151 雪に沈む村
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>>24 鍋少年って…トニーだよ!
[人に会えた嬉しさに、こちらへ近づいてくる老人に 自分からも駆け寄るが、あまりな呼ばれように、思わず突っ込みを入れる。 そういえば、きちんと名乗っていなかったような気もする。]
あー…うん、帰りたいのはやまやまなんだけど… ちょっと方向まちがえちゃったみたいでさ…
[迷子になった、と正直に言うのはカッコ悪いと、少し言葉を濁しながら答える。]
つーか、じいちゃんこそ、こんなとこで何してんの?
[トニーはバーナバスが龍であることを知らない。 引き返した方が良いと言うのなら、彼も同じではないだろうか?]
(25) 2013/11/28(Thu) 23時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/28(Thu) 23時頃
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おお、トニーというのか。 私の名前はバーナバス。ご覧の通り神様じゃ。
[どこが『ご覧の通り』なのかまったく分からないが、この老人は純粋な少年に神様だと名乗って惑わすのが趣味なのかもしれない。 だとするなら悪趣味にも程がある。 少年も、『神様』への反応もそこそこに現状をぽつぽつと喋り始める。 どうやら迷子になったようだ。おおよその理由は見当がついたが、バーナバスは敢えて言及しないことにした。 少年からどうしてここにいるのかと問われれば、]
そりゃあ…この先に友人が住んでるんでの、冬の前の挨拶に…
[とはいうものの、この先には人の住んでいる建物どころか小屋の一軒もない。そんなものがあれば二人ともこんな何もないところで出会わなかったはずである。 たまたま『この先』、と指さした先は、はたして若き龍がねぐらにしている洞窟だっただろうか。]
(26) 2013/11/28(Thu) 23時半頃
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―ソフィアの店―
アリスを誘うのもいいわね。 ピエールのお店で焼き菓子を買って、ここのお茶を持って。
……きっと、そうして過ごす時間は楽しいわよ。 このコサージュ用に編み上げた花の、実物だって見られるわ。
[春にしか咲かない花は、他にも数え切れないほどたくさんある。 ソフィアをじっと見据えて、微笑みながら口を噤んだ。 彼女の返事を待つように]
もしよければ、クシャミもいかが? 人数が多ければ、ピクニックみたいで素敵だもの。
[それから、クシャミに視線を移して誘いかけた。 きっと春になればジリヤにも、彼が知っている森の、知らない一面を紹介してあげられる。 それほど遠くへは行けないけれど、それでも心躍る風景は幾つもあるものだ]
(27) 2013/11/29(Fri) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2013/11/29(Fri) 00時半頃
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>>26 へへっ、今度はだまされねーぞ。
[しれっと「神様じゃ」と言う老人に、得意げに返す。 そう何度も同じ手には引っかからないという謎のアピールだ。]
この先?家なんかなかったぜ?
[老人がこの先に友人がいる、と指さしたのは自分が歩いて来た方向。 まさしく友人の“家”があったのだが、そのことは言わずにおいた。 せっかく教えてくれた、カルヴィンの“秘密”を他人に教えてしまうのが、勿体ないような気がして。]
ひょっとして、バーナバスじいちゃんも、迷子になったんじゃねーの?
