296 ゴールイン・フライデー
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[シュパーゲルは……長く寒い冬を乗り越えて、ようやく春がきたことを実感できる大切でめでたい食べ物で、早くに亡くした母の記憶が寄り添う。 タヴェルナで味わえるそれは、まさに母の味とも重なるので、メニューからなくなるまでは毎回頼んでいた。
親不孝者でね、ずいぶん両親の顔は見てませんよ。なんて、ついつい過去を改ざんするのは、同情の視線を避けたかった幼いことからの癖だ。
ここしばらくは、金曜の夜はタヴェルナで、と決めていた。というのも、曜日ごとにどうやら固定客がいるようで……。 よく見る顔がいると、別に話しかけたりしなくとも、何かを共有しているようで妙な喜びがあるからだ。]
(12) 2019/05/17(Fri) 22時半頃
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[かわいい看板猫と看板娘、そして酒場といいつつ最高の飯を提供してくれる女主人がいる店に通うのは、大きな楽しみで大事な癒やしだった。 この間はついつい興が乗って、しばらくやっていなかった宴会芸を披露してしまったほどだ。
"あんまり気質に見えないけれど、どんなお仕事なんですか?"
ふだんはのらりくらりと回答を躱すものだけど……娘さんが、空いているワイングラスを手に持っていたものだから、つい。
"じゃあ、ちょっとした大道芸を一つ。うまく行かなかったら、その程度だと笑ってください。"]
(13) 2019/05/17(Fri) 22時半頃
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[自分の手元にあったワイングラスを飲み干して、卓においてある水のボトルをつかみ、これくらいか、というところまで入れて、濡らした指で軽くふちをなでた。
"そのワイングラス、借りても?"
娘さんから4つほど借りて、それらにも水を注いだ。もちろん、量はバラバラだ。 順番に並べて、それぞれのグラスのふちをなぞった。
"ド、レ、ミ、ファ、ソ……これが俺の仕事ですよ。"
即興グラスハープの出来上がり、である。]
(14) 2019/05/17(Fri) 23時頃
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["つまり、大道芸人さん?"
娘さんの答えに、酒の陽気も手伝って、ぶふっと噴き出してしまったけど……それで、そうですね、なんて、笑いながら結局にごしたけれど。 きっと女主人があとで補足してくれるんだろう、あの人は楽器の調律師さんだよ、ってね。
あまり大っぴらに言わないのは、じゃあ楽器演奏できるでしょ、と無茶難題を言われることが多分にあるからだ。気分が良ければ演奏するのだって嫌いではないが、それは気分が良い時の話であって……]
(15) 2019/05/17(Fri) 23時頃
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[……心に影がさそうとしたときに、また店の活気に救われる。 ふと店内を見渡せば、酒や飯に舌鼓をうって、顔をほころばせている人のなんと多いこと。こちらの心のトゲまで丸くなりそうだ。 客の質が良いのは女主人の人徳だろうか?料理を分け振る舞っている人もいるくらいなのだから。
目をとじるともっと分かることがある。それぞれの足音の違い、卓から伝わる振動、料理の出来上がる音、誰かが動く気配、煙草の匂い……。 めいめいが、己のため、あるいは一緒に語らう誰かのための動作であって、別にこちらに向けられたものではない、それはわかっているけれど、……じわりと救われたような気持ちになった。 俺はちゃんと生きていて、そういうものを感じ取れるだけのメンタルがなんとか保てている、という確認行為。]
(16) 2019/05/17(Fri) 23時頃
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[……仕事の休憩時間が終わる。ぼんやりとした思考から目の前のことに意識を向ける。
ありがたいことに、楽団から指名をもらって、コンサートでの調律をまるごと任せてもらえることになったのだ。 実際のお客さんが楽しみにしているのは演奏家による音であって、そこに調律師がいることはほとんど忘れられているけれど、演奏家が気分良く音を奏でられるかどうかは自分にかかっている。
"どうしたの?"
"何がですか?"
"以前の君の仕事は、本当に無色透明で驚いたけど、今は逆に、ビターだったり穏やかだったりする音で、驚いた"]
(25) 2019/05/17(Fri) 23時頃
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[演奏家の耳の良さに、しまった、と内心呟いた。
"すみません、調律しなおします、指示を下さい"
"いや、このままがいいな!これでやらせてくれ。何があったか詳しく聞きたいところだけど、きっと君は濁すんだろうね?"
"……そうですね、悪いことも、……良いことも、あったもので。"]**
(26) 2019/05/17(Fri) 23時半頃
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[習慣のある生活をずいぶんと楽に感じるようになってしまった。昔は、いきあたりばったりのスケジュールを楽しんでいたのに。さもありなん。 金曜日はタヴェルナへ。 ……だけど、対外的な理由で、それが叶わなくなることもあるだろうか。
今日の分の仕事を終わらせ、あるいは中断し(このピアノの納品はまだ先だからさ)、飯に行こうかというところで、突然の呼び出し。 タヴェルナからは離れている、この街のジャズバーの店長からだ。]
(111) 2019/05/19(Sun) 07時頃
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[……突然、ピアノから一部の音が鳴らない、と。 電話口でいくつか質問を投げて、十中八九スティックだろうな、とアタリをつけた。 もちろん、原因特定のみで終わるわけはなく、その先に続くのは修理の依頼なわけで……。
"ちょうど引っ越してきたって言ってただろう、助かるよ"
"暇してたのですぐ行きますよ"
なんて、言いはしたけれど。 ……せめて、タヴェルナのラストオーダーには間に合いたい。 あの店で、別に誰かが自分の訪れを待っているわけではない、それは分かっているけど……金曜日の客たちに、妙な仲間意識のような親しみを抱いているから、その場に加われなくなるのが、無性に寂しいだけなのだ。]**
(112) 2019/05/19(Sun) 07時頃
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