236 【誰歓】 悪魔の月の嗤う夜 【特殊騒動】
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……二人を傷つけることは、許しません。
[興奮する竜を、静かに諌める。 地に臥したトイを、立つチャールズを。翡翠の竜はそれぞれに見て、低く唸り続けはするものの、牙も爪も振るわず止まった。]
(94) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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変わったら、悪魔憑きとして、ひと思いに処断いただけたのでしょうか。
[ずくん、ずくん、と傷が疼く。 そこが、"三つ目"の心臓になったように感じる。]
では、こう言いましょうか。 ラスタバンが貴方を喰らったら、わたくしを討つ方がいなくなります、と。
[涙に濡れそうな表情で、笑う。笑って、トイに告げた。]
(96) 2015/08/28(Fri) 23時半頃
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……チャールズ様。 先ほど、自覚があるのかと、おっしゃいましたね。
[糸つむぎの針が刺さる前に。 ぽつり、ぽつり、語りだす。]
ずっと、心臓の音がするんです。 わたくしの音に、重なるように、ほんの少しずれて。
それを、わたくしは、錯乱していることによる錯覚なのだと、否定してほしかった。 悪魔などいないのだと、言ってほしかった。
でも。
[ローブのうちに隠して片手に握ったままだった、短剣を見せる。]
(102) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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[頷き、眺めるしか出来ない目の前の光景を悲しげに見詰めるメルヤに。]
そう思うか?
[静かに問いかけ。]
あんたの命だって、充分、重い。
悪魔を簡単に殺せるのはな。──悪魔と同等の奴だけさ。
[そう言って、曇る眼が見据えるのは、終わりが近付く様。
そのやりとりを、遠く。
ふと、気付いたように瞬きすれば。
鼻を鳴らし弱く笑った。]
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そう思って、ここで、この短剣を胸に一突きしようとしたのです。 何かに阻まれるように、腕が、動かなくなる。
[悪魔は、やがて女を殺すだろう。 それが悪魔の営みで、そして次を探すのだ。 だからこそ、"死ぬことは許されない"。]
何か、いるんです。 何か。
[声は、か細く震え。 縋るようにチャールズを見た。]
(104) 2015/08/29(Sat) 00時頃
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[墓場の光景を見つめていたが。
静かな問いかけにゆるりと瞬き、ヘクターへと視線を向ける]
私はそう思う。
[こくりと頷き。
けれど否定する言葉を聴けば、首をかしげ]
もとより、悪魔憑きを倒そうとして失敗したからこんなことになったのだろうし。
――悪魔と、同等の者などいないだろう。
[何かに気づいたような、そんな動きを見ながら。
三人のやり取りを聞いている]
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ラスタバンは、きっと大丈夫です。 トイさんを傷つけは、しないでしょう。
ただ――この子はまだ、幼いので。 注意を惹いてもらえるなら、助かります。
[たった、二十年そこそこで主を失う竜は少ない。 精神的に幼い子供のような竜が、どれほどまでに忠を貫くか。]
――出来るだけわたくしを、見せないであげて。
[ただ、方法までは咄嗟に思いつかず。 トイに任せる方針になってしまったか。]
(107) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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……いるんです。 貴方も、トイさんも、わたくしから悪魔がいなくなるのを待てば、わたくしを手にかけずとも、済むでしょう。 そして、次についた人を討てばいい。
けれど、わたくしの腕が動かないように、わたくしはこの悪魔を、御する方法を知らない。 誰に憑くのか、わからない。悪魔は悪魔の意志で、動いている。
[メルヤは、悪魔憑きの自覚がないようだった。 あの傷で、悪魔憑きとしての自覚がもしあったなら、既に自死を選んでいただろう。 いま自分が、こうして自覚できるのは、おそらく幸福なのだと思う。
だからこそ、自分がここで絶やそう。 次の犠牲は、いらない。それに]
(112) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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……もし、次が、ラスタバンなら。 誰もあの子を止められない。
[その前に、自身が討たれればいい。 それは、悲願だ。]
(113) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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[最期の言葉を求められれば、静かに笑う。]
これを。 持っていてください。
[手の届くお姫様に、なることは出来そうにない。 出来るのは、彼を英雄に仕立てあげることくらいで。 ならばせめて、自信の分け身を、彼に預けよう。]
ラスタバンは、主を失ったことを知れば西へ帰るでしょう。 生まれてこの方、一番はじめに仕込むことですから。
だから、早くわたくしを殺
(115) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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[ふいに聞こえた"声"にびくり、と肩が震えた]
オーレリア……
[決意を述べていたオーレリアを案じるように見る]
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サセルカヨォオォォ!!!
[ノイズに乱されるように、女の声が濁る。 絶叫。黒い猛りが、溢れて狂う。
しかし、錯乱めいた最後の悪魔の足掻きは、あまりにも直線的に神父を狙う。 真っ直ぐで、真っ直ぐで。討ち取るのなど猪よりも容易い。]
(116) 2015/08/29(Sat) 00時半頃
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[悪魔が憑こうと、女の身体。 爆発的に力が強まるはずもない。]
(118) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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[首を傾げる様子に、静かに笑い。]
……悪魔と同等など、いないか。
[弛く目蓋を伏せれば、墓場の気配が遠く聞こえる。
やがて、その幕を引く一瞬の痛みが。
死霊達が渦巻く闇にも鋭く響けば。
男は、乾いた笑い声を短く響かせて。]
── さぁ。どうなるかな……?
[それは、身を引き裂かれるような。
そして、悲しみに打ちひしがれ、歓喜に震えるような。
永く、捕らわれていた無数の魂が悲鳴のような響きと共に。
自らも、それに引かれ飲み込まれていく。
傍らにいたメルヤが、どうなったかまでは見届けることは叶わず。
男の魂は、姿を失い、深い闇の奥へと堕ちていく。]*
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[痛い、と思う感覚は、肩を切られてから随分麻痺していて。 言われたとおりにほとんど痛みも感じないまま、頚椎を断たれた女は、墓地に沈む*]
(122) 2015/08/29(Sat) 01時頃
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