189 とある結社の手記:8
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[村の様子をゆるりと見渡した。村の様子はいつもと同じく静かなもので、確かにイアンの言う通り、誰も見えていないようだった]
…………こちら側…、…………ああ、 うん。 そうらしい。
…あんたも死んだんなら。 ご愁傷様。ざまあない。
[興味なさそうに自分の死を肯定して、
いつもは飲み込む悪態をぼそりと吐いた。
…遅れて、ざまあないのは自分も一緒か、とも思った。
自分の周りの嫌いな奴らを消してくれる神様は、
こうしてひとり死んでしまったのだから。]
[見上げる狼へ視線をやって、ゆるゆると外す。
死んでもなお、癖は抜けきらない。
イアンの顔を見ないまま、幽霊はぼそりと問うた]
………村長の七光りの。
くそったれのアーヴァインを殺したのは、あんた?
あはは。驚いた?”私”はこの姿はあまり好きじゃないんだけどね。何なら人間の姿に戻るよ。
[ 謳うように答えると目を細めた。風に合わせてふわり。尻尾をなびかせる。穏やかな振る舞いは、人を襲う化け物には見えないだろう。ただの野生の狼のようである。]
まぁ、”私”自身なんでこんな事をしたのか解らないね♪
でも、元々、死にぞこないの命。
――――……こんな風に死ぬのも、また、私らしいというか。
[懐かしむように何処かをみやる声は。
私だったか。”私”だったか。
問われた事には、一瞬考え込む様に耳を伏せて。]
…………ああ、あの人はアーヴァインというのか♪
ごめんね、初めて知ったよー
[くっく、と下卑た嗤いを零す姿は、獣のくせに厭に人間らしくて。やはりこの狼が異形のモノである事が解るだろう。]
なになに?なんか感謝されちゃったのかな、私。
[そうして好奇の目を青年に向けた。]
いらない。
無駄に爽やかなあんたの顔見るよりは、
獣の顔見てた方が、まだまし。吐き気がしない。
[もっとも吐くものなんてこの身体には無いのだろうが。
獣に襲われて死んだ身だ。恐れが一切無いかと言えば嘘になるが、それよりも人の顔を見る方が不快感を覚える。
まるでただの狼のような素振りのイアンへ、またため息をついて静かに頭を振った。]
……………自分の命が一番、なんていっておいて。
とんだ嘘吐きだ。
…………………じゃあ、あんたの大事なものって、
結局なんだったの。
[イアンの言葉を思い出しながら、懐かしむような声の先へ悪態を吐く。
言葉通りの憎しみは声に乗らず。微かに冗談めかしたような。嗤うような色が僅かに淡々とした声に乗っていた]
[初めて知ったと、下卑た嗤いを漏らしながら心にも無さそうな謝罪を言う。そんな人間らしい「化け物」へ頭を振った。謝罪はいらないというように。]
……………あんたは嫌いだけど。
感謝はしてる。………ありがとう。
……………でもどうせなら。 全部、消してほしかった。
[好奇の目も、幽霊と目が交わる事は無い。]
えー。そうかな。
私ってそこそこに恰好良い顔していないかな?
[そう言って、拒まれなければ彼の脚元に擦り寄ろうとした。
拒まれてしまえば、媚びたような視線を送って。ひとつ吠えるだろう。]
……うーん。何だろうね?
詰まる所、特に無いかもしれない。
[自分の言葉の矛盾に気が付くと。何かを考え込む様に暫し俯く。
”私”は喧噪を嫌い、慎ましく過ごしていたはずなのに。
享楽に誘われるがままに、足を運んでしまった。
泡のようなひと時の先には、何も無いと解っていたはずなのに。
ただ、麻薬の様に刹那的な幸せを噛み締める事に勤しんでいただけだ。]
ん?どういたしまして?
