241 線路上の雪燕
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人
狼
墓
少
霊
全
マリオは仕立て屋 シビルに投票した。
クラリッサは廃品回収 マリオに投票した。
ペラジーは廃品回収 マリオに投票した。
キャロライナは廃品回収 マリオに投票した。
ルーカスは廃品回収 マリオに投票した。
シビルは廃品回収 マリオに投票した。
櫻子は廃品回収 マリオに投票した。
サイラスは廃品回収 マリオに投票した。
トヨタは廃品回収 マリオに投票した。
イアンは廃品回収 マリオに投票した。
マリオは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
全ての人狼を退治した……。人狼に怯える日々は去ったのだ!
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[辺りから聞こえる乾いた銃声は、そう遠くない>>4:129。 逃げた狼は、恐らく近くに潜んでいるのだろう。 気づかぬうちに、両の拳を堅く握っていた。 息を詰め、微かに吐き出す呼気は寒空の元で白く染まり、消える。 一瞬の隙を突いて、獣は自分に、或いはペラジーに襲い掛かるかもしれない。 次の瞬間には喉元を食い破られ、呼吸もできずに死ぬかもしれない。
張り詰めた空気の中、 ……何もできない無力な自分が、不意に可笑しく思えた。
ふふ、と小さく笑えば、隣を歩くペラジーには怪訝な顔をされたかもしれない。]
(0) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 05時半頃
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[好奇心から来る楽しさからではない。 恐怖に気が狂ったわけでもない。
だって、そうだろう。現実なんて、こんなものだ。 自分が今まで知ったつもり紙面へ書いた事実は、実際こんなものだ! 厄災はある日突然、何の前触れも無くやってきて、為す術もなく全てを食い荒らして去っていく。 全てを実感している。筆を折りたくなるくらい、自分の書いた記事はチープで、とてもくだらないと!
声に出して笑おうとすれば続く罵声に>>4:129我に返って、ペラジーと顔を見合わせた。彼の表情に、一瞬緩めた緊張を再び張り詰めて道を急げば、その先に居たのはシェリーの姿だった。>>4:112]
……シェリー!
[どうして此処に、と言いかけたところで、ペラジーが、先に彼女へと尋ねた。 シャベルを支えに立ち上がったシェリーの腕は、>>4:110まるで何かに引き裂かれたような跡がある。]
(1) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 05時半頃
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シェリー、その腕は。
[尋ねるまでもない。断じて、銃創などではないのだ。 >>4:141続く彼女の言葉からも、狼と遭遇したのだということが確信できる。 ポケットのハンカチをそれとなく差し出せば、彼女は受け取ってくれただろうか。
彼女は着いていくことを所望する。せめて、見届けたいと。 彼女の瞳に宿る決意は固いものに思えた。 どうする、と少しだけ困った顔でペラジーの方を見れば、彼の表情はどんなだったか。]
俺は、今更一人で帰すには危ないと思う。 狼がどこから出てくるか、わかったもんじゃあない。 でもペラジー、君を一人にさせるわけにもいかない。 ……ちゃんと見届けて、帰ろう。 三人で……、
[そこまで言って、>>4:144此方を見据える瞳に気づき。>>4:74確か、ラウンジ車でシェリーと共に居た少女だ。 ほとんど出掛かった言葉を、直した。]
……四人で、の方が、いいかな?
(2) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 05時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
yuj1n. 2015/12/03(Thu) 06時頃
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〔ペラジーからの返事はどうだっただろう。 その場にはイアンも居て、漸うシェリーはほんの少し緊張を和らげた。〕
……へーきよ。
〔腕は、という言葉にふいと首を振ったのは 狼にやられた、と言えば 帰れといわれてしまうかもと危惧したからで
それとなく差し出されたハンカチを、 躊躇いながらもありがとうと受け取った。〕
イアンさん、 ……ありがとう
〔なんといっていいかわからなくて、 彼の提案にただただ感謝の言葉を告げる。〕
(3) sane 2015/12/03(Thu) 10時頃
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〔と、彼の視線が向いた先に、赤毛が見えて――〕
キャロライナ! 追ってきたの
〔危ないわ、と続けようとして、 そんな事を言えたものではない、 とシェリーは気がついた。
小さく、ごめんなさい、と零した。〕
(4) sane 2015/12/03(Thu) 10時頃
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〔やがて〕
……四人で行きましょう。 見届けましょう。
〔その提案は聞き入れられただろうか。
……もしかしたら五人に増える、 なんてこともあるかもしれないが。**〕
(5) sane 2015/12/03(Thu) 10時頃
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[上等だとも。と肩を竦め。 こんな状況とも話す彼に、にやりと笑み。]
そうか、それなら良かった。 ………ああ、そうだ、これは君のだろう?
[扉を締める前、渡し忘れるところだった。 そう、男に近づき、半ば強引に突っ込んだのは、二等車両の切符だった。彼から取ったもの。 それに彼が何かを言うより前、素早く自らの部屋へ。 押されたスタンプが、何を意味するか。
――何にせよ、もう会う事もないだろう。>>4:138*]
(6) sudati 2015/12/03(Thu) 11時半頃
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―車両外―
[礼服代りのコートを羽織り。 ほっと息を吐いた。遠くで捕物をしているのか。 銃声と、声がする。――化けものめ。
そんな憎悪と憎しみが籠った音。 それに背を向けて、男は歩き出した。 ルーカス。という名を示すものはもう何処にもない。 彼らを追いかける義理もないのだから。 ただ一度振り返ったのは、良い人が多かった故。 黒光りの列車を見つめ。
…歩き向かう先は、スウェルグ。 此処からなら、歩けぬ距離でもないはずだ。]
(7) sudati 2015/12/03(Thu) 11時半頃
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間に合うか?
[そう呟いたのは、雪燕到着までに。 駅に着けるかという、思い。 間に合わぬなら其れまで。とも思う。だが……]
欲しいものがあるなら、な。
[唇に浮かべた小悪党めいた笑み。 妹にも良い土産話ができる。 だから、歩き出した一歩を止めることなく。 麦畑を遠ざかっていった。
途中、足を上手く見つけては其れを取り。駅を目指す*]
(8) sudati 2015/12/03(Thu) 11時半頃
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ペラジーは、ルーカスにお辞儀をした。
Hallucigenia 2015/12/03(Thu) 13時頃
ペラジーは、櫻子にお辞儀をした。
Hallucigenia 2015/12/03(Thu) 14時頃
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[見守る。シェリーと他二人――ともにラウンジ車ですれ違っただけの彼らの方を。 鉄錆のような馨が辺りに漂っている。
狼の姿はなかった。 なくてよかった、と思う。そうであれば今頃、 抱いた決意をすべて放り出して逃げていたところだ。ひとりで。
やがて。 さらっと頭数に入れられていることに首を傾げていると、>>2 シェリーもこっちに気付いたようだった。>>4]
シェリー、あたし、……。 こんなに、あぶなかっしいことするだなんて、思いもしなかったよ。
[先に謝られてしまえばぷりぷり怒る気も失せてしまって。 彼女が抱いた決意>>4:141を思い起こしても先へ行く勇気は出なくって]
(9) Akatsuki-sm 2015/12/03(Thu) 16時半頃
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もう、やめにしようよ。 ……冒険は。
あぶないよ。とっても。それに……、
[言葉を区切って辺りを見回す。
狼? それも人に化けられる類の? それが一匹。 どうなったところで自分達には何の関係もないのだと、 そんな、大人びたセリフを、キャロライナよりずっと大人な誰かが言ってくれるのを期待、してしまう。
けれどイアンと呼ばれた男の人は見届ける気があるみたいだし、>>2 ではペラジーと呼ばれていた>>4:84白いフードの人物は……]
(10) Akatsuki-sm 2015/12/03(Thu) 16時半頃
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ペラジーは、キャロライナにお辞儀をした。
Hallucigenia 2015/12/03(Thu) 17時半頃
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― 枯れた麦畑 ―
[ 車両の傍で、東洋系の男性が間違えたまま自分の名前を呼んでいる>>4:136ことには気づかず、シャベルを杖代わりに立ち上がる>>4:140シェリーを見つめる。
立ち上がったシェリーは一方を指さし、 「狼は、あっちに行ったわ」>>4:14 蒼褪めた>>4:140その横顔はどこか無念そうに見えた。
「追うなら…持っていって」>>4:141 と差し出されたシャベルを受け取ったものの、彼女の腕にはざっくりと切られた痕跡>>4:110が。
傷に気づいたイアンがハンカチを渡そうとする>>2のに、シェリーはふいと首を振り、>>3 「……へーきよ」>>3 と強がってみせた。
けれども、躊躇いつつハンカチを受け取った>>3のは、心細さゆえだろうか。]
(11) Hallucigenia 2015/12/03(Thu) 18時半頃
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[ 「ついていかせてくれると嬉しいのだけれど」>>4:141 というシェリーの言葉には、イアンと顔を見合わせるだろう。
シェリーと少年の間にどういう交流があったのかは知らない。 ただ、そう決意させるだけの何かがふたりの間にあったのだと察せられ、困った顔をしていたイアンも、 「……ちゃんと見届けて、帰ろう。 三人で……」>>2 と提案する。
そこへやってきたのは、ラウンジ車にもいた赤毛の女性。>>4:144]
(12) Hallucigenia 2015/12/03(Thu) 18時半頃
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[ イアンは即座に、 「……四人で、の方が、いいかな?」>>2 と彼女を数に入れた。
「キャロライナ!」>>4 と彼女の名を呼んだシェリーも、 「……四人で行きましょう。 見届けましょう」>>5 と続けるが、
当の赤毛の女性の態度は、明らかに否定的>>9で。]
(13) Hallucigenia 2015/12/03(Thu) 18時半頃
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[ 「もう、やめにしようよ」 「あぶないよ。とっても」>>10 というキャロライナの言葉にも表情にも、懸念よりは不満がにじんでいるようだった。
潮時か、とペラジーは思う。 上着もない>>4:137イアンが風邪を引くのではないかと密かに心配していたのだ。]
シェリーさんは先に傷口を確認したほうがよいのでは。 浅くても、狼の爪なら……消毒が必要かもしれません。
(14) Hallucigenia 2015/12/03(Thu) 18時半頃
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[ イアンの顔色を見て、]
それに、コートか、せめて上着を着ておかないと。 スウェルグに着くなり、病院へ駆け込むはめになっては 本末転倒ですし。
………人狼のことは気になります、が………、
一旦列車に戻りませんか?
