25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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門下生 一平太は、ランタン職人 ヴェスパタインがわらうのを睨みつける。
2010/08/08(Sun) 02時頃
――…ボクの為に、染めた髪
[小さく呟く声、僅か。
これは聞こえぬ方が良い
きっと、彼にとっては]
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"それ"が、そこにあるはずはない。 "それ"をお前に貸してくれるものなど、居るはずもない。
何故なら、"それ"の持ち主は、去年の夏の祭りの夜に…
[握ろうとした白鞘巻は、霞のごとく夢のように消える。]
ここで、みなの糧に饗されましたから。
(352) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[桜花の散るを見れば、 黄泉花はつかつかと歩み寄った]
――あなた、大げさなのです。 昨日も言ったじゃないですか。
あなたの言葉、聞いてた私とて ……少しだけ誤解もします。 決して案じているわけではありませんけれど。
[むくれた顔を見せる、 花の一枝でも手にあったなら、それでぺしりと手が出たであろう]
(@57) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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>>350
剪定?
[そして、目の前にたどり着く。 桜色の髪は、風に流れて………。]
どうして切るんだ? いや、切ってもいいが……。
とにかく、ここは、危ない。 みんな、心配する。
[その手を差し伸べる。]
(353) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[振られた刀は、避けもせぬ。 なぜならもとより最初から、刀はそこには無かったのだから。 祭の夜の夢の名残が、己が散ったことを受け入れられなかっただけ。]
(354) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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嘘は……つかない。 じゃなきゃ、ロビンが心を許したりしない。
[紅石榴は正面の友を見詰めて]
彼は、何処までもまっすぐで不器用だか、ら――…っ!
[剪定され行く桜の花弁に、息を飲んだ]
(355) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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始末屋 ズリエルは、明も真横にきていて、ぱちくりした。
2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[戻るのだ。迎えてくれた邦夜の元へ。 倒すのだ。獣を。危険なものを。 恨み歌に繋がる月の君を。 そのために振り下ろして]
…えっ…
[掻き消えてゆく存在。 知らされた過去。 何より友の身に降りかかったというのが、思考に停滞をきたす。 その場に硬直して霞月夜を見る]
(356) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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――…彼の人の為に、 染めたのでしょうに。
[それがぽつり、と零れたは自身の言葉か。 あるいは桜が裡にあるそれが、黄泉花の口を借りたものか。 狭間を聴く者にしか、わからない]
(@58) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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朧さ…ま……―――
[眦に接吻けるは、鵠にしたものと重なる。 咲けと云われて、相手の頭をかき抱くように寄せる仕草は、 鵠が見せたものでもあった。
―――美しい
囁かれた言葉が、真実ならば。 高嶺が抱いているのは 贖罪に傷む交わりを望む華月ではないからだ。
華月であり、胡蝶であり……―――鳴る音の。]
あっ…ぁあっ………
[やがて優しい交わりに慣れぬ身体が、小鳥のように震えて。 鳴る音は2つ、声と鈴と。
――弛緩する身体。そして、ゆるりと苔色は鎖された*]
(357) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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恨むならお恨みなさい。 憎むなら呪い殺すほど憎んでかまわぬ。
…先の夜光から、聞いているでしょう。 あの男は、己が為ならどんなことでもする、と。
[がしりとその手は夜光の肩へ。 凄惨にして獰猛な、獣の笑みが灯火に映える。]
(358) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[鈴の音に、主が声かけるを花は傍で控えている。
主が話すに口を挟むのは――
そう雛鳥に告げたのは、未だ昨夜の事。
足を止めた彼を見ている]
ボクも……法泉さまの花
ずっと
切り捨てられる事は、無い?
[不意に視界が覆われて、腕に擁かれたのだと知る。
頬を胸に摺り寄せて、鍵爪の無い手が背に回る]
厭などと、誰が謂うでしょう
私は主さまの花
人食でも良いと、選んでくださったのは主さま
お傍に置いてください。
共になら、奈落に堕ちても構わない
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アイツらチクるなって謂ったのに…。 っいて!
[一枝あったかぺしりと走る小さな痛み むくれた顔に笑うしか出来ぬ]
心配、してるんじゃん。 死ぬと念ったの?
悪い…謂ったら、駄目って謂われると念って。 でも、どうしても、さ。
話もしてたかったから。
[...の裡に宿る冬に 冬の空に]
(359) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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そなたも逝くが良い。 …共に学んだ友の元へ。
[白い頬へ、鮮やかな返り血が飛んだ。]
(360) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 02時半頃
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― 大広間 ― [中空から声が聞こえた声は返事なく 青年は不思議そうに空を白布越しに見る。]
……?
[そこには散る花として咲き誇った面影はなく。 心を彼岸に置いた花は、 既に萎れた花か、狂い散る花か]
(361) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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>>359
[全然大丈夫そうなセシルに脱力したのは事実で…。]
そ。そうか。ならばよかった。
[心底ほーっとした顔をした。]
(362) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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手妻師 華月斎は、懐刀 朧が何をなしても……――夢現の世界で*想いを託す*
2010/08/08(Sun) 02時半頃
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恨んでいた。憎んでいた。 そんな人では、そんな琵琶を鳴らす人ではなかったのにと!
