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[昔の犯罪者が、注射器を手にする。
そして、それを、彼女に打った]
[隣にいる、ピッパの手を強く握った。縋るように。
震える手で、ただひたすらに]
………………死ねよ………
[知っている。とてもよく知っている。それを使えばどうなるか。
どんな風に壊れていくのか。
最も、彼女はそれまでもたなかったのだろうけれども]
…………でも。
[でも、彼女のことを許す気にもなれない。
同情する気にもなれない]
[だから、ただ目を逸らして闇を見つめる。
闇を見つめて、闇を見つめて、体の一部が徐々に闇に溶け出す。髪の先から、右手の指から、溶け出した闇が闇色のスケッチブックをどろりと染めた]
[拾えないビー玉から目を逸らすと少女の目]
(過去は決して変わらない
だから未来を変えたい)
[今はいない。この体の持ち主は動いていただろうか
残滓が気薄になると、体は原動がなくなった如く止まる。]
【人】 演劇部 オスカー─生徒会室─ (188) 2010/03/07(Sun) 20時半頃 |
【人】 演劇部 オスカー─生徒会室─ (189) 2010/03/07(Sun) 20時半頃 |
【人】 演劇部 オスカー[進み出るグロリア。 (190) 2010/03/07(Sun) 20時半頃 |
[耳に届くは、かつての友人達の残滓]
……やればいいんだ。
[目をそむけたまま呟いた]
愛なんて、所詮、全てが自己満足で。
正義なんて、所詮、全てがエゴを奇麗事で包んだだけ。
関係の無い他人を落として、殺して、これ以上悪くなんてなりようがない。なら、逆効果だろうと何だろうと。
愛が真実だろうと、偽だろうと。
やればいいんだ。
[口にするたび、魂は崩壊して、闇色の絵の具に変わる]
止まる必要なんてないんだ、本気で信じるならば。
所詮、誰にも他人の痛みなんて分からない。彼女の孤独は、あんたの孤独は、自分だけにしか分からない。
【人】 演劇部 オスカー─生徒会室─ (197) 2010/03/07(Sun) 21時半頃 |
ほしいの
貴方がほしいの
あの口付けが
優しいキスが
私のものになって
私を貴方のものにして
メモを貼った。
わぅん
メモを貼った。
[残滓は消えた己に問う]
(もう少し強ければ―
耐えたならば―
魂がなく残留思念だけでは動けない
終わった過去でも変えられない過去でも動けば―)
還って来い、ヘクター・アナ・ダ・シウヴァよ。
[握れない大地色のビー玉]
ケイト・グリフィズ、貴女は。
[闇の中。少女の名を呼んだ。
見える光景に顔を歪める]
そこ、で。
[助けは恐らく届かないのだろう。
もしも間に合ったのなら。
この世界に飛ばされることもなかったのだろうか]
生物「教師」、ですか。
でもそれは、「先生」ではありません。
それはただの獣です。
[言葉は冷たい響き]
ピッパ。フィリッパ。
[名前を呼んだ。この光景は、かなりきついもの。
過去のもの、何より自分たちは亡者で。
だから、何も出来ない]
……見ない方がいい。
[彼女に向かって手を伸ばす。
彼女はケイトは嫌いではないと言っていた。
そして、何より彼女とケイトは同じ性だから]
[出来ることなら、望まれるなら。
そのはじめから終わりまで、彼女の手をとってその目を、耳を、ふさぎたい]
……貴女の待つ「せんせ」、は来ないのかもしれません。
ですが、もしこの事態がわかったのなら、来たのでしょう。
[少女へ向けて。
あの国語教師がどれほどの教師であるのか知らない。
けれど今まで慕っていた教師であるなら、助けに来ないはずがない。
例え少女に対し特別な思いがなかったとしても、彼が「教師」であったのなら。
否、「人」であったのなら]
この手が届かないことが、恨めしいと、思います。
貴女がしたことは許されることではない。
ですが、万が一にでも助けられるのなら、その心だけでも。
メモを貼った。
[けれども少女は助かる事無く]
……――。
[ただ苦い思いを闇の中に含ませただけ]
けいと
[深淵で鳶色の目を開ける。
ごろりと闇に身を沈めたまま呟くのは]
[現代へと戻るあちらの景色。
聞こえてくる音。
闇の中]
――…。
[視線を落とす。震えることのない自分の裡]
[哂い声。
ふと思う。
あの二人の教師は、いまはどうしているのだろうかと。
思うだけで問うことはなかったけれど。
それだけは、心に疑問として浮かんだ]
[光が消えた。綺麗な生の気配が消えた]
[今まであったのは幻。過去の光。ただ、それだけ]
[そんなことは分かっているのに]
………ない。ここには何も無い。
『来るな』(おいで)
『やってしまえ』(やめとけよ)
[闇に溶けかけた魂がかすかに蠢く。
綺麗なものが、たった一つでもこの死後の世界にあればいい。
それだけを頼りに、闇へと対抗している**]
[ピアノを、――嫌になった。
才能などないからなのか
あの子が生まれたからなのか
元々好きではなかったのか
全ての思いが消えて
ピアノを弾いた時の音。それは]
[ ピアノを もっと 弾きたかった 音 ]
……そか、夢じゃないよね。
あっはは何を期待してるんだか
[鳶色の眸を開くたびに思ったそれは
“夢物語”でしかないのだ。]
メモを貼った。
[溢れた悲しみは、抱えてきた心の闇で]
[離れていた指先を再び鍵盤へ向けたのは]
[彼の音に惹かれたからか]
ですから私はもっと、あの音を聴きたかった。
[聴きたくないのは本当。聴きたいのも、本当。
忘れてしまいたい(忘れたくない)]
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