25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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ロビンは孤高の高貴な花。 噂じゃなくて。 どんなに手を手を伸ばしたって 俺には掴めない花、だもん。
[視界奪われ見詰めるはひとつ 微かに震える指先に 汗ばんだ手を添えて握る]
俺が花主なら、ロビンが花主なら きっと違ったんだろうね?
だけど ロビンが手折ってくれるのなら “月の瀬に幸せを得る”ことになるのかな。
もやもやしたって 謂ってくれるだけで幸福なのに。
[狂い咲く桜は散って散って 花弁の夢しか残さぬか]
(660) 2010/08/06(Fri) 15時半頃
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[共に在った二つが離されたあの日から、 月の日が来る度に満月を見上げて名を呼んだ。
三つの月に もしもの期待を込めて。
六つの月に 離れた姿に、涙を濡らして。
十の月に 呼ぶ名は何時しか、甘く 焦がれて。
諦め、呼ぶことをやめたのはいくつの月を見送った後だったか。]
(661) 2010/08/06(Fri) 15時半頃
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抱きしめても、構わない?
[受け入れて、との囁きに 僅か耳元に寄せて応える 拒む訳があるだろうか 冬に狂い咲く桜の花弁に 選択肢などありはしない]
[けれど、ただひとつ]
[ほんの微かに過ぎる 約束と優しさと 相手は気付くだろうか ヘーゼルを僅かに動かして 可憐な花の傍に在るを 一度見て、見て 泣き出しそうな眼で 見詰めて、笑う]
(662) 2010/08/06(Fri) 15時半頃
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[本当だといわれれば、青年はくすくすと笑って。 自己責任だという本郷の言葉を聴きながら 一口、口に含む茶は口内で淡く香った]
……自己責任といわれても 命の危険がある場所になど、いて欲しくなかった。
[己を殺そうとしてくれた本郷にぽつりと、こぼす]
……血を吸い咲く花は復讐の毒花 そのような花、百害あって一理なしです。 家名も……いえ、そういったものどころか 貴方自身が血まみれになり、 そのまま倒れかねない修羅道の花です。
[伏せた後見つめてくる夜を 睨むように紅は見つめた後…力抜き笑う]
……本郷殿の手は蓮の花を咲かすためにある もっと、綺麗な花をお選びなさい……
(663) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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仕掛け明かしかどうか判らへんけど…… 蓮の花は、すき見て引っ掛けただけっすよ。
[主の言葉にカラリと笑って、逆らう気はないと示す風、種を一つ明かした振りをした。そして、鵠にかかる言葉と、それを受けての反応に肩を細かく震わせる。 笑いを耐えながら、主が去るを見送った。]
朧様、短期間に、よぅ鵠さんの性格くんではるわ。
[悔しそうな顔をする鵠を見、揶揄う言葉を向けた唇は、はたっと止まる。真剣に考える様子に、悪いと思ったからかそれとも……。]
(664) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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本当はね
[手を握られ、苦笑い]
最初から掴んでいたんだよ、キミと迦陵は。
一緒に居た学園での日々 噂があっても、傍に居てくれて 嘘をつかずに居てくれて
[そう回想する少年はもう居なくて 語るは模した人食花]
抱きしめても、今なら平気。 怖いだけじゃないって知ったから。 同じ思いを、キミにあげたい
[耳元囁く声に、短い頷き]
(665) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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[ぎこちなく、苔色は紫苑色から逸れ、独り語を呟く。]
蓮の花いったら、本郷様の茶、蓮茶であっとんかなぁ。 間違うたら、わての問題だけやのうなったし。
[茶器を片しながら窓を見やると、望月。 ふと、主と会いたいようなことを云っていたのは、本郷でなくて霞月夜だっただろうかと、月が切欠となり思い。頼りない記憶を漁った。]
(666) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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…――――ここに
[添えられた手と共に、頬へ触れていた両の手を下へ、下へ。 首筋掠めて、胸よりしたへ]
受け入れてくれるなら 閨に行こう
[人食いの花は、視線の動くは気づいても 先にあるものには気付かない]
(667) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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手妻師 華月斎は、呉服問屋 藤之助がどうするにしても、虎鉄が目覚めない以上は、此処より動く気はなく……。
2010/08/06(Fri) 16時頃
手妻師 華月斎は、執事見習い ロビンが見せた違和なども、頭の端で考えているか。
2010/08/06(Fri) 16時頃
手妻師 華月斎は、記者 イアンの言葉を思い起こしたりと、いつになく頭は回転させているようだ。
2010/08/06(Fri) 16時頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 16時頃
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[冬に焦がれ狂い咲きながら 春のまどろみに肩を寄せ “セシル”と喚ぶをまだ聞かぬ 其の方へ、微笑んだ]
むつかしいな。
約束、守れないかも。
[独りごつ。 淡い念い、籠めて。]
(668) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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小僧 カルヴィンは、ランタン職人 ヴェスパタインの撫でる手が心地よくて安心したのか、握りしめていた手はいつしか緩く……。
