人狼議事


308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】

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  「 ひとりにしないでよ、秋 」*

 


メモを貼った。



[ あれから5日が経っていた。]
 



[ ゾーイが癇癪を起さなくなった。

 その代わり1日中ぐずって、
 ぬいぐるみの耳を吸いながら、
 誰かのそばに引っ付いていることが増えた。

 ママは?≠ニ時折尋ねてくるので、
 そのたびにパパを探しに行ったと伝えて、
 はちみつをひとさじ舐めさせてやった。

 胸が痛んだけれど、
 とても本当のことは伝えられなかったのね。]
 



[ 数日前気が付いたときには、
 電気が通らなくなっていたのね。
 冷凍していた僅かな食糧もダメになっていた。

 スマートフォンを充電しようとした、
 お隣の息子さんが真っ先に気が付いて、
 チクショウ!≠ニ声を荒げていたわ。

 事態に気が付いたお隣のご主人が、
 全員のスマートフォンを集めて、
 むやみに使わないようにしようと言った。

 バッテリーが残されている限り、
 何か助けになる情報を探していたけれど、
 安全な場所も食糧のありかも、
 結局はどこにも見つけられなかった。]
 



[ 自動車ももうほとんどガス切れで、
 最近はこの家から出られずにいるわ。

 このあたり一帯は、
 大きなおうちが多い住宅街で、
 歩いて外に出ていったところで、
 近くにはすぐに逃げ込めるような場所はない。

 住むには良い場所よねなんて、
 笑っていたのがずいぶんと昔に思えた。]
 



[ 日に日に外の世界が遠のいていく。]
 



[ 幸い、アレの知能は高くないらしく、
 しっかりと門扉を閉じてさえいれば、
 塀を超えて敷地内に入っては来なかった。

 それが逆にわたしたちを、
 ここから動けなくさせていたのかもしれない。

 少なくともこの中にいれば、
 ノーリーンのようになることはない。

 けれど、確実に状況は悪化していったわ。
 みんな元気がなくなっていった。
 イライラしている様子もあった。

 当たり前よね。
 閉じ切った空間の中に身を寄せ合って、
 食べることすらままならないんだもの。]
 



[ いくら襲われず安全だからといっても、
 わたしたちはじわじわと弱っていっていた。

 なんせわたしたちはもともと二人暮らしで、
 お隣さんだって、旦那さんと奥さんのところに、
 息子さんと弟さん夫婦が急にやってきたんだもの。

 いくらお互いの家の食糧を持ち寄ったって、
 これだけの人数で消費すればあっという間よね。

 今晩もクラッカーを少し齧るくらいかしら。
 ふと顔を上げたらリビングルームで、
 ゾーイとウィレムがお互いにもたれて眠っていた。]
 



[ ジャーディンはきっと自室ね。
 オッドを抱いて上がるのを見たわ。

 ほかの大人たちもきっと、
 それぞれに部屋で休んでいるんだと思うわ。

 あまり栄養をとれていないからか、
 だんだんと動くのもおっくうになってね。
 何もしない時間が増えていたの。

 いよいよ何か手を打たなくては。
 わたしはそう考えながら、
 犬たちの様子を見ようと部屋へ向かったの。]
 



[ ……ねえ、いのちに優劣があると思う?*]
 


メモを貼った。


メモを貼った。


【人】 地道居士 エニシ

[前にゾンビが二階に入ってきたときは
僕が寝ぼけて壁を蹴ったりしたのが原因だろうと。
不必要に音さえ立てなければ、
奴らは中に入ろうとしてこないだろうと。

兄貴のその推測は当たっていた。
それから今まで、ゾンビは家に入ってきていない。]

(29) 2020/10/24(Sat) 21時頃

【人】 地道居士 エニシ

 ……兄貴。もう、大丈夫だよ。
 じっとしてれば……ゾンビは、来ないんだ。

[一階の居間の横の、両親の寝室。
そこにあるクローゼットの前で体育座りをして
目の前で鈍く光る銀色を見つめる。]

 「えー、くん…………
  そ、か……よ、かっ た……」

[獣が唸るような音が混ざった兄貴の声が、
クローゼットの中から聞こえるのに、
僕は膝の間に顔をうずめた。

クローゼットは中から簡単に開かないよう、
外の二つの取手同士を紐で結んである。]

