301 十一月うさぎのないしょ話
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わ、ぁ。
[待ったのは”もうちょい”だけ。 すぐに動いた手がかぼちゃやクリームチーズを駆使して作り上げたうさぎ>>64が、クリームソースの傍らに鎮座している。 黒ゴマの位置が絶妙で、中々味のある顔だ。]
私、好きですよ。この顔。 ありがとうございます。 食べるのが楽しみです。
[食べるのが勿体無いなんてとんでもない。食べない方が勿体無い。 目つきの問題かメイクが原因か、ちゃん付けに馴染みのない自身をカコちゃん>>61と呼ぶ人。 愛嬌のあるうさぎは、その延長線にあるようだと思った。 慣れないけれど、嬉しいこと。]
いただきます。
[席に座り直して、手を合わせて。 待望の料理を前に表情が綻んだ。]
(78) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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[まずは右手にフォークを取る。 フェットチーネにソースを掬うように絡めてそのまま口へ。役目を終えたフォークを戻し、ゆっくりと咀嚼する。]
ん。
[リボンの溝にソースがたっぷりと詰まっていて、一口目から間違いない味。それでいて濃厚なソースに負けない存在感のあるパスタは、おすすめの通り相性抜群だ。 クリームソースも豆乳の風味とバターのコクが主役のかぼちゃの甘みを底上げするように良い仕事をしている。]
……。
[フォークは次の獲物である胸肉を捕らえた。 嚥下し終えた口に運ぶと、つるりとした食感が口内で踊る。噛み締めれば閉じ込められた肉汁が溢れ、パサつきのパの字も見当たらない。 今度は左手にスプーンを取り、具材とパスタを一緒に盛りつける。口に入りきらないことのないよう、慎重に、慎重に。 無事完成した作品を口に収めれば、また暫く咀嚼した。目元が蕩けて、思わず瞼を下ろす。]
(79) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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……美味しいです、すごく。
[口の中のものを味わい尽くした後に零れた言葉は至ってシンプルなもの。 閉じていた目を開け、乙坂を見ながら、もう一度同じ言葉を繰り返した。*]
(80) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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啓明結社 カコは、メモを貼った。
2019/11/22(Fri) 23時頃
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僕が方向音痴なのですよ。 覚えないと遠からず困るのは分かっているんですけどね。
[肩を竦めて歩幅を合わせる。 今日は望外の幸運によって恥を晒さずに済んだが、結果論だ。彼女のようなお人よしを待つに手頃な切株も駅前にはない。]
待ち合わせは待ち合わせですが、レストランは目的地ではないのです。でも、美味しい店だと聞きました。 時間が許せば、貴女にお礼も出来たのですがねぇ。
[折角のランチタイムにレストランの前を素通りせねばならない無情。顔の所為で切羽詰まった悲壮感は漂わないが、素直な仕草で眉根も落ちた。]
(81) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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――ランチタイム直前――
はは、真っ青か、見たかった――けど、見るにはもう一度遅刻させなきゃいけないし、店的には期待しちゃまずいかな。
[表に聞こえるんじゃないかと思われる大声で平謝りする後輩を想像してくつくつと笑う。>>48 さて麗しの店長の手厚いモーニングコールは実現するのか否か。 直の反応を見るに、あり得るかもしれない。>>58
一瞬、同僚同士で結婚した後輩を思い出す。 店長と直が、これをきっかけに――なんてことも、あるのかもしれない?
