123 霓虹鬼故事
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― 鷲珈の部屋前 ―
[悪かったよ、と視線を逸らす黒宵>>1:107を一度、 嗜めるような視線で軽く睨んだ。 一瞬の瞠目も、頭を掻いた様も、極まり悪さ故だろうと。 そう、思うことにした。
それから、黍炉>>1:106と黒宵>>1:110の返答に対し、 また一度、こくんと頷き返したのだった、が。]
明夜のやつ、何処に――。 鷲珈みたいなやつ一人殺したところで、 ひとりで塞ぎ込んじゃうような人とは思わないけど。
[鷲珈の死体を暫くの間、眉を寄せて眺めたあと。 ふっと黍炉の方に向いて、ぽつぽつと零していた。 様子を見て来よう、という口ぶりから、 彼は居場所を知っているのか、とも思いながら。]
(0) 2013/05/24(Fri) 00時頃
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……酷いわ。
[佩芳>>1:109の足音に気付きながらも、追い掛けられなかったこと。 「鬼」が居る可能性を思ったときに、確かに抱いたのは警戒。 改めてそれを思って、低くごちていた。]
(3) 2013/05/24(Fri) 00時半頃
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[聞こえた話し声から、血濡れの黒宵>>1は 着替えやらシャワーやらに向かうのだろうと思う。 一瞥して見送ってから、黍炉の方へ>>2。 結局やはり明夜の居場所は判っていないらしい彼の その後に続くようにして、廊下を歩く。]
そうは見えなくとも、か――。
[黍炉の背を見ながら、ぽつりと]
そう、よね。 あいつだって、何時も笑ってばっかりじゃない、よね。 笑顔の下で、悪いことも――辛いことも隠してる気がして。
[何時も笑っているように見えるからこそ、と。 零れた言葉は、とてもではないが、 当人の前では些か小恥ずかしくて言いにくいこと。 何処かで聞かれているとしたら、やや居た堪れない。]
(6) 2013/05/24(Fri) 00時半頃
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三元道士 露蝶は、メモを貼った。
2013/05/24(Fri) 00時半頃
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[黍炉>>7の視線が一度向いた時は、瞬きつつも特に何を言うでもなく――。 ただ、この男も「鬼」かもしれないとは思うから、 その目を、その髪を、少しだけ見詰めていた。
やがて、彼の後ろからその部屋を覗き込む。 そこに目当ての男の姿がないのは女の目にも判った。 溜息吐きながら再び廊下に出て、今一度辺りを見回しながら。]
ええ。親友って言える程じゃないもの。 だから、そんなものよね――。
[それからふっと、黍炉の方に身を寄せた。 長い黒髪を指で梳けないかと思ったこともあったが、 なんとはなしに心に浮かんだこともあったから。]
黍炉さんには。 ――そういう親しい人って、居るのかしら。
(9) 2013/05/24(Fri) 01時頃
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ええ。……まだ、ましだわ。
[けれどその反面、もし、の時に突き放しきれるか。 その程度には結局、明夜のことは近しく思っていた。 いっそ、今の黍炉>>10の言葉のように冷たくあれたら それこそ、まだまし、だったのかもしれない。]
そっか。居ないのね。じゃあ、ひとりぼっちね――。
[黍炉の返答を聞き、特に驚きも何も見せずに、 ただ少しだけ寂しげに返していた。 黒宵は、佩芳はどうだろう。明夜は。――己は? 思い耽りかけたところで。問いに瞬き、目を伏せた。]
あの人は――トレイルは。ちょっと前から行方不明。 人間じゃなくなった、なんてメール残して……。
[さらりと流れた黒髪に、すっと指を伸ばして触れたのは、 何処かその寂しさを埋めようとするような仕草。 ほんの少し差し入れた指に、髪が軽く纏わりつく。]
(14) 2013/05/24(Fri) 01時半頃
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見つけ出せる薬なんか、託されて。 だから僕が鬼になったら見つけ出して、とか言って。
それなのに、いざ、人間じゃなくなったら、 さよなら、なんて――。
[思いあまって零し過ぎたことに気付き、口を噤む。 「人か鬼か見分ける」術のことも含まれていて、 けれど目の前の男の正体は判らない。故に迂闊な行動。 黍炉の髪に伸ばした手を引っ込め、咄嗟に後ずさった。]
―――…ううん、なんでも、ない、の。
[もしも本当に彼が、或いは他の誰かが「鬼」ならば。 「服用者同士で密かに意思を交わせる」のならば――。 それ故に「鬼」と相対して訊こうと思うことはあれど。 今はそれを告げることも出来ず、ただ、言葉を失っていた。**]
