270 食人村忌譚
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―回想:母が死んだ日・その後―
[突如農家を名乗り始めた巫女の姉へ 向けられた視線は様々だったと思う。 湧き出た噂話に、私は否定も肯定もせず、 噂を吐き出そうとする舌先があったなら、 自らの力で作った料理を突きつけ、恩を売る。
そうすれば、人の噂など直ぐに薄れるものだ。 ましてや、尊い巫女様当人でないと言えど その職に泥を塗るような下衆の勘ぐりを、 大声で話すことなど出来まい。
隠しきれない哀れみ、奇異、好奇の眼差しを 時折感じながらも気付かない振りをして、 私は畑を耕し、作物を育てた。]
(50) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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[丞さんに教えを乞うた判断は間違っていなかった。 与えられる知識はどれも適切だった。
元々、料理も食べることも好きだ。 好きに裏打ちされてたとはいえ 小娘に教えるのは骨が折れたろうが、 彼は、根気よく知識を与えてくれたと思う。]
もし、私が丞さんより先に死んだ時は、 ……いいよ。私の舌と頬、食べても。
だから、農家の心得を、やり方を教えて。
[あの時、突如語られた彼の好みの話は、 即ち、対価を求めるものだろう。そう推し量った。 自分の死に実感を持たない人参を好む娘は、 あっさりと頷いて頭を垂れただろう。
はるか未来の話より、 ただただ、巫女の影から逃れたかったのだ。]
(53) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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[そして、偶然にも、彼の好むそれは つい先刻私に受け継がれた 母の一部と同じでもあったから。]
きっとね、美味しいと思うよ。 そこだけは、巫女様に愛されたから。
[冗談めかして、そう付け加えたりもしただろう。*]
(54) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 18時頃
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―回想:妹と私―
[仲の良い姉妹だった。 外見は似ていなくとも、何処に行くのも一緒だったし、 喧嘩をしたことなんかも殆どなかったと思う。]
そうかな? なら、花とか、植物の勉強も、出来るようになるかな。
[>>9薬師の男に似ている、と褒められた焦茶の先をつまむ。 頬が緩むのが分かった。 おぼろげだった父親という存在を意識し始めたのも、 妹の言葉あってこそだった。]
ゆりの髪も、とっても綺麗だよ。 烏の濡羽みたいな黒色。羨ましいなぁ。
[深い黒。何物にも穢されない強い色。 巫女である母と同じ、総てを包み込む美しい色。 そんな色を持つ彼女は、私の自慢の妹だった。]
(78) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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[それも、あの日までの話。]
(79) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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[初めての記憶は、酷く苦々しいものだった。
痛みに身体が強張る。涙が溢れて、視界が滲んだ。 相手の表情は覚えていない。困惑?愉悦?分からない。 ただ、揺すられる感覚に、吐き出される子種の温度に、 せり上がる悲鳴が、嗚咽が、両の掌の隙間から漏れる。 名の意味とは裏腹に、 村人を受容れることが出来なかった、あの日。
その日から、母の眼差しは温かさを失った。>>11 彼女の瞳は、妹ばかりを写すようになった。
妹は変わらず優しかったけれど、 次の巫女として、母に手を引かれる彼女は、 どんどん遠い存在になっていくような気がした。]
(81) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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ゆりは、きっと、素敵な巫女になるよ。 私なんかより、ずっと。
[母の儀式の前日。妹にそう言って、私は笑った。笑って見せた。 泣いたところで、叫んだところで何も変わらない。 それは、あの日から心の中で横たわる、黒い影。]
(82) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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[――あの日から?
いや、違う。 もっと昔>>23からあったような気がするのは、何故だろう?]
