299 さよならバイバイ、じゃあ明日。
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[もぞもぞり。
本日の糧を探していた軟体動物だったが、死んでいる小鳥を見つけ、にじりよっていた。だが、もう少しというところで素早い動きのネコに取られてしまった。
きらりと光る爪に恐れをなして、すごすごと離れ。 気落ちして這いずり、気づけばここは。]
ンゴ。草屋ンゴ。
[草食ではない軟体動物にとっては寄る理由はないが、久しぶりにと顔を見ていくことにした。]
コーラー。草の隙間に死体落ちてないンゴ?
[かける声は自分本位すぎたが。]
(51) 2019/10/11(Fri) 22時半頃
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[ロゴスとソランジュをどうすべきか、モイスチュアにいくつか聞き、その通りにする。 落ち着いた葬儀屋の様子を見ていたら、段々と自分も落ち着いてきた。]
モイスチュア。 私は一度、家に戻るよ。
それからまた、君のところを訪ねよう。
[手向けの花を、彼らにも届けなければならない。]
(52) 2019/10/11(Fri) 22時半頃
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んごて いら しゃい ひさし
[くるるる、と喉の奥を鳴らした。 草の隙間といわれると、>>51]
あ かも
[首をもたげると辺りを見る。 インティが転げ回った後があるので、 そこを爪で指した。]
つち した
[その下に住んでるもぐらとか、 虫とか。]
(53) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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─ 壁の影から出て、空の上 ─
[一度、音に驚いて隠れた鳥は、もうすっかり音と光がはじけなくなってしまったのを確認してから、広場から見える巣に帰ろうと羽ばたいて街の空を飛んでいた。 少しまだ、火薬のにおいが風に残っている。]
ム? あれは、葬儀屋と、ソルか?
[空の上からでも、動くものは見える。>>10>>16 どういう組み合わせなのかと事情を知らない鳥は、興味だけで地上に降りた。]
(54) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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[空から地上に降りたときには、ソルフリッツイはその場から離れようとしているくらいの頃合いだった>>52。 ふたりがソランジュとロゴスの最期を引き取ったのだとは知らないまま、ただ言葉少ない空気に首をかしげる。]
…… ? どうした? 何かあったのか。
…………………
[やかましい鳥は、そう尋ねてから、 ほんの少しの間、静かな鳥になった。]
(55) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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ンゴ。 この草はまだ生きてるンゴ。
[インティが転がったあとの草はしんなりしているが、枯れてはいないので生きてると判断。
が、どうやら草ではなくてその下であったらしい。]
ヌグゥ 土の下なら掘れんゴ。
[挑戦する前から諦めて、触角は左右にへたりと下がった。]
(56) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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[何がおきたのかはふたりから聞けたかどうか。 話が聞けるなら、聞ける間だけは鳥は静かだった。]
……急な方の葬儀か?
[次に、行き会った相手に聞いたのは、前々から予定が入っていたのか、そうではないのか。 つまりは、今日の葬儀は、事故なのか寿命なのか、知っているなら教えてほしい。そんなような意味のことだった。]
(57) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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─ 回想:草屋にて ─
[コーラの陰からそぉっと見上げた空に、火の花が咲く。 きらきら、きらめいて、毛玉のごまつぶのような目も、きらきらと輝く。]
すごい、すごい。 きれい。 [すごいと言うコーラに続いて、毛玉も声を上げて跳ねた。 火の花を怖いものでないと認識した毛玉は、コーラの隣でそれを見上げて。]
わー。
[見終えてコーラを顔を見合わせると、鼻先でつつかれて毛玉はころころと転がった。 ふかふかした草が、とても心地よい。]
(58) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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[今日も色んな事があった。 寝坊をして、街を駆け回って、優しくしてもらって、驚いて、綺麗なものを見た。 あの人が居なくなってから、寂しくはあるけれど、あの人が居なくなった街は変わらず毛玉を生かしてくれる。 だから、死んだらあの人や先に逝ったみんなに会えるかもしれないけど、街のみんなと別れるのも毛玉は惜しい。 ふかふかの草に寝転びながら、先程のインティJrとの会話をふと思い出して、そんな事を思った。 そんなうちに、ウトウトと瞼が重くなってくる。]
コーラ、…ギロ、ねむ…。
[毛玉はまたころころと転げて、コーラの傍へ。 そして、やがてすやすやと小さな寝息を立て始めた。 まだやる事はあるのだが、毛玉の小さな体に蓄えられたエネルギーはもう空っぽだった。]
─ 回想・了 ─
(59) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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昨日もまた、誰か逝ったりしたンゴか。 毎日毎日。 時々死ぬの休みの日があっても良さそうンゴ。
[疑問は何気なく。 結局何も見つからなかった八つ当たりに、コーラの上に乗ってやろうかとにじにじ寄りつつ。*]
(60) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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ほる んー
[だめかー、という声色だ。>>56]
くさは?