そんなことを思いつつも、奢りに「ずるい」と言い出す彼女には。>>49]
デートしてくれるなら勿論奢りますとも。
[しれっと答えて微笑んだ。]
(82) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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俺でもって、紙袋一個はそれなりにモテてんだろ。自慢か。
[後輩の黒歴史をばらしたら、直の素のモテ男発言が返って来た。>>59 因みに乙坂は学生時代はそれなりに長くつきあっていた彼女がいて、彼女以外からは貰わないと公言していたのでもし受け取っていたらどのくらいの量になっていたのかは定かではない。 そんな彼女とも別れて数年が経つ。]
あのなぁ、俺の財布を空にするつもりか? エリちゃんも呼んだら今度は全員連れてかなきゃ不公平だし。
[自分の反応が楽しまれていることは薄々感じてはいるが、呆れ声。]
(83) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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俺は「直を」連れて行きたいって思ったんだけど、そこんとこちゃんと汲んでくれよ?
[何かを共有することに仲間外れを出したくない程度には同僚みんな大切で。 自ら誘う程度には、この後輩を可愛がっているのだと。
彼がそれをどう捉えたのかは、その後すぐの来客に有耶無耶になっている。*]
(84) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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えぇ? ですから預かるんですよ。 大丈夫、僕には軽々です。
[女性の細腕には過重だろうと、己にとっては然程でもない。 買い物袋を手にすればごろりとした感覚を覚え、好奇心からチラ、と覗くけば多量の野菜が見えた。 色艶の良い玉ねぎが黄金に輝いている。美しい。]
料理をされるんですか?
[一人で消費するには量が多い。 大家族なのだろうかと頭がまわるが、なにせ路地を一本間違えていただけだ。赤い外装は直ぐに見えてくる。]
(85) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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[やっぱり王道はシーザーサラダかな。
夜シフトに慣れてしまうと、メニュー通りに作るのはなんだか新鮮だ。とはいえ、のんびりしてはいられない。 恐ろしい速さで野菜を切るカズさんの横で、ボールを手に取ったなら。
入れるのはマヨネーズとヨーグルトと、おろしにんにく。それから隠し味に味噌を小さじ一杯。 底面に広げるよう、万遍なく均一になるまで混ぜ合わせ。 パルメザンチーズと黒胡椒を加えて、さっくりと混ぜて一口味見。 よし、いいかんじ。
ドレッシングができたら、5mm幅に切ったベーコンをフライパンでカリカリになるまで焼き。一旦キッチンペーパーに移して、油を切る。 その間、残った熱い油に一口大のロメインレタスを入れて焼き色がつくまで焼いていく。 そのままでもいいけど、焼くとレタスの甘味が増すし、ベーコンの旨味も吸って更に美味しくなるんだよね。 あとは、トマトを角切りにして材料は準備完了。
ドレッシングのボールに、焼いたベーコンとレタスと、トマトとクルトンを入れたらトングでしっかり和えて。 皿に盛ってパルメザンチーズを散らせば、完成だ。]
(86) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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おまたせしました。 おまかせでご注文の、シーザーサラダです。
[緑と赤の彩が鮮やかなシーザーサラダを、ナポリタンの横へ添えるように置いた。>>68>>73*]
(87) 2019/11/22(Fri) 23時頃
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――ランチタイム――
[仕上がりはかぼちゃのパスタの方が早かった。 けれど、食べ終わったのは男性客の方が先。>>73 恰好からの印象を覆すような食べっぷりを視界の端に捉え。
そして音を立てたカトラリーと呟きにはきゅ、と唇を引き結ぶ。 もっとマナーの悪い客もいるから露骨に不機嫌にはならないが。]
……テストされてましたか?俺。
[レモン水を補充しながら、男性の真意を探ろうとじっと見つめた。]
(88) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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へぇ…。
[鮮烈ではない赤色に、うさぎが守る扉。 落ち着いた雰囲気のレストランとは聞いていたが、想像よりもずっとメルヘンな佇まいだった。 しかし、本日、探訪に勤しむ時間はない。 断腸の思いで芳しき香りを振り切らねばならぬ。
己の本当の目的地は、この店の隣。 数か月前から改装工事を行っていたテナントビルの二階こそ、自身の新たな職場であり、初めて個人で構える事務所であった。 本日は内装業者との最終的な打ち合わせ、遅刻は出来ればしたくない。
が ――――、 案内人は馴染みのようにうさぎの巣穴へ足を踏み入れる。>>75 荷物を預かったままの長躯は、締まり掛けた扉を慌てて押さえた。]
恩人さん、恩人さん。 タマ子のこともジャガ夫のことも捨てないでやってください。
[そんな情けない声と一緒に。*]
(89) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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――短い道すがら>>85――
え、でも申し訳ない、というか…… 今も持ててますし……
[それでも、負荷が半分になるに越したことはないのだが。 片方になった荷物を両手で持って、すぐそこの店まで案内する。]
はい。 一度分では、ないですけど。
[料理をするのかと言われれば、隠すことではないので頷いた。 さすがに一人で一度に全部は食べないと補足する。]
(90) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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――それから店頭で>>89――
え。 あら、本当に食べていかれないんです?