[ そう提案した。 一同の反応はどうだっただろう。]**
(15) Hallucigenia 2015/12/03(Thu) 19時頃
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…… く、… い…………… ……たく…ない…………… レオ……ぼく…どこに、行けば、いい、の…? みんな、…死んじゃった…のに… …ぼく…どこに……
……おなか、すいた…
[それは、獣の子。 幼い人狼だった。 呪に非ず。人が変じた物に非ず。 彼は生まれた瞬間から、人狼で–––––皮を被り偽ったところで、人間とは異なる物だった。]
…レー…ショー…… ………どうして…殺すのは、良くて… …食べるのは……だめ、なの。 人は…いっぱい、殺して…褒められるんだって… ………どう、して…食べるのは…だめ、なの…
[ふらふらと蹌踉めく足取りに明確な行き先は無い]
(16) 通雨 2015/12/03(Thu) 20時半頃
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[彼は、餓えに耐えかねて或る男を襲った。 男は使用人を派遣する為の、夜行列車の切符を持っていた。 その行き先がスウェルグだった–––– 雪燕に乗りこんだ理由など、それだけのこと。 彼はスウェルグという街について、パン屑1かけ分も知ってはいない。 例え反論が出来たとて、流浪の男が求めていた答えなど返せない。 彼はただ、]
………しにた、く……ない……
[生きたかった。 それだけ。]
(17) 通雨 2015/12/03(Thu) 20時半頃
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……さむい… ねえ………ミッシェ…ル… ………そこにいるの……?
[風が吹く。四つ足のそれは、 言葉じみたものをスゥスゥゴボゴボという 濁った息と共に吐き出していた。 鳴き声でも、人の声でも無い。 甲高く裏返り、低く低く唸る、不気味な音だった。
麦畑を抜ければ、それの姿を隠す物は無い。 現れたのは、屹立する十字の群れ。 墓場––––––その向こうには、小さな家が幾つも有る。 放り出された農具。麦畑はこの農村の物だったのだろうか。
村という形をしておきながら、そこに人の気配はない。 それどころか、打ち捨てられた様な形跡もないほど、 生活の抜け殻は色褪せて古びており、 その側に力を失った獣はどさりと倒れこんだ]*
(18) 通雨 2015/12/03(Thu) 20時半頃
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――……おーい、戻ってこーい!!
[どこからか、同じような呼びかけが幾つか聞こえる。 血の気が多い旅の連れを持った苦労人か、それとも、乗務員か]
とっ、
[枯れ麦のあいだで、柔らかい何かに躓いた。なんだろうか。 月明かりだけでは何だか判らず。懐から燐棒を取り出し、擦ってみれば]
……おわっ!?
[躓いたものの正体を目の当たりにして、燐棒を取り落とす。 血塗れの、鉄道警察隊員――何をすればこうなるのか、制服の胸のあたりが大きく裂けている]
なっ、……!?
[銃を持った人間が、こうまでやられるのか。一体、何が、何と同じ列車に乗り合わせたのだ]
(19) migya 2015/12/03(Thu) 21時頃
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……、うぇあ!? 拙ッ!!
[呆然としている間に、枯れ草に触れて小さな炎を生んでいた燐棒を、慌てて踏み消す。 それで正気に戻れた、ともいえる。傍らに落ちていた銃を片手に握って、周囲に気を配りつつ]
おい、君……大丈夫か?
[荒い息を吐いて、重傷を負った隊員が目蓋を開いた。 視線が合って、そして、互いに気付いた。不愉快な思いをさせられた男だと]
……、……、
[――互いのあいだに、沈黙が走った。互いに、状況を悟ったからだ。 一方には侮蔑と暴行に対する報復の権利と機会があり――いま一方には、それに抵抗する術がない]
(20) migya 2015/12/03(Thu) 21時頃
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……動けそうにないな。いま助けを呼ぶから、待っていろ。
[隊員の瞳が、見開かれた。信じられない、何故だ。そういう色をしていた。
もちろん、迷いがなかったといえば、嘘にはなる。なるが、しかし、そう――]
……戦争は終わってる。
それに、君を死なせても、私の故国を嫌う人間が、一人減るだけだ。 君を助ければ、私の故国に好意を持つ人間が、一人増えてくれるかもしれないからな。
[そうだけ言って、大きく声を張り上げた。 怪我人がいる旨と、手助けが要る旨とを、満月に向かって訴えた*]
(21) migya 2015/12/03(Thu) 21時頃
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……!
[傷口。>>14 その言葉にはっとなって、キャロライナはシェリーをまじまじと見つめた。 傷口は、ハンカチを渡された後でもまだ目立つものとなっていただろうか。 ともかく一瞬にして、自分が、どうしようもなく、 取り返しのつかないことをしてしまった可能性に、思い至る。
――ちゃんと、周りを、シェリーのことを、見てはいなかったんだ、あたしは。 目的を果たすことにばかり気を取られていて]
(22) Akatsuki-sm 2015/12/03(Thu) 21時半頃
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……ごめん、
[おそるおそる背けていた視線を元に戻す。 その頃にはペラジーの提案も一区切りしていたか。>>15
付け足す言葉は何もない。 ただ、不安そうな面持ちで、 シェリーの服の袖をつかんでいた。無傷の腕を引くように]
(23) Akatsuki-sm 2015/12/03(Thu) 21時半頃
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〔己でも苦手な夜に飛び出していくとは思っていなかった。 シェリーはキャロライナの言葉を聞いて、俯く。〕
…………冒険、じゃないわ。 でも……
〔危ないよ、という彼女の言い分は尤もだった。 それに、あの少年がどうなっても シェリーが今すぐ死ぬわけではない。 そう心の中の大人が囁くのに、 まだ心の中の子供は飲み込めないままで。
ペラジーが>>14傷口を確認した方がいいのでは、という。 イアンの体調も確かに心配だった。〕
…………ごめんね
〔少年の顔を思い浮かべながら呟いた。 傷口から血がぽたりと落ちた。〕
(24) sane 2015/12/03(Thu) 21時半頃
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〔枯れ草を見下ろしたシェリーの耳に、 キャロライナの「ごめん」が入ってきて、 面をあげて頭を振る。>>23〕
ううん、キャロライナは何も悪くないわ。 ……そうね、 ペラジー君の言うとおり、戻りましょう。
〔傷ついていない方の袖を引かれて、 ぱちりと瞬きをすると、 夜風に少し冷たくなったキャロライナの手を握り、 漸う、頷いた。〕
(25) sane 2015/12/03(Thu) 21時半頃
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〔ざわざわと枯野がゆれる。 人々が持つランタンの火がゆらゆらと揺れて 少し遠くに、 静かに雪燕が佇んでいるのが見えただろうか。*〕
(26) sane 2015/12/03(Thu) 21時半頃
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「お前は、お転婆すぎていけないよ」
「またこうやって怪我をして」
「……櫻子」 .