[なら、と店の奥の屋根のある場所。 日当たりが悪く風で追いやられるため 枯れた草木が端っこへとたまっている。 腐葉土混じりの壁際には、 運が良かったら虫の死骸があるかもしれないが、 基本的には元気だろう。腐葉土がだめなら お手上げだ。]
(61) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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─ 草屋 ─
[朝日が昇って、朝の遅いコーラが起きても毛玉はまだ寝息を立てていた。 この毛玉、よく寝るのである。]
…ん、ご?
[話し声を毛玉の耳が拾って、黒い耳がぴこぴこと揺れた。 うっすらと目を開けると、とても鮮やかな色が目に飛び込んでくる。]
ん。 ンゴティ。
[眠そうに毛の中から出した片手で目をこすりながら、毛玉は起きた。 ひょっこりと、コーラの上からンゴティエクを見下ろす。 この毛玉、寝相もそこそこ悪い。]
コーラ、ンゴティ。 おはよう、おはよう。
(62) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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きのう たぶん、そら? きれい
[空にソランジュ。 名前を呼んだかも解りにくかった。 毎日毎日、その言葉に首を下げる。]
ん おやす ない あ たらいー に
[ね、と頷く。>>60 登られても気にしない。 側にいるぎろちんがまだ寝ていたら、 死んでなはいよとも主張する。]
(63) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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[家に戻ると、花々を置いてある棚からいくつかの花を出して並べた。 どれがいいだろう。こうして逝ってしまった相手を思いながら花を選ぶのは、最期とはいえ大事に思っている時間だった。 ヴェルヌイユには、すみれを。 ロゴスには白いアネモネにしよう。 露草の青をソランジュに見立てて、それぞれを懐にしまう。]
草屋にも、行かないとな。
[花が減ったぶんを、また買いに行かないといけない。]
(64) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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[起きた様子に、>>62 よかったよかったと首を頷かせる。]
おはよ
[首をのばすとギロちんを鼻先でつつく。]
ゆ くり よか た
(65) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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ギロチンは、ギロ、いきてる!と飛び跳ねた。
2019/10/11(Fri) 23時頃
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[しゅるしゅると小さな音がする。 それにコーラはふと気付いた。
この音は体内からだ。
少し自分の足元をみて、 草屋の中を見回した。]
(66) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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――自宅に戻る前>>55――
ああ――インティ。
今の花火を、見たかい。
[何かあったのか、というのには、まず花火のことに触れた。 彼が怯えて隠れていたとは気づいていなかった。
誰が、は相変わらず答えなかったが、手元にあるゼリー状の欠片や、白竜の姿に、察することは出来たろうか。 インティが理解することを否定はしない。]
(67) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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んごて、 たぶん
もーすぐ あるよ
(68) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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お気持ちだけで……
[草も食べられたらもうちょっと楽だっただろうが。 丁重にお断りしながらにじにじり。>>61]
昨日誰かが逝ってて、食べてもいいタイプなら行くンゴが。
ん? ソラ?
[ソランジュのことをソラ、と同じように言っていた軟体動物だから、ちょっと引っかかった。もう少し詳しく聞こうと、コーラの体によじ登り、上体を起こしたところで]
オウフ!?