[気づいた時は肩を確りと押さえられ。 振り払おうと身を捩る。灯火に照らされた獣の笑みが近づいてくる]
や…明…。 邦夜――…!
[戻るのだと、その名を呼ぶ。 その声も途切れて。緋色が散った**]
(363) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[友の言い分に、つかつかと。その前へ。 笑う顔へと平手を振り上げる]
心配するに決まってるじゃないか。 ロビンがあんな事になって、君までって……。
僕は友を二人も、亡くしたくはないよ……。
[俯き、長い睫毛が震える双眸から雨が降る]
(364) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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………。 いつも刷衛は助けにくるね。 髪でなく、首を挟んでも アンタは助けに来てくれた?
[ふふ くすくす 冗談だよと、しかし嗤う]
危ない、か。 なら、運んでよ。
転けてお腹でも打ったら、大変。
[そう謂えば判るだろうと 無邪気に腕を伸ばして見せた]
(365) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[いて、との叫びに驚いた顔して、 慌ててその手を引っ込めた]
してません。 死ぬとも思ってません。 でももしかしたらとも思うじゃないですか。
折角……
[生きているのに、その言葉は続かず。 桜花の小さな望みを聴けば]
……花のまぎれに 君とまるべく
[呟くは、春の嵐のうた。 少しだけ眼差しを和らげれば、 小鳥に場所を空けるように退いて]
(@59) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[不意に揺らいだ。 己の一部が、かき消える感覚]
あ……
[つとめて、その揺らぎを 表に出さぬように堪えるのだけれど]
(@60) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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何故切り捨てると?
お前が私の花だという以上は――。
私の花はお前だけだ。
[摺り寄せられる頬。
頬に触れて、その眸は此方を向くのだと、向けさせて]
堕ちるまえにも。
もう一度歌を聴かせておくれ。
お前のその顔で。
私の為に、啼いてほしい。
[笑みを見せて、唇に触れる。
触れる感触は、生きていた頃と同じもの]
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[光る白刃はよく研がれたもの。 その切っ先は胸元、鵠の瑕と同じ場所に宛てられる。
その切っ先が、迷うように揺れたのは一寸。
死を望みながらも、欲した二つの花。 この二つなら、何時かは高嶺を殺すのではないか。 そんな期待を込めて。 この二つとなら…高嶺であることも楽しいかもしれぬ。 そんな希望を…抱いて。 成った――…大事な、大事な…大事な、]
―――…蝶の姿に戻っても… ……花であった姿を偶には…思い出せ……。
(366) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[僧の慈悲。
届くのは、こえ。]
……、ないてなどいない。
[――――りん、と
小さな鈴の音。
眉はきつく寄せられて
けれど涙は流さない。
重なるように華月と、朧の会瀬を意識に重ねる。]
|
[…朝には、白鳥の血を。そして今、胡蝶の血を。
柄を握る手に力が篭められ――… 憂う黒檀に映るのは、高嶺に美しく咲く 紅の華。]
(367) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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さすらい人 ヤニクは、誰かに呼ばれた気がして辺りを見回し
2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[高嶺の部屋に華が咲いた暫し後、 部屋から出でる太刀持つ血濡れの花主の姿に 屋敷の使用人が、劈く悲鳴をあげた。]
[高嶺の花主は紅の色を床へと落とし、 向かうのは己がもう一つの花の眠る場所へ。]
(368) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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“桜は要らない”。
ロビンは俺を三度も置いた。 或いは庭でまどろむ中 或いは閨にて手折り肌重ねた後 或いはこの現の世に
―――いっそ、要らないんだと念わなければ
[生きていけないんだと 呟いた声は誰に向けたものか 不揃いの桜が 揺れる]
(369) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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>>365 何言ってる。助けるのは当然だ。
もう俺は明とお前は買うつもりだからな。 ああ、どんなに文句言おうと、そう決めている。
[セシルの言葉にそう答える。 また怒られるようなことを言っているのかもしれないが、正直な気持ちだった。]
と、腹…か。そうか。
[その意味は、もう知れた。微かに視線を落としてから。]
ならたくさん、飯も食わないとな。
[そして、セシルの身体を抱えあげる。背負うのではなく、両手で抱き上げる。]
行くぞ。
[明と小鳥に声をかけた。]
(370) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[見ている]
[感じている]
[願っている]
―――――朧さま、
……―――華月……
[己をきつく、抱いて。
震える肩、
―――りん、と鈴は鳴るばかり**]
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[食い荒らされて尽くして暫く後、誰かにそれが見つかる頃、 無惨になった亡骸はくしゃくしゃになった書状を握っておりました。
そこには、誰が書いたともつかない平凡な字で、
「イアン」 「折り入って話が」]
(371) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 02時半頃
始末屋 ズリエルは、おっこちないように階段はとっても気をつけておりています。**
2010/08/08(Sun) 03時頃
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[――その時、消えたのは白鞘巻であったか。 己が身を抱いて、それを預けた者のことを思う。
月瀬が言葉は聞こえていた。 孕んだのだ、と示す言葉。 そして己を買うなどと、 出来ぬであろうことを知っていて言う主、
――そう出来ぬ、現実が 近い]
夜光……?
[呟くそれは、一度主を振り返る、 仰ぎ見やれば駆け出した]
(@61) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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