(83) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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[母の死んだ夜から、それなりの月日が経った。 あの日以来、私は神社に足を踏み入れていない。
村の者から伝え聞く限りでは、 妹は立派に巫女の務めを果たしているとのこと。 それを聞く度に私は安堵し、惨めになり、 そして、恐怖に駆られるのだ。
巫女であった母の、優しかった母の、 凍るような冷たい眼差し。 巫女となった妹も、同じように “成り損ない”を、拒絶するのでは、と。*]
(85) 2017/11/23(Thu) 22時頃
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―現在:自宅/畑―
ごぉろん ごぉろん ……っと。
[歌を口ずさみながら、かごを抱えた私は畑を歩く。 今日は数か月前に種芋を植えた サツマイモの収穫の作業。
そんなに大きくない畑とはいえ、 栄養がいいのか、種芋が良かったのか。 今年は思った以上の豊作だった。
収穫のような力仕事は、大抵の場合 進>>0:215に食事の対価として手伝ってもらうのだけれど、 学生の本業は勉強だ。それを邪魔してまで 手を借りる訳にもいくまい。それは、半ば、意地のようなもの。]
(109) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[進は、子供の頃から勉強熱心だった。 その眼はいつだって、話している内容の、その裏側を見ていた。
「同じ年頃なんだから、世話を見てあげて」 渡された、一人分の食事を届ける幼い姉妹>>28 その姉にあったのは、―奇しくも、彼の勘繰りの通り、 巫女の子としての責務だった。
愛すべき村の人間のひとり。 死なせてはいけない。幸せにしてあげなければいけない。
彼から、感謝の言葉は勿論あったけれど、 それはどこか虚ろな気がした。 その眼が言葉の裏を、どこか違う場所を見ていると感じたのは、 その時からだったと思う。]
(113) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[義務感は、徐々に薄れて行った。 用意されたお弁当を届ける仕事は、 いつからか、自分が、或いは妹が 彼の為に作った食事を届ける行為になっていったと思う。
そうして、巫女と成り損なった今でも、 私は彼にお節介の食事を届け続けている。
やっぱり、責務などではない。 彼の言葉を借りるなら、唯の打算なのだろう。
食事を欲している者。食事を褒めてほしい者。 それで関係性としては十分じゃあないか。]
(114) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[けれども、いつか、叶うことなら。 水面のような彼の瞳が、此方を向いたなら――。]
(115) 2017/11/23(Thu) 23時頃
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[いや、やめよう。首を横に振って、 思考をサツマイモたちへ戻す。 何かを夢見たところで、虚しくなるだけだ。]
いつまでもー いつまでもー
[聞こえてくる、いつもの歌>>#2を 鸚鵡返しに口ずさみつつ、収穫の作業へと。
数刻後、かごから溢れんばかりの赤紫色の 幾らかを抱えた私は、それらを調理すべく 上機嫌に台所へと飛び込むのだった。*]
(116) 2017/11/23(Thu) 23時半頃
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イルマは、ゆりに話の続きを促した。
2017/11/23(Thu) 23時半頃
PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 23時半頃
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[採れた作物は、どれもいい出来だった。 鼠や害虫の被害を殆ど受けていないのは、 ミナカタや丞の力添えが大きい。
何も知らなかった頃のいつぞや>>144を思い出す。 大被害を被ったけれど、今回は一味違う。 これらの作物たちは、きっと 皆を幸せな気持ちにしてくれることだろう。 にんまり、口角が上がる。
そうして、鍋で一口大に切ったサツマイモと、 灰汁を取ったゴボウを炒める。 熱が入ったそれらに、醤油と砂糖、みりんや酒を絡めれば、 サツマイモとゴボウの甘辛煮の完成。今日の料理も力作だ。]
(153) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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[漬けておいた梅を包んだおにぎりを横に添えて、 お弁当箱に料理を詰めていく。全部で三箱。
畑仕事の方の片づけを終えた頃には、 箱の中身は多少冷めてはいたと思う。
それらを包んだ風呂敷包み片手に、 私は家を飛び出した。昨日と同じ、いつも通り。 ふら、と、見知った人の姿を探す。**]
(154) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 00時半頃
