25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[続く高嶺の声 足を止めた冬色の]
花が――…静かに咲くだけと思うてか。
[掠れた声音。 くすりと、哂う]
此処は”何”のお祭りか ご存知無いのでしょう、高峰の引き篭もりさま。
[足に滲んだ朱は、じわり また広がっていく。 痛みを忘れたように、視界が悪いとは思えぬ確りとした歩みで扉へ向かい、両手で開いた]
幾重にも、幾重にも、御機嫌よう。 子供は、もう居りませぬ。
[振り返りざまに見せた笑みは、いっそ*凄絶な*]
(108) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[あちらでもこちらでも起こっていた騒ぎは収束に向かっているようで。]
……あれくらいできないといけない、ってことかね……
[ぽつりつぶやく]
(109) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[全ての音が終わる時。 鳥は疲れ果てたと謂う様に、膝をつく。
それでもそのかんばせは、楽しかったと。 笑みを浮かべた侭]
……これが、合わせると。 謂う事なのですね。
[息が乱れ、とぎれとぎれになりながらも。 満足感に身を浸して呟いた]
(110) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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見てくれや上辺で決めつけんじゃねぇよ。 てめぇらはいつだって堅苦しい口調で 何謂ってんだかさっぱりなんだよ。
話も通じねぇヤツに見せる芸はねぇ。
離せ、ドブス。
[拘束を振り払う 舞台へ上がるのは諦めざるを得なかった もしかすれば離れる際にその手にひっかき疵も付けたかも知れず 謂われるまま、冬色の彼へと近付こうと足を向けたか]
(111) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[音色の微々たる変調は、己の耳にも心地よく届いて。
鳴かず在りし鳥が鳴き、 咲かず在りし花の咲く、
―――春の望月の情景は花祭たるに相応しく]
……って、ぁ―――
[ぼうっと聞きほれている場合ではなかったことを思い出せば、 その内での騒動を知らぬまま、大広間へと急ぐ。 急いた余りに、紅長袴の裾に少しばかり足がもつれた**]
(@7) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[緩やかに舞い終えれば聞こえたのは>>108 青年は口元に手を当て…包帯の奥の紅がほそまる
が……すぐに、心を切り替えて]
宴も始まったばかり まだ、咲きかけの花は 時に花より棘が目立つもの けれど、名うての花主の方々なれば 棘の奥の蕾の美しさにも気付きましょう。 ……あまり、争わず美味なる酒と共に 月でも愛でませぬか?
[そう、舞い終えれば口にしたのは 騒がしかった舞台袖のほうへ]
(112) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[窓際へ向かおうとして、足を止める。 揉め事には近づかないのが信条。
立ち去る花の姿に、一度だけ見ほれる。 まだ子供。であるのにあの表情は、と。
さてどうしたものかと思ったが、琵琶の主のほうへと足を進めた。 楽に興味のない自分でも、その音が良いものだということはわかったから。 琵琶の主に寄る花の囀り。
二人のほうへと足を進め、しばらくはその音を聞いて]
(113) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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…っは、ぁ。はぁ。
[額には汗。耳にまで響くような動悸。 精根使い果たしたような気すらするが、そうもいかない。膝をつく雛鳥のようにあって良い時はもう過ぎてしまった]
私は、夜光。 どうぞよしなに。
[舞台の外へ向けて告げ、一礼。 それから舞手と琵琶の主に向けて、深くもう一礼]
ありがとうございました。
[声の最後が掠れるのまで止める力は残っていなかった。 もう立っているだけで精一杯だ。 イアンの声にようやく騒ぎがあったを知るという有様]
(114) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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小僧 カルヴィンは、説法師 法泉が此方へ向かうのに気づけば、佇まいを直して。息を整え、花としての笑みを。そのかんばせへ。
2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[ロビンの言葉に、少しばかり眉が寄る。 俯いた時とは打って変わったその貌に不穏なものを感じ、 何故だかわからぬが、子供相手に軽く睨む形にもなったか。
桜の色は如何動くか。 気を遣ったのか、此方に来る華月を見る。 溜息は飲み込んだが、気難しい貌を変えることまでは できず、けれども差し出された盃の手妻には黒檀が瞬く。]
