43 朱隠し
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おお。沢山おるぞ。 犬になり切れず、猫のように心の侭に振る舞う物ばかりじゃ。
[くつくつと笑う声は、少しくぐもって聞こえるだろうか]
――…もしお前が猫の生を望むのなら。
[りん、と鈴が鳴る。 りん、りん――と、歩むたびに響く鈴の音が、二人の距離を縮めて行く]
(88) 2011/02/13(Sun) 13時半頃
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お前も、俺と共に来るか――?
[明之進が狐の面から視線を反らしたその一瞬に、 耳元でアヤカシは誘う。
惑わす様に甘く――]
(89) 2011/02/13(Sun) 13時半頃
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[だけど、それも一瞬の事。
りん、と。 もう一度鈴の音が響いた後には、 狐の面のアヤカシは、明之進の前から其の姿を霞と変える。
甘い囁きと、惑わす言葉だけを遺して――**]
(90) 2011/02/13(Sun) 13時半頃
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楽士 ウトは、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 13時半頃
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―祭り会場―
いらしゃーい。飴作るでー? ああ、虎やね?まかしときー。
[飴細工の屋台では、いつも通りの声が響く。 ただ、いつもと違うのは、店先で汚れた風車が、風がふく度にからからと回っていたこと**]
(91) 2011/02/13(Sun) 14時頃
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― 祭会場 ―
[するり、人の合間を縫って、其れが常の男は、共にいたはずの一平太とはぐれたと気付くのに遅れる]
……まあ。そうだな。
[そのうちに会えるだろうと思いながらも、 探そうかと冗談でも言った己の言葉を思い出せば、がし、と頭を掻いて]
……
[その姿を、ふうわり、と 祭を見渡す高い場所、藤の薫りが僅かにのこる屋根の上へと移らせた]
(92) 2011/02/13(Sun) 14時半頃
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[一平太の姿は、恐らく直ぐに見つける事ができただろう。 他にも、見知った誰かを見下ろす景色に見つけるか]
……ああ。
[すん、と鼻を鳴らす。 アヤカシの里で嗅いだ薫りに、一羽の蝶が溶け出で、翻る]
(93) 2011/02/13(Sun) 14時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 15時頃
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[――りん]
[どこかから、鈴の音が聞こえた気がして、思わず息を飲んだ。慣れていたはずなのに]
……っ痛!
[しかし、その鈴は普通の音とは違うように聞こえた。突然頭痛がして、作業の手が止まり、片手で頭を押さえる]
[『……定吉が、弟が』
『うちら、もう家族なくしたくないねん』
『アヤカシの里を覚えてたらまた、…いつか…』
『…忘れ…何か…方法……』
『我が儘かもしれ……でもお願……』
『柳……爺…ん』]
(94) 2011/02/13(Sun) 19時頃
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何、今の………
[頭の中で、奇妙な記憶が駆け抜けた、気がした。けれど、その正体はつかめず。しばし呆然と。だが]
!? しもた、失敗してもた!うわ、堪忍してな!すぐ新しいの作るから!
[客からの視線で、飴細工の途中だったのに気づく。飴は、熱いうちに形を変えなければならない。
しかし、作りかけの猫は、後ろ脚が一本のまま、冷えて固まってしまっていた。片足のない猫の飴を逆さまにして網の上に置き、慌ててやり直し始めた**]
(95) 2011/02/13(Sun) 19時頃
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――河原――
[里の外れに近い雪の積もった河原での雪合戦。 ひらり、ひらりと行き交う雪玉を避けては投げて。]
もう、降参か。
[夜になる前に家に帰れといわれる子もあって、 そろそろ祭りにと謂い始める子も出て来る。]
よし、境内まで競争だぞ。 春松とも遊びたいしな。
[早い刻に春松と石段で交わした言葉を思い出し、 祭の会場に行けば会えるだろうと考える。
その時には他に人がいたので聞けなかったけど、 春松の顔が曇ったように感じたのも気がかりで。
祭の場に向けて駆け出した。]
(96) 2011/02/13(Sun) 20時半頃
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餓鬼大将 勝丸は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 20時半頃
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[境内の裏でぼんやりすることしばし]
さて、僕はどう動くべきかな。
[空を見上げた、刹那、華月斎を見たような気がした …一平太は苦笑した]
そんなわけない。
[なぜ華月斎を思い出すのか…恋する乙女でもあるまいにと思うと余計に可笑しくなる]
考え事ばかりしてはいかんな
[とにかく人のいるところで気を紛らそうか… そう思い屋台の方へ向かった]
(97) 2011/02/13(Sun) 21時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 21時頃
門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 21時頃
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――境内――
[屋根に積もった白が淡く朱に染まり始めた頃。 行き交う人々をするりするりと交わしつつ、 石段を子供達と共に駆け上がる。]
オマエ達は屋台に行くのか?