[からかうように、にやり、と笑う。 “も”と言ったことで、自分が道に迷っているのを認めていることにトニーは気づいていない。]
(28) 2013/11/29(Fri) 00時半頃
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[お昼のごはんを持ち、ぶくぶくに着膨れて一歩外に出た。寒いけど、ちょっとヒンヤリしてて心地良い。
ザク、ザクと歩いたところで一旦家の中に戻りシャベルを肩に担いで再び外に戻る。出歩く前に玄関付近の雪かきをしておいた方が良さそうだ。ふうふう言いながら雪を脇へよける。新雪でふわふわでも何十センチも積もれば重いのだ。ゆっくり作業したもののそれほど時間はかからなかった。
一息ついて、シャベルは室内に戻した。]
散歩すんの久しぶりだ。あー。春にならねえかな…
[だいたい二言目には春を待ちわびている。特にあてもなく歩いていると向こうから人が。時計塔の近くまで歩いていたらしい。すんと鼻を動かして匂いを確かめる。]
-母の夢:教会-
昔から変わらないわね……
もう、お嬢さんって年でもないのに。ふふ。
[ 10年前の冬。銀世界を飛び跳ねるようにして教会へ向かった。
通い慣れたこの道も、白装束を着た今では全く別の世界。
しかし信心深さからそこに足繁く通っている訳では無く。
寧ろ、神がその理由を知れば呆れてしまうような……小さなエゴイズム。
一段と毛深くなった長い髪の毛を揺らしながら、チャールズ!と凛とした声で呼びかける。冬用に新調した厚手のコートは似合っているだろうか。コートと揃いの蜂蜜色の手袋は気付いてくれるだろうか。……なんて。
残念ながら呼び声に答える事はなかった。どこかへ出かけたのだろうか。
ぷ、と頬を含まらせると。
教会の傍に積もってある小さな雪の山を蹄で蹴り上げた。
平地になった雪が……再び雪山を作り……それを賽の河原の鬼の如く蹴り上げた頃……]
[ 彼が来た。
『──エリサ、雪が。』
そう言って自分に近づく掌の所為で、…雪のように積もっていた負感情がいともあっさり溶けてしまいそうで。
一方、そんな単純な事で許してしまう幼い自分が恥ずかしくて…そっぽを向いたものだ。
僅かに首元に触れる彼の指先に、ぞくり、とした。
そうなる原因は、冷たさばかりではないけれども。
………己の手の事など全く意に介さず、此方を心配げに見つめている暗灰色の瞳が……近い。
褒めて貰おうと思っていた蜂蜜色の手袋なんて、どうでも良くなっていた。
それをコートのポケットの中に入れると、外気から守られていた両手が露出する。
それは羊の獣人といえど蹄ではなく、人間と……目の前の彼と同じ手をしていて。]
[――…チャールズ、手が。手が冷たい。
初めて握った彼の手は、思っていた以上に大きくて。少し節くれだっていて。
苦労を重ねてきた事がよく解る、優しい手だった。
体温が相手にも届いて、少しだけ彼の指先が温かくなる。
己の体温と、彼の体温が、等しくなっていく。
その時、自分はどんな表情をしていたんだろうか。
……思い出せば、今でも頬が紅潮してしまう。
そうしていると、引っ張られる手。重なる指。
一挙一動を思い返せば思い返す程、胸の奥が締め付けられるようになる。
まだ少女だった己の、幸せな、ひと時。
時間にしてみればほんの一瞬にしか過ぎない、あの時を。
忘れた事があっただろうか。
何故。……何故、あの時言えなかったんだろうか。
時間は有限で、且つ二度と過ぎた時間は戻らない。
去りゆく時の流れのなか、何度も何度もあの雪の日を。
夢のなかで見た。]
[新雪はきめが細かく、踏みしめる度にブーツの下で音を立てる。
冬の乾いた空気と低い気温では簡単に溶けもせず、くっきりとした足跡が同じ間隔で刻まれていった。
ふと顔を上げると、道の向こうから見慣れた姿が此方へ向かってくる。多少──大分、いやかなり着膨れてはいるが、そのベビーピンクな肌と防寒着から覗く髪は、料理屋のピエールだろう。
向こうも既に此方に気付いているようで、軽く手を上げて挨拶をする。]
こんにちは、ピエール君。もう入眠したかと思っていたのですが。
お散歩ですか?
雪を踏み締めつつ、何時もの笑顔でピエールに歩み寄った。**
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まあ……『家』はないのぅ…
[なんといっても生来の姿は龍、カルヴィンもバーナバスも建物などを作った日には変身を解いた瞬間にぶっ壊してしまうからだ。 そして、トニーが迷子になったのかと問えば。]
バカを言うでない、私は… 家に… いえ…に…
うん、まあ家はないのぅ。
[言っている最中に先程の自分の発言と矛盾したことに気付き、老人ははてと首をひねる。]
……いや、迷子ではないぞ? 一旦村に戻るか?