(30) 2020/10/24(Sat) 21時頃

【人】 地道居士 エニシ

[兄貴が噛まれてから、五日。

兄貴は最初、僕に逃げるよう何度も頼んで、
僕が逃げないなら、自分を殺してくれと言った。

 ――まだ、ゾンビになるって決まった訳じゃない。
 なってもいないのに、殺すなんてできるもんか。

僕は毎回、そう言って断った。
ワクチンの開発とかが間に合って
ゾンビになった人も助かるかもしれないじゃないか。

その言い分が何の気休めにもならないのは、
僕自信がが一番よくわかってた。
だって。毎日、テレビをつけてみても、
ネットのニュースを漁ろうとしてみても。
ここ数日は何の情報も流れてこなくなっていたから。]

(31) 2020/10/24(Sat) 21時頃

【人】 地道居士 エニシ

[対策を練る筈の政府や医療機関の人だって
今どうしているかの情報が、何も無いんだ。
今一番、リアルタイムの情報が流れてくるのはSNS。
それも悪い情報ばっかりで、
事態が良くなりそうな兆しは欠片も見当たらない。

両親だってもうゾンビになってしまったんだろう。
兄貴ももう、助からないんだろうか。
ゾンビになってから助かったという情報はない。
こんなんで、希望を持つことなんてできなくて。]

(32) 2020/10/24(Sat) 21時頃

【人】 地道居士 エニシ

[そして、兄貴は僕に言った。]

 「多分もう、俺には猶予がない。
  今のうちに、手を縛って。閉じ込めてくれ。
  俺……えーくんや、他の人達を、
  食べたりなんて、したくないんだ。
  だから、えーくん。こんなこと頼みたくない、けど
  逃げないなら……俺のことを、]

 ……ゾンビに、なっちまったら、だからな。
 まだ、ならないかもしれないじゃないか。
 でも―――、兄貴。約束、するよ。

[閉じ込めるのは、僕へ考える時間をくれたからだ。
ゾンビになって暫くは、迷えるように。
逃げるか、……兄貴を、殺すか。それとも。

僕は全部わかってた。もう避けられないことだって。
わかってて、兄貴を閉じ込めた。
けれどまだ僕は、どうするか何も決められてなかった。]

(33) 2020/10/24(Sat) 21時頃

【人】 地道居士 エニシ

[クローゼットに背を預けたまま、話す。]

 なぁ、兄貴。

 「な、に……えーくん、」

 兄貴は……心残りとか、悔いって、ない?
 僕は……後悔ばかりだよ。

 「……あるけど、さぁ…………
  でも、俺は、最後、
  えーくんの声聞けて、良かった。
  あぁ……そうだ。この後のこと、かな、
  俺の分まで、えーくんに生きて、ほし、、
  ……げほっ!!ごほ、っ……!!」

[ぜぇぜぇと、背中の下の方から蒸せる声。
クローゼットを開けようとして立ち上がりかけ、
"殺さないなら何があっても開けるな"
兄貴の言葉を思い出し、その場にまた座り込んだ。]

(34) 2020/10/24(Sat) 21時半頃

【人】 地道居士 エニシ

[背中からは、辛そうな息遣いに、笑い声。
僕がしたことは筒抜けだったんだろう。
その後また、咳き込む声と唸り声が続いて、]

 僕は、……兄貴だけだったんだ。
 兄貴が居なくなったら、僕、

[背中から聞こえてくるのは呻き声ばかりになった。]

(35) 2020/10/24(Sat) 21時半頃

【人】 地道居士 エニシ

[……ポケットで、震える感触がする。
SNSの通知だろうかと、スマホを取り出し。]
[通話相手の名前を見て。嘘だ、と思った。]

 ―――父さん…?

[酷い雑音の中で。発砲音や、呻き声がする。
その中でも近くで聞こえる、荒い息遣い。]

 『……エニシ。良かった、無事だな。
  ヨスガも、無事か。』

[父親と話したのは、本当に久しぶりだった。
間違いない。本人だ。でも……なんで、"僕"に。]

(36) 2020/10/24(Sat) 21時半頃

【人】 地道居士 エニシ

[こみ上げてきた涙を堪えて
数秒の悩む間を置いてから、震える声で答える。]

 大丈夫。僕も、兄貴も、無事だよ。
 ……母さんは?