(27) gurik0 2015/12/03(Thu) 22時頃
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― 車掌室 ―
……おにい、さま。
[最初に見えたのは天井であった。 周囲からは慌ただしい人の気配と、呻き声]
いったい、わたくしは。
[床に頭を打ち付けて、それから先の記憶がない。 ふと横を見ると。屈強な男が数人、傷だらけで呻いている。 彼らが鉄道警察官だと気付くのに多くの時間はかからなかった。 車掌室は今や、即席の救護所となっている。 櫻子は意識を失い、ここに運ばれてきたのであった]
いたっ。
[頭が酷く疼いた。酷く寒気がする。 誰か知り合いが運ばれてきてはいないかと、 辺りを見回しただろうか**]
(28) gurik0 2015/12/03(Thu) 22時頃
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[声がした気がした。 自分には聞こえない声、妹が泣くときに似た声だ。 何度彼女をあやしただろう、寒空の下。 故郷に居られなくなった日から、彷徨い歩き。
此処まで来た。 ―、けれど、…一人だ。 自分の傍に居たはずの、妹はもういない。 いや、最初から妹と自分は違っていた。]
(29) sudati 2015/12/03(Thu) 22時頃
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[幼い頃から、自分は妹を護るためだけに存在した。 繰り返した嘘と虚像。 詐欺師という職は二人によく似あう。 彼女は美しく無垢で、常に追われていた。
風が吹く。
麦畑を抜けた先、十字の群れが広がっていた。 ああ、此処は墓場だ。人の、]
………、こんなところに居たのか。
[もう死ぬか。 その獣の子は、倒れ、動かない。>>18 妹は生まれたときから、人ではなく、自分は、人だった。 放りだされた農具、誰もいない農村。]
(30) sudati 2015/12/03(Thu) 22時頃
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哀れだな。
[この子どもは、妹ではない。 だが、横たわる獣の子に近づき、頭を撫でた。 列車で出会った彼に対してのようでなく、妹を思うよう。 ただ、優しく、思うように頭を撫でて。]
(31) sudati 2015/12/03(Thu) 22時半頃
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さようなら、……グロリア。
(32) sudati 2015/12/03(Thu) 22時半頃
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[男は、その獣の名前を知らなかった。 だから、羽織ったコートをその身に被せ。 代わり妹の名前を呼んだ。 ルーカスではない、男は、他の名前を知らない。
それは、恋に落ちた妹への漸くの決別の言葉でもあった。
そして、しばらくすれば立ち上がり。 打ち捨てられた馬小屋に、残された一頭を見つけ。 その背に乗って、駆けていくだろう。月の夜が明けるまで。**]
(33) sudati 2015/12/03(Thu) 22時半頃
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― 車掌室 ―
――気が付いたと聞いて!!
[急ブレーキやその後のパニックで怪我をした人々の救護室代わりとなった車掌室、その扉がガラッと開いた。
あのあと――手助けに来てくれた人々と協力して、重傷を負った鉄道警察の隊員を運び入れたあと。 動かせない重傷者などが寝転がされている列のなかに、同胞の少女の姿を見つけたときは、胃の腑に氷が滑り落ちたようだった。
失神しているだけと聞いて、胸を撫で下ろしたものの、目を覚ますまで待たせてほしいというのは却下された。 無理もないことだった。車掌室のスペースは、無限ではない。 負傷者の家族や知人、全員を収めておいたら、キリがない。それは理解できた。 だので、識が戻ったら報せてほしいと乗務員に数枚の紙幣を握らせて、外で待っていたのだった]
(34) migya 2015/12/03(Thu) 22時半頃
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……九重様?
[がらり、と扉が開いて>>34。 姿を見せた九重の姿に、櫻子は目を丸くする。 その表情は、酷く慌てているようにも見えた]
ご心配をおかけしましたわ。 わたくし、その。頭を打ってしまって。
[それから九重を安心させるように微笑んで]
これで、九重様とお揃いになってしまいましたわね。
[赤く腫れた上がっている自分の額を、軽く撫でるだろうか]
……あの。 これはいったい、どういうことなんです?
[傷ついた鉄道警察官たちを見回して。櫻子は首を傾げた]
(35) gurik0 2015/12/03(Thu) 23時頃
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[この旅で出会った女性は、みんな揃ってお転婆ばかりだ。 列車の上にだって登ろうとする櫻子を思い出し、>>3強がるシェリーを眺めながら。
危険だってことも考えないのか、と思ったところで、自分も同じようなものか、と言葉を飲み込んだ。 どうやら彼女を叱る権利は、自分にはなさそうだ。]
どういたしまして。
[洗って返してくれよ、と冗談めかして言えば、シェリーの方も>>4赤毛の少女に気がついたらしく、キャロライナ、と彼女の名前らしい言葉を口にした。
ここまでやってきた彼女もまた、他の女性達同様にお転婆なのだと思っていたものだから、>>9>>10咎めるその言葉には驚いた。
夜風が髪を、ひゅうと凪ぐ。この寒空の下で、上着も無いのは随分と堪えた。 我慢できずにくしゃみをしたのは、丁度>>14ペラジーがシェリーの傷を心配したとき。]
(36) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 23時頃
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[ペラジーは此方を眺めると、>>15戻ろうと提案する。]
……いいのかい、人狼は。
[確認するようにペラジーへと問えば、彼は何と返しただろうか。
やがて>>25シェリーも戻ることに同意すれば、やれやれ、と首を振って。]
戻ろうか、列車まで。
[>>26雪燕は静かに、乗客の帰りを待って佇んでいる。 真っ黒な空から月もはみ出しかけたころ、雪燕の鳴く声が夜の闇に溶けた。
……どうやら、運行を再開する合図のようだ。]
置いていかれるよ、急ごう!
(37) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 23時頃
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[張り詰めた空気はそのままに、慌てた様子で周りを促せば、列車の運行再開には間に合っただろうか。
斯くして、冒険は終わる。 冷え切った身体が、そよぐ風が、鉄錆の匂いが、雪燕の吐く煙が、イアンの中に実感を確かに残した。
これは決して、紙面の上の虚構ではないのだ。]
(38) yuj1n. 2015/12/03(Thu) 23時頃
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……どうやら、知らん顔を決め込めるほど、神経が太くありませんで。
[こちらを認めた櫻子に、そう笑ってみせたが。 直後、赤く腫れた柔肌を改めて眺めると、悔恨が浮かぶ]
……申し訳ない。 あんな混乱したなか、一人で残してしまった。 痕でも残ったら、どうお詫びすればいいやら……。
[彼女が負傷するに至った経緯は聞いていないが、あのとき車外に出ず、傍についていればと思ってしまう]
(39) migya 2015/12/03(Thu) 23時頃
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……ああ、いや、私も詳しくは。
[だから、櫻子の問い掛けは、ある意味では助かった]
ただ……ヒトオオカミだとか、なんだとかいう。
[助けた鉄道警察隊員が、うわごとのように呟いた現地語。 知らない単語だったので、直訳で、口にして]
故国でいう、妖怪みたいなものですかね……ともかく、人ならざる化け物が紛れていて。 それで、その連中は、それを追っていたようです。
[で、返り討ちにあったんでしょうね。そう、推論を口にした]
(40) migya 2015/12/03(Thu) 23時頃
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いえ、わたくしのお転婆が過ぎただけですのよ。
[お気になさらないで、と。 慌てて九重に付け加えるだろう]
ひとおおかみ……?
[九重の言葉>>40を、そのまま復唱する。 妖怪だなんて、今のご時世にそんな非現実的なものが? しかし、列車の窓から確かに見えたあの光景は。 紛れもない現実で]
やはり。「家出少年」というのは嘘だったのですね。 まさかバケモノとは思いませんでしたけれど。
[鉄道警察たちの異様な雰囲気。 家出少年を相手に銃とは、おかしいとは思っていた]
(41) gurik0 2015/12/04(Fri) 00時頃
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返り討ちに? まあ、恐ろしい……。
[急に、ぶるりと体が震えた。 周りに寝かされた、血だらけの鉄道警察官を見回す。 自分は恐怖を感じているのだ、と初めて気付いた]
わたくし、列車の外に出なくて正解でしたわ。
[ひとつ間違えれば、自分もこうなっていたかもしれない。 小刻みに震える肩を両手でつかんだ]
(42) gurik0 2015/12/04(Fri) 00時頃
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―――でも、九重様がいてくださって良かった。
[九重の瞳を見つめて、小さく微笑んだ]
同郷の方がいらっしゃらなかったら。 わたくし、きっと不安に押しつぶされていましたわ。
[本心が、ぽつりと漏れた]
(43) gurik0 2015/12/04(Fri) 00時頃
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–––––…ジェフ、気が付いたかい。
………………パルック、此処は?
一等車両の空き部屋だよ。
不自然に空いちゃあいたが、この事を予期してたのかもな。
最初は車掌室に置いといたんだが、
今はちっと異国語が飛び交ってるもんでな。
…東の…
そう、東の男が君の事を随分と気に掛けていた
…はは、彼等に対しての態度を
改めなくちゃあいけないかも、な。
化け物と違って、彼等は同じ人間なだけ『マシ』
…なんて言っちゃあ失礼かもなあ。
…ッ、じん、ろうは。
人狼は、どうした!? 私は、私は……
(#0) 2015/12/04(Fri) 00時頃
傷が開くぞ、君。悪いけれどもう出発してるんだ。
君が『間に合わなくなる』その前に、終点に行かねば。
汽車はね、間に合わせるのも大切なんだ。
呑気な事を云うな!
奴が生きていればまた更に、食い殺される者が出る…
アレを読んだだろう、奴が喰ったのは1人や2人ではないのだぞ!?
それを止める為なら、私の命など、
私は老いたが、君は変わらんな。
頑固で頭が固いのは宜しいが…君の部下の為でもあるし、
お客様の為でもある。君たちの後を追ったお客様が何人も居てね。
…若い女の子も傷ついた。かなり危ない状況にあったらしい。
部下だってそうだ、ジェームスはまだ血が止まらん。
あれ以上放っておいたらもっと深追いして、
もっと危険な目に遭った者も居たかもしれんのだよ。
それは、君の云う未来の犠牲者と天秤にかけられるかい?
……、だが…
だが、私は、あの村の…生存者に…!