[しかし、ただ迷子になったと思われるのも癪なので、とりあえずバーナバスは村まで戻ろうと提案する。少年が一人で戻れるというなら、そのままこの場で別れるだろう。戻るというなら、道案内として先導するつもりだった。]
(29) 2013/11/29(Fri) 02時半頃
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>>29 んん?大丈夫か…じいちゃん…
[老人の言うことはなんだかちぐはぐだ。 始めはからかい口調だったが、だんだん心配になってくる。]
そうだな。一緒に帰ろうぜ。
[道案内してほしいのもあったが、このまま老人を一人にしておくのは心許ないと、トニーは老人の手を引いた。]
そういや、じいちゃんはどうすんの?冬の間。**
(30) 2013/11/29(Fri) 16時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/29(Fri) 16時頃
[ 手が重なる。10年前よりもずっと皺が寄って、骨の浮きだったようなその手を、同じように。
続けられるその苦しげな声は、搾りだすかのように痛ましくて。
ああ、どれほどの長い間、この人は己の背負った十字架に苦しめられていたのだろうか。
何度、女神に祈りを捧げてきたのだろうか。
気持ちのなかに、火を吹き付けられたような切なくも温かな衝動が過る。許されるならばその衝動の儘に、動きたかった。
懺悔をするこの男の身体を受け止めて、全てを赦してあげたかった。
けれどもそれをするには、時間があまりにも――…、]
……チャールズ…。
[ 長い告白のあと、漸く出した声は掠れてしまっていた。
重ねられた手を少し強く握り返す。
あの雪の日と同じように、優しい掌を実感する。
色んな言葉が喉元まで出かかって、…口内で消えてしまった。
だから、これだけでも。せめて。]
………ありがとう。
[………。
私の人生の中で貴方の存在は18/18なのだけれど。
貴方の悠久の時の中で、私の存在は18/300くらいなのかしら。
そして、段々と希薄になっていくのかしら……。
18歳の時に村を出た理由を思い出す。
ああ。なんて愚かな。]
―――……神様。どうか、この人に救いを。
[巻き戻す事が出来ないその時を噛みしめるように。
目を閉じて祈りを捧げた。]
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―― 墓地 ―― [この村が昔はなかった、なんてことも、近くに全く別の村があった、なんてことも、青年にとっては思いもしないことだった。 バーナバスは、10年に一度は必ずここに来るのだという。>>22
そうやって、この老龍は幾度の冬をここで過ごしてきたのだろう。 青年にとっては、長い冬でも、バーナバスにとってはあっという間なのだろうか。]
……うん、楽しみにしてる! 一年会えにゃいからって、俺のことまで忘れちゃわないでね!
[にいと口の端を持ち上げ、笑いながら手を振った。]
(31) 2013/11/29(Fri) 18時半頃
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―― ソフィアの店 ――
へっ!? 抜けがけ?え?何が?
[>>5ノックの音のあと、店の中へと入ってきたドリュアスに真面目な顔つきで言われれば、何か怒られているのかとおどおどとしながら頭に疑問符を浮かべる。ジリヤの表情がゆるめば冗談だとわかり、ほっと胸をなでおろしたけれど。
ジリヤがふんわりとした色合いのたくさんのコサージュを取り出して>>6、彼女らしいゆったりとした調子でソフィアに話しかける。 彼女も、ソフィアの元気がなさそうなのが気にかかっていたのかもしれない。抜けがけ、と言われたことに、なるほどと内心納得し、二人のやりとりを邪魔しないよう眺めて、独り密やかに微笑みを浮かべる。]
(32) 2013/11/29(Fri) 18時半頃
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[不意にジリヤの顔がゆっくりとこちらを向いて尋ねられれば、尻尾をピンと立てて、勢いよく首を縦に振る。]
うん、俺も行きたい! ねえ、チャルやサイラスたちも誘ってもいい?
