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【人】 抜荷 錠 可愛いことを言ってくれる。 (1) 2014/10/09(Thu) 01時頃 |
【人】 抜荷 錠 錠前――…、か。 (2) 2014/10/09(Thu) 01時頃 |
【人】 抜荷 錠 ― 夜・隣町の宝石店 ― (3) 2014/10/09(Thu) 01時頃 |
―銀河鉄道・列車の外―
[招き入れられた後か、それとも前か。
窓枠に腰をかけ、列車の外に脚を揺らしながら。
群青色に瞬く宝石を見つめていた。
もはや隠していない翼。
それをみたときに彼は驚愕しただろうか。
それとも、書店の店主であった彼のこと。
苦もなく受け入れたのだろうか。
確認するには勇気がいって、顔は伏せたまま。
足元に広がる白や赤、橙の灯火を見つめていた。]
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[渡された紙片を頼りに、汽車を乗り継ぎ目的地へ向かう。一人旅なんて、一体いつぶりだろうか。ジャニスは國の中ですら遠出をしたりはしなかったから、不慣れさ故にいつもの自信は鳴りを潜めている]
……連絡したら、迎えに来てくれたりは……、
[不安げな表情で端末を操作する。"彼"のアドレスを呼び出し、文章を打ち始めて――そうして、途中まで作り上げた文字列をそのまま破棄した。
……突然行って、驚かせるくらいはしたいじゃないか。ぼんやりそんな事を考えて、子供みたいな自分の発想に、ジャニスはくつりと苦い笑みを零す。そんな意地を張っている場合なのか。
がらごろ。がらごろ。
重たい荷物を引き摺りながら、見慣れぬ道を突き進む。ああ、誰も彼も知らない顔だ。小さな國しか知らないジャニスに、國の外は恐怖の対象でしかなかった。
誰も、自分を知らぬ場所。その事実が、こんなにも重いものか]
―ルーカスの別荘前・早朝―
――は、
[しんと静まり返ったその場所。時刻は早朝。まだまだ薄暗い時間だ。漸く辿り着いたそこに、明かりは灯っていただろうか。そうであれば、安堵の一つも出来るのだけれど。
どちらにせよ、ジャニスは躊躇いながらも扉に近付くだろう。そうして何度も紙片に書かれた住所を見返す。恐らく、間違いはないと思う。けれど初めて来る地だから、どうにも確信は持てなかった。
こん、こん、と。
控えめにその扉を叩く。ベルがあったのなら、一緒にそれも押しただろう。
そうして不安げな表情のまま、扉が開かれるのを待つ。この扉を開くのが、"彼"である事を信じて。
――ああ、でも。彼に会ったら、また。泣いてしまうかも、しれない]
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―自宅―
[この地へ来たからと言って、朝が変わる訳ではない。あの國で長年起きた時間に――朝陽の差し始めるその時間に目覚め、珈琲を淹れる湯を沸かす。
――嗚呼、でもあのサボテンは置いて来さまったから。その間だけは、やる事が無くなってしまいはしたけれど。
湯の温度は83度。場所も道具も変われば、冷めるまでの時間も変わる。
そうして沸かした湯に温度計を差し込み、後もう少しで83度となろう時だっただろうか――家の外から、カラコロと荷を引く音
………、……。
[思わず、窓の方へと視線を向けて。窓へと駆け寄りそうになる足を何とか止めていたのなら、家の前で止まる音。
――コクリ。聞こえた自分の息を飲む音に呆れつつ、それでも扉から視線を外す事は出来ずに。
それから、どれ程の時間が経っただろう――否、時間にするなら極々短い間だっただろう。それが何処までも長く感じてしまったのは――その胸に広がる、期待のせいに他ならない。]
……ッ、
[こん、こん。何とも控えめに鳴った扉の音
それが聞こえたのなら、男は今度こそ扉へと向かう足を止める事は出来やしなかっただろう。
――そうして、扉を開けたのなら。降り注ぐ朝陽の向こうに、焦がれに焦がれた姿が…あの夢の時のように、白に身を包んだ彼の姿が見えたのなら。
男は眩しげに目を細め、僅かに背を屈めてその腕を取り、家の中へと引き入れたのなら、身を強く、抱いただろう。
例え彼の荷物が外へと置き去りになったとしても――万一彼が、その抱擁を拒絶したとしても。]
……ようこそ、俺の巣へ。
本当に、捕らわれに来てくれたのか。
[胸に押し付けるように腕に力を込めてしまったから、もしかしたら少々息苦しさを感じさせてしまったかもしれない。
だけれど、それを気にする余裕など…今の男に、ある筈も無く。
嗚呼、彼はもしかしたら泣いてはいただろうか?しかし例え泣いていたとしても、きっと男はこの抱擁を止めはしなかった――止める事は出来なかっただろう。
彼が痛みや苦しさを訴えたのなら、初めてそれに気付いたように僅かにだけ、力を緩めたかもしれないけれど。]
これはあの夢の続きかな……また会えて、嬉しいよ。
[彼と初めて言葉を交わしたあの日と同じ、"目立つ"白いコートを纏う姿を、その腕の中へと閉じ込めながら。