―――…水ならば、もっと有難かった。
[潜んだ声で、そう呟く。 元々下戸であり、今は少し疲れていたから。]
(115) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[ロビンの去り際の凄絶な笑みに、ぞくりと背を走るものがあった。 我知らず、返すように零した笑みは、婀娜っぽいもの。 それは、僅かの間に消え失せる。]
[求められるなら、そのまま花主たちの酌をして回ろう。 その途中、虎鉄の姿を見止めれば、未だ彼の人の不自然さに正しく気がつかぬまま*微かに微笑を向けた*]
(116) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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手妻師 華月斎は、舞台の即興が終われば、花主の邪魔にならぬ程度に*賛美の視線を向けた*
2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[最後の一音の余韻にしばし目を閉じて。]
多少これで、見所のあるものも見えたでしょうかね。
[疲労の中にも何かを掴んだ様子の雛鳥を、微笑ましげに眺める。]
あぁ、それで…お前は何が出来るのだい? 止めるのは、それを聞いてからでは良かっただろうに。
[自ら煽っておきながら、その言い様はあまりにアレだが。 若桜と本郷と。何処か似たような気性の二人は、全くそりが合わぬか、うっかり合えば吸い付くように添うかのどちらかであろう。
そも、本郷の慕う昔の花も、最初は酷く仲が悪かったのでは…。]
(117) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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水……そりゃ、気つかへんで申し訳あらへん。
[高峰の言葉に、次の瞬間、袖口から取り出したグラスには、なみなみと真水が注がれている。
少しだけ瞬いた黒檀に、苔色の眦は*微笑んでいた*]
(118) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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いえ、此方こそ楽しませていただきました。 ありがとうございます、夜光殿
[>>114の声に振り返る笑ってこたえて ……それから次いで、琵琶の音がした方へ]
それにしても霞月夜殿。水臭いではないですか。 旧き仲なのに今まで声をかけてくださらないとは。 こちらは、視界がこうである故に 音がなければ気がつけないと言うのに。
(119) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[向かおうとした時には既に遅く 恐ろしい表情を浮かべて ロビンは行ってしまった その表情を見て、其れ其れが何を念うかは判らねど ...は、]
ロビン…っ!
[己の瞳が霞みがかるほどに 哀しくも、恐ろしくも念えた 後を追い今直ぐにでも抱きしめて仕舞いたい]
[けれど 向かうことが出来ぬのは理由在るが故 嗚呼きっと 今心細いのはロビンだと知りながら 向かえぬ自身に腹を立てた]
(120) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 03時半頃
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あぁ、乾の住職様のご子息でしたね。 挨拶にも行かず、とんだご無礼を。
[傍へ来た僧侶に緩く頭を下げて淡く笑む。]
この立場になっていまだ日の浅い若輩者です。 お父上には兼ねてよりお世話になっておりました。よろしくお見知りおきを。
[そう挨拶をして、舞台上の花が頭を下げるのを見るとニッコリと軽く会釈した。]
(121) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[舞と曲が終わり、息を切らせた少年が名乗る。よほど奏でるのにだけ集中していたのか、声が掠れている]
……夜光。
[同じ夜の文字を持つ名前に興味がわいたのか。ふうん、と呟き、微笑んだ]
(122) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[舞台の袖で起こっていた事には未だ気付かぬ雛鳥一羽。
いきり立つ同年の若桜に紅石榴を瞬かせながら、 去っていく秋と冬を纏う友人の背を見送る]
……幸得の得手は。
[と、口にしようとして、唇を閉ざす。 彼の事は彼が話さねば意味がないのだろうから]
(123) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[居住まいを正す小さな花へと笑みをむける。 そして琵琶の主へと頭を下げた]
すばらしい琵琶の音でございますね。 楽に興味のない私にも、美しく響く。 花主だと聞いて、残念に思いますよ。
私は乾法泉と申します。 先達て窓から見ておられたでしょう。 何か気を引くものでもありましたか。
此方の花は?
