276 ─五月、薔薇の木の下で。
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僕を……見ないで…
[ 搾り出した懇願は、俯いた地面に吸い込まれて消える。]
(26) 2018/05/23(Wed) 03時半頃
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( いっそ 死んでしまいたい。 )
(27) 2018/05/23(Wed) 03時半頃
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[ 此処には誰もいない。
蹲る様に俯く姿を見る者は、何処にも。]*
(28) 2018/05/23(Wed) 03時半頃
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[ 結局、永遠にも思える時間を抜けて 上背のある相手の肩を担ぎ医務室まで運んだ。
相変わらずヒューとモリスは寝息を立てている。 担いだ相手も二人同様にベッドへと寝かせて──不意に聞こえた「しさいさま」という声に、 また増えたのかと辟易すると同時、 そろそろこの狂気じみた夜の終わらせ方を悟った。]
………もしかしたら、 このやり方で救われるのは僕だけかもしれないな。
(29) 2018/05/23(Wed) 03時半頃
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[ 自暴自棄気味に漸く笑う。 誰かの夢に見た、歳上の共犯者を探す爪先は当てなく廊下へと向かった。 其れはほんの少しの確認のため。
とりあえず人影に当たりはある東屋から探ってみようと。 其処にもしも、ピアノの弾き手が倒れているならまた脚を引き摺りながら医務室へ運ぶ事になる。
医務室扉横に『フェルゼ・アーレンス』の札を下げながら、 目覚める事だけは、未だ望めない。**]
(30) 2018/05/23(Wed) 03時半頃
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[じっと眺め続け、結局声を掛けない。 何か自分とは逆の行動でも始まれば、動くだろう。
抱えた書類は机でずっと大切に作ってきたものだから 燃やされる前に、抵抗してでも返してもらいたい。 もう一度作り直せるとは、限らない。 その倍別の書類を作っても、意味が無い。
薔薇だって、同じように考えていると思っている 朝には目覚めると教えてくれた人がいる。
ぽつりと、香りに乗った願い。]**
(31) 2018/05/23(Wed) 07時半頃
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イアンは、オスカーが何を見たか、知らない
2018/05/23(Wed) 08時頃
ロビンは、イアンの書類作りには定評があると思っている。
2018/05/23(Wed) 08時半頃
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[がうがうと唸りつつも魔術師と会話をしていれば >>16やって来たのは探し人の片方の姿で]
……ロビン!
[良かった無事かと言いかけて違和感を覚える さっき見送った背中との違いは]
お前、ケヴィン先輩は? (殴って逃げてきたと思うのは違うんだろうし)
[魔術師が何処かに向かうなら その背中に後で殴ると睨みつけつつ見送り 何処かでバシャバシャやる音に雨なのかと 空を見上げるが月は変わりなく**]
(32) 2018/05/23(Wed) 08時半頃
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ピスティオは、その朝になる方法がまだわからない。
2018/05/23(Wed) 09時頃
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ケヴィン先輩?
……疲れたのか、眠ってしまわれ、て
[若干の間があったのは、その名前でさっきまでの行為を思い出して羞恥を覚えたから。しかし、ピスティオの顔を見た途端、言葉は途中で切れた。>>32
──キスしたい。
そんな衝動が浮かんでしまったことに、ぎくりと肩を竦めて。]
……い、
(33) 2018/05/23(Wed) 09時半頃
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今の僕に、あまり近づくな…… お前を、傷つけるかもしれない……
[どこの厨二病患者だ、とつっこまれそうなことを呟き、顔を逸らした。
ほんのりと頬が赤い。 薔薇の匂いは、周囲の花に紛れているが、本物の花からだけではなく。**]
(34) 2018/05/23(Wed) 09時半頃
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イアンは、その朝になる方法が、俺にもまだわからない。
2018/05/23(Wed) 10時頃
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[────わからない、けれど。 先に何も無いわけではないのだろう。
返った声に欲以外のものが顔に浮かぶ。 初めて会った時からよく出来た子だと思っていた、
そっと、二度目の立ち上がり。 空のバケツ二つを痕跡に、その場から立ち去った。]
(35) 2018/05/23(Wed) 10時頃
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[果たして、それは何処なのか。 相手も道中か、もう屋内だったかもしれない。 彼は誰かを引き摺っていただろうか。>>30]
オスカー。
[倫理を重んじる筈の生徒会長の姿は どこからどう見ても、異常に見える筈。 おかしくない誰かより 移されたばかりの子より、ずっと。 まやかしは甘やかになりきれず けれど、現実でもある。 現実の中で、彼がひとり誰かを背負うのならば 思わぬ者が眠っていることに目を丸くした後、 異常な男が華奢な共犯者を手伝おうとする。]**
(36) 2018/05/23(Wed) 10時頃