オレは境内を一回りしてくるよ。 ああ、またな!
[子供達の幾人かは、 飴や面を求めて屋台へ行こうと謂う。
からり笑えば、屋台へと向かう子供達を見送った。]
(98) 2011/02/13(Sun) 21時半頃
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丁稚 春松は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 22時頃
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― 境内 ―
[ 使いを終え、再び石段を上る。 当然の事ながら、そこに3人の姿はなく――……
知らず、首を巡らせて、溜息を吐いた。]
(99) 2011/02/13(Sun) 22時頃
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はぁ……
[ 吐く息が、白い。 上空は、昼間だというのに雲が多く、今にも雪が降りそうだ。 凍みた空気があかぎれに沁みる。]
にいさん……
[ アヤカシの里も、こんなに寒いのだろうか。 病弱だった兄。 知る者のいない土地で、凍えたりはしていないだろうか。]
(100) 2011/02/13(Sun) 22時頃
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[どれくらい話をしていただろうか。 気が付けば、空は茜に染まっていた]
……この後、何か用はあるだろうか。 もしなければ、そろそろ祭りの方へ戻ってみようと思っているのだが……ともに、どうだろうか。
(101) 2011/02/13(Sun) 22時頃
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―供物台前― いいや、仮宿の関係者らしい。俺も良く知らん。
[ゆっくりとした足取りで>>77朧に歩み寄ると供物台に積まれた団子を見つける]
これは、見矢さんが?
俺は藤之助、この村出身だが今は知り合いに来ていることを知られたくないので苗字は内緒だ。 実はこの辺りではそこそこ有名な家なのでね。
[万一加賀屋の名前を知っている時の為にそう誤魔化す、これも嘘は混じっていない言い回しになる]
(102) 2011/02/13(Sun) 22時頃
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[先程置いた団子をちらりと見て]
あぁ。 何の仕度もなしに訪れたもので……今朝、里の和菓子屋で買ってきたのだが。
藤之助、か。 あぁ、それで藤の香を。
[苗字を聞けば、油問屋にいた頃の取引先に、もしかしたら心当たりがあったかもしれないが]
(103) 2011/02/13(Sun) 22時半頃
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丁稚 春松は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 22時半頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 22時半頃
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[朧の話>>78>>79には興味を惹かれなかった様だ、フゥとため息をひとつ]
きっとアヤカシは、嫌がる人間を無理矢理連れ帰るのを好むから皆は攫われまいとするんじゃないかな?
[嫌がる、といえば先の祭りで連れ帰った青年は「弟が一人になってしまうからやめてほしい」ととても嫌がってくれた。 ああいうのはとても攫い甲斐があると思うこのアヤカシは他のアヤカシの印象が悪くなる事など気にしないのだ]
(104) 2011/02/13(Sun) 23時頃
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嫌がる人間を?
[ん、と首を傾げ]
望む者を……ではないのか? だとしたら、この地のアヤカシは、思っていたよりも随分と残酷なことをするのだな。
ならば私は、浚われることは……。
[言いかけて、ふと藤之助を見て]
いやその方が良いかもしれん。
(105) 2011/02/13(Sun) 23時頃
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丁稚 春松は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 23時頃
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祭り、ね。人ごみは少々苦手なので俺は篝火にしばらく当たってから帰ろうかと。
[んーと首を傾げ、あまり共にする時間は長くない方が良いと考えて緩く断る]
アヤカシがひとつだとは限らないし、そのアヤカシにもよるかもしれないけれどね。 俺が知る限りでは望まないまま攫われた者の方が多い気がして。
[それも自分が転じる前の話、最近はどうだか正直知らかったし其処に興味はあまり無かった。 少なくとも自分が攫うのは、嫌がる相手の方が多いというだけ]
(106) 2011/02/13(Sun) 23時半頃
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[>>87 狐面の男に問われ。]
えっ……。
[ぎくりとした。具体的に山の神になりたいとまでは思っていなかったが… 自分以外の何者かになりたいと心の奥底で思いながら面を被っていただけに、見透かすような事を言う狐面の男に対し恐怖に似た感情を抱く。]
…そう、なのですか……。
[沢山いるとの話には、それだけしか言葉を返せなくて。
――何だろうこの感覚は。単なる恐れではない。]
(107) 2011/02/13(Sun) 23時半頃
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[りん、りんと鳴る鈴の音が頭の中で奇妙に響く。 狐面の男が近付いて来るのには、息を詰めて微動だにできず。 堪らず視線を逸らせば、その一瞬耳元で囁かれた声に背筋がぞくりとした。]
――っ!
