308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[思考も声も徐々に元通りへ近づいていったが、
本当にただ近づいただけだった。
安堵の吐息や笑い声には、まだ時折呻きが混じる。
その度シーシャは怯え、警戒するように身を固くした。
右目は相変わらず開いているのによく見えないままで、
左目もごく稀に持ち主の意思に反して巡る。
その時視界の端に映った左腕はずたずたになった
どす黒い布地の向こう、生白い肌が歪に繋がって見えた。
まるで、死にたくない心に肉が応えたかのように。
応えてしまったかのように。]
シーシャ、
[あの子はシーシャ。
元部下で、半月に一度物資を届けてくれて、
礼儀正しく、それでいて子どもっぽいところもある、
どこへだって行ける足を持った若者だ。
うんと小さい頃から知っている、可愛い子。
やめろ。“あたたかいもの”なんかじゃ、ない。
渇き張りつく喉を粘ついた体液で押し流し、口を開く。]
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[ 走って、隠れて。走って、隠れて。 距離としてはせいぜい町内をグルグル回っている だけなのだが、どうにも、何も、休まらない。]
──はっ、はっ、あ……お、おえっ
[ 逃げ惑いながら、見た光景を反芻してしまい、 その場にびちゃびちゃと嘔吐する。 転んで倒れた老人に、何人もの人が殺到し。]
うぇっ…おえぇ……
[ がり、がり、ぐちゃり。 悲鳴、嗚咽、断末魔。 怒号、呻き声。
一頻り胃の中のものを出し切ったようだ。 吐き気は止まらないが手の甲で唇を拭う。 家があれば、そこに立て籠ることもできたのに。]
(124) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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[ 私はよろよろと立ち上がって、目の前のビルを見た。 その雑居ビルの非常階段は、"あいつら"はいないようだ。 各階の踊り場にはビールの樽やモップ、ゴミ箱がある。 そのビルのテナントが物置に使っているのだろう。
あたりは薄暗くなっている。 体も走り続けてボロボロだ。 私は非常階段を踏み締め、1段ずつ注意深く登った。 **]
(125) 2020/10/23(Fri) 23時半頃
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