(#1) 2015/12/04(Fri) 00時頃
スウェルグに着いたら私から連絡する。
人数を集めて規模の大きい捜索隊を遣って貰おう。
何、そう遠くには逃げられんだろうし……
そもそも、恐らくもう生きてはおるまいよ。
(#2) 2015/12/04(Fri) 00時頃
鋼の喉が震え、鋭い音と同時にちゅぴちゅぴと囀った。
馴染みの汽笛と共に、雪燕は走り出す。
車掌は肩を竦めると開け放されていた窓から身を乗り出す。
麦畑に描かれた一筆書きは見えぬ果てまで続いており、
その主の失血の多さを無言で語っていた。
前方を仰げば、地平線に美しい朝焼けが迫っている。
濃い夜闇を切り開らくような、裂け目のような朝焼けだった。
向き直り、寝台で布団を握りしめている警官に苦笑を向けると
その部屋を出て挨拶に回った。
–––––––皆様、お揃いでしょうか。
先程は緊急の停車、大変失礼致しました。
雪燕、運行再開となります。事情に関しては…えー…………
…終点スウェルグへの到着は幾らかの遅れが出ます。ご了承ください。
お詫びとしてラウンジにて、皆様へ温かい飲み物のサービスを……
(#3) 2015/12/04(Fri) 00時頃
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………うん、……戻ろう。
[ゆるゆるとほっとした表情を浮かべて、頷き返す。>>25
もう、ずいぶんと冷えてしまった。自分も、シェリーも。 手を握られたことでそれに気付く。 上着を着ないで飛び出したらしきイアンという人もくしゃみをしていたし、>>36 ――きっと、誰もかれもが冷えて――あるいは、冷めている。 明けきらぬ夜の中で、動きを止めている雪燕さえも。
相変わらず、月明かり以外には頼るもののない、暗い場所。 沈む夕陽をも思わせる色の髪も、 寒風に揺られながら、照らされることも何かを照らすこともなく]
(44) Akatsuki-sm 2015/12/04(Fri) 00時半頃
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[まさか、外に出ようと思っていたのか。>>42 確かに、見た目と違って、お転婆が過ぎる。さすがに苦笑が滲む]
……そうですね、正解です。 列車から少し離れたら、なにもない真っ暗な世界でしたから。 若い女性がひとりで出歩くには、少しばかり、スリリングに過ぎる環境ですよ。
[化け物だけがオオカミではないので、とまでは口にしなかったが]
聞いた話じゃ、外に出ていた乗客も何人か、負傷したそうですから。
[そのなかに、見知った異国の少女が含まれているとは、未だ知らず]
(45) migya 2015/12/04(Fri) 00時半頃
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いや……ああ。
[いてくれて良かった、なんて。 そんな言葉と合わせて微笑みかけられれば、幾分かの血液が、首から上に移動する]
それは、ええ……もちろん、異国の地で同胞を助けるのは当然ですから。
[まあ――そう、それだけのはずだ、たぶん]
(46) migya 2015/12/04(Fri) 00時半頃
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[ くしゃみ>>36をするイアンを見ると、あの混乱の中、 「俺も行く」>>4:98 と決意を一言でまとめてついてきてくれた彼に、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「……あの男の子にもしものことがあったら」>>4:141 「見届けましょう」>>5 と訴えたシェリーには、ペラジー以上の強い思い入れがあったのかもしれない。
けれども、キャロライナと呼ばれた女性がシェリーに寄り添い、 「……ごめん」>>23 と口に出せば、
「…………冒険、じゃないわ」>>24 と抵抗していたシェリーも俯き、キャロライナと同じ言葉を呟いた。>>24]
(47) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 00時半頃
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[やがて夜闇を裂いて、懐かしき汽笛の音が鳴り響く。>>37]
…………すっっごく見覚えあるパターンね。 これ。
[誰にともなく呟く。 荷物はない。むしろこの冷え切った身体がお荷物という有様。
もしもシェリーが走れない場合抱えて……はどう考えても無理だから、 せめてもの情けに手をしっかりと握って、イアンへと告げる]
はいはーい、しっかりついてくよ!
(48) Akatsuki-sm 2015/12/04(Fri) 00時半頃
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[ 麦畑のどこからか、怪我人がいると助けを呼ぶ声>>21がした。 訛りのあるその発音>>1:50の主は、列車から降りてきた外国人の乗客だろうか。
いくつかのランタンの光>>26がそこへ集まっているようだ。
自分の提案>>15がわずかな安堵の表情とともに受け入れられる>>23、>>25、>>37のを見て、ペラジーはやはり限界だったかと思う。 「……いいのかい、人狼は」>>37 と確認するイアンには、]
もう、何もできないので………、 たぶん誰の言葉も、いえ……人間の言葉は、 届かない、でしょう………。
[ そう言って悲しげに首を振ることしかできなかった。]
(49) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 00時半頃
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[ キャロライナの態度こそが正しい。 「あぶない」>>10のだ。 人間が軽い気持ちで触れられる生き物ではない。
人間と人狼は、 相容れない種族だから。]
(50) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 00時半頃
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[ あの幼い少年が、どんな迫害を受けてきたにせよ、]
人間だって死にたくはない。 きっと、きみが生きたいのと同じくらいに………。
[ 冷気の中、満月を仰ぎ見て、ペラジーはぽつりと言った。]**
(51) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 00時半頃
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[切符は、見せる必要はない。 駅じゃないところで停車したのだから]
えーっと、……そもそもここって医務室とかあんの?
[搭乗口から乗り込んで辺りを左右に見回して。 結局、その道の人に聞くに限るとラウンジ車を覗き込む。 サクラコも黒い髪の男の人もいなかった。 外に飛び出した時より人口密度がだいぶ減っていて、 ラウンジ担当の者も疲れた顔を隠さないでちんまりと座っていた]
あの、……、
[視線が合った。苦笑する]
怪我人の手当てをしてもらいたいんだけど、どこにいけばいいかなーって。
[その間、キャロライナとしてはずっと、シェリーの手を離さないつもりでいたのだけれど、 さて、実際のところはどうなっていたことやら**]
(52) Akatsuki-sm 2015/12/04(Fri) 00時半頃
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― 列車内 ―
[ 汽笛>>37に急かされるように、麦畑に散っていた乗客たちが『雪燕』へ戻ってくる。 鉄道警察隊員たちも乗車したのだろうか。
夜空に響く汽笛は、2度、3度。 『雪燕』がふたたび動き出した。
やってきた車掌が、 「ラウンジにて、皆様へ温かい飲み物のサービスを……」>>#3 と口上を述べる。
イアン、シェリー、キャロライナはどう反応しただろう。]
(53) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 01時頃
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[ ペラジーは彼らから離れ、ラウンジの窓辺に立って後方に流れゆく麦畑を見つめていた。 この距離でもところどころの血の跡>>#3が見えるようだ。
あの狼はいったい、どれほどの地を流したのだろう?
いや、肢を怪我した野生動物は、それだけで生きてはいられない。 たとえ失血死しなくても、遠からず、他の動物に襲われて死ぬだろう。]
もう、何もできない………。
[ 列車の揺れに身を任せ、そう自分に言い聞かせた。]*
(54) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 01時頃
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― 三等車両 ―
[少しずつ人口密度があがっていく。 もしかしたら、そのまま列車を降りた者もいるかもしれないし、反対に乗り込んだ者もいるかもしれない。 サイラスは少しずつ壁に押し付けられる。 夜の匂いは、人による臭気をかき消してはくれない。
膝を抱えたまま、目を閉じたまま。 防音だっておざなりな三等車両。 線路と列車が生み出す騒音は、静かな夜を何マイル先までも響いていそうだった。遠く、ニズを越え、サラグニッドを通り過ぎ――サイラスが捨ててきた、あのどうしようもなく腐った街にも、届いているような、そんなことすら考える]
(55) 茄子 2015/12/04(Fri) 01時頃
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[雪燕は、移動のための手段だった。 三等車両の乗客は、誰の目にも留まらず、ただひとつの声すらあげることなく、息をひそめていればスウェルグに着く。そこから、新たな人生が始まる。そう、思っていたのに。
列車の音をかきけすように、頭の中でさっきの悲鳴が谺する。交わした声、触れた手、覚えてしまった名前、向けられた視線。通り過ぎることなく、それらはサイラスの中に留まった。
スウェルグに着いても、その先に当てはない。 手段はなく、生きる術もない。 ただ細くなっていく人生の道が、急に開けたわけでもない。 何も変わっていない。 けれど確かに、雪燕に乗る前とは、違うサイラスになっていた]
(56) 茄子 2015/12/04(Fri) 01時頃
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[ その後、ラウンジ車で飲み物を飲みながら、誰かと少し会話したかもしれない。
ペラジーはやがて、疲れを理由に一等車両のコンパートメントに引き上げた。 スウェルグ到着までの残り時間を、仮眠しておくつもりで。
見る夢を選ぶことができるなら、
南海沿いの暖かな都市の夢を、 黄色い実をつけたレモンの木が並ぶ夢を見たかった………。]**
(57) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 01時頃
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ちゃんと洗って返すわ。
〔しかし血は中々落ちないものだから、 どうしたものかと内心で考えている。 イアンがくしゃみをした>>36ので、 心配そうに其方を見た。
やれやれ、という言葉に眉を下げる。
麦畑にぽつりぽつりと響く声。 運び込まれていく人影。 きっと狼にやられた人間も、それ以外もいるのだろう。〕
〔聞こえた呟きに複雑そうな顔で彼>>51を見て〕
(58) sane 2015/12/04(Fri) 09時半頃
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〔雪燕の鳴き声が夜空に響き渡る。〕
(59) sane 2015/12/04(Fri) 09時半頃
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…………いっけない!