残念。 また来てくださいね。
[慌てて抑えられた扉の方を振り向いて、タマ子とジャガ夫たちを改めて引き取る。 口振りから、ただの客ではないことは伝わると勝手に信じた。伝わらなくても気にはしないし、それを知ることも叶わないけど。]
(91) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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[サラダもなかなかどうして手が込んでいる。 スタンダードな中にも一手間二手間入れてあって、それが心憎い。]
……味噌か。
[日本ならではの工夫。 知らずとはいえ帰国直後の自分にとっては少しだけ嬉しい隠し味。]
違う個性だな。
[ナポリタンとサラダ。 二品に違う個性が見て取れる。腕はナポリタンの担当の方が上か。では将来性なら────]
(92) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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いつでもご案内しますからー。
[うさぎ穴の扉が二人を分かつ寸前。 軽く手を上げて迷子のお兄さんに声をかける。 ついでに深く頭を下げたのは、荷運びのお礼]
(93) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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いや……?
そうか。 値踏みするのは商売の癖みたいなもんだ。 気を悪くしたのならすまない。
[>>88無論テストのつもりはないし、たまたま昼食に寄っただけの店で他意などあろうはずもないが。 ついつい。そう。ついやってしまうのだ。 それが売り物になるかどうか、物であれ料理であれ、人であれ。売り物になるのかどうか値踏みをしてしまうのは悪い癖だった。]
………美味かったよ。
[そして口に上りかけた言葉を飲み込んで素直な感想だけを述べた。 ────その腕があって何故ここに留まっている?]*
(94) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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[さて、新規客との緊張の一コマもあれば、常連客の久々の反応に内心ほっとするシーンもあった。 直のデザートを食べたことがあるかとの問いには、賄いで残っていたらありつけるし、客としても何度も注文していると太鼓判を押す。>>77 同僚を褒めることに躊躇いはない。 そしてそんな自慢のデザート職人の前で出すには少し恥ずかしい出来のうさぎは、幸いにも客の興を削ぐことにはならなかったようで。]
カコチャンオカエリ。オイシクタベテネ。
[裏声でうさぎを喋らせた後は、彼女が相変わらず丁寧に味わってくれるのを、その所作を作業の合間の目の保養にしていた。>>79]
ん。良かった。ありがと。
[だから、賛辞と共に向けられた視線はちゃんと正面から捉えて、三十路過ぎには少々幼いような笑みを返したのだった。>>80]
(95) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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[金髪男性客が、フォークを置いた音が耳に入る。 辛うじて呟きも聞き取れてしまい、気になったけれど。 うさぎ穴への入口が開く音に、それは一旦押し込めて。 新たな客を出迎えようと、扉に向かったなら。]
いらっしゃいま……って。あれ、エリちゃん?