[この秋の国では、10年に一度しか見れない風景。 そんな風景を、みんなで一緒に楽しめたら、きっととても楽しいだろう。]
(33) 2013/11/29(Fri) 19時頃
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[ドナルドやサイラスに頼んで、春の風景を空から見せてもらうのも素敵かもしれない。 ソフィアのお茶と、ピエールの焼き菓子とをお共にして。
チャールズは足が悪いけど、ピクニックは大丈夫かな。 バーナバスも誘ったら来てくれるだろうか。 ピエールやウォーレンみたいに、お店を持っている人も一緒にこれたらいいなぁ。もちろん、ピエールのとこのちびっこも一緒に。 花の事はあまりわからないから、ジリヤに聞いたりして。 トニーやカルヴィンは、イタズラをしてジリヤやウォーレンに怒られないといいな。 アリスともお花見の約束をしていたけれど、あんまり外に連れ出し過ぎると止められるかな。それならこっそり壁を登って連れ出してしまおうか。 後で、一緒に怒られることになるだろうけど。
そんな想像をして。 青年は、春が来るのが一段と、待ち遠しくなる。**]
(34) 2013/11/29(Fri) 19時頃
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[少年に冬の過ごし方を聞かれれば、>>30 老人はいつも通りの答えを返すだろう。]
冬はゆっくり休むつもりじゃ。 春に、みんなが目を覚ますのを…じっと待ってるんじゃよ。
[手を引く少年の手が温かい。 老人の手は、氷のように冷たかったことだろう。 腹巻きの効果も、寒さに奪われる老人の魔力に比例して弱まっていた。]
坊やも…家の中で温かい恰好をして、ゆっくり休むんじゃよ? こんな何もないところを宛もなく歩いていたら、寒さで凍えてしまうじゃろう。
[村の方へと歩き続けながら、少年と話を続ける。 正しい方向へ歩けば、すぐに村の明かりが見えただろう。]
(35) 2013/11/29(Fri) 20時頃
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―村の付近―
おお、そう言えば…お主、『ウォーレン』というものを知らぬか? ちょいと用事があっての、そのものに会わねばならんのじゃ。
[手をつなぐ少年に、バーナバスは質問を投げる。 古い友人から頼まれた言伝を届けるためだった。>>4:65]
(36) 2013/11/29(Fri) 21時頃
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[匂いでだいたい馴染みの客と近所の奴くらいなら目で見なくても分かるのだ。
わかる。向こうから歩いてくるのが険しい顔など見たことない奴で、だいたいいつも黒い格好で、そして馴染みの客でもある男だと。相手も気付いているようで手を上げ返す。
体力を使わないように同じ速度で歩む。]
よ、チャールズ!元気そうだなぁ。今日は天気がいいからな。散歩と仕入れしておきたくてよ。それと雪かきな。や、雪も冬もさみいし春が早く来ねえかなと思うがよ、嫌いじゃねえんだよな、なぜか。
眠りは深くなるが、俺ぁ入眠出来ねえよ?体の仕組みはほぼ人間だからな。つーか冬眠しちまったらうっかりお前さんの世話になっちまうよ。
[ガハハと笑いながら冗談にもならないような冗談を言った。]
[旅の荷物を抱えて、村の出口に来たときだろうか。]
――ジリヤ。
[その美しい銀髪のドライアドはウォーレンに旅の安全を祈る。]
…ありがとよ。なぁに、「すぐ」さ。
[そう言うとニィと笑う。
彼女が眠るまでに戻れるだろうか。しかし春になればまた会えるのだ。
長いようできっとあっという間だろう。]
[そのまま半日ほど歩き続ける。
石畳の街道がだいぶ広くなった頃、町並みが見えてきた。
往来を通る者も村と違って大分多い。
街中の大通りから一本路地を入ったところ、いつも買出しの時に使っている宿に入る。]
…空いてるか?
[人のよさそうな宿の主人は、久しぶりの顔に、めっきり寒くなっただの、あそこに店ができただの、何くれと笑顔でウォーレンに話しかけ、それをウォーレンも穏やかに聞く。
傍からみればどちらか宿の主人か分からないだろう。]
[そうして宿の主人と少し話せば、夕暮れの町に出る。
鉱物を扱う問屋に向かえば石炭を注文する。
ここは同じドワーフの主人がやっている店だ。
明日運べるように木箱にまとめてもらう話をつけ、ついでに鉄や真鍮、各種鉱石を眺めるだろう。
同族だからか、何かと融通を利かせてくれるのはありがたい。
色々頼み、外へ出て、市場で夕食を買ってから宿に戻った。]
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-工房前-
[工房前へとやってきた老人は、懐から一通の手紙を取り出した。 内容はたった一文。 春になって、工房の主がこれを読めば、意図は伝わるだろう。 風で飛ばされぬよう、しっかりと玄関扉の奥へ差し込み、老人は工房を去った。]
(37) 2013/11/29(Fri) 22時半頃
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…と、じいちゃん、手、すっげーつめてーぞ?