[鈴の音が鳴ると同時にバッと耳を押さえてそちらを見ると、狐面の男の姿はもう何処にも居ない。]
(108) 2011/02/13(Sun) 23時半頃
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あ……。
[今の者は、まさか。いや、恐らく間違いなく――。]
……っ!!
[震える手で杖を取り、何処へとも考えず歩き出す。 多少混乱しながら歩を進めているので、誰かにぶつかるかもしれない。]
(109) 2011/02/13(Sun) 23時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 23時半頃
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[屋台に向かうため供物台の方に行くと男二人が話をしていた。 一平太は軽く会釈をし、通りすぎようとすると 男の言葉が耳にとびこんだ>>104]
(嫌がる人間を攫うだと…?)
[声には出さなかったが聞き捨てならぬ言葉に一瞬足が止まり 藤の香りを漂わせる男を見やる …それは睨みつけるような顔だったかもしれない]
(110) 2011/02/13(Sun) 23時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 23時半頃
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そうか。 ならば無理にとは言えんな。
[ならば篝火の方までと、改めて誘い直し]
あぁ確かに、アヤカシがひとりだけとは限らんな。 そうか、色々な性分のアヤカシ……。
同じなのだな、人間と。
[やはり、この者といると、心が落ち着く。 傷付いていた心が癒されてゆくような気がする]
(111) 2011/02/13(Sun) 23時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 23時半頃
門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/13(Sun) 23時半頃
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― 屋根の上 ―
[一平太を見つけ、くすりと笑う]
あ――…
[その視線が、あった、気がした。 ひとらしからぬ場所を思い出せば、ふっと姿を隠してしまう。
寂しげな冬の空に、滲んだ茜色の蝶が一羽だけ、取り残されて舞うばかり]
(112) 2011/02/13(Sun) 23時半頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 00時頃
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[>>110 しかしそれは一瞬のことで、一平太はすぐにその場を離れた]
これは…とんだ思い違いをしていたのか?
[思案しつつ歩いているとぶつかる男がいた>>109]
おっとあぶない…おや、明之進殿ではないか。 慌ててどうされた?なにやら顔色も悪いようだが
[ぶつかった拍子に倒れそうになれば支えただろう]
(113) 2011/02/14(Mon) 00時頃
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[すれ違う見知らぬ青年に睨まれた>>110ような気がした。 話を聞いていたのだろうか、内容は誰に聞かれても構わないもの程度に抑えてはいる。 何か意見があれば聞いてみようかと思ったがそのまま通り過ぎてしまう。
嗚呼、少し残念……]
(114) 2011/02/14(Mon) 00時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 00時頃
門下生 一平太は、メモを貼った。
2011/02/14(Mon) 00時頃
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あっ……申し訳ありませ…… 一平太さん…!
[誰かにぶつかり身体を支えられ、慌てて顔を上げれば見知った顔で。 幾らか安心すれば表情が歪み、一瞬、泣き出しそうな顔をした。]
あ……有り難うございます。
[体勢を立て直すと、胸に手を当て「はあー」と大きく息を吐き、心を落ち着けようとする。]
(115) 2011/02/14(Mon) 00時頃
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[すれ違う一平太>>110に、軽く会釈を返す。 睨みつけるような表情は、此方からは見えなかったが]
[去ってゆく背中を見送ると、再度藤之助の方を向き]
冷えてきた。 私達もそろそろ行かぬか?
(116) 2011/02/14(Mon) 00時半頃
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[明之進の様子がおかしいのは明白だったが、ここはあえて心配そうな素振りはせず]
すこし…温まりますか? 甘い飴湯でも飲めばすこしは楽になるでしょう。 知り合いに飴屋がいますから、一緒に行きませんか?
[つとめて明るく振る舞い定吉の飴屋に行こうと誘う]
(117) 2011/02/14(Mon) 00時半頃
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