43 朱隠し
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これは皆、華月斎が?
器用なものだな。
[感心しつつ、端を手に取る]
そういえば、やはりアヤカシもメシは食うのか?
昨日は、あまり腹の減った記憶がないのだが。
……って、こら!
行儀の悪い!
[いきなり酒をねだりだす藤之助を、慌てて諫めた]
人間の作法とは違うんだぞ?
[元人間かつそこそこの良家出身とは思えない態度だが、我慢しないのが信条である。
特にアヤカシになってからは顕著に]
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[確かに指は届いている、ものの。 指先に、触れる感覚は、ない。] [ふ、と眼を細め。] 矢っ張り、お前さんは。 ヒトの子で、ええ。 [狐の子は残念がるだろうけれど。] ヒトの子で、居れ。 [手を離し、踵を返す。 から、と下駄が鳴る。 ――その音もどこか、寂しげだったやもしれぬけれど。]
(70) 2011/02/18(Fri) 00時頃
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違うにしてもだな……!
まったく、遠慮のない奴だ。
[しかし、そういう奔放なところがまた愛おしいと思ってしまうあたり、なかなかに重症だなと自嘲して]
以前から、こんな調子だったのか?
[などと華月斎に訊ねてみる。
なんとなく、どう返されるかは予想できたが]
[酒をねだる藤之助に]
今用意してきますね
[華月斎に徳利とお猪口の場所を聞き、酒を用意する
しばらくして、食卓に戻る]
はいできましたよ
[猪口を渡し、お酌をする 朧にも同じように酒を勧めるだろう]
──すまんな。
[礼を言い、猪口を受け取る。
実のところ、酒は嫌いではない。
しかし強いのかと問われれば、まぁ、人並み程度なのだが]
遠慮した俺を見たら華月斎が倒れると思う。
[酷いと言われるまでも無く自覚を持った上での行動、なんと言われようと自分最優先で生きてきた。
これまでは]
ああ、どうも。
[猪口を受け取り注がれた酒を旨そうに飲む。
自然と料理へも箸が進み、会話も弾む……筈]
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[思わず、苦笑を洩らし。] お前さんには、人の世に帰る場所が在るじゃろ。 ……こんな化物の処に、戻って来て呉れるな。 [振り向かぬまま、告げる。 振り向いてしまえば、きっと、]
(74) 2011/02/18(Fri) 00時半頃
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──まぁ、承知の上でついてきたのだがな。
[漬物をつまみ代わりに、酒を飲む。
こんなに良い気分で飲む酒は、どれくらい振りだろうか]
……あぁ、すまん。
私達ばかり飲んでいたな。気付かなかった。
[そういえば一平太が酒に手をつけていないことに気付き、徳利を持って勧めてみる]
[朧に酒を勧められるが]
いや、私は…申し訳ないです。
とんでもない下戸なものですから。
[苦笑して酒は辞する]
[徳利を引っ込め]
そうか、残念だな。
[華月斎が飲むようであれば、そちらに注ぎ。
続いて藤之助にも]
呑むのだろう?
[徳利を傾け、訊ねる]
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[地を蹴る音が聞こえ。 触れられる筈もない手が伸び。] [其方を、振り返ってしまう。] ――――。
(77) 2011/02/18(Fri) 01時頃
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……まったく、お前さんは。 相変わらずだの。 され返されるのが落ちじゃろ。 でこぴん。 [べし、と。 定吉の額を叩く素振り。 無論、実際に叩けはせぬのだが。]
(78) 2011/02/18(Fri) 01時頃
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慶三郎は、ウトへと呼び掛ける。
2011/02/18(Fri) 01時頃
[華月斎の手料理がこんなに美味いとは、と久しぶりに感じる食事を堪能する。
朧に問われれば当然と猪口を差し出し、朧の猪口にも酒を注ぎ返す。
しかしどれだけ飲んでも酔う事はない、鬼の体]
[皆で囲む食卓…久しく味わったことのない雰囲気に
一平太は心弾む
華月斎が二人に泊まっていくように言うと]
そうですよね、酒が入っては足元もおぼつかないでしょうし
泊まっていかれては?