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[あの時>>3:121意識に染みついた匂いの「色」。 完璧な硝子細工の形かにみえて、けれど意地悪に揺らぐ希薄な煙のような。その形を捉えようと見詰めれば、向こうからも見詰めてきているような、「白」。 そしてそれは決して、悪夢めいた紅い荊の棘に絡まれた訳では無い「色」。
マークの感覚は、はっきりとそう捉えた。 逆に言えば、そのくらいしか、みていなかった。]
(37) 2018/05/23(Wed) 10時半頃
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―廊下―
[中庭に行こうとしていた。 その理由は判らなかった――本当は何処かで解っていた。 眠りから覚めた目がいつも「あいつ」を映していた場所。ただそれだけの理由だ。
進む先、薔薇ばかり香る静かな廊下の先で見えたものは]
あれ。
[三つの人影。より正確には、誰か>>36と、誰かの脚を引きずりながら運ぶ人影>>30。 遠目からでは誰が誰かなんてわかりもしなかったのだが、ただ何か、形の掴めない予感が、ふいに足を止めてしまっていた**]
(38) 2018/05/23(Wed) 10時半頃
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メアリーは、そういえば、いつもあまり帰省していない筈の、
2018/05/23(Wed) 10時半頃
メアリーは、イアンとすれ違った記憶がない。**
2018/05/23(Wed) 10時半頃
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[ 唸る子犬は探し人を見つけられた(>>32)ようだし。 その背に送られる視線なぞどこ吹く風で ロビンがやってきた方へ、薔薇の向こう側へと足を進める。 ]
夜なんだからさ。 《みんなが寝れば》朝がくるかもね?
[ ぽつり、落としてその場を立ち去った。 ]*
(39) 2018/05/23(Wed) 18時頃
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―薔薇の木立の向こう―
[ 魚の跳ねた水飛沫が、薔薇の木を濡らす。 そのお影か、立って動き回るくらいには回復したものの。 草の上に寝そべるパン捏ね大臣を持ち上げるほどの余力はなさそうだ。
冷えぬようにか、恥ずかしくないようにか。 甲斐甲斐しくも着せられた服(>>12)と かけられた上着(>>14)を見下ろし。 眠りこけるケヴィンの表情を確かめた。 ]
(40) 2018/05/23(Wed) 18時半頃
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キミもなんか、抱えてるっぽかったね。 起きて気が向いたら聞かせなよ。 枯れんな、つったんだからさ。
それくらいの責任は取んなさいよね。
[ 眠る顔は幸せそうなのか、苦痛に喘いでいるのか、わからなかったけれど。
何かうわ言のようなもの(>>29)が聞こえたが それほど耳の良くない俺が、聞き取ることはできなかった。 ]
(41) 2018/05/23(Wed) 18時半頃
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私は愛の秘密を知っている。 夜を通し、私は愛の呼びかけをする。
花を香らせ、 恋する者の心を動かすのはこの薔薇(私)なのだ。
[ 聖書にも載っていない、一節を詠う。 欲を掻き乱され、眠る者があるならば。 それを想う愛しき者が傍で眠れば。 きっと、朝もやってこよう。
夜の声を聞ける、その人が(>>29) 悟る方法と同じかどうかは、わからねど。 ]*
(42) 2018/05/23(Wed) 18時半頃
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……寝て、しまった? その辺の地面に落ちてんのか。
[思わず自滅かなどと思いかけたが 二人きりでいる時間は多少あったわけで ロビンに何かするなら可能だろう]
んでお前は……先輩と何を。
[まさか破廉恥な行為があったとは 想像もしていなかったが]
(43) 2018/05/23(Wed) 19時頃
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(ケヴィン先輩が捕まったのか)
(なんでだ?)
(ロビンを連れて行って)
(連れてく奴が眠る?)
(44) 2018/05/23(Wed) 19時頃
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なんだそりゃ、お前にトゲでもあんのか。
[>>34拗らせたみたいな事を言い出した同級生に 思わず思考のあれこれがすっ飛び 吹き出しそうになったが その顔に誘われるように手を伸ばしたのは 漂う香りを無防備に吸い込んでしまった所為**]
(45) 2018/05/23(Wed) 19時頃
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ピスティオは、ユージンの声はしっかり耳に届いた、のに**
2018/05/23(Wed) 19時頃
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[なるほど、説得力はある。 単純明快かつ、難しく聴こえた答えに納得しつつ。
困ったように笑ったのは、ひとりの時。 やはり求めることは罪か。]*
(46) 2018/05/23(Wed) 19時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2018/05/23(Wed) 19時頃
イアンは、ユージンの顔を思い出した
2018/05/23(Wed) 19時半頃
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話、かな。色々。
[さらりと答えた。>>43 何をしていたのかは薔薇の下の秘密だ。
だけど、伸ばされる手に冷静さは崩れて。>>45]
こ、ばっ……!