〔そろそろ出発するぞと、そう報せる様なその声に シェリーはハッと顔をあげた。 傍らのキャロライナの言葉に苦笑した。〕
二度ある事は三度ある、ってね…… 置いてかれないようにしなきゃ!
〔大丈夫。腕は痛むが、ちゃんと走れる。 シェリーはキャロライナに手を握られながら、 置いていかれないために精一杯走った。
最後に、もう一度だけ。 狼が消えていったほうを振り返った。*〕
(60) sane 2015/12/04(Fri) 09時半頃
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― 雪燕 ―
〔やがてたどり着いた雪燕にて シェリーはキャロライナの手を改めて握り返しながら ラウンジ車へと向かう。 傍に居てくれるのが嬉しかった。
「温かい飲み物のサービス」>>#3も 開始されていただろうか。
キャロライナが苦笑するのに対して 「車掌室にて行っておりますが、今は……」と ラウンジの者は言葉を濁した。
怪我人が多いのだ。 騒動に紛れて、東国の娘も気絶したらしい、 という事をきけば キャロライナは一体どうしただろうか。〕
(61) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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大丈夫よ。ありがとう。 傷口、洗ってくるね
……それより 手当てが終わったら 蜂蜜入りの温かいミルク、飲みなおさない? すっかり体が冷えちゃったでしょう。
〔冗談めかしてそういえば彼女はどう答えただろうか。
一等車か車両間のトイレには洗面器もあるだろう。 そこで傷を洗うと、どろりと血が流れていった。
それを蒼褪めた顔で眺めてから、己の個室に一旦戻り やたら重い荷物から消毒液の類を出して塗りつけ、 布を巻いてとりあえず処置を完了する。 それ以上はきっとスウェルグについてからだ。〕
(62) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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〔ハンカチについた血は洗ってもとれそうにない。
どうしたものか、と悩み 新品のハンカチと貸してもらったもの、両方持っていく。
もしイアンに出逢うことがあれば、 血が落ちないことを説明して 新品の方を渡そうとするだろうが、さて。
それからはラウンジ車にて時間を過ごした。 ミルクから立ち上る湯気は、 宵闇の恐怖を夢と錯覚させるような柔らかさだ。
忘れないために、布の上から傷む腕を押さえた。〕*
(63) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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そういえば、何故私にオルゴールを?
〔そこに居たペラジー>>57に、 改めて聞きなおすこともあったかもしれない。〕
〔ラウンジの人もまばらになった頃。 個室にてオルゴールの蓋を開けた。
車窓から外を見れば 傾いた望月が地平線に消えていった。 暁の色が空ににじんだ。 遠く、海が見えるような気がした。
時計を確認する。 腕の痛みを堪え、ノートを鉛筆をとった。〕
(64) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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― 22項目 ―
『5時56分』
『二時頃。鉄道警察の人が来たの。 家出の子を――私が三等車で会った子を探しているようだったわ。
眠れなくなったから、赤毛の子、キャロライナと、それから東国の紳士さんとラウンジでお茶してたの。 そしたら、雪燕が急に停車して 『化け物』を追って鉄道警察の人が駆けていったわ。 ペラジー君からオルゴールを託されたり、して。
私もね、 どうしても堪え切れなくて雪燕を降りたの。 だってあの子が化け物とは思えなかったんだもの。 でもね、 月を背にして私を襲った、あれは確かに狼だったわ。
それからイアンさんと、キャロライナと、ペラジー君と一緒に雪燕に戻って……』
(65) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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『おばあちゃん。 世の中には不思議なことってあるものね。 あの子は結局どうなったのかな。 家族のところに戻れたらいいのに。』
(66) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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〔そこまで書くと、溜息をついてノートを閉じた。〕
〔オルゴールの子守唄の様な旋律が、 疲れきった人々の夢に溶けていくように、 静かに流れていった。〕**
(67) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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ペラジーは、>>54訂正 ×地を流した ○血を流した
Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 11時半頃
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― 回想・ラウンジ車 ―
[ ラウンジ担当の乗務員も、予期せぬ徹夜に疲れた顔>>52を隠し切れないようだ。
シェリーの手を引いたキャロライナが近づき、 「怪我人の手当てをしてもらいたいんだけど、 どこにいけばいいかなーって」>>52 と声をかけても、 「車掌室にて行っておりますが、今は……」>>61 と曖昧な鈍い反応が戻ってくるばかり。
怪我人が多くて>>61対応できないのだろう。]
(68) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 12時頃
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[ 列車に乗り込むまで狼のことを気にしていた>>60らしいシェリーは、 「傷口、洗ってくるね」>>62 と言い残してトイレへ向かった>>62ようだ。
付き添うわけにもいかず、ペラジーは彼女の背中を見送った。
キャロライナとイアンはどうしただろうか。 ふたりのうちどちらかがラウンジ車に残っていれば、一緒に温かい飲み物のサービス>>#3を受けたかもしれない。
状況が状況だけに、会話は弾まなかっただろうけれども。 特に上着もなく>>4:137夜風の中を歩き回ったイアンは、寒そうな顔をしていただろう。]*
(69) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 12時半頃
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[ 手当に苦労している>>62のか、それとも他のことをしている>>63のか、シェリーはなかなか戻ってこなかった。
温かいミルクを飲み干し、仮眠のため自分のコンパートメントへ引き上げようと>>57腰を上げたころだったか。 戻ってきたシェリーに、 「そういえば、何故私にオルゴールを?」>>64 と聞かれた。
振り向いたペラジーは微笑み、]
よろしければ、持っていてください。 『月のゆりかご』という子守歌です。
[ そう答えるにとどめた。]
(70) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 12時半頃
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[ スウェルグに滞在していれば、いつか話せるかもしれない。 ラシード王子のこと、故国を出されてやむなく旅をしていたこと、彼がとある村で人狼に殺されたこと……。
そう遠くない時に、打ち明けられるかもしれない。
今は……まだ。 彼女にも、自分にも、心を整理するための時間が必要だとペラジーは思った。]*
(71) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 13時頃
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― 一等車両 ―
[ 一等車両はラウンジよりも混乱していた。 車掌室が配置>>3:#0されているため、入りきれない怪我人が廊下の椅子にも座らされているのだ。
何度か見かけた東洋人の男性が車掌室の扉を勢いよく開け、>>34 「気が付いたと聞いて!!」>>34 と叫んでいた。
怪我人にぶつからないよう歩いていたペラジーは、その声に驚いて振り向く。 車掌室に入っていく>>34黒いコートの背中を、ほんの数時間前に見たような気がする。
一面の枯れた麦畑で。>>19
彼の心配する怪我人がサクラコ>>28だとは思わず、ペラジーは廊下を通りすぎた。]*
(72) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 13時半頃
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― ちょっとだけ、一等車両 ―
[――まさか遊びに行くのではなく、お見舞いのためにこの車両を訪れることになろうとは。
シェリーが、傷口を洗いに行っている間に、>>62 騒動に紛れて気絶したらしい>>61サクラコの様子を見に行くことにした。 もちろんシェリーにはちゃんと伝えてある。
雪燕は軽快に走り出している。 いくらかの遅れは出る>>#3とはいえ、目的地――スウェルグに到着するのに支障はない。
夜闇を切り裂くのは、今や先頭のライトだけではなくなっていた]
(73) Akatsuki-sm 2015/12/04(Fri) 18時半頃
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[車掌室の外もまた人でごった返していた。 処置を終えたらしき者に駆け寄る家族か知人らしき面々がいる一方、 車掌室に入りきらなかった怪我人が不愛想な表情でたむろしていたりもする。>>72
あんまり、長居したくない状況。迅速に行動するべし。
乗務員を呼んでサクラコについて訊く、が、 お見舞いしたいから中に入れてほしいといっても取りあってはもらえなかった。 彼はおそらく人払いの役目までは仰せつかってはいなかったのだろう。>>34 しかし、何かを勘ぐり、邪推し、 結果的にその役目を果たす形になったというのはキャロライナの知らない話]
(74) Akatsuki-sm 2015/12/04(Fri) 18時半頃
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…ちぇー。じゃあ伝言だけでも伝えといてよー。 「キャロから、お大事に」ってさ。
[しぶしぶ顔でそう告げると、 背を向けた。ラウンジ車へ戻るために*]
(75) Akatsuki-sm 2015/12/04(Fri) 18時半頃
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― 一等車両 個室 ―
[>>#3 雪燕は、迫る朝焼けを讃えるかのように汽笛を鳴らし、再び動き出した。 そのうちシビルの個室にも警官がやってきて、到着遅延の旨などを知らせてきた。]
……ああ、そうですか。