2010/08/06(Fri) 16時頃
手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 16時頃
小僧 カルヴィンは、執事見習い ロビンの秋の憂いに濡れる冬色を、どこか懐かしく夢に見て。
2010/08/06(Fri) 16時頃
小僧 カルヴィンは、懐刀 朧と、霞。二つの月が邂逅するのを知らぬまま、朝を迎えるのだろう――**
2010/08/06(Fri) 16時頃
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仕方ないだろう。 お前、何も言わなかったじゃないか。 そういうのを何というか教えてやる。 独りよがりと言うんだ。
[茶の器に触れる。 まだ己には飲める温度ではなくて、器を遠ざけたまま。 ふと、何か思いついたように手がひらひらと花を招く]
一利?何だ、お前そんなことを気にしていたのか。 手間暇かける余地のない花なんて要らん。 簡単に萎れる様な弱い花もだ。 大体、そんな綺麗と言う商品価値を優先させる花主であれば お前に声なんかかけるもんか。
(669) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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[あの太鼓橋は、この部屋からのみよく見える。 そこに見えるは焦がれ続けた望月か。]
済まぬ、かりょう。
[衣を一枚するりと脱いで、窓には厚くすだれを下ろし、 下駄を履かずに素足のままで、庭へと…]
(670) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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―高嶺の部屋―
…――、…不覚だ。
[悔しそうな顔で呟いた。 ふと、言葉が止まるのに鵠は華月へ顔を向ける。]
…――、…
[ぎこちなくそれる苔色。 紫苑色はそれを、見つめたまま]
……蓮茶 だと思う。 食堂で頼んでいたのはそれだった。
(671) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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嘘、か。
[叶わぬ念いを伝えずに 友として傍に在り続けたなら 塗り重ねてきた嘘は数多 ばれぬなら、ばれていようとも構わぬ、今は]
ああ…行こう。 ずっと、こう、したかった――…。
[首筋、胸元、さらに下 触れればくすぐったさに身を捩る 叶うなら焦がれた躯を抱きしめ 叶うなら指先を絡め 濃密に、他所を寄せつけぬよう 己に芽生えつつあった現の蕾を 開かせぬようにと 人目あるも憚らず 接吻をねだってさえ見せた 連れられるならば、そのままに]
(672) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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しょうがないじゃないですか。 こちらも潜伏の仕事なんですから。 本来なら逃げろというのだって守秘義務違反なんですから
[独りよがりなのはその通りですが 素直に逃げてくれればよかったんです、と 本郷の言葉に少しむっとして言い募ったが 手で招かれれば、首を傾げながらも 椅子から立ち上がり歩を進め]
……一利の方じゃなくて百害のほうを気にしてください 私怨で無辜の者にも手をかけてる私です そんな花を持てば命さえ狙われるんですよ……
[今回とてかなりの大家を潰す。 隠された花とはいえどこで情報が漏れ 何に狙われるかなんてわかったものじゃない 商品価値云々の話には、それはそれで 酷い言い草ですねと苦笑して ゆるりと座る本郷の前に立った]
(673) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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……そう くれた好意は、真実だったろう? それだけでよかったんだ。
[どんなに歪んでいても、それは冬も同じだった。 微笑みが他に向いたのに、僅かに眉を寄せるけれど]
嬉しいよ、セシル ずっと――望んでたんだ。
[望みはひとつ 願いはひとつ 肉喰らい種植え付けて、次の生へ 世の底から崩し行く 幾日かけても]
(674) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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[花二つ。 小柄な身抱きしめられれば、小さく喘ぎ 指先絡めて隙間を埋める。
人目は届かない ねだる唇に、習った啄ばみを一度。 手に手を取って 与えられた花たちの棟へ ほんの僅か小鳥が巣箱にしていたあの部屋へと向かう]
→ A棟/自室へ ―
(675) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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[ゆっくりと歩んで、先に見えるは太鼓橋。 月が照らすその場所に人影はなく、 近くから下駄の音が聞こえることもない。
見えぬ人影に躊躇うように歩みは遅くなる。 先程までの約束が酷く遠く感じられて。
浮かぶ月は――… 独り見上げたあの幾つもの月と同じ、
ぽたりと、
雨の雫が落ちた気がして。はたと、足が止まる。 見上げても雨など降っていなくて月を仰ぐ。 雫が落ちるのは、黒檀からだとは 気付かずに。]
(676) 2010/08/06(Fri) 16時頃
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ふうん? 守秘義務違反をしてでも、と踏み切るくらいには 憎からず思ってくれているわけだ。
[わざとらしくその部分を強調して、 嫌味のように唇の端を吊り上げた。 近づいて来た姿に、まあ自分も立ち上がるわけだが 何をするかと思えば徐に自分の両手を持ち上げて イアンの両の頬を挟み込むように
叩いた。遠慮なく]
ならば、責任持ってお前が守れ。 それぐらい出来るだろう? 腕っ節には自信があるようだし。
[さも当然のように尋ねた]
(677) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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― 大広間 ―
