168 LOVEorDEATH2〜死者は愛を知りたいようです
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―たぶん現在?りびんぐ― ―ねえ、さいとうさん。 "人を好きになることができる人だから、生き返って貰いたい"…って。進村くんに言われたんだけど…どういう意味だろう。さいとうさん、わかる?
[はんぺんをつまむ箸をとめ、りびんぐの片隅の天使をみるけど、ぴくりともしない。]
"生き返って欲しい人"なら分かるし、"互いに好きになれれば生き返れる"なら分かるんだけど。なんかこう、ニュアンスが引っかかるっていうか。
裏返しちゃうとさ…
[そこから先は、口にすることができなくて。言葉を飲み込む。さいとうから、答えが返ってくるはずもなく。考えたところで答えがみつかるはずもなく。閉ざされた白い扉に視線を向けると、ふたたびはんぺんに箸をつけた。]
(257) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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― ちょっと回想/リビングで本田と ―
はぁい♪
[神様、と呼ばれれば最初からそこにいたかのように返事をする。(>>192) いつの間にやら、ソファーに座る本田の隣りで、寝そべり伏せったまま、気だるそうに一緒にテレビを見ていた。 問いかけ、続く言葉をじぃと聞くも、本田が言い終わればふふっと笑いがこぼれ落ちる。]
どっちでもいいなら、答えないでもいいよね♫
[知りたいと、思っていないならば、答える必要もないだろうと意地悪く哂う。 そうして本田と同じようにテレビを見つめたまま、くりんと首を傾げて。]
ユーが見たいもの、見つからないね? どうしても見たいなら、ミーが見せてあげても……、
[ゆっくり本田の方へ視線を移すと――眠っていた。]
(258) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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って、はやっ!?
えっ! さっきまで、五秒前ぐらいまで、ミーと話してたよね? 寝つきめちゃくちゃいいね、ユー!
[驚いて目をしばらく瞬かせていたけれど。]
……、疲れちゃったのかな? 慣れない空間に、慣れない人たちとずっと一緒。 当たり前だよね。
[ぽんとその手に一度だけ前足を重ねたけれど。 それ以上騒ぐことはなく、またどこかへ姿を消した。*]
(259) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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『その人が居ないもしもの世界を想像したら、いやだなって思っちゃったの。』>>149
[会話の中で不意に紡がれたその一言が、真墨の心に深く突き刺さる。 何故か、それだけが気にかかってしまう。]
『進村くん、知ってる?』
[続く言葉に、ハッと意識を取り戻し。 問いかけられたということを、真墨は数拍遅れで認識した。]
え、そ、そうですね。 多分カミサマさんの言う「天国」とボクらの持つ「天国」のイメージが、若干違うんじゃないでしょうか。
[ここから消えるということこそが、一般的な言葉でいうところの「天国」…後戻りのできない成仏の状態になるのではないか。 出目獅子がここを「天国」と言ったのは、真墨たちラブゲームの参加者が命を落としたから、そんな人たちの集まる場所として「死後の世界」という概念を端的に説明するために「天国」という言葉を用いたのではないか。 「地獄」でも構わないだろうが、悪い行いをして命を落としたのでなければ、納得できない人もいるだろう。語感として、「天国」の方が受け入れやすいだろう。
そんなことを真墨は考えたものの、説明が長くなるのでかいつまんで説明するにとどめた。]
(260) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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―よし、ご馳走さま。
[手を合わせ、食器を片付けてシンクを磨いておく。]
『おでんご馳走さま、美味しかったよ。』
さいとうさん、これ作った人に渡しといてね。
[名前を記すのは躊躇われて、それだけメモに書き留めると、さいとうさんに押し付ける。リビングにまだ人影はみえない。青い扉に背を預け、帰ろうと言ってくれた人の姿を待っていた。**]
(261) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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[田端の話は続く。 心情の吐露は、心の中から湧き出る悲しみが抑えきれないものであることは明白で。 そんなにも、他者への感情を募らせることができるものが―――]
『勝手な思い込みをとっぱらってみたらさ。 その人のこと、あたしきっと、好きなんだ。
うん…好き、なんだ。あたし。』>>153
[恋なのか、と。 手の届きそうな、届かなそうな。そんな砂を噛むような感覚を、真墨は味わうことになる。]
『側にいたらきっと、傷つくのに、傷つけけちゃうのに。側に居たいって思う。 …ワガママだよね、こんなの。』>>154
[その言葉は、いつか誰かから聞いたそれと似ていて。]
(262) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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――え、
[潰れて、寝ていたと思っていたところから]
え……ええ、あの……!?
