44 【game〜ドコカノ町】
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―――…?
[何かの気配に振り返っても、そこに志乃の姿は無かった。]
[どぷん。 ぼとり]
[白手がそれを打ち捨てたのは、4階の床の上]
――――……
[ 頑張ればいつか、動くようになるよ ]
[おぼろげに聞こえた声は、とても無責任な響きに聞こえた]
泣かないで
苦しまないで
ああ、あなたを苦しめるだけの存在なら
自分なんていらない
[どこからか流れてくる思考の波に巻き込まれて
うねりに巻き込まれると意識はなくなる**]
[彼女が後ろを振り向いた瞬間、ヤニクは屋上から消えた。]
――――…!!!!
[彼女もまた、エレベーターへと駆ける。
志乃を探して。]
― 床彼大学付属病院:4階 ―
志乃!?
[倒れている志乃を見つけ、その肩を揺すった。]
大丈夫?
――……は。
[『プレゼント』を探してる。
早く持って来いと言っているようで、
消えてしまえ、消してしまえとうるさくて、顔を顰めた]
ヨーラ……様。
[ぐったりと伏していたのを揺り起こされた。
瞳は紅い――ゆえに、懐剣を彼女に向けて突き出す。
腕の動き自体は、迷いなく鋭敏だった。]
ふふふふ
[首には、赤い爪をした白い手が巻き付いている。]
もう死んでる私にそんなコトして、何になるって言うの!?
[彼女は懐剣の刃を右手で握り止めた。
同時に地の太刀を抜き、彼女の首に纏わり付く白い手を切ろうと刃を向けた。]
ジャマナモノ イラナイ ノ。
[幽鬼のような顔をして、微笑する。理由など――]
モウイチド コロシテ クレル?
[志乃の首筋に赤い爪がぎちりと立てられた。]
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/02/24(Thu) 03時頃
しっかりしなさいよアンタ!!!
[彼女は志乃の胸元を掴み、大声で叫ぶと同時に、後頚部にあった白い手首を小太刀で切り落とした。]
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/02/24(Thu) 03時半頃
[ぶつり、と落ちる白手、手首から先は和服の膝の上へ
その根元は、生え出していた所へ――
繋がっていた志乃自身の項から首の中へ戻る。
ダメージのフィードバック。がくんと痙攣した]
うぅああッあああっあ
あああああああ――――!!!
[一挙に全身から生え出した蛇のような白手が、
ヨーランダを突き飛ばす。
その数は50程か。
切り落とせばいずれは尽きるだろうが、果たして……?]
何なの今度は―――…。
一体どうすれば解放してあげられるの――…。
しんど。
もう、いいや。
ヤニク倒しても、戻らないんでしょ?
仲良くやればいいじゃない、アナタと。
自分と闘わずに逃げてればよかったかなー。
思い出す事も拒否して。
楽だもんね。
ずっとここにいれたら。
一人で闘うのは、もう疲れた…。
仲間がいるなんて、羨ましい事で。
―――――…疲れた。
[思い出すのは、最後の時のヤニクの涙。
その後のラウンジで自分の名前を呼ぶ呼び声。
でも、今の彼女を支えるには、其れはあまりにも弱々しく。]
勝手に強い強い言わないでよ。
[水族館での事を思い出す。]
私は、こんなにも弱い――――…自分の意思で現実な記憶を閉じ込めた位に。
[ちょっと寝てる間に、夢をみた。
むくりと起きても、しばらくはその光景が残ったまま。]
…そっか。
あたしがもらった画用紙とクレヨンは、
あの子がもらったこのゲーム。
あたしがもらった沢山の絵本は…
[そう、きっと…世界に取り込まれたプレイヤー達なんだ。]
知ってるところがステージだったのも、セシルがおやつ食べに来たのも、
きっと、そう。
…ママから半分もらえなかったら、
それがちゃんと動かなかったら、
あたし、まだセシルだったのかな。
[襟元を引っ張って、覗き込む服の中。
ヴェス様の肌のタトゥーみたいに、華奢な身体に残る縫合痕。]
…お志乃ちゃん?
[居ない。
インターフェイス開いても、見えるのはまだゲーム中のひとたちだけ。]
かみじゃたんも、いない…どこいったの?
怖いよ。…ひとり怖い。
[人を探して、エレベーターへ。
ぽちりと押したのは、外科のある階。]
「あら、ひとみちゃん?調子はどうかな?」
[居たのは、黒髪をひっつめた眼鏡の女医さん。
なんだか懐かしい声で呼ばれて、その手はひたいに。]
…せんせー……
[助けてくれた人。とても腕の良い、子供の手術が得意な女医さん。
頼るように思わず抱きついて…]
「さ、オペの時間よ?」
[ざくり。メスで刺されたのは胸の手術痕。
見上げたら、メガネじゃなくて一つ目!]
やーーー!!!!
[慌ててエレベーターに逃げたら乗って来た!どうしよう!フロアボスがフロア離れて追ってくるとかありえないし!
慌てて押したボタンは16階。]
[エレベーターから転がり落ちて、咄嗟に胸の鎖に手を掛ける。
ハイパーヴェス様ならいけるかもしんない。
でもっ、もしかして今の格好で脱ぐの!?
あ、なんかここ、人居るみたいだし!
どうしようと迷ったら、メスが4本飛んで来た!
あーもー、仕方ない、よね⁉]
こっち見ちゃダメーーーーっ!!!!
[キンキン甲高い声で叫んでから、戒めの鎖を解き放った。
脱ぎ捨てる黒いコートと共に、光るエフェクトに包まれる。]
は!
[子どもを三人撃破して、
さすがに、息をついてしばし止まっていた。
ポプラや和図の様子はどうだったろうか。]
――……え?
[その時、エレベーターが開いて…。
そこに襲い掛かるメス、
いる人物が転がり出て……]
――……ヴェス?
[それは、女の子じゃなくて……]
…なんだ。この姿にもなれるんじゃないか。
[カチンと太刀を鞘におさめて、倒れて消える外科医を一瞥。
今の、みられてしまったのだろうかと、部屋の方に向き直った。]
ヴェス…お前、
戻れたのか!
[正式には違うのはどっかわかっていたけど、
ナユタにとってのヴェスはこっちがデフォだった。]
ああ、らしいな。
流石にあのチンチクリンでは色々不都合だ。
その気になればこのくら…いっ!?
[ぽしゅん。
間抜けなエフェクトと共に縮んだ。効果時間切れ。]
えっ!?えっ!!?? なんで!?
ええと、ヴェス様、ヴェス様なのっ。
[きりっとしてみた。SDヴェス様になった。]
[私達は、死んだのじゃなかったのか―――…?
斬られ、苦しむ志乃を見て思った。
死とは、全ての苦痛からの解放だろう?
少なくとも、身体的には。
何故、苦しむ。
わからない。
わからない。 ]
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