[この馬鹿、と言いたかった。 薔薇の香が、ふわりと流れる。]
(47) 2018/05/23(Wed) 20時半頃
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あ……
[皆が眠る。>>39 その意味は、薔薇に囚われた者にとっては本来とは違う意味に取れた。
甘い香が囁く。 口づけて、舌を絡ませ、眠らせてしまえと。
でも、口づければそれで終わる気がしない。 それだけじゃ、全然足りない。
こちらからも手を伸ばして、 伸ばされた手を掴んで体を引き寄せ──]
(48) 2018/05/23(Wed) 20時半頃
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ゴッ
[ピスティオの額に自分の額を突き合わせた。 目から火花が出そうだった。]
いっ……
いた………
[頭を押さえてうずくまり。 ぜえはあ、と肩で息をする。 痛かったが、薔薇の香がちょっとは紛れた気がした。*]
(49) 2018/05/23(Wed) 20時半頃
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[再び足を動かせば、人影のかたち>>36は幾らか鮮明になる。
運ばれている風のベネットの身にあったことは判らないままで、いつもの「生徒会長」らしからぬ乱れた服装のイアンも目に留まるも。 もう一人を目にすれば、望まない行為の記憶>>3:110と己への悔しさに足が勝手に竦む。それでも、怯えて逃げる心算はなかった。けれども。
その光景を遠目から見た時に、探し求めている人の「まさか」がふっと過った。 だからマークは黙って、真っ直ぐに、医務室へと駆けた。]
(50) 2018/05/23(Wed) 21時頃
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[オスカーに会っても名前を呼んだだけ 自分からは何も話さないで、ただ手伝う。 お姫様>>50にも気づいただろうが、視線が一時追うだけ。 口を開くことを求められない限り何も言えないくらい、追い詰められていた。
────あの男に気づかれたのだと思っていたのだが ……こうなると、勘違いだったのかもしれない。 何も分からずに、他者を求めろと言っているのかもしれない。
そうであったほうが耐えられる。]*
(51) 2018/05/23(Wed) 21時頃
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―医務室前―
[真っ直ぐ駆けた心算で、実際どの程度迷ったかは知れない。
そのまさかだった。扉の横に掛かった名札の中に、フェルゼの名は確かにあった。>>30]
なに、やってん、だよ。
[閉ざされた扉の前で、思わず零す悪態。 衝動的に扉を勢いよく開けてしまいそうだった。けれど医務室に居るのは一人ではなく、中にいる彼らを縛るのが薔薇の棘にせよ本物の風邪にせよ、吠えたり泣いたりして騒ぐことはできないと、大人の部分で踏み止まった。 開けない扉に、こん、と額を当てて項垂れる。]
……ばかやろう。
[空振りになった決心を抱えたまま、扉越しに吐いた悪態は、誰に向けたものだったろう。*]
(52) 2018/05/23(Wed) 21時頃
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─現実、医務室での─
[ フェルゼをベッドに寝かせてから ずっと医務室で寝ているモリスとヒューが気に掛かって、 仕切りの隙間から顔を覗かせた。 まだモリスは寝息を立てているだろうか。
一度起きたのだろう、 また床に落ちている包帯をヒューの腕にそっと巻き付けていく。 彼が痛みで目を覚まさないのなら、 今までの悪魔的な治療が態とであった事を物語っているだろう。
包帯で痛ましい肌の隙間を埋めながら、 声はモリスの方へと向いた。]
(53) 2018/05/23(Wed) 21時頃
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モリス、さっきから見えてるのは君の夢かな。 人の頭に入ってくるのは流石にやめて欲しいんだが…… まぁ 君は嫌がらせをしないし止むを得ないんだろう。
けれど少し、 少しね、 頭が痛くなる。
[ ベッドに横たわる彼は着の身着のまま。 香るのは薔薇。 しかし彼らしい、木の匂いにふと羨望の色を映した。]
(54) 2018/05/23(Wed) 21時頃
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君が見る夢は 綺麗だ。 本当に、
[ 目を逸らしたくなる。 言葉に仕掛けた音を飲み込んで、 思い出すのは撫でられた指先の熱>>3:275。 後輩の腕に爪を立てそうなのを耐えた。]*
(55) 2018/05/23(Wed) 21時頃
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