[さっき噂していた同僚の顔に、目を丸くした。>>75]
(96) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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[そして一拍遅れ、更にその後ろで閉まらない扉を押さえているスーツ男性に気づき。>>89 慌てて彼女の手に移った荷物を、そのまま預かろう。>>91]
すみません。えーと、お客様? ……じゃないんだ、残念。
どうもありがとうございます。 時間あるときに、是非食べにきてくださいね。
[男性は用事があるらしい。 忙しなく閉まる扉にかけた声は届いたかわからないが。 タマ子とジャガ夫入り荷物を片腕に、わけがわかってない顔で、エリちゃんを見下ろそうか。*]
(97) 2019/11/22(Fri) 23時半頃
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[来ちゃった。>>75の挨拶と、使いきりではない野菜。>>90 うさぎを探していたと思っていたら、案内人も赤い巣穴の住人だったらしい。>>91]
鋼よりも硬い理性をお持ちなので、 どれだけ良い香りがしても耐えられるんです。
はい、重いので気を付けてくださいね。
[薄めの笑顔と一緒に腹がくぇ、と鳴った。 理性は鋼、腹は素直。ポーカーフェイスを気取って、店員直々のお誘いを無碍にしてしまう無粋に軽く頭を下げ。]
(98) 2019/11/23(Sat) 00時頃
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いえいえ、こちらこそありがとうございました。 暫くは忙しくしている予定ですが、落ち着いたら足繁く通わせて頂きますね。
[袋を手渡し、空いた掌が胸元を探る。 半ば職業病の仕草で、革のカードケースからするりと引き抜く名刺一枚。刷りたてすぎて、まだ固定電話にも繋がらない新品の。]
僕の方こそ、どうぞよろしくと、ひそひそ話のタネにでもしてください。
[御挨拶代わりの一枚はシンプルでお堅い縦書き。『宅本 寿一』と綴られた名前より馴染みがあるだろうのは、この店と末番だけが異なる住所。それに、隣のテナントビルに新しく下げらた看板と同じ『宅本法律事務所』の文言。]
(99) 2019/11/23(Sat) 00時頃
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じゃないみたい。残念。 この店のこと探してるって言うから、一緒に来たんだ。
わたしは普通にお昼を食べにきました。
[お客様じゃないことを残念がる>>97のに、同感とばかり頷く。 また来てほしい、と思うのは今口にしたとおりだ。]
……けど、先にこれ裏に置いてきていい? 買い出しがんばりすぎた。
(100) 2019/11/23(Sat) 00時頃
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っあー、気を悪くしたように見えたなら此方こそ不躾にすみません。 初めてのお客さん相手だと、このまま通って貰いたい気持ちが強く出ちゃうみたいで。 ここのランチタイムのパスタを主に担当している乙坂と言います。
お口に合っていたなら良かったです。 ありがとうございます。
[男性が飲み込んだ言葉の内容はわからない。>>94 ただ、「美味かった」はごまかしや社交辞令ではないと感じたから、己の非礼に見えた振舞いを謝罪して名乗った。]
お客さんは普段何かを評価されるお仕事を? 職業病ってありますよね。 俺も別の場所で食事したらつい使ってる食材や自分ならどう作るかのシミュレーションをしちゃいます。
[フォークを落さないようにスキレットとパンレストを回収し、サラダの皿も下げる。 食後のコーヒーの為に客の前でミルを挽きながら、彼の言葉を拾って踏み込んだ。*]
(101) 2019/11/23(Sat) 00時頃
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[使い切りではない野菜たちは、時間をかけてひとりで消化する予定のものだから店のものではないのだけれど、それは口に出さなければすれ違い続けるだけ。
それより大事なのは、鋼よりも硬い理性をお持ちの人が、しばらくしたら足繁く通ってくれるらしいこと>>99。 彼の手が空いた代わりに再び両手が塞がったので、差し出された名刺をすぐに受け取れはしなかったが、店長か宇津木が受け取ってくれると信じてる。]
……えと 戸崎エリカといいます。
[だから、名刺代わりに名前を告げる。 きっと会える。また会える。名刺は持っていないけど、この店に来てもらえるなら。]
(102) 2019/11/23(Sat) 00時頃
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[店先に長居する無礼もないが、どうにもこの店のスタッフは皆、温厚らしい。気の良さそうな青年に会釈を向けて、残念ながら。と同調の相槌を打ち。>>97]
でも、ランチタイムでセーフでした。 三時だったら、どうなっていたか。
[特に固めのプリンだったら大分社会的にアウトな決断に迫られるところだった。と、空腹を紛らわす為の本音を吐いて胃袋をスーツの上から押さえ。]
―――…それでは、 タマ美とジャガ丸たちを宜しくお願いしますね。
[空想の中のプリンと暫し格闘を繰り広げ……、辛くも勝利したところで顔をあげた。
改めて挨拶を向け直せば、締まる扉の兎にも見送られ、踵を返そうか。遅刻を按じて急かす北風がぴょんぴょんと足元で踊るよう。]*
(103) 2019/11/23(Sat) 00時頃
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[視界の端に新たな客――同僚が映る。>>75 昼からとは珍しいと思えば、どうやら「客」として来た様子。>>100]
客として来たなら座っときな。 荷物は直が運ぶから。 な?
