25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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門下生 一平太は、始末屋 ズリエルの近くにその姿を見つけ。安堵と困惑を浮かべると視線を戻した。
2010/08/06(Fri) 01時頃
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― 大広間 ―
調子の悪いセシルに無理に尋ねたりしませんよ。 ……それは、担ぎ込まれれば気になります。
[溜息ひとつ]
和装故、雰囲気に戸惑ったかと思いました。
[それから、静かに近づく明之進を見る]
失礼だったなら、謝りましょう そうだね 素行の悪い花では主(あるじ)さまに失礼だ。
[少し眉を下げて、笑う]
(380) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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―高嶺の部屋―
[――高嶺の唇は、声を紡がない。 苦笑のような表情の真意も分からないままだが]
…はい
[呼ばれ、返事をする。 華月はどうだったか、流し見遣り。 さらりと流れ、落ちる黒檀の髪。 霞月夜の顔と驚くほどに重なる。 けれど、決定的に、違う。]
承知いたしました。
[恭しく頭を下げれば、――りん、と 鈴が鳴る。髪結い紐を手にし、 形よく、慣れた手つきで結い上げ支度を整え――大広間へ。]
(381) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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[>>377 落ち着いたか、 と尋ねるその言葉には、沈黙の降りる]
――……いらぬなら、 いらぬと仰って下さればよいものを。
[小さな呟きを搾り出し]
されど、書面を記すまでは、私はいまだあなたの花です、 ご不快であろうと花としての務めは果させていただきますゆえ…
[感情を押し殺した声音、制止する手も相まって途切れる]
(@36) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 01時頃
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[背の秘密を明かして尚、求められるのであれば。 元より、高嶺を主とすることに、華月はなんの異存もない。]
[静かに、主と定めた人と鵠のやり取りを聴く。 檳榔子染を馴染みが、黒檀の色彩強い人に差し出せば、刹那瞼を伏せた。]
……了解や。主様。
[かかる言葉に、身を繕いながら返した言葉が答え。 高嶺様でなく、主さんでなく、主様と。
花として、花主の傍につき、少し遅くなった宴へと、もう一つの花と共に向かった。]
(382) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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― 大広間 ― [ひのふのみ…と…名簿と人数を このごに及んでやっと確認して ……花が多い……その事態に首をかしげながらも 名簿に名前がない二人の花は 単に羅患容疑がないだけなのか?と思った]
……いえ……今からはじめるところです。
[二人、従える姿の高嶺の声にそうこたえて。]
(383) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 01時頃
記者 イアンは、そうしてから、静かに一度深呼吸し宴席に向き直る
2010/08/06(Fri) 01時頃
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刷衛さまも花を? 書面……?
[明と刷衛と 交互に見遣り、不思議そうに首を傾ける]
(384) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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皆様、お静かにお願いいたします。
平服姿で失礼いたします。 今、この場において、今度の花祭中止を 生殖管理センターより派遣された、私、イアン=薗が宣言いたします。
[緩やかに、白い着物と紺袴、黒塗りの鞘もつ太刀を佩いだ姿 眼には覆いなく、替わりに首に包帯 紅の瞳は舞台から大広間を見下ろす その、足元には縛り上げられ、打痕と爪と指がいくつかかけ、 痛みに喘ぐまんまるい姿が毛布の上に…… 良く見れば青年の指先や白い着物に、毛布に朱が散っていた] そして、会場となっているこの屋敷を封鎖したことも同時にお伝えいたします。 ……今から何故、そのようなことになったかをお話いたします。
(385) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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……皆様は人狼病なる病を御存知、でしょうか? [青年はそうして静かに話す。 けれど、青年が口にするのは偏った情報 本来は本質ではない食人衝動を、 発症者はただ、満月前後に人を喰らう存在になると告げた。] ……そして、此度の祭りがその人狼病を持つものの 捕食の場として開催されるとの噂を聞きつけました 勿論、そのような非人道的な祭、 開催させ続けるわけには参りません 主催者シュレーゲルから紳士的にお話を伺ったところ そうであると確認もとれました。 故に、花祭りは今日で中止し 人狼病羅患を捕獲、処理するため閉鎖いたします
(386) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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[そうして一度淡々と話す口をつぐんで…… そこから、青年が口にするのは …人狼病の保有者、発症者を探す為 その可能性がある、今回の祭りの花と花主同士で 誰がそうなのかを探りあい、 疑わしきに投票するやり方。 青年は静かに舞台に紙と箱を用意し]
今はこの通り、 お縄について貰っております、シュレーゲルですが 彼は花主か花に仲間がいること迄は口にされました。 が、その内の誰が仲間迄は話してくれませんで ……もしかすると、彼自身 知らないのかも知らないのかもしれません…… 私のほうでも尋問をより進めますが……
(387) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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>>@36
そうか。
[書面、そもそも、契約の書面すらない。 だが、それをとやかく言うつもりはまるでなくて…。]
不快ではない。 お前も好きに寛げ。
[足を組み、段上をチラリと見遣る。]
(388) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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―大広間― [華月の伏せられた瞼を見ることはなく。 ――選べ、と謂われたこと。 ――共に飛ぶ、と謂われたこと。
紫苑色で流し見た苔色は、 どのような思いを孕んでいたのか。]
…、…イアン?