[掴まれて。押し殺した声は、通らない。 ほとんど、無意識であろうことは、様子から察せられたけど]
いや、待ってくださ……あの、ちょっと……!!
[抱き寄せられて、その先は。 抵抗しようとしても、所詮は女の力――では、あった]
(263) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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貴女が本当に好きなら、いいんじゃないでしょうか。
(『――君が望むなら、いいんじゃない?』>>1:604)
誰かを傷付けずに生きてる人間なんて、どこにもいませんよ。
(『誰かを傷付けずに生きてる人間なんて、どこにもいないのよ。』)
[そんな、人生の先輩の受け売りを、返すことしかできなくて。]
(264) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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[抱きしめたぬくもり身じろぎする。 そのぬくもりを、ほぼ無意識で落ち着かせようと背を叩く。
それはまるで子供に対するようにも思えたかもしれない。 ゆっくり抱きしめたその背をなでて、落ち着かせようと。 もちろん意識はなかったのだけど。]**
(265) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 00時半頃
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[そうして、訪れる沈黙を埋めずに部屋の前で座り込んでいれば。 唐突に、部屋の前に男性が訪れる。>>172 アルコールの匂いを漂わせてはいたものの、その目は何かを決意した目で。]
…それじゃ、ボクはここで…
[もう、自分はここにいる必要はない、と。 真墨は、引き際良く自室へと退散する。]
―回想・了―
(266) 2014/03/23(Sun) 00時半頃
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水商売 タバサは、メモを貼った。
2014/03/23(Sun) 01時頃
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…何かあった?
[待ち人は、どこか塞いだ様子にみえて、自然と口をついて出たのは言いたくても言えなかった言葉。]
気のせいならいいんだ。 話したくないなら、聞かない。 …でも、話したくなったら教えてね。 あたし、ちゃんと逃げずに聞くから。
[手を伸ばし、肩に腕を回して。頭を引き寄せると、髪の毛をそっと撫でる。]
(267) 2014/03/23(Sun) 01時頃
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…怖い?
[どれくらいそうしていただろう。青い扉を前にして、あたしの中にもう迷いはなくて。隣に立つ人を見上げ、蒼い双眸をじ…と見つめる。]
あたしは、怖くない。
[きっぱりとした声で、言い切る。]
忘れないって、言ってくれてありがとう。もし、影木さんの方が忘れちゃってて、ひっぱたいても思い出してくれなかったら、そのときは泣いちゃうかも。
[冗談まじりにくすりと笑う。]
(268) 2014/03/23(Sun) 01時頃
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あたし、影木さんのこと好きだよ。
[忘れないように、だいじに、だいじに、繰り返して。]
忘れちゃっても、きっと思い出すから。 …信じてる。
[影木さんのことも、自分のことも。大丈夫、信じてる。 重ねた掌をぎゅうと強く握りしめ、そして…青い扉に手をかけた。**]
(269) 2014/03/23(Sun) 01時頃
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―現在・自室―
[田端の言葉が、耳に残る。]
(『その人が居ないもしもの世界を想像したら―――
―――いやだなって思っちゃったの。』>>149)
……そんなこと、考えたことも…
[なかった。 この空間にいる全ての人物も、とても好意的に思っていた。 でも、所詮は他人。居ても居なくても、真墨の世界に影響はない。]
こんな考え方、『ダメ』なんだよな…
[『生き返る』意志もなく、『恋をする』ことも叶わず。 この白い部屋で消えてなくなることを、真墨はすでに覚悟していた。]
(270) 2014/03/23(Sun) 01時頃
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