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【人】 奏者 セシル―中庭― (178) 2010/03/05(Fri) 19時頃 |
【人】 奏者 セシル―中庭― (184) 2010/03/05(Fri) 19時半頃 |
【人】 奏者 セシル―中庭― (191) 2010/03/05(Fri) 19時半頃 |
メモを貼った。
【人】 奏者 セシル―中庭― (201) 2010/03/05(Fri) 20時頃 |
そして?
[ヘクターは音もなく屋上から舞い下りた
その姿は変わりなかったが、表情は全く動かず
その目は終わった事の顛末を見定めるように
瞬きなく見つめる]
[ピッパはどんな反応しただろう]
[それからどのくらいたったろう]
………まぶしいな
[ゆらゆらと、闇の中から垣間見えるのは、過去の風景。
光と生命力に溢れる世界]
…ここから見ると、こんなにもまぶしいのか
[傍らにピッパがいれば、そちらにちらりと視線をやって寂しげに笑ってみせた。ケイトの姿をした少女が、破滅の方向へと向かっている姿が見える]
……………。
[何も言わない。ただ、無言で見つめた]
[徐々に、輪郭は闇に犯されていく。
自分のすぐ前の闇を両手で攪拌した]
[暗闇の中に、闇色のスケッチブックが浮かび上がる。
紙面も、そのものも、ただ闇色なそれ]
……………。
[ぺらりと表紙をめくる。
手を離すと、それは何もない虚空にまるで固定されたように浮いた。それだけ確認して、右手にふうっと吐息をかける]
[右手は、自分の息がかかった場所から徐々に黒く闇に染まっていく]
…………ん……ぁ
[闇が身を侵食する痛み。それは、どこか甘美な色彩だった。
熱を帯びない、冷たい吐息を漏らす]
[そうして、変化した手を闇色のスケッチブックに走らせた]
【人】 奏者 セシル―中庭・出入り口付近― (231) 2010/03/05(Fri) 21時頃 |
[闇色の紙面に、闇色の手が蠢く。
自分の身を削って描かれていくのは、自分の教室にいるケイトの姿。
机の上でころがるさまざまな色のガラス玉。
ビー玉を彩る、窓辺の光。
教室の喧騒。そのビー玉をつつく、目を伏せた彼女の姿]
………………
[目を細めて、集中して。描こうとしている。
紙面に踊る線の数々は、きっと生者には見ることが出来ない]
[ジェレミーの背後に音もなく立つ]
忘れたモノの代わりに闇に身をまかせるんだ。
冷たさが全てを癒す。
[声は変わらない
ただ響きが冷たいだけ]
[背後から声が聞こえた。
手を動かすことをやめず、目をそらしもせず、背を向けたまま答える]
……ヘクターか。
[一瞬戸惑うのは、聞き覚えのある声に対して纏う冷たさに]
その冷たさで、あんたは何を癒された。
[視界が揺れる。目の前にひらける校舎のヴィジョン。
ぐらりと傾きかけた身体を何とか踏ん張り、鳶色を見開いた。
その光景は懐かしくもあり、どこか違う。]
……ケイト……
[制服の袖に輝く一本の白いライン。
閉ざされた校内で一瞬だけ見た彼女は、今は陽に当たり普通の少女として生きている。]
貴女は、………
[目を伏せた。]
空っぽの中の忘れたモノの穴埋め。
[機械じかけの人形の言葉]
もう探そうと思わないぜ。
[空ろな笑い]
【人】 奏者 セシル―中庭入り口付近― (247) 2010/03/05(Fri) 21時半頃 |
[ヘクターの空ろな笑いが闇に響く。
少し先からその音は闇にくるくると飲み込まれて行くようで]
………そうか。
ヘクターは、本当に死んだんだな。
[こちらも、悲しみの色が見えない口調]
俺は、あいつの熱さが好きだったよ。
こんなことに巻き込んだ幽霊さえ連れ帰るって言ってた熱さが。
[死んだディーンと対面した時みたいに、他人の様に言葉を紡いだ]
【人】 奏者 セシル―中庭出入口付近― (249) 2010/03/05(Fri) 22時頃 |
ああ、ビー玉を失くして消えた。
[目線先は
………あぁ、なるほど。
これは、あいつか。
[ちょうどそのビー玉を紙面に写そうとしていた所だった。それは、光を反射して、まるで自分が光ってるみたいにきらきら輝く]
……ヘクターの意思? 無理矢理?
[ふわり。
身体を浮かし、ケイトから顔を逸らす。
闇の中を一歩一歩、踊るように歩いて
視線を落とした先は中庭か。
懐かしい顔に双眸を揺らす。]
はは、みんな元気だね。
……ほんっと
[呆れたような、笑顔。]
メモを貼った。
ケイト・グリフィズ。
……――。
[聞こえてくる声。「国語教師」のそれ。
自分をなぞったような、口調。
ケイトからすれば、こちらがなぞったようなものだろう]
彼が、貴女を?
[他のものは、過去のものばかりが見えて、「彼ら」の姿を視界に捉えることはできない。
自分には]
[闇の中で]
……?
[知った声を聞いた気がする。誰だっただろう]
わからないなら、思い出せなくても良いのでしょう。
[もう記憶など必要ないのだから。
聞こえてくる生徒だった彼らの声。同じ闇にいて色の変わるものと変わらぬもの。
自分は、変わったのだろうか。
変わったようで、本心は同じ。
ただ。
色々なものが混ざり合っていた]
[それは過去の自分であり
それは今の自分でもあり
それは理想の自分でもある]
闇が癒すのは、寂しさだけでしょう。
[どこかで聞いた声に、そう返した]
彼が癒されたのは癒されたと思っているだけなのかもしれません。
ですが、癒されたと本人が感じているのなら、それは癒された事になるのでしょうね。
[自分は闇にあってどうなるのか。いつまでここに。いつまで。
永遠に?]
――…。
[消えました。少女の声
おなじ ひびき。
あのこ]
[名前を、忘れてしまった。
憶えているのは、手の温かさ。
幼かったあのこの、手を取った。
泣いていたあのこの、涙を拭った
大きくなったあのこの、幸せを祈った]
闇よりも、癒されるものはあります。
温かな闇は、人の心を潤すでしょう。
冷たい闇は、人の心を乾かせる。
闇が呼ぶ。
[ズブリと闇に沈んで]
寒い、暗い、寂しい?
温める?
[坦々とした冷たい声]
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