[宴、という空気ではない。 怪訝そうに柳眉を顰め、――続いた言葉に眼を見開く]
(389) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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[そう言って抜刀すると、何の躊躇もなく まんまるの醜く膨れ上がった手の甲にその刀身をつきたて] このようにしても吐いて貰えませんで…… ですから、私を含めた花と花主で その仲間達を見つけなければなりません。 ……御協力、お願いいたしますね? [そう言って痛みに呻くまんまるを尻目に 青年は舞台の上で朗らかに笑い、緩やかに頭を下げた]
(390) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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始末屋 ズリエルは、執事見習い ロビン>>384が不思議そうだが、構わず・・・イアンの話をきいている。
2010/08/06(Fri) 01時頃
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…イアン、お前……・
[舞台の上朗々と響く声と、足元に転がされたぼんれすはむとやらにされかけの男と。
一瞬状況が飲み込めず、面食らった顔で旧友を見上げる。]
じん…ろう……? [その名に思わず、身を竦めた。]
(391) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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― 大広間 ―
……なんつー言い分だ。 我侭太郎かお前は。
ぜっっっってえ、ヤだね!
[与えられた回答に腕を組んで、口を曲げる。 琥珀が一度鉄色を見上げれば、鉄色はちらと動いて。 動いた先へ琥珀を動かす。]
―――…ッ
[其処に在った姿に、微かに身じろいだ。 ざわざわと押し寄せるは――――言い知れぬ不安。]
(@37) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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[笑みを見れば、瞬く。 冬の張り詰めた空気のような、 そんな緊張感を抱いていたそれとは異なる]
ご理解いただければ、私はそれで。 主様も気になさっておられませんようですので。
[怯えも険も、篭らぬその言葉]
……その、随分と、柔らかに。
[けれど、胸騒ぎは止まず。 >>384 交わした言葉をロビンが捉え、 口を開きかけたところで声は響いた、舞台を見やる]
(@38) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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門下生 一平太は、記者 イアンの話を聞きながら、その動きをただ呆然と見ている。
2010/08/06(Fri) 01時頃
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[まんまると、朱が散る毛布と、]
――は?
[何をどう理解すればいいか分からず、視線はあっちへこっちへと泳ぐ。まんまるの膨れた手に刃がつきたてられるのを見れば、数歩下がったのは飛沫する血液が怖かったのか、それとも]
(392) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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[その貸した刀が血で染まるのを見る。]
――……
[無言]
(393) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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[散った朱に、黒紅を見開く。 かたかたと震えの走る、躯]
――――……あ、
[座する膝元のくずれる]
(@39) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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な――、 ん
[言葉にならぬ、とはこのことか。 りん、と鈴が小さく鳴る。]
…人狼病は…駆逐されたのでは なかったのか…?
