が零した音を拾う唇に、
眦に触れた後、掠めるだけの接吻けを贈る。]
獣と人だけやない。
獣と獣、人と人……―――
全部、巡り合わせや。
やから、悲しゅうて、愛(かな)しぃんやろな。
歯車ひとつ、ちごたらと、想うから。
[僅かに離した唇と唇の間で、
ロビンに直ぐに謂わなかった裡を語る。
胡蝶の腕も、鵠の背にしかとまわっている。
歯車一つ違ったならと、その可能性を見て悲しいんで。
今、傍に在れることを、愛しむ。
瞼伏せれば、今、目裏に映るのは、耳奥に響くのは
命生きし世の、獣と人の織りなす物語の切片。
―――胸を満たす感情は、哀しい。]
始末屋 ズリエルは、宙に話しかけて、次にしぃん、としてから、とりあえず、夜光に手を合わせて移動する。
2010/08/08(Sun) 21時頃
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[天満月の傍らにあるは、 夜を舞うべきか細い光――
黄昏時なれば、その光は、 無力で小さなものであったけれど]
(@12) 2010/08/08(Sun) 21時頃
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― 庭 ― [刷衛と会うことはなく、血塗れた太刀は庭に置かれた。 イアン達の騒ぎはまだ高嶺の耳にまでは入らず、 ただ 少し前まで聴こえていた琵琶の音に想いを馳せる。
水音は、止まない。
高嶺の名が求めるのは、同じ顔の花の姿を―――… 朧の名はが求めるのは、欠けた半身の姿を―――… 裡にある獣が求めるのは、対なる獣の姿を―――…
通りかかった屋敷の使用人を呼び止める姿は、 その中のどの名を宿す者の姿だったのか。]
(89) 2010/08/08(Sun) 21時頃
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…霞月夜に、言伝を。
―――…夢の続きを、見せて欲しいと。
[満月の夜はもう過ぎた。その願いは叶うのか……。 夢を見たいと願い伝えた場所は、秘密の逢瀬を交わした部屋。]
(90) 2010/08/08(Sun) 21時頃
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