[返事して、個室を後にする警官を見送ると、シビルはトランクケースがきちんと締まっていることを確かめた。 >>6 コートの内ポケットに、先ほど紳士から受け取った二等車両の切符がある。
最後に窓をぼんやりと見つめてから、トランクケースを片手に下げてその個室を後にする。]
(76) es 2015/12/04(Fri) 20時頃
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― ラウンジ ―
[すでに他の客が湯気の上がるカップを手に、思い思いの雑談を繰り広げているようだ。 先ほどの事件を旅愁とするには相当刺激がありすぎる気がするが、無事に運行は続くので、安堵した人たちの口が緩むのは当然のことだろう。
シビルも温かい紅茶を受け取ると、口をつけかけたところにある男性に話しかけられる。恰幅の良い男で、いかにも気の良さそうな御仁だ。
「先ほどの騒動には、全く驚かされましたねえ」]
……そうですね。
(77) es 2015/12/04(Fri) 20時頃
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[「私は、スウェルグで上等の狐をコートに仕立ててもらおうと思っていたのですが、 鉄道警察に驚いて、狐が逃げちまったんですよ。」
全く運が悪かったと言わんばかりの表情を浮かべ、その男は深いため息をつく。]
……それは、それは。
[「仕方ないんで、また出直すことにしますよ。 あんな夜更けに落ち穂拾いの真似事など、あいつらも妙なことをしてくれますね。」]
…………そうですね。
[鉄道警察への軽い憤慨を気取ってみせるも、わははと体を揺らして男は笑った。 シビルは愛想笑いを浮かべることも無く、いつもの調子で淡々と同意を返す。
男は気が済んだのか、やがてラウンジを出て行った。 それを見送り、たっぷり待ってから、シビルは乗務員を呼び止めた。]
(78) es 2015/12/04(Fri) 20時頃
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あー…… ここで一番上等な酒を、ボトルでもらえるか。
[若干の困惑の表情を浮かべた乗務員は、それでも一番高価で味の良い酒を瓶で差し出してきた。 シビルは紙幣を惜しみなく渡し、瓶を受け取ると、グラスはいらぬと断ってからラウンジを出た。**]
(79) es 2015/12/04(Fri) 20時半頃
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― 列車内・ラウンジ ― [冷え切った身体に、温かな、深い琥珀色した液体が染み渡る。 ラウンジのランプの柔らかな光が、カップの水面に反射した。
ようやくやってきた虚脱感にイアンは嘆息し、テーブルに肘をついて頬杖してみせる。
怪我をしていたシェリーのことが気がかりであったが、>>52キャロライナが彼女についていたから、きっと大丈夫だろう。
>>54自分の元から少し離れ、窓辺に立つペラジーを見た。
「人間の言葉は、届かないでしょう」。
麦畑から去る時、彼の言った言葉>>49には、諦めにも似た感情が漂っていたように思う。
……彼の探していた答えと、折り合いがつけられればいいが。 今、彼にそのことを尋ねるのは酷なように思えた。]
(80) yuj1n. 2015/12/04(Fri) 20時半頃
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[やがて、手当てに向かっていたシェリー>>63がラウンジまで戻ってくれば、 血が取れなかった、と言い新品を差し出す彼女には、いいよと笑って断って。 彼女が渋るようであれば、苦笑しながら受け取ったとは思うが。]
ほんとうに、女の子が、無茶しちゃあ駄目だからね。
[お転婆なのはいいけれど。 そう言うイアンに、彼女は何か反論しただろうか。
イアンは、シェリーと人狼の少年の間に何があったのかを知らない。 知らないが、>>4:141見届けたい、と言った彼女の目は、好奇心旺盛な年頃の女の子の目、というよりは、覚悟を決めた強い女性の瞳だったように思う。]
……弱いんだよなあ、そういうの。
[本当は、強く叱るべきなのかもしれないけれど。 ぼやいた声は、シェリーに聞こえただろうか。]
(81) yuj1n. 2015/12/04(Fri) 20時半頃
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[その後は、いくらかラウンジで誰かと話をしたかもしれない。
カップの紅茶が底をついたとき、ふと思い出したのは>>4:106ルーカスとの約束。 去るとき背中に投げかけられた声に、「ああ」とだけは返したのだけれど、果たしてルーカスにはそれは聞こえていただろうか。
ラウンジに彼の姿は無い。一等車両の方だろうか。 彼が疲れて眠っていなければ、約束通り一つでも奢ろうと席を立つ。
捨てられたように放置されたシルクハット>>4:130を、彼の個室に見つけるのは、もう少し後の話。]**
(82) yuj1n. 2015/12/04(Fri) 20時半頃
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― 二等車両 ―
[汽車の揺れは、ときおりしゃっくりを起こすかのように思いがけないものがあるが、それによろめき壁にぶつかるとも、シビルの表情はいささかも変わらぬことは無かった。
紳士から渡された、失くしたはずのシビルの二等車両の切符の番号を思い出す——何かを言うより先に、彼は自室へひっこんでいた。どこかで拾ってくれたのか、何なのか——シビルの行動には何の障害もなかったのだから、問題は無い。 だからやっぱり、神の導きなのだろうなと思うことにした。]
…………。
[切符に示された番号の部屋を開ける。 シビルは中に入るとトランクケースを傍らに置き、座席に深く座り込む。]
(83) es 2015/12/04(Fri) 21時頃
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………………。
[一つ、深く長いため息をついた。
「仕立て」は全て破綻して中止になった。 これが一時の延期か、永遠の延期になるかは、狐がどこまで逃げられるかどうかにかかるだろう。
果たしてどこから進路は間違っていたのだろうか。 シビルが二等車両の切符を失くした時からか、ニズ駅で伝言を受け取った時からか? それとも——「家出少年」の足首を狙撃した時からか?]
…………。
[購入した酒瓶を開封しながら、麦畑に消えたらしい影のことを思う。 果たしてあれの結末は、シビルには分からぬことで、狙撃したことに関しても何の罪悪感も抱かない。 だがあの事態がなければ——
祖国に尽くし、祖国に裏切られた、哀れな狐を—— シビルの狙撃対象であり、古い友人であり、恩人でもある彼を思う。]
(84) es 2015/12/04(Fri) 21時頃
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………………。
[また一つ、深く長いため息をついた。 安堵の表情をうっすらと浮かべながら。]
(85) es 2015/12/04(Fri) 21時頃
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[うっすらと開いたままの扉が、汽車にゆられてきいきいと言う。] 仕事がない。 これ以上の幸せは、ないな。
[うそぶいてから酒瓶にじかに口をつけ、ぐいとあおり呑む。 半分ほどまで減らすと酒瓶を抱え込んで目をつぶり、そのままシビルは寝入ってしまうのだった。
ばらつく髪やその頬を、朝日がなぞるように照らしていた。**]
(86) es 2015/12/04(Fri) 21時頃
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ガラス窓を揺らす音の向こう側。
潮騒が遠く、淡く聞こえてくる。
–––––お待たせ致しました。
雪燕間も無く、スウェルグへ––––30分遅れの到着となります。
荷物を纏め、お忘れ物の無い様に下車をお願い致します。
お怪我をなさった方はホーム前方にて–––––––
老齢の車掌は廊下を順繰りに回り、扉を一つ一つノックして乗客を起こす。
部屋でも無い場所でうたた寝ていた者には軽く肩を叩いて呼びかけつつ。
カーテンが閉じられていれば開いて日の光を取り込んでいく。
窓から見える水平線には濁りや荒れの一つもない。
静まり返った海だった。
枕木を鳴らすリズムは速度を落とす。
響く音は次第に小さくなっていく。
微睡むような空気の中、雪燕は甲高く短い旅の終着を啼き告げた。
(#4) 2015/12/04(Fri) 22時頃
漆黒の身体が柔らかな朝日の中、無機質なホームに滑り込む。
車輪の回転が静かに止り、くろがねの圧力が抜けていく。
《 Swelg 》
そう刻まれたプレートは光や潮に焼け、
情緒深い劣化を催していた。*
(#5) 2015/12/04(Fri) 22時頃
|
―スウェルグ―
[終着の地、スウェルグ。>>#4 その地についたのは、ほんの少し前の事。 静まり返った海に、響く汽笛音とリズムを男は眺めている。 其処には列車を待つ人々の影が出来ていた。 始まりの地と異なるのは彼らの多くが人を待っているという事。]
…ったく、俺も焼きが回ったもんだな。
[朝日の中に滑り込んできた黒光り。 其れをまぶしげに見つめては、火をつけず煙草を口に咥えた。 煙は、匂いが付くから好まない。ただのポーズだ。
道中でかっぱらってきたコートを羽織り、 色眼鏡を軽く上げては、列車から出てくる人を待つ…]
(87) sudati 2015/12/04(Fri) 22時半頃
|
|
[今更、約束を果たす事は出来ない。>>82 だが、人が降りてくれば、列車内で会った人々を探すだろう。 こんな事なら、さっさとおごらせておくんだった。と、 悪態つく顔には紳士然とした面影はなく。 ニヤついた笑みは何処となく小悪党めいている。
こんな姿。彼女には見せられねえな。と、 自虐に笑うのは、ルーカスという男が嫌いではなかった故。 だが、ルーカスを知る人物と言葉を交わすつもりはない。 会えば、情が湧く。 お人よしばかりだったからこそ、痛む心が自身を苛むから。 会えない。自分はどうしようもなく人なのだ。 ……ただ一人を除いては。]
さて、此処からが大勝負だ。
[まずは、数刻ぶりの再会を楽しもうじゃないか**。]
(88) sudati 2015/12/04(Fri) 22時半頃
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― 回想 ―
〔キャロライナが一等車に向かうというのであれば いってらっしゃいと手を振って見送り 己は傷口を洗いに行った。>>74〕
〔それから、イアンの姿を探していた。 彼はラウンジで、紅茶からゆらりゆらりと湯気が立ち上っていた。 新品を差し出すと、「いいよ」と彼は笑って断ったが いけないわと渋ると、苦笑しながら受け取ってくれた。 人の好い青年なのだ。>>81
その後貰った「ほんとうに」というお咎めには眉を下げて、 反省した風に「はぁい」と答えた。
飛び出した事を後悔はしていないけれど 怖かったことはたしかだから。〕
でも、イアンさんだって無茶しちゃだめなのよ
(89) sane 2015/12/04(Fri) 22時半頃
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〔風邪ひいたら大変、と コートを着ていなかった彼に対して小さく言い返した。
彼が何故狼をペラジーと追っていたのか、 詳しい事はしらないままだ。 彼ももしかしたらあの少年の事を知って――――〕
…………? 弱い?