[遠い遠い、昔の“おそろしいやまい” その程度の認識しか、なかった。 混乱の滲む空気が場に満ちる。 ――“白き鳥は、 混沌の最中贄の如く翼を捥がれて死す” 重なった、己の舞う物語のひとつ。 奇妙な予感として、裡を満たし、冷やした。]
(394) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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[此方を見る視線には静かな赤で見返して ただ、そうだと、紙の束を取り出し 付け加え始める]
……センターから頂いた 人狼病の可能性がある花と花主のリストに 虎鉄と明之進のお名前はありませんでした。 ですので、この二人は容疑から外してかまいません。
……この祭りに参加している花と花主 全員とも聞いたんですけど… より調査が進んで二人は除外できた、のでしょうね
(395) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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[ヨアヒムのところへ行くと本人の姿はなく。 洋琴を手配するように頼むと、大広間へと向かう。
後ろをついてくるロビンを横目で見やる。手折った花。 見せられた表情は、それでも足りぬと心が云う]
ああ。美しいものです。 月は静かに、人々を見下ろす。 そこにある何もかもを、照らしてくださる。
けれども、手は届かない。
[見上げ、口にする。 大広間の扉の向こう、集う人々へと会釈を]
(396) 2010/08/06(Fri) 01時頃
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[くぐもった悲鳴と、飛び散る鮮血。]
かりょう、お前がみるべきでは… [咄嗟に腕の中に庇って目元を隠す。]
(397) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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― 回想・主の部屋 ―
[夜の帳が下ろされる夕闇の頃。 東の空に上がる月を見、憂う主の傍に鳥は在った。>>343
初めて交わした時の事を思い出せば、 思わず手が伸び、主の着物の袖を握る]
……すみません。 なんだかなよたけの君が、月へ帰りたがっている様に見えて。
[薄く笑んで返す言葉に、漸く笑みを浮かべて。 広げられる腕の中に、その身を納める]
(398) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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― 大広間 ―
[明が柔かになったといえば、苦笑を浮かべる。 照れたように頬を染めて]
手折ってくださった方のため、と 言っておくよ。
[刷衛達に気をとられていた所に不意の大声。 振り返り、イアンの足元転がるものを見て驚く]
……非人道的……なんて いま、そのままじゃないか……
[呟く顔色は蒼白]
(399) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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だったらやりこめる文句の一つでも
[いい返して見せろ。 そう虎鉄へというはずだった言葉が消えた。
舞台上のイアンの姿、転がる脂大福ことシュレーゲル。 センターと言えば管理センター以外の何ものでもない。 文言を読み上げる花から視線が外せなくなった。 刀を突き立てられたシュレーゲルの悲鳴も聞こえないほど 茫然としていたかもしれない]
…そういう、ことか。
[唇が辛うじて紡げたのは、そんな言葉だった]
(400) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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[いくらかの花を見る。 ロビンがセシルの傍へと行くのを止めることはしない。 ただ、手元の数珠に視線を落とした]
今宵は果たしてどのような芸が見られるのか。
[宛がわれた席へと腰を下ろす。 イアンが人を数える様子が目に入り、何事かとそちらを見る。
続いて、その口から出た言葉に、息を止めた]
(401) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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[始まったのは宴ではなくつらつらと説明を始める花の姿。 ―――…花、と呼んでいいのか。 それすら迷うイアンの姿。]
―――…何を、莫迦な…
[人狼病という太古の病名を口にする様に 文句を言おうとした口は閉ざされる。
躊躇いなく、散らされた紅の色に。]
(402) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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[着物越しに主の温もりを感じても、 握った袖を離す事は出来ない。
かりょう、と。艶やかな唇が己が名前を紡ぐのを見詰めながら]
僕は……ずっと、ずっとあなたの……っ。
[謂いかけた言葉は、呼びに来た下男により伝える事が出来ぬまま。 主と対の白い着物を纏って、舞台へと向かう。
確りと、繋いだ手を握りしめて――*]
(403) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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[太刀についた血を丁寧に懐紙で拭い 納刀した後、鵠の声に 悲しげに首をふった]
……そう、そのはず、そのはずだったのですが…… 残念ながら、事実存在するんです
……私の亡き主も人狼病者の喰いによる被害者です…
[そう、口にしたとき……青年の赤が歪む それまで、笑顔だった彼の顔から笑みは消えうせて]
(404) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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な…んだ?
[組んでいた腕を解き、片腕を胸に当てながら舞台上より告げられる話に耳を傾ける。 遅れて琥珀を舞台上に遣れば、は、と息が零れた。 目に飛び込んでくるあかいいろが、きもちわるい。]
……じんろ、う…病…?
[動悸と共に、耳鳴りがして。 ツキと痛んだ頭は、次第に痛みの重さを増していく。 額には微かに汗が滲み、虎鉄はガタと近くの椅子に寄りかかった。]
(@40) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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