(15) 2013/05/24(Fri) 01時半頃
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三元道士 露蝶は、メモを貼った。
2013/05/24(Fri) 02時頃
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― 2F廊下 ―
[黍炉>>20に対し、初めは何も答えられなかった。 また一歩、後ずさりながらも――。 彼の眼差しに囚われたように、視線逸らすことは叶わない。 なんでもなくはない、とまで言われてしまえば>>21 零した言葉を誤魔化すことはもうできないと覚る。]
――え、
[けれどそのすぐ後に続けられた言葉は、 露蝶のことを、鬼じゃない、と言うもの。 そして今、彼が己に手を掛けてくる気配は無い。 少なくとも、今のところは。]
見つけられれば。 抜け出せるの?こんな、ところから――。
[黒い糸が絡まった左手を一度見遣り、そっと握りながら。 足を止め、再び、黍炉の瞳を見詰め返した。]
(33) 2013/05/24(Fri) 16時半頃
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[館の開放自体は、システムエラーが回復するか、 外の誰かが異常に気付くかしなければおそらく無理だ。 けれど少なくとも、こんな疑り合う状況からは、 また死が続いていく状況からは、と――。]
……ええ。
[彼の問い掛けに頷き、身を寄せて囁いた。]
鬼を、見つけてみせるわ。 あの人がくれた薬だもの。本当に見つけられるって信じてる。
[黍炉が「鬼」でないと信じ切ることは未だ出来ない。 それでも、賭けてみようと。 何れにせよ、その答えは今、手の内にある。]
(34) 2013/05/24(Fri) 16時半頃
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必要なのは薬と、あと、髪の毛があれば判るの。 今手元にあるのは、明夜のと――…あなたのも。
[目の前の男への疑いも示すことに、僅かに声は震えつつも。 黍炉から身を離し、懐から財布を出して。 その中に黒い毛髪を収め、再び懐に戻した。]
先ずは、ちゃんと薬を使える場所を探すわ。 研究所っていうなら、実験室とか、 シャーレくらいあるとは思うけど……。
[呟きながら、階段の方へ足を向ける。 鷲珈の居室を敢えて探ろうとしなかったのは、 結局はあの死体の存在を厭っていた所為。]
(37) 2013/05/24(Fri) 17時半頃
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[ふと、さっき階下へと駆けていった佩芳が気に掛かった。 あの状態の彼女を放ってしまったことへの微かな痛みと、 彼女を調べる術が今のところない、ということ。 少しだけ複雑なものを抱きながらも――。 結局露蝶は、今手元にあるものを確かめる方を選んでいた。
こうして、露蝶は階下へと。 洗面所の方の事態には、未だ気づかないまま――。 ある一つの扉――その先、地下への階段を見つけて。 一度周囲を見回してから、慎重に、下りはじめた。**]
(38) 2013/05/24(Fri) 17時半頃
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三元道士 露蝶は、メモを貼った。
2013/05/24(Fri) 17時半頃
露蝶は、サミュエルに話の続きを促した。
2013/05/24(Fri) 17時半頃
三元道士 露蝶は、メモを貼った。
2013/05/24(Fri) 22時頃
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― 地下研究室 ―
[二つ目の扉もまた、簡単に開いた。 本人認証と思しき装置は見て取れたから、 普段は秘密裏の場所なのだろう、と想像はできた。 一先ず再び辺りを見回せば、特に人の姿も無いようだった。
科学には明るい訳では無いが、薬屋の恋人の影響で 幾らかの道具や薬品の知識はある、心算だった。 幾つかの機材の中からシャーレを一つ見繕い、机の上に。 さらにもう一つ、手に取ったところで――。 誰だ?と不意に聞こえた呼び声>>41に、びくりとして振り向いた。]
(48) 2013/05/24(Fri) 22時頃
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っ、黒宵、居たのね。驚かせないで、よ。 探し物っていえば、そう、だけど……。
[「見極める」術を用いようとしていた手前、 黒宵が「鬼」でない確証も無く、表情は少し強張ってしまう。 一先ず目の前の彼>>44に特に異変は無く見えたし、 (微妙に垢抜けないスウェット姿、とは感じたが) 手ぶらな素振りも見せられたので、その場で彼に向き合った。
けれど彼が切り出した話は、人と鬼を見分ける術のこと。 また、ほんの僅かに目を伏せたところで]
遺伝子に、変化?