〔イアンの口からでた不明瞭な言葉に、 こてりと首を傾げた。〕
キャロライナがその場にいたなら、 温かいミルクを蜂蜜入りで頼み一緒に飲んだことだろう。
それから席を立とうとしていたペラジーに声をかける。〕
(90) sane 2015/12/04(Fri) 22時半頃
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「よろしければ、持っていてください。 『月のゆりかご』という子守歌です。」
〔彼はそれだけ答えた。>>70 ミステリアスな微笑みに シェリーは再度首を傾げることになるが 答えない、というならそれもまた答えだ。
けれど、 ハート型の装飾が施された素朴なオルゴール そこにどんな物語があったのか いつか、知れたなら、とも思った。〕*
(91) sane 2015/12/04(Fri) 23時頃
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……外に出ていた乗客も何人か?
[浮かんだのは、キャロやペラジーやイアン。 外に飛び出していった人々の顔]
皆さん大丈夫なのかしら。
[九重の言葉>>45に、櫻子が顔を青くしたときだろうか。 年配の乗務員がひとり近付いてきて、 キャロライナからの伝言>>75を伝えてくれるだろう]
……キャロにまで。 ご心配をかけてしまいましたわね。
[申し訳なさそうな表情をすると同時に。 彼女がどうやら無事らしいことを確認して安堵の息を漏らした]
(92) gurik0 2015/12/04(Fri) 23時頃
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……九重様?
[何だか九重の顔が少し赤い気がして>>46、櫻子は小首を傾げた。再び口を開きかけた時だろうか。 車掌がスウェルグへの到着>>#4を告げたのは]
到着しましたのね、スウェルグに。
[よろよろ、と頭を押さえながら櫻子は立ち上がった。 車窓を見れば、どこまでも青い海が広がっている]
たった1日の列車の旅とは思えませんでしたわ。 ……その、色々なことがあって。色々な方と出会えて。
[爺やとはぐれたことで始まったお嬢様の列車旅は、 こうして終わりを告げる]
これから、九重様はどうなさるのです?
[寂しくないと言ったら、嘘になる。 その気持ちを押し隠すように、九重に微笑みかけた]
(93) gurik0 2015/12/04(Fri) 23時頃
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― 廊下→隣室 ―
[ 車掌室でサクラコ>>43と同郷の男性>>46が微笑み交わしているころだったか。 トランクケースを片手に>>76一等車両を出ていく中年男性の背中を見送ったペラジーは、ふと隣のコンパートメントの窓が開いたままだったことを思い出す。
それとなく周囲の視線を気にしながら、隣室のノブを握り、回してみた。 予想したように、鍵はかけられていない。>>118 ペラジーは素早く身を滑り込ませた。
窓は開けっぱなし。>>105 2段ベッドの毛布は乱れている。>>118 誰かがこの部屋を使っていたのは明らかだった。]
(94) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 23時頃
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[ あの少年が潜り込んでいたのだろうか……。
窓辺に近づいたペラジーは、音を立てないようそっと窓を閉めた。 このベッドに潜り込んでいたのが、ジャンと名乗った男性>>137だとは気づかないまま。
外はうっすらと明るんでいただろうか。 ペラジーは自室へ戻り、スウェルグ到着までの時間に少しでも眠ろうとベッドに入った。]*
(95) Hallucigenia 2015/12/04(Fri) 23時頃
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― 静かな海 ―
[夜明けの光は、人ひしめく三等車両の中を等しく照らしはしない。サイラスはいつしか眠りに落ちていた。空腹は峠を過ぎ、悪臭のおかげもあってほとんど忘れられていた。
朝日が、微かに揺れる波に反射していた。 閉じた瞼が、ひくひくと動く。 周囲の人々も、少しずつ目を覚まし始めた。
話し声はしない。 誰もが長すぎる夜に疲れ、そして朝日に声を忘れていた]
(96) 茄子 2015/12/04(Fri) 23時半頃
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[目を覚ましたサイラスは、ゆらゆらと蠢く光に腕時計を掲げた。示す時刻は8時少し前。いつもならば、動き出して、水を一杯飲む頃合。 無理やりに唾を飲み込んで、あとはただぼんやりとして、列車の速度が遅くなるのを待っていた。
少しだけ、昨夜の騒ぎが気になった。 月明かりに照らされた少年の横顔を思い出した。
もう一度、膝に額を擦りつける。 雪燕の白い吐息が、細く、窓の外を流れていった。
―――スウェルグ、到着。 旅の終着点。新たな一歩を踏み出すための、駅]
(97) 茄子 2015/12/04(Fri) 23時半頃
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― 《 Swelg 》 ―
[辛うじて穴が開いていない靴が、少し傾斜のかかったホームに降り立った。大事な鞄も、色も生地も薄い上着も、手指や頬すら少し汚れている。髪はいっそうごわついて、空腹のせいか顔色もよくない。
そんな、ぼろぼろの状態で、サイラスはまずポストを探した。真っ赤な、どの街でも目立つ存在。それを見つければ、鞄からニズで用意したポストカードを取り出して眺める。 言えなかった「ありがとう」を認めたこれには、宛先は書いてあるけれど、送り主は名前しかない。書ける住所はもう、何処にもないからだ]
(98) 茄子 2015/12/04(Fri) 23時半頃
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― コンパートメント ―
[ 体も心も、少しは休めたころだろうか。 車掌のノック>>#4に起こされれば、カーテン越しの窓の外はすっかり明るい。
スウェルグへの到着を告げる口上>>#4に、ペラジーはおざなりな頷きを返した。 寝不足の頭を小さく振る。
窓から外を眺めれば、静まり返った海>>#4は予想以上に近かった。]
(99) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 00時頃
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[ 『雪燕』の甲高い汽笛>>#4が、破天荒な旅の終わりを告げる。
いや………、 新しい旅の始まりかもしれない。
朝日の中>>#5、車窓から見えるスウェルグ駅は静かで。 どこか無機質>>#5な印象さえ受けた。]
(100) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 00時頃
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[ ペラジーは外周ベルトを締めたトランクを持ち上げる。
すでに所持金は尽きたも同然だった。 換金できそうな王子の遺品をすべて手放し、この『雪燕』に乗車したのだ。
左手のシグネットリングだけは、 これだけはどうしても手放せなかった。]
いつか、アイラがどこにあるのかわかれば………、 そのときは、きっと。
[ ペラジーは黄金製の指輪に話しかける。]
(101) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 00時頃
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[ それから顔を上げ、コンパートメントを出た。
港と駅で賑わうこの都市でなら、割のよい仕事を探せるだろう。 ガイド、通訳、翻訳、秘書………、
……あるいは新聞記者。
好奇心を隠さなかったイアンの反応を思い出し、ペラジーの口元には笑みが浮かぶ。
彼に仕事の紹介を頼もうか。 王子と同じ教育を受け、上流階級のマナーにも通じている。 高望みをしなければ、自分ひとりが暮らせる程度の収入を得られるだろう。
ホームに並ぶ三等乗客の列を窓越しに見つつ、ペラジーは廊下を歩いていく。 頭を上げ、背筋を伸ばし、
しっかりした足取りで。]**
(102) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 00時頃
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[――さて、早速勧誘を開始しようか。]
(103) sudati 2015/12/05(Sat) 00時頃
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[ごわごわ頭が、列車を降りて来るのを見つけ>>98。]
よお、…誰に手紙を送ってんだ?
[人ごみを掻き分けて、また、会ったな。と笑い。 顔はポストを眺める背に声を掛ける。 親しい友人にする如く、肩を組もうと無遠慮に。 まるで、数年来の知己の様。
何処の小悪党か。と 粗暴な目を色眼鏡からのぞかせ、咥え煙草のままに。男は、]
あんたの話を聞かせてくれないか。
[さて、駄賃は朝食でどうだ。なんて誘い。 少々強引にも連れて歩こうとするだろう。 何、次いで。ちょっと詐欺師にならないかと勧誘するだけだ。*]
(104) sudati 2015/12/05(Sat) 00時頃
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[ポストの前、握る手の力が強かったのか、ポストカードに皺が寄る。 それを丁寧に伸ばして、もう一度宛名の名前を見つめて―― 誰も、サイラスに声をかける者はいない。 そのはずだったから、かけられた声に振り向くこともせず、肩に手を置かれるまで、その接近に気づくことはなかった]
は? ……は、 え? なに?
[上等とは言えないコート、火のついていない煙草――吸わないのならば奪ってやろうか、なんてこの時は頭もまわらず――趣味の悪い色眼鏡に、見覚えのある性格の悪そうな目つき。 ポストカードを持ったまま呆けていたことに気づいたのは、目が合った瞬間。 慌ててそれを鞄にしまいこみ、それからやっと肩から手を払って一歩飛びのいた]
(105) 茄子 2015/12/05(Sat) 00時半頃
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な ……んだよ、あんた え? …………話す、ことはないけど
[喜劇のように、腹が鳴った。 くそ、と小さく悪態をつくも、その事実は変わらない]
飯、食わせてくれるなら
[身形の程度が違っても、やはり目の前の男、ルーカスとは何もかもが違いすぎる。衣服の上等さなんて、関係ない。そのことが酷く、サイラスを惨めな気持ちにさせた。 それでも、プライドよりも空腹をとってしまうあたり、どうにも生きることを諦めてはいないようだ*]
(106) 茄子 2015/12/05(Sat) 00時半頃
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[声を掛けてくる相手が居るとは、思っていなかったか。 接近に気づくことのない迂闊さが、興味深い。>>105 それだけ、その手のポストカードが大事という事かもしれないが。は?と聞こえてきたのは、まぬけな声。
咥えた煙草を奪い取れるのなら取れば良い。 合う視線。 呆けた顔をつついてやろうか、なんて思った瞬間。 慌てた様子の彼の行動が面白く。 腹を抱えて笑いたくなるのを堪え。]
あんた、ねえ? 話す事はあるだろ…っふ、はっ。 正直ものじゃねえか、いいぜ
[喜劇の様になる腹の音に我慢は聞かず。>>106 ついに噴き出して、小さな悪態をにやにやと眺め。 みじめげな顔を珍しげに眺めては、行こうぜ。とその肩を無理やり引いた。みじめになる理由があるのか。ったく。と肩を竦め。
駅前近くの食事処に入っていくだろう。]
(107) sudati 2015/12/05(Sat) 01時頃
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[簡素な室内。 人はまだ少なく、テーブル席に座り。 好きに注文しろよ。と言っては]
ああ、そうだ。 名前言い忘れてたな、俺は、―――ジャンっていうんだが。
[しれっとそう告げて。相手の反応を楽しみながら、お前の名前はと首を傾げ。メニュー表を眺めただろう*。]
(108) sudati 2015/12/05(Sat) 01時頃
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[……結局、眠る時間は一瞬たりとて無かった。
座席に戻れば、散乱した荷物や鳥籠達がイアンを出迎えたからだ。 急ブレーキの際に落ちて開いたのだろう、籠から出てきた鳩達は不機嫌そうにイアンを見る。 彼等は鳴いた。居心地の悪いこの旅の数々の不満をぶつけるように鳴いた。 窓も扉も開いていなかったのが、せめてもの幸いだった。]
ったく、人の気も、知らずにっ!
[暴れる鳩を捕まえ、籠へと無理矢理押し込んで、ため息をついたその瞬間。 >>#4スウェルグへの到着を告げる声が聞こえた。 窓の向こうには、朝焼け色のインクを落とした海が、静かに佇んでいる。 それが見えたのも、ほんの数秒のこと。 景色はぶつりと遮断され、駅へのそれと変われば、駅の喧騒がイアンをやがて日常へと引き戻す。]
(109) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 01時頃
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[30分遅れ。目的の会見の開始時間まで、あと3時間を切っている。入りは1時間前。 ……つまりはあと、2時間も残されていない。
慌てて荷物をかき集め、落ちた写真機の動作も確認することなく首に掛ければ、乱雑に鳥籠を掴んで扉を開いた。
時間はあまり残されていないが、間に合うことなら、この短い旅で出来た友人達に、挨拶の一つぐらいはしておきたい。
扉の外、或いはホームで。 見知った顔には出会っただろうか。
扉を出るとき、ローズマリーが『鳩の気も知らないで』、と言わんばかりにくるっく、と鳴いた。]
(110) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 01時頃
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あんた ……その、
[ルーカス、と呼ぶのは躊躇われた。 言葉になりかけの感情がいくつも過ぎる。 それは大体がマイナスのもので、その対象は自分にあった。 結局、ルーカス――と呼んでいいのかわからないが、目の前の男の目的は分からない。空腹に抗うことは出来ないし、なにより特にやることも行く場所も決まってないのだ]
馬鹿にしてんのか ……笑いすぎだろ
[それでも足は素直に店へと向け、よくわからぬままに席にもついた。ポストカードを出し損ねたことに気づいたのはメニューを手にしてから。 中指の爪に詰まった汚れを親指で擦って――聞こえた名前に、吸い込んだ息が変な所にはいって、思い切り咳き込むこととなる]
(111) 茄子 2015/12/05(Sat) 01時頃
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は、いや ……いや、さすがに冗談 だろ?
[冗談と言ってくれ。そんな顔を向ける。 答えがどちらであろうと、見抜けるものでもないかもしれない。 テーブルに置いたメニューに無理やりに視線を落として、名前は、と口を開く。さっき、ポストカードに書いた名前を、見られていただろうかと。 宛名は、パトリシア。送り主は、サイラス。 どちらが名前か、なんて一目瞭然だったろう、と]
サイラス ……だけど これは、本当
[メニューを眺めても、空腹も手伝ってまったく決めることが出来ない。 どれでもいい。腹がふくれれば、そんな気持ちで、椅子にもたれて天井を仰いだ**]
(112) 茄子 2015/12/05(Sat) 01時頃
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ああ……無事でしたか、彼女も。
[キャロ――あの赤毛の少女が無事らしいことを、櫻子の言葉>>92から知って]
どう……と、いっても。
[スウェルグー――かつての、地の果て。 現在では、南海との交易拠点。そこに、到着した>>93という放送を耳にして]
そう、まあ――仕事をするだけですよ。 列車の輸送力ですとか、そういうものを調べてですね、故国に報告するんです。
[と、表立っての内容を、答えて]
(113) migya 2015/12/05(Sat) 01時半頃
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[自分には目的がある。>>111 その。と自分を呼ぶ彼をこうして連れ歩こうとしているのだから。言葉にならない声、何を言いたいのだろうか。 流石に読唇術の心得はないので知らないが。 ただ、少しばかり興味がある。 抗うことなく、共に歩くのは心地よく。]
ふはっ、ばかに?まさか。 ばかにしていたら、声をかけねえよ。
[自分の心理を口にして。 足を店へ向ける素直さと口の悪さを笑い。 席に大人しくつくのをにやにやと眺めていたが、 彼がメニューを手に取った処で、とある名前を口にした。 それに対する彼の反応は、予想以上。]
(114) sudati 2015/12/05(Sat) 01時半頃
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ん?…さてどうだろうな。
[肯定も否定もしなかった。 冗談と言ってくれ、そういう顔をしれっと流すように。 そう首を傾げては、咳き込んだ彼に名前を問う。 先ほど、声を掛けたとき。見えたものをあえて口にせず。]
サイラスか、じゃあ、改めてよろしくな。
[これは、本当。と答える彼はやはり何処か幼く見える。彼の代わりに海鮮がふんだんに使われていると書かれたパエリアとベーコンエッグを頼み。さてと行儀悪く肘をつけば、笑みを浮かべ>>112]
で、サイラスは、この後どうするかとか仕事の宛てはあるか?……ねえなら、どう?俺と仕事しねえ?
[人を騙す仕事だけど。となんでもない事の様に。 小悪党めいた顔で彼を見て。軽く指先で、テーブルの上を弾いては、椅子を揺らす。素行が悪い。と周りに見せるようにわざとらしく]
その手紙の、パトリシアって誰だ?
[意地の悪げに質問を投げかけた。**]
(115) sudati 2015/12/05(Sat) 01時半頃
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― そして彼女はスウェルグの土を踏む/7:40 ―
[穏やかなノックの音で目が覚めた。>>#4 深夜、叩き起こされた時よりずっとましな顔立ちで、 キャロライナは老齢の車掌を迎え入れた。おつとめごくろうさまです。
ラウンジでシェリーと一緒に乗んだハチミツ入りホットミルクのおかげで、 短いながらもぐっすり眠ることができた。 開かれたカーテンの向こうから飛び込む陽の光を浴びればもう準備万端といった風情]
わぁ…… 海! 海が見える!
[指差した先。 騒乱の夜が寝物語であったかのように、海は青く静まり返っていた]
(116) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 02時頃
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[……それにしてもずいぶんと目立つ格好になったものである。
サラグニッド駅から雪燕に乗った時との違いは、 大きなぬいぐるみが一体、手荷物に追加されただけだが。
そんな、目立つ格好のまま、雪燕に同乗した見知った顔を探す。お礼やら何やらを言うために。 しかし足を向けてくるのは、長旅を終えた面々をカモにする、 海沿いの街の新聞売りや軽食屋達ばかり]
おっちゃーん、これひとつちょうだーい!
[――上等上等。 ちょうどいