244 とある生徒会長の日常
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……寿限無、寿限無、 五劫(ごこう)のすりきれ、
海砂利水魚(かいじゃりすいぎょ)の水行末(すいぎょうまつ)、 雲来末(うんらいまつ)、風来末(ふうらいまつ)…………!
[序盤は、たどたどしさを交えながら。 それでも、次第に饒舌に、流れるように。 最早有難いを通り越して只のDQN《ダーク・カルテット・ネセサリー 〜闇堕ち待ったナシな魔の四重奏〜》ネームと化した子供の名前を読み上げる。
【寿限り無し】。 そう、どちらかにその名に恥じぬ勝利の寿が、齎されるまで**]
(103) 2016/01/16(Sat) 10時半頃
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……食う寝る処(ところ)に住む処(ところ)、 藪ら柑子の藪柑子(やぶらこうじのぶらこうじ)……!
[少しでも油断をすれば舌を噛んじまうような。 少しでも詰まれば一息には言いきれないような。 そんな長ぁーーーーい名前を、すらすらと唱えます。 これはこれは、相手もなかなかやりますねェ。]
(104) 2016/01/16(Sat) 18時半頃
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そんな長ぁーーーーい名前を付けたもんだから、 朝子供を起こすのにも一苦労でございます。
[途端に、藤之助の身振りが急に柔らかくなりました。 実際には何もない虚空を揺すっているのですが……
あなたも、「噺」に引き込まれたなら見えるでしょう? 床に臥せた寝坊助の少年と、それを起こす母親の姿が。
紡ぐ言葉が、聴衆にありありと情景を思い起こさせる。 これが「噺家」の力、落語の醍醐味でございます。]
(105) 2016/01/16(Sat) 18時半頃
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「おおーい寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処藪ら柑子の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助ェ!
いつまで寝てんだい、今日は手習いと算盤があるでしょう? 起きなさい寿限無寿限無五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る処に住む処藪ら柑子の藪柑子パイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助ェー!」
……名前を呼んでいるうちに、もう日暮れ時でございます。
[滑稽な語りに、聴衆からどっと笑いが起こります。 つらつらつらつらつらつらつらつら…… 噛まずに呼ぶから面白いというもの。一番の腕の見せ所です。 なに、もう略して長助と呼べば良いじゃないかって? いけませんよ、折角のありがたーーーい名前なんですから。 はてさてこの戦い、どちらに軍配が上がるやら……*]
(106) 2016/01/16(Sat) 19時頃
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はぁっ……… !!
[さて、トルンがトルンであるが故の 装飾部分は一体どうなってしまったのか。
それはさておき、手首を抑えながら身体を起こした少年に 何やら地響きのような音が遠くから聞こえてくる―――……]
(107) 2016/01/16(Sat) 20時半頃
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[┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨]
[と、そんな効果音が付きそうな程の速さで 四足歩行の白い物体がこちらへ駆けて来る。]
あ、あれは……漫研部部長か……!?
[何故このような着ぐるみを着たような姿になってしまったのか 萌えの過剰摂取《ドーピング》でもしたのかは分からないが 完全に理性を失っているように見えたそれは、 ただただ恐ろしいものであった。by手芸部]
(108) 2016/01/16(Sat) 20時半頃
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―編み物同好会の教室―
運命とは跳ね除けるものではなく。 自ら編み織りなしていくもの。
ごめんなさいね。 己の成した運命に対し見苦しかったわ。
[かっこういいような、よく分からないような台詞>>86に。 今度こそカギ針を握る腕から力を抜いた。]
大丈夫。 約束を守ってくれる限り、私も裏切らない。
[ただし、漫研の友人が個人的に萌えに走るのは。 ましてやすでにこの世に生み出された魔書ウ=ス異本>>0:121はどうしようもないのだ。
去りゆくその背>>87を見送り、校庭へと再び視線を戻す。]
(109) 2016/01/16(Sat) 21時半頃
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[校舎を揺らがすほどの情熱。 四足歩行の白い物体――嘗ての漫研部部長であった異形がグラウンドを駆け抜ける。]
萌えに我を忘れている。
またひとり。 腐海に沈んだのね。
[そういえば、漫研部部長は『手芸部のあの男を脱がす技見れるかな』とか『女装男子ってあざとすぎない!?』とか呟いていた気がする。 つまりは、グラウンドの男同士の熱き戦いに引き寄せられたのだろう。]
(110) 2016/01/16(Sat) 21時半頃
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ちょ、ま ッ ………!!!!
オイ待て……
[ドゴ ォゥッ―――!!! と、そんな音を立てて渾身の体当たりを喰らう。 通信機内の忠告をやっとの思いで聞き取れば、対象から距離を取り。
男相手であれば問題ないだろうと思っていた奥義も 彼女の手にかかれば問題大有りらしい。]
(111) 2016/01/16(Sat) 22時頃
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こんな時………アイツが居てくれれば……… ッ !!!!
(112) 2016/01/16(Sat) 22時頃
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……出遅れた分。 私も少しは魅せなければならないわね。
[窓際の令嬢のかの如く。 窓枠に腰掛け黄金色のかぎ針を振るう。
熱い男同士の暖かいに湧き。 漫研部部長の登場に戦慄していた聴衆の頭上に降るのは淡い暖色の毛糸の花弁。]
(113) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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ローズ・チェイン ―― モチーフ編み 『薔薇のネックレス』
[まるでその手元から新たな植物が芽吹き、成長していくように。 暖色の薔薇の咲いた毛糸の蔓が窓枠を支点に高速で編まれ伸びて、グラウンドを這い回る漫研部部長の手足を絡めとる。]
(114) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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勘違いしないで、助けるわけではないわ。 貴方達をを倒すのは私というだけ。
[漫研部部長の動きが僅かに止まる。 だが、萌えの力は徐々に超強化ポリエステル毛糸を千切らんと力を籠めて、動き始める。]
(115) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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[目を洗い、校舎の窓から様子を伺っていた。 女装とメイド服のバトルだとか 四つん這いで這い回る白い謎の生物だとか なんか女子生徒の肌色が増えた気がするのだが そんな方向を素直に見る事が出来ない程度にはウブであった。 2次元の肌色と3次元の肌色は違うんだよ]
[そしてそのまま、落語部と演劇部の戦いを見ていた。
ぶっちゃけ何言ってるのか分からない。 雲に乗ってカートレースのコースから落下した奴を釣り上げるアイツではないらしい、という事だけ認識していた]
(116) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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……萌えの過剰供給《オーバードーズ》、か。 サービスをすれば自滅するかも、とは言うが……
[一体それは何なんだ。 少年自身は疎い為、分からない。 やはり“アイツ”が居なければダメなのか……?
そんな事を考える内にも、白い悪魔は襲い来る。]
(117) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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―――――――ぐ ッ……!!!
[いくらかのダメージを覚悟し、目を瞑った……その時だ。
>>114暖色の毛糸が編み込まれ、地を這い 漫研部部長、もとい白い悪魔の動きを止めた。]
(118) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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礼は、言わんぞ……… 俺を救った事を、今に後悔するだろうな!!!
[そうして、男も糸を通した針を四方へ投げた。 針が刺さった場所を支点として、操り人形の如く白を絡め取る。
毛糸と糸。 二つの糸は同時に漫研部の動きを奪う。 ここに螺旋十糸《ダブル・チェイン》が完成したのだ。]
(119) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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………ッ ………!!!!
[だが、所詮は動きを抑えるだけだ。 決定打が決まらない事には恐らく暴走は止まらないだろう。
二人の力で果たして何処まで持ちこたえられるか分からないが 今は、救世主《メシア》が来るのを信じて待つ。]
(120) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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[ぞわり、と背筋に何か恐ろしい物を感じる。 萌えから漂う暗鬱な気配が、本能に警告する。
体中を這いまわるような気配。 カリカリという音は紙にペンで物を描く音だ。 気配の元は――校庭]
な、ッ!?
[編み物同好会が必死で抑えている筈のそれは しかしもはや、化物でしかなかった]
(121) 2016/01/16(Sat) 22時半頃
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まさか一瞬で合わせてくるとはね。
[呟く言葉は感嘆。
――螺旋十糸《ダブル・チェイン》
縦糸と横糸が重なり交差しより強固な布を織りあげるように。 より強固になった拘束は漫研部部長である存在を縛り上げる。]
(122) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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何だアレはぁぁぁぁぁぁ!?!?!?
[さすがにあれが漫研部長とは気付けない程に その狂気と纏ったオーラは恐ろしく しかし、アレを止めねば、優勝される。 そうと感じさせる絶対的な力なのだ]
[勝算はあるのか、と 抑えている林藤や計に問いかける]
(123) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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救ったわけではないって言ったでしょう。
[ぎちち、と超繊維が悲鳴を上げる。 それ以上に窓枠が萌えの力によって歪んできている。]
なんて力……! 禁断の領域に踏み込むとここのまでの力が出せるなんて。
[何か決め手がなくては。 このままでは校舎が破壊されるのも時間の問題だ。]
(124) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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俺は、……これでも手芸部部長だ。
遅れは取らない。
[編み手へと返す強気な言葉とは裏腹に その額には、疲労の汗が滲み。
少しでも気を緩めば、飲み込まれてしまいそうな錯覚を覚えた。 ―――――その時だ。声がしたのは。]
(125) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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『 か……
け
ざ ん 』
(126) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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……今、何て言った………?
か…… 掛け算……?
[かけ算と聞いて思い浮かぶのは 最早、あの男―――数学研究部の石動しかいない。
糸を繋ぐのに必死で、編み手の近くに彼がいるなどという事は ろくに意識出来ないまま、しかし叫ぶ。]
(127) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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掛け算だ!!!!掛け算をぶつけてくれ!!!!
[もはや意味が分からない。 だが、数式というのはいつもそんなものだ。
サインだのコサインだのタンジェントだの 一般人には到底意味など計り知れない、が。
それに意味を見つけるのが、“彼”であると少年は思っていた。]
(128) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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漫画研究部を背負う部長でしょう! 鎮まりなさい!
[窓枠から呼び掛けるも、やはり今の彼女に言葉は通じない。 抑え込まれ一層にその熱情を爆発させんと身悶えをしている。
『かけ…ざん… あく… はか…』
最早呻き声とも判別つかない鳴き声を上げてだ。]
(129) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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今止めなければ。 この学園は腐海に飲まれるわ。
[まだ近くに居たのだろう。 石動>>123の叫びが聞こえたが廊下の方を振り返る余裕はない。]
そう……掛け算よ……!
[計>>128に呼応するように叫ぶ。 この暴走状態を止めるにはもう、彼女の脳内にあるその数式をどうにかするしかない。]
(130) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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は?
[聞こえた声>>128 何が言いたいんだこいつは。 掛け算ごときの数学どころか算数の範囲でどうにかする問題ではないだろう]
[しかし、石動はやっと、気付いた。 このエネルギー塊の正体は、漫研部。 学内に数学的神聖を侵す腐った掛け算を撒き散らしている元凶だ]
掛け算って 掛け算をぶつけろってって、つまり―――
スラッシュにしろってンだよコラァ!!!
[お約束を叫んでから]
(131) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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[漫研部も、結局の所オタクである。 オタクを鎮める方法は一つ。
萌えの提供である]
(132) 2016/01/16(Sat) 23時頃
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