[笑みを見せる花へと視線を向ける]
(124) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[夜行と名乗る花に、慌てて一礼を返し。 己が名を告げる。
また何時か。 あなたの笛に乗せて歌いたいと、一言付け加えて]
(125) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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済まぬ。あまりに不義理が続いてしまって気まずくてね。
[水臭いとの旧友に肩を竦めて少し眉を下げた。 訃報も耳に届いていたけれど、駆けつける事の出来ぬ時期でもあったし。
音と舞があっている時だけは、あの頃に戻れたような気もしていたけれど。 舞台から客席への距離と、喪章の如き白き目隠しが、やはり間を隔てたままだ。]
(126) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[僅かに手を引っ掻かれて滲んだ血に、感慨などあるわけがない。 所詮は野良猫に手を引っ掻かれたのと同じようなもの]
…随分と悠長なことだな。
[舞手の言葉に思わず呆れる。 ゆっくりと見てみたかったにもかかわらず、この騒ぎで碌に見られていない。 勢いで置いたせいか、少し中身の零れた酒杯に自分で内省をしつつ 今はそれを空けてしまうことにした。
昨今の花、と言うよりは教育がなっていないと感じるのは 古き己が花が比較対象にあるからこそ。 幼き頃にその舞台を見て、一目で欲した金色の蓮。 間近で見たことがあるものなら知るだろう。 其の最初から最後まで、花と花主はまるで歳の離れた兄弟のようでもあったと]
(127) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[途中から演舞を見ている余裕などなかった。 止めに行った本郷と桜色がどうなったのかも。 セシルのロビンを呼ぶ声は聴こえてくる。
器用な真似だ、華月が新たに出すグラスに 感心するように魅入ってから浮かぶのは笑み。]
……今のは、一体何時汲んで来たのだ?
[離れぬまま真水を出して見せた花に不思議そうに呟いて、 気を緩めた所為か、それは憂いの混じる笑みになった。]
(128) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[舞台の演者にも、演目が終わると小さく手をたたいた。 舞も笛も、見るものが見ればよい出来なのだろう。
琵琶のほうが気にかかるのは、馴染む音だからか]
無礼などありません。 私はただの坊主でございますから。
父が、世話になっているようですね。 無礼をしてなければ良いのですが。 良い歳をして勝手が過ぎる。
[頭を軽く振った]
(129) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[僧衣の男に、一礼を捧げた後]
迦陵頻伽と申します、法泉さま。 歌を得手とする、花にございます。
[向けられた視線を受け止め、ふわりと。 花のかんばせを綻ばせた]
(130) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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何度も謂わせんな。 話も通じねぇヤツに見せる芸は…
[先に煽った琵琶の者へ向けかけた言葉 一度飲み込み、呼吸を整える]
アンタも、それから夜光と…アンタとアンタ。 悪かったな、近くで騒いで 舞台邪魔するつもりはなかった。 でも結果的に邪魔した、悪い。
[深々と頭を下げる 傷んだ桜の花を揺らし 申し訳なさそうに其れ其れの演者を見た]
(131) 2010/08/03(Tue) 03時半頃
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[微笑みにも同じように返すのがやっと。 霞月夜に向けた笑みだけは、少しばかり固かったかもしれないけれど]
迦陵頻伽。こちらこそ。 機会があれば何れ、また。
[掠れ混じりの声で返し、舞台を空けようとどうにか降りた]
(132) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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元はこれにて身を立てる身でありましたから。
[愛しげに琵琶を撫でる指はなまめかしく、僧侶の目にはいっそ卑猥にすらみえようか。]
老いた姥桜でも、祭の季節にはついつい気持ちが若めいていけません。 もう少し若ければ、お傍に置いて頂けましたか? [笑み混じりにまるで誘う如き言葉。]
あぁ、この雛鳥は…昼間に庭で囀っておりましたので。 良い声だけでなく、教養も備えたいい子ですね。
(133) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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霞月夜殿も色々忙しかったのでしょう、御気になさらず。 また、開いた時間にでもあわせましょう?
[霞月夜のその後については 立場が変わったことは耳していたが まさか、相手がそう思っている由も知らず。 彼に集まる人の声に短く言葉は止めて
>>127には「そうでしょうか?」と 軽く受け止め笑いながら舞台を降りる時 騒ぎの中心だった花の声に包帯の奥で眼を瞬かせた]
…いえ、こちらこそ、舞台を占有してもうしわけない それに、あれしきで邪魔となるほど やわな舞い手ではありませんので御気になさらず
(134) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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迦陵頻伽……。その名に負けぬだけの、歌を期待してよろしいのかな。小さき花よ。 この3日の間に、聴かせていただけるとありがたい。
[花は知らずともその名を知らぬわけもなく。 笑みを向けられると少しだけ目元を緩める。
聞こえてきた謝罪の言葉に一度そちらを向いて。 頭を下げる様子にほう、と息をついた]
(135) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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ああ、いや。
[幸得の声には首を振る。 気がつく余裕も無かったのが正直な所で、丁寧な謝罪がかえって申し訳なくなるほどだった。 少し離れた壁まで移動して、まだ落ち着ききらぬ呼吸を整える]
(136) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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