[彼が告げたことの内、その言葉には瞬いて――。]
(49) 2013/05/24(Fri) 22時頃
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― 回想 ―
[『鬼を見つけられる薬があるんだ』。 トレイルの部屋に泊まった時、そう話を出されたことがあった。 その薬、誰が最初に作り出したのかは知れないが、 彼なりに手元で成分を調べ、情報を集めて検証したとのこと。 その際にも彼自身、鬼薬そのものに触れる機会が おそらく何処かであったのかもしれない。
体内への蓄積が如何とか、遺伝子変化が如何とか。 その辺りの説明は露蝶にはいまいち解らなかったが。 薬の用法と鑑定結果については、一先ず覚えられた。]
鬼の髪を浸けると、ネオンサインみたいな 綺麗な色に変わる……って、不思議な感じね。
[そういうこと、とトレイルは穏やかな顔で頷いた。]
(50) 2013/05/24(Fri) 22時頃
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[やがて、小分けにされたその液剤を受け取ることとなる。 うっかり鬼薬を飲んだら大変だ、なんて笑いながらも。 彼は少し眉を下げて、僕が鬼にでもなったら――と告げた。
それでも彼は、騙されて飲まされたら、とは言わなかった。 無論、明夜の名を挙げるなどする筈もなく――。]
― ここまで ―
(52) 2013/05/24(Fri) 22時頃
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― 地下研究室 ―
[黒宵が伝えた情報に、あの時のトレイルの説明を思い出す。 そう言えばそんなこと言っていたと思えば、小さく息が洩れて――。 何か掴めた?と問われた時、また、はっと瞬いてしまった。]
それが、ね。
[困ったように頭を掻く黒宵の前で、 露蝶もまた、眉を下げて困惑を滲ませてしまう。 果たして彼にも打ち明けるべきか、否か――。]
――――…
[二つ目のシャーレを机に置きながら、続けてしまう無言。 それ自体が、訝しがられるやもとは思いつつも。]
(53) 2013/05/24(Fri) 22時半頃
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― 地下研究室 ―
[黒宵に謝られた時は、もう、と溜息を吐いて、 強張る面持ちのまま、嗜めるような色も瞳には滲ませて、 けれどそれ以上、文句やらを口にすることも無かった。
それから、彼>>57の目が、机上の皿に向いていると気づく。 此処に出してしまったものに、彼の意識が向くのも自然だろう。]
シャーレ、よ。シャーレ。 ……あたしは、学校で使ってた覚え、あんまりないんだけれど、ね。
[他愛なく、そんなことも零してしまいつつ――。 首を傾げて問う彼に対し、もう下手に誤魔化せないと覚り、 幾許かの間を置いて、意を決した。]
(61) 2013/05/24(Fri) 23時頃
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ちょっと、見てて。
[懐から財布を。その中から更に、液剤の包みの一つを。 封を切り、二つのシャーレにそれぞれ広げた中身は、 とろりとした透明な液体。 それから再び財布の中を見、取り出したものは、 異邦の人を思わせる、一本の淡色の髪。
その髪を、片方のシャーレの液体の中に、 無言で、はらりと落とし込む。]
…………あぁ、
[洩れた声は、心の何処かで、やはり。 彼が「鬼」でなければ、と期待していた所為だろう。 淡色の髪の周りの液体は、鮮やかな虹色に染まる。 それはまるで、華やかなネオンサインの光のよう――。]
(62) 2013/05/24(Fri) 23時頃
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[もう一人の黒い髪を落とし込む前に。 露蝶は顔を上げ、黒宵の瞳を覗き込むように、見詰めた。]
今まで黙ってて、ごめん、ね。 これが、あたしの掴んだもの。
―――…「鬼」を見つけるための薬、よ。
[強張った顔のまま、固唾を呑む。 もし、此処で黒宵の手が、伸びてくるならば。 その時は――殺るしかない、と、心に決めて。]
(63) 2013/05/24(Fri) 23時頃
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[この男、自分よりもいい学校に行ってた?という一瞬の思考。 俺もという返答>>64を聞いて、それも漠然と立ち消えた。 繁華街の裏通りで、そしてこんな場所で出くわした彼が、 実はいいところのお坊ちゃんだったとか、 そんなことには未だ、気づいてはいなくて――。
そして「光った」ことの意味を黒宵に打ち明けた>>63後。 彼>>65の訪ねに、頷くでもなく、是を返した。]
そう、よ。 あいつが。明夜が、「鬼」ってことよ――。
[背に伝う冷や汗まで見えていた訳では無い、が。 もし――を思い、警戒はしていた。]
(68) 2013/05/25(Sat) 00時頃
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[その警戒が一瞬緩んだのは。 感謝の言葉と、その笑みが見えた時>>67。 ぎこちなくも見えた筈だったのに――油断した。]
っ、あ ―――――!!
[突き飛ばしてきた左手を咄嗟に払うことができず、 その場に尻餅をついて床に伏す。 痛みを堪えて、ズボンのポケットからナイフを抜いた時、 それがまた一瞬の隙となり、黒宵に組み敷かれてしまう。]
(69) 2013/05/25(Sat) 00時頃
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[ついてきて、と素直に黍炉>>60に言わなかったことを後悔する。 「鬼」の力が鬼の如きなら、一対一では、ただでは敵いはすまい。 たとえこの身が、男であったとしても、だ。
けれどまさか、力の一部しか持てない服用者も居るのだとは、 露蝶はこの時、気づいては居なかったから――。]
―――――…、
[ナイフを突き立てる態勢の黒宵を見上げ、睨みながら、 彼の首目がけて、刃を堅く握りしめた己の腕を振り上げた。 それは一切の加減無く、渾身の力を籠めたもの。]
(70) 2013/05/25(Sat) 00時頃
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[――この男も、もしかしたらトレイルの「声」を 聞いているかもしれないのに。 それを問う余裕もない程に、女は、生き延びようと力を振るう。]
(71) 2013/05/25(Sat) 00時頃
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