[自分は今珈琲を担当しているので。 後輩を使えと勝手に言って]
彼氏でも連れてきたのかと思ったけど、彼氏でも客でもなかったのか、残念だな。
[ちら、とだけ見えた男性はではなぜこの店を探していたのだろう? 彼のその先の行動を知らないから、疑問だけが残った。]
(104) 2019/11/23(Sat) 00時頃
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[乙坂>>95の言葉にデザートへの期待を膨らませながらも、今は目の前の料理に釘づけだ。 裏声の挨拶には目を柔らかく細めることで返事をして、それから暫くはパスタとの真剣勝負。 一戦交えた後の口からは短い言葉しかでなかったが、彼のいつもよりも幼く見える笑顔を見る限り、気持ちは伝わったようだった。
それからは、一定のペースでパスタを口に運ぶ。 一口は大きくはないが小さくもなく。決して急いでいる様子ではないものの、皿の中身がすいすいと口の中に消えてしまったのはそう遠くない時間だった。 途中、近くのカウンターからフォークの高い音が聞こえたり>>73、扉が開いて>>75外の空気を感じた時には一度視線を向けることはあったが、それ以外で手を休めることはなかった。
これは、戦いなのだ。料理と――時間との。 左腕にある細身の腕時計を視線の端で追う。]
(105) 2019/11/23(Sat) 00時頃
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オトサカサンタダイマ。 イッパイタベルヨ。
[愛嬌のあるうさぎの出番が来れば、調理や接客をしているであろう乙坂の様子を伺い、視界を攫うように一度手をひらひらと振る。 視線が動きを捉えてくれたのなら、うさぎを示して真似るように少し遅れた返事をした。 照れが混じってしまい、裏声になりきれなかった点は今後の課題である。]
(106) 2019/11/23(Sat) 00時頃
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[小さめのスプーンを手に取り、まるいフォルムを掬う。 ふんわりとした感触に軽く瞠目した後、口の中で蕩けるような味わいにマスカラ仕立ての睫毛が震えた。 かぼちゃの自然な甘みとクリームチーズの酸味が、軽くも濃厚だったクリームソースを洗い流すようだ。 あっという間にうさぎの姿は見えなくなり、少し残念に思いながらも一度手を合わせる。]
ごちそうさまでした。 変わらず美味しかったー。
[ふう、と息を吐きながら、ちらりと腕時計を見やる。 ペース配分は完璧だ。]
すみません、デザートをお願いします。 ホワイトチョコのムースと紅茶を。
[これで終わる訳がない。 期待値マシマシのデザートを、今度は自分の意思で選ぼう。 本当はどっちも食べたいんだけども。注文した後も、僅かに迷いを覗かせるのであった。*]
(107) 2019/11/23(Sat) 00時半頃
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