[すでに我が家のように振舞う一平太]
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……そうか。 よかったの。 [もう顔も憶えていないあのひとも、そうだったのだろうか、などと。 頭のどこか片隅で、ふと、思った。] ほう。 酒か。そりゃあ、ええ。 [興味深そうに眼を細め、]
(81) 2011/02/18(Fri) 01時半頃
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[藤之助の杯に酒を注ぎ、返盃を受け]
そういえば、一平太はやはり華月斎のことを好いているのか?
[程良く酒が回ってきたのか、至極当たり前のことを問いかけた]
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……孫は幾らでも居るからの。 [向けられた笑顔に、口の端上げて。 伸ばされた手へと、昔となんら変わらぬ己の手を伸ばす。]
(82) 2011/02/18(Fri) 01時半頃
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俺は酔わないから平気だが、朧はどうだ?
[二人に泊まるよう誘われれば近いとは言え急いで帰る理由もないと頷いて]
良ければそうさせてもらおうかな。
[酒を拭きそうになって、既の所で堪える事に成功した]
[好いているのかという朧の問いに]
それは…もちろん…好いております…
[目の前にいる華月斎を意識してか、最後の方は蚊の鳴くような声になる]
ん?
そうだな、それでも構わんが……。
まぁ、そうだな……考えておこう。
[一平太達の邪魔になりはしないだろうかと、若干躊躇いがちに返し、やや遠くの皿に箸を伸ばそうとしたところで、バランスを崩す。
どうやら、既に酔いは回ってきているようだ]
むぅ……!
[裾が、大きく捲れてしまった。
眉根を寄せ、裾を戻して座り直すが。
もしかしたら、昨夜の名残がはっきりと見てとれたかもしれない]
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ああ。 お前さんが先に潰れなきゃあ、付き合っちゃる。 [くつりと笑う。] 孝行なんぞ、せんでええ。 ……呼び方? 好きに呼んだらええ。 じいでもじじでも、おっちゃんでも、 なんだって構わん。
(84) 2011/02/18(Fri) 01時半頃
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慶三郎は、首を傾いだ。
2011/02/18(Fri) 01時半頃
そうか。
[好いている……との微かな声に、満足げな笑みを浮かべ]
私もだ。
私も、藤之助が愛しくてならない。
[目を細め、藤之助に軽く身を寄せる]
けほ。
[二人の会話が面白すぎて咽そうになる。華月斎はどうだろう?視線を送って様子を窺う。
既に朧は相当酔っている様だ、あの時のように。
ということは、じきに寝落ちてしまうかもしれない。やはり泊めてもらう事を決めて良かった]
ああ、泊まっていけ。
遠慮する事は無い、部屋はいくつか余っているし、布団も足りる。
[賑やかな食卓、美味い酒。
楽しい時を過ごしながら]
…ぐ、っ!?
[朧の問いとそれに対する一平太の答えに、
藤乃助と同じく、咽そうになるのを何とか堪えた。
ちらりと見えた情事の名残と身を寄せる朧の様子を見れば、
頬を染めた困り顔で、どこか空を見ながら、がりと頭を掻く]
|
どうせ本物の名前じゃあないしの。 好きに呼ぶがええ。 [ふ、と。 鈴の音が、近づく。] ――ああ。 そろそろ、来るじゃろ。
(86) 2011/02/18(Fri) 02時頃
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?
……?
[咽せかけている藤之助と華月斎を、首を傾げて交互に見つめ]
どうした……?
[藤之助の口元を拭おうと、手を伸ばす]
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[鈴の音が聴こえたなら。] じゃ、儂ぁもう帰るからの。 [ひょいと身をかわし定吉から離れると。 意地の悪い笑みを浮かべる。] あとは狐の子次第じゃな。 [くつくつと笑いながら、その姿は風に消えてゆく。 とはいえ。 ウトの様子を考えると、 すぐ傍に身を潜めるに止まるのだけれど。**]
(89) 2011/02/18(Fri) 02時頃
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2011/02/18(Fri) 02時頃
[好いていると言ってしまった事と朧が堂々と藤之助に身を寄せる姿…そして朧の身に残る痕]
……コホン
[顔を赤らめ俯き咳払いをした]
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