[さて、男は考える。 どうやら、奴は、想像以上に過激だった。 確かに自分のやり方も今までに褒められたものがあるわけではない。 だが、それに比べれば、随分と穏やかだったようだ。]
――……。
(678) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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[そして、セシルの元にロビンが訪れる。]
お友達か…。
[ぽつり]
(679) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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ロビン、ロビン…冬の君。
[もう眼には彼しか映らぬ 出来る限りと艶やかに しかし行為に怯えを滲ませ 夜の記憶と伴いながら]
咲かせて、俺を。 その手で…その唇で…。
[隙間なく絡む指先 啄まれる接吻け 短く高鳴る嬌声 蕩けるヘーゼルは桜を揺らし]
[向かう先、寝乱れる様があろうなら ...はやはり震えていたろう それはきっと最後まで**]
―→A棟、ロビンの部屋―
(680) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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……殺そうと、してくれましたから。
[強調される部分に、返す言葉は 傍から聞いたら不思議なやり取りにも聞こえるか
ただ、両手をあげ頬を挟む仕草は 口付ける仕草に似ていて。 抵抗のない青年は断ってる時に どうなのかなと思いはしたがされるがまま
殴られた。]
――――――――………… 私は、殺す以上殺される日が来るのを踏まえて その日を待っている花です 守るための戦いかななぞ……知りません
[当然のように言い募る本郷に頭がくらくらする 叩かれた両頬が痛い]
(681) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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……第一、こんな花に何故そこまで執着しますか わけがわかりません…
[眉間にしわを寄せて、少し低い位置にある本郷の 自分にそういう理由がわからず]
(682) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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…おぼろ…?
[ひっそりとかける声は、月の光に照らされて、その名の霞が如きに淡く。]
幾つの月を待ち望んだか、もはや忘れてしまいました。 [その笑みは、媚を含まぬあの頃の。]
(683) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 16時半頃
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― 自室 ―
大丈夫だよ、セシル 花開くのは怖いことなんかじゃ、無かった
[褥に横たえ、帯解いて 身は清めても、散る花弁あり 剥いた彼の肌に、 同じ場所へ次々に唇を落としていった]
お揃い
[薄く、嬉しそうに笑って 習いたての所作を真似た。 蕾をほころばせ花開く桜に、落とす言葉]
(684) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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セシル ……キミが無事生き延びることを願ってる。
[最後まで、震えの治まらなかった彼の 痛んだ髪を撫ぜながら、詠う]
――種は、ここに 望みはひとつ、叶った 次は此処から芽吹く筈
喩え私が散ったとしても**
(685) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 16時半頃
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―――…かすみ…
[下駄の音なく、声が聴こえる。
振り返った黒檀の瞳は何故か濡れていて。 媚びぬ笑みの霞とは対照的に、 月に照らされ艶めいたもの。
常とは違う霞の、あの頃と同じ姿に。 濡れた瞳は喜ぶのではなく、少し苦しげに…歪む。]
(686) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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…まあ結局、私はお前を殺せていないんだが。
[少し肩をすくめた。これ以上物騒な会話も、早々あるまい。 ちょっと気合を入れて叩きすぎたかもしれないと思うが 謝るような気配はこれっぽっちもなかった]
知らなければ、学べばいいだろう。
[男は平気な顔をして答えた。 さっさと座り、器に手を伸ばして大丈夫だったので唇を寄せた。 今度は眉が寄った。叩いたせいで手が温まったため誤差が生まれたらしい]
・・・お前、私の手は蓮を咲かせるための手といったな。 期待に沿えなくて悪いが私は平気でこういう事に使う。 と言うよりは専らこういうことにしか使わない。
[茶で軽く火傷した舌を手で扇いで冷ましながら 一つの質問に答える]
だってお前、私に殺してくれと言っただろう?
(687) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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[ロビンがセシルを連れて去っていくのを見はしたが…さてどうしようと思案する。]
明……
[明は傍にいただろうか。]
さっき心配していたな。 疑われる行動はよせと……。
なので余計な心配はさせまい。
(688) 2010/08/06(Fri) 16時半頃
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まるで、夢のよう。 [振り返る彼の瞳に、己の目も自然とうるむ。]
ええ、夢ですね。 …いつかそなたに摘まれる事を、夢見た頃もありました。
[きっともう、その頃には戻れない。v]
(689) 2010/08/06(Fri) 17時頃
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