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[ぱたぱたと足音高らかに村を駆ける。 何処からか聞こえた、元気だねぇ、という 苦笑交じりの呟きにも、笑顔で手を振り返した。
さて、どこかに困った村人はいるまいか、と、 きょろりと周囲を見回したところで、小さな影が目に留まる。
子供のような背格好の男。 いつだったか、自分の父の存在を意識し始めた時、 手がかりを求めて、さり気無く彼に話を 聞きに行ったこともあったっけ。 成果が得られたかどうかは、さておいて。]
(208) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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おはよ、源蔵さん。 うーん、さくちゃ……櫻子でもいいんだけど。
[櫻子を探すことも多い。とはいえ、大方の場合は 腹を空かせている人間を求めているだけ。 加えて、続いた言葉>>204に、 ――神社の方に行ったというそれに、表情は陰る。
とはいえ、それも一瞬のこと。 ぱっと顔を輝かせて、風呂敷包みを探る。]
(209) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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……今日、サツマイモ収穫したから、 早速料理してみたの。 だから、誰かに食べてほしくて。
源蔵さんも、良かったら。
[そうして、お弁当>>153>>154を一つ差し出す。 彼が受け取ったにせよ、受け取らなかったにせよ、 視線が向くのは、彼が示した神社の方向だ。]
源蔵さん、最近神社に行った? あの子……ゆり様とお会いしたかな、って、思って。
[ぽつ、と、世間話のように問う。 その中に混じる他人行儀の敬称は、 巫女と成った者、成れなかった者の現れ。*]
(211) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/24(Fri) 22時頃
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[最初の頃は受け取られなかった箱>>228は、 この頃は小さな手にすんなりと渡るようになったと思う。
食べたい、と、望んでくれた相手に 喜んでもらえるのが、私の幸せであり、 目の前の小さな男も、勿論、そのうちの一人だった。
その礼に、と、いつぞや>>233に借りた資料は、 夜な夜な行燈の下で読んではいるけれど、 日中の作業で疲れた身は、すぐ睡眠を求めてしまう。 元々、本などを読むのも不得手なのだ。
神社の方向に視線を遣る。短い沈黙の後、 返された問いに私は眉を下げて笑った。]
(251) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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……敵わないなぁ。
[彼にも、誰にも、 あの夜の事を、態々話してなどいない。 けれど、行かない、でなく“行けない”と、 そう問うてくる男は、一体どこまで察しているのだろう。]
あそこは、巫女様の場所だもん。 私みたいなのは、おいそれと行っちゃいけないよ。
[しきたりと血のつながり。どちらが上に在るか。 頭を過るのは母の冷たい眼差しだ。 答えなんて分かりきっている。 自嘲気味に言葉を吐く。笑う。涙など出ない。]
(252) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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……ごめんね、暗くなっちゃって。
[は、と息をひとつ吐けば、もう普段通りだ。 片手の風呂敷包みを持ち直して、さて、と気を取り直す。]
引き留めちゃった。そろそろ行くね。 この間の書き起こし、今度返しに行くから。
[じゃあね、と手を振って、再び私は駆け出した。
因みに、件の書き起こしを借りてから 軽く季節が一回りはしているかもしれないけれど、 それはまた別の話。*]
(253) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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[源蔵と別れた後、片手の風呂敷包みの中身は 瞬く間に無くなっただろう。 人気だったというより、出会った者が それなりに親しい間柄であったことが幸いしたのだと思う。
そうして、自宅に戻った私は、 鍋の中を覗き込んでいる。 昨日貰った、牛の舌の味噌煮込み。 まだ完成ではないけれども、葡萄酒や香草も加えたそれは、 かなりいい出来になりそうであった。 一口食すだけでも、酒や白米がかなり減るのでは、というほど。
これなら、きっと、喜んでもらえるに違いない。 浮かんだのは、昨日のやり取り>>20。 口元が緩むのが分かる。もう少し、葡萄酒を足そうか。
窓の外、日は、沈み始めている。*]
(284) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/25(Sat) 00時半頃
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