ラルフ君はなにか、大事なものはあるのかな。私はそれに貢献をしたのかな。
[長い四足を地面に伏せて。青年を見やる。]
[擦り寄る狼へ「きもちわるい」と言って半歩引いて拒むと、媚びた様な視線を送ってひとつ吠えられた。狼に殺された苦痛を、無意識に覚えてしまっているのか。その声に僅かに肩を跳ね上げる。皮肉なものだ。苦痛を覚える身体などもう無いというのに。]
…本当、あんた。嫌な奴だな。
[僅かに顔を顰めてぼそりと返した]
[考えるように俯いた狼をちらりと一瞥し。
地面へ伏せた狼が、こちらに視線をやるとゆっくりとその視線を逸らす]
……………………… 大切なものは、あったけど。
[―――きれいなものを、大切なものを仕舞う為の
誰にも見つからない「柱時計」の部屋は、もう主を失った。]
…………………………もうきっと。叶わないし。
[「彼女」の為に幽霊が用意した「柱時計」の部屋の中には、
これから先、誰も入ることは無いのだろう。
静かに静かに、人知れず。
誰も入らぬまま知らぬまま、朽ちていくのだろう]
………叶えてもらったんだとも、思う。
[…誰にもその場所を隠したまま。
主自体が、「きれいなもの」の中へ消えてしまったのだから]
だからもう。あんたと同じ。 ……たぶん。無い。
[淡々と話す声には、僅かな落胆と諦観。
…そして、ほんの僅かな、幸福感がのった]
[愛想の無かった幽霊には珍しく。微かにだけ、口の端に笑みを作る。
感情を隠す為の口を隠す癖は出なかった。
幽霊にも、自分が笑っていると気付いていなかったから]
…………………貢献は………、さあ。 どうだろう。
………少なくとも。
アーヴァインとサイモンが死んだ時。 良かったって。
………そう思った。
だから、感謝はしてる。
それは褒め言葉なのかな?あはは
[ 皮肉の言葉は解らないと言わんばかりに。前足の間に顎を乗せて、小さく嗤った。
視線を決して合わせようとしない男の、その琥珀色のなかは。一体何を映しているのだろう。
どこか遠くを見ているようで。その実は、何も彼のなかには観えていないのだろうか。]
――――……ふぅん
[彼が、微笑んだ。]
[日が落ちていく。ヒグラシが鳴いている。
村は影を濃くしていく。
けれども、一人と一匹には。影すらない。]
……誰かを探していたんじゃないの?行かなくていいの?
[落ちる夕日を眺めながら、狼は尋ねた。
夢遊病者のような背中は、誰かを求めていたのように見えたのだけれども。]
[嗤う狼を睨むように一瞥して、すぐに視線を逸らし。
幽霊は小さく舌打ちした。
…逸らした目の先には、遠く小さく湖が見えている。
狼の察する通り。その実は、何も見えていない。
ただ、視界に入るものが汚いものと決めつけて、
拒否しているだけ。何も見ようとしていない。]
[日の暮れる街並み。影すらも濃くなるというのに、
幽霊の色は一切濃くならず。ただ霧のように透けている。
一人と一匹の話す声すらも、生きている者達へ音を届ける事は無い。たかがヒグラシでさえ、こんなに五月蠅く鳴けているというのに。]
[狼に尋ねられて、幽霊はゆるゆると僅かに頷いた]
[狼へと背を向けて。ぼそりと呟いた]
……………。
もう一匹の狼に。 なんとかよろしく言っておいて。
………あんたなら、きっと。知ってるんでしょ。
[お互いの声が生者に届くわけも無いのは知っている。
朝に同じくらい勝手な事を言われたな、とぼんやりと思った]
[そのまま振り向かずに、幽霊は再び影も無い歩く霧となって、
暮れた街をふらふらと歩いていった]
―村長宅―
[…やがて、幽霊は村長の家の前に辿り着く。
意志の薄いようなゆったりとした足取りで
彼の家へと入っていった]
監視の為だろうか。中に居る結社員が
無言のまま入ってきた彼を咎める事は無かった。
彼の姿を見る事は出来ないのだから、当たり前だ]
[部屋の奥。苦しげな息を繰り返し、横たわるホリーの姿を見つけると、幽霊はゆっくりと枕元へと膝をついた]
……………………………………お嬢さん
[霧のように静かなぼそぼそ声で、声をかける。横たわるホリーがこちらを見る事も無い。誰の鼓膜を動かす事も無い]
[苦しげなその顔へ手を当てても。触れた感触などは一切無く。
彼女もただ苦しい息に胸を上下させるだけだ]
……………。
…………………、きれい。
[長い彼女の髪を掬い上げようとした。
霧のように霞む白い指先に、彼女の髪が絡むことは無い]
………………………仕舞ってあげたかった。
[呟いた声は、生者はもちろん。死者でさえも届かないほど小さく]
[幽霊は彼女の髪に顔を埋めるように。彼女の枕元へと、静かに静かに自らの額を置いて、目を閉じた**]
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