[触れた老人の手は氷のように冷たかった。>>35 効果があるかはわからないが、両手で包んで温めてやる。]
へえ、じいちゃんは冬眠すんのか。 じゃあ、人間族じゃないの? それとも、冬眠する人間もいるのかな?
[初めての冬。まだまだ知らないことだらけだ。 思いつくまま、口にする。
老人に、温かい格好をして休めと言われれば、]
オレは大丈夫だよ。 クシャミにいちゃんから服もたくさんもらったし、それに、旅に出るなら、これくらいの寒さに負けてらんねーしな。
[そして村が見えてきた頃、老人がウォーレンのことを訊ねてきた。]
え?ウォーレンじいちゃん?工房にいると思うけど…ほら、あのでっけー木のとこ。
(38) 2013/11/29(Fri) 23時頃
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靴磨き トニーは、メモを貼った。
2013/11/29(Fri) 23時頃
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>>38
ほれ、私は神様じゃよ。神様だって冬眠ぐらいするわい。 …とまあ、冗談は置いといて。 冬は雪に閉ざされちまうからのぅ…やることが無いからの…
[孫でもいればオセロでもするんじゃが、と小さく呟いた。]
[どうやら少年は旅に出るらしい。 初めて会った時にも薄着でガタガタ震えていた少年が、 冬に旅に出て大丈夫なのだろうかと老人は心配を覚えた。]
[村が見えてきたころ、ウォーレンなる人物の所在を少年に聞いてみた。>>36 すると、木と一体化するように建つ工房の扉が見える。]
おぉ、あの木じゃな。 ……ちょっと行ってくるわい。
[少年はついてきただろうか。 老人は工房へと向かって歩き出す。>>37]
(39) 2013/11/29(Fri) 23時頃
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>>39 って、じいちゃんひとりで大丈夫かよ?
[ウォーレンの工房の場所を教えると、老人は、行ってくる、とそちらへ向かって歩き出した。 少年は自分の方が心配されていたとも知らずに老人を心配する。 氷のような冷たい手が、少し気になったのだ。
もっとも、老人が大丈夫だと言えば、無理について行くことはないだろう。]
(40) 2013/11/29(Fri) 23時半頃
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―ソフィアの店―
えぇ、もちろん。 どうせ大人数になるのなら、カルヴィンやトニーや、ピエールの子達も誘ってあげたいわねぇ。
[勢いよく首を縦に振るクシャミの様子に、自然と口元が綻んだ。 子供達が一緒に来てくれれば、きっと賑やかさは更に増す。 収集が付かなくなったら困るから、お目付け役にウォーレンやドナルドも誘ってみようかしら、なんて思案するのだ。 彼らが誘いに応じてくれるかはわからないけれど、想像しているだけでも楽しそうだ。
偶然にも、クシャミが同じような事を想像しているだなんて、夢にも思わない]
(41) 2013/11/29(Fri) 23時半頃
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[ソフィアの返事が帰れば、話題はささやかな世間話に移ろう。 長話というほどではない程度に少しだけ談笑してから、ちらりと窓の外へ視線を向けた]
……それじゃあ、私はそろそろ帰ろうかしら。 眠ってしまう前に、冬の景色を目に焼き付けておきたいの。 お散歩をしてから、家に帰って冬支度を整えるわ。
[冬支度、といっても、ジリヤのそれは片付けのようなものだけれど。 冬の間、使わなくなるものを片付けて、家の中をすっきりさせてしまうだけだ。 ドリュアスの冬の『眠り』は、人の眠りとも冬眠とも違うから。 家に篭る事はないし、冬眠場所を探す事もない]
少し早いかもしれないけれど、また春にお会いしましょう?
[再会の約束を交わして、ソフィアへと微笑み掛けた]
(42) 2013/11/29(Fri) 23時半頃
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クシャミ、貴方はもう少しここにいるのかしら? それとも、途中までご一緒する?
[外に出る前に、冷たい風が隙間から忍び込んでこないようにショールをしっかりと羽織りなおす。 そうして、クシャミへ首を傾けて問い掛けた。 彼がいると答えれば、ソフィアに向けたのと同じように、春での再会の約束を交わすだろう。 一緒に帰るというようなら、道中を途中まで共に歩いたろうか。
店を出る間際、もう一度だけソフィアに笑顔で手を振った。 ――彼女の幸福を祈りながら*]
(43) 2013/11/29(Fri) 23時半頃
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