嗚呼、どれ程この時を待ち焦がれただろう。
どれ程、この温もりに焦がれただろう。
さぁ、これで漸く。漸く…あの日の彼の言葉に、返す事ができる。]
あぁ…返事が遅くなってすまない。
――……愛しているよ、…ヨハン。
[ゆっくりと離したその顔は、少しばかり歪んでいたかもしれない。そんな顔は、男にしては至極珍しいものだったけれど。
そうして、両手を彼の頬へと添えたなら。もしも彼の頬が濡れていたのであれば、その雫を唇の先で掬いはしただろう。
見つめる瞳には、溢れんばかりの慕情を込めて。一度寄せた唇は、僅かに躊躇うようにその先にだけ触れる。
嗚呼、しかし。一度触れてしまったのなら、もう止めることなど出来はしない。
ほんの僅かな真を置いて、堪え切れぬように再度寄せた唇は――果たして。受け入れて…貰えただろうか。]
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……きゃっ、
[言葉を交わす間も無く引かれる手
自らを抱く体に小さく息を吐き、そうして、そっとその背に手を回した。最初は柔く、けれど次第に、彼の存在を確かめる様に強く]
アナタの為なら、何だって捨てられるって言ったでしょ。
[腕に込められた力の、その息苦しさすら愛しくて。溢れた涙が彼のスーツに染みを作ったけれど、このくらいは許してもらおう。……だって、この腕を緩めて欲しくない。
此方からも強く抱きついて、すりと頭を擦り寄らせる。瞬きする度に涙が落ちて、嗚咽を堪えて歪む頬を伝った]
……もう、夢なんかじゃないわ。
夢を現実にする為に、アタシは来たのよ。
[この再会を、"夢"になんてさせるものか。
震える声で、けれど力強く言葉を吐く。夢なんていう泡沫の存在ではない。そんなもので終わらせるつもりは、端から無かったのだ、と]
…………、
アタシも……あいしてる、
[いつもの余裕そうな笑みも何もない、彼の顔
頬に触れる唇に、ゆるく目を伏せる。拭われる筈だった涙は、次から次へと零れ落ちた。
絡まる視線に、漸く目元を和らげて。彼の瞳に映る色を見れば、微かに息を詰める。
一度、二度。寄せられた唇を拒むわけもなく、けれどそれに満足に応える事も出来ないまま、触れるあたたかさを堪能する。
けれどやがて、躊躇いがちに体を離せば、おろしたての手袋で自らの顔を拭った]
……玄関先でなんて、恥ずかしいわ。
中に入れてちょうだい。
[誰が見ているわけでもないと、そうは分かっていたけれど。彼と口付けを交わすのであれば、もっと秘めやかな場所が良い。
彼の腕の中からするりと抜け出て、倒れた荷物を持ち上げる。そうして、僅かに染めた頬で彼を見上げた]
――入れてくれたら、良い物をあげる。
[首から下げた"時計"を服の上から撫でて、ジャニスはにこりと笑ってみせた。これが彼にとって"良い物"であるかどうかは、分からないけれど。……そうであってくれればいい]
【人】 抜荷 錠……ば、ばか。 (48) 2014/10/09(Thu) 18時半頃 |
【人】 抜荷 錠細くてシンプルなデザインでいいよな? (49) 2014/10/09(Thu) 18時半頃 |
【人】 抜荷 錠 ― 午前・大学での講義 ― (51) 2014/10/09(Thu) 20時半頃 |
【人】 抜荷 錠 宗教的観点からでは、顔を覆い隠すことで、 (52) 2014/10/09(Thu) 20時半頃 |
【人】 抜荷 錠 近来のそれでは改造を必要とせずに、 (53) 2014/10/09(Thu) 20時半頃 |
【人】 抜荷 錠 という訳で、平成ライダーしか知らない君達は、 (54) 2014/10/09(Thu) 20時半頃 |
[ふらふら ふらふら 爪先を揺らす。
振り子のように等間隔に。
ヒンヤリとしているようで、暖かい。
夢の中で感じる空気のような大気。
包まれているのだ―――と
朧に思った。]
ヒヤリ
[薄青い窓硝子に触れれば指先が、
凍えるほどに冷たい。
ガラスから離した指先には、冷たく白い氷の花。
指の熱に、好きとおり雫となって
消えて いく
ふと、翼を与えられる前。
彼の店で買った、あの本
]
ペラリ
[頁が捲られる音が
聞こえた気がした]
【人】 抜荷 錠 ああ、朝一番から二本ね。 (71) 2014/10/09(Thu) 22時頃 |
【人】 抜荷 錠 ひどいネタバレをするがね。 (73) 2014/10/09(Thu) 22時半頃 |
【人】 抜荷 錠 誰かに贈るものなら、コンビニにでも預けたらいい。 (91) 2014/10/09(Thu) 23時頃 |
【人】 抜荷 錠 ― 回想・昨晩の宝石店>>87>>88 ― (92) 2014/10/09(Thu) 23時半頃 |
【人】 抜荷 錠[店内の灯りを受けて輝く宝飾の飾られた指輪から (93) 2014/10/09(Thu) 23時半頃 |
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