[突然の第三者の声に、軟体動物は驚き>>62]
わーあーあー
[バランスを崩し、転がり落ちていった。]
(69) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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[けたたましい鳥が静かになるのには、胸に来るものがあった。 ぐっと『死』が近しいものに感じられて――呼吸が苦しい。]
……私は、行くよ。
[そう断って、モイスチュアやインティたちから離れる。 あまり、その空気の中にいたくなかった。]
(70) 2019/10/11(Fri) 23時頃
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わー。
[鼻先でつつかれると、毛玉はコーラの背から尻尾に向けてころころと転がり、先に転がり落ちていったンゴティエクの前まで転がった。 そして、起き上がるなり楽しそうにぴょんぴょんと跳ねている。 コーラにつつかれて転がる事は、毛玉にとっては一種の遊びのようなものだった。]
(71) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[侵食は足先からだ。 腕や首、鼻先は最後。
動けなくなって、 そこから次は心臓とか、 たぶんそういうものだから、 もしかしたら死体になるのは 明日かもしれないけど。]
(72) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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きのう たべ れる うーん
[ソランジュを思いだし、どうだろう? と思いながら。]
もい きく が いちば
[結局葬儀や何かの話をきくなら、 モイが一番なのだろうと思う。]
あー
[転がり落ちる様子に、 そういった声しか送ることができない。 大丈夫?と、鼻先を向けた。]
(73) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[ひっくり返ってじたじたしているが。]
ンゴ?もーすぐ?
[ぴたと止まり。]
ンゴ。 コーラ? おおふ、足が足が。
[草にしゅるしゅる巻き付かれている様子に気づいた。]
(74) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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─路地─
……花火。さっきの、空の燃える花か? それなら、見た。 ……
[>>67 ソルフリッツイが答えてくれたのに、 状況をかみ砕く。視線は、話してくれている見回り人の上には長く留まらず、抱かれた白い竜や、ばらばらになってしまったカケラに向けられていた。]
何か。
…… 関係が、 ある のか。
[喉の辺りが動いた。唾をのんだせいだった。もごもごと鳥の口が動く。乾いた口の中を湿らせたかったせいだった。 粉屋。兄弟に話したこと。扱われた火薬は、粉で、……]
…… ……
(75) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[足がと言われてもう一度振り返る。>>74]
ん、ん!
[思ったよりも時間がないかもしれない。 鼻先でじたじたしているンゴティエクを ついついとつついて元通りにころんと返した。]
あした また おーいで
[そう言って、つんつん、とまたつつく。 ついついつい〜っとさらにつついて転がした。
ギロちんも楽しそうにはしゃいでいる。>>71 それはこちらにとっても楽しい遊びだ。 交互につついて遊ぶ。ついついつい。 届かない場所にまで転がってしまったら終了だ。]
(76) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[五体。本当ならこの場にいるはずだ。それにしては、各々の沈黙の時間が長い。]
…… ああ。 ……
[>>70 ソルフリッツイがその場を離れるというのを、引き留めるようなことはなかった。小さい葬儀屋を見下ろす。]
葬儀屋。嘴を、つっこんでもいいか。
………… かなうなら、兄弟の身体は、 機関車の心臓にくべてほしい。
[そう、大鷲は葬儀屋に頼んだ。 太陽というのは。火の如く燃えながら、 円環を巡るものだから、と。]
(77) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[ただ、その頼み事がかなうにしろ、 かなわないにしろ。
どちらにせよ、大鷲は ウサギが去っていったあとの場所で すこし肩を落とした。
声を上げて鳴くようなことはなくても、 その体躯がやや小さく見えるくらいに。]
(78) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[それから、粉屋の、ソランジュの話ができるのなら]
…… なあ。
ほんとうに、それは「死」か?
ほんとうに、ほんとうにか。
[鳥は相変わらず表情というものを読み取らせることが難しい顔で、訝るというには、探る気配が希薄すぎ、信じたくないというには、拒否が足りない声で、そんなことを言った。]
(79) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[鳥は粉屋がはじける現場を見ていない。 動かなくなる瞬間を見ていない。
それは、最期に立ち会った者にとっては随分な言い様だったかもしれない。それと大鷲が気づいていなくとも。] 湖の水と瓶に詰めて、新鮮な雨を受けたなら。 我や我が父のように、死に打ち勝ち、
… また、粉屋が顔を見せたりは、せんのか
[それは、期待であったとしても、希望であったとしても。 認めないという意味においては、営みどおりに送り出さないという意味においては、結局、或いは冒涜なのかもしれなかった。]
(80) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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