 『そうか。……良かった。
  母さんは…………無事だ。』

[心配するな、とその後に続いたけれど
僕は、気づいていた。
僕が答えるまでの間と、父親が言い淀んだ間。
その意味が、殆ど同じものだってことに。
父親も気づいていたに違いないのに、
そのことに触れてこなかったのは、優しさなんだろうか。]

(37) 2020/10/24(Sat) 21時半頃


[ふっと意識が持ち上がる。

 さっきまで夕暮れの帰り道にいたはずなのに
 目の前にはぼやけた灰色の天井が見えている。

 近くにカーテンでもあるのか、
 さらさらと光が反射して煌めいて
 まるで休日部屋で昼寝をした時みたいだった。]
 



  ……う、

[ここは。

 もしかして、全部夢かな。
 ゾンビとか、進が死んだこととか、
 父さん母さんが死んだこととか
 振られたこととか。

 …………振られたことが嘘はさすがに無理か。]



[ともかくも、

 もしかしたら悪い夢でも見てたのかも、と
 そう思おうとした俺を現実に引き戻すように
 左肩がつきりと痛んだ。

 うめき声をあげると、近くで身じろぐ気配がする。
 のぞき込んできたのは――]

 「目ぇ覚めたか?」

  あ? …………
  ……なんで、あんたが、

[ぼさぼさの黒髪にやつれた顔。
 死んだ目をした、体格のいい男。

 ネコ元帥がそこにいた。*]



[ 部屋の前でお隣のご夫婦と鉢合わせたの。]
 



  あら、ちょうどよかったわ。
  ご相談したかったの。
  これからのこととか……色々と。

[ わたしはそう言って、
 彼らのもとへと歩み寄っていった。

 お二人ともやつれた顔をしていたわ。
 なにか話をしていたようだった。
 そうよね。このまま耐えてばかりいても、
 どうにもならないことは皆わかっている。]
 



  このままでは、
  皆動けなくなるのを待つだけだわ。
  でもまだ生きている人はいるはず。
  きっとどこかに安全な場所が──、

[ いつも落ち着いているご主人も、
 少し気が立っているように見えたわ。
 わたしの言葉を遮るようにして言うの。

 車はもうほとんどガスが残ってないんです

 腕を組んで、しきりに唇を噛んでいた。
 薄く剥けた皮を剥がしているのね。
 落ち着いた品のある人だったはずなのに。]
 



  ガレージの車。
  もうずっと乗っていないけれど、
  こまめにメンテナンスには出してるの。
  古くて小さい車だから不安だけど……

[ ご主人はゆっくりと首を横に振ったわ。

 仮に動いたとして、
  とても全員は乗れないでしょう

 きっとそんなこと、
 もうとっくに考えてたとでも言いたげにね。]

  誰かが生き残っている人に助けを求めて、
  そしてまた迎えに戻って来ればいいわ。

[ そう言った私に、ご主人は小さく笑ったわ。]
 



  ならキーを渡してください
   我々が行きますよ、大人を代表して
 



  それは……、

[ わたしは黙り込んでしまった。

 彼らに鍵を渡して、送り出して、
 帰ってくる保証がどこにあるの?
 戻ってきてくれなかったら、残された側は?
 外への連絡手段だってもうないのよ。
 今度こそどうしようもなくなってしまう。

 ご主人はため息をついたわ。
 ……そうでしょう。
  近所に食糧を探しに行くとは違うんです
 わたしの言葉を封じるようにそう付け足してね。]
 



  けれど、そうはいっても、
  このままだともう……、
  どうにかしないと。何か手はないかしら。

[ 庭で火を焚いてみるとか、
 バルコニーから信号を送ってみるとか、
 そんなことはもうとっくに試していたわ。

 少なくとも今まで、
 外界からの反応は何一つとしてなかった。

 外をうごめくものの数が、
 日増しに増えているように見えるばかり。

 私たちだって考えてはいますよ
 別に非難したつもりはなかったけれど、
 ご主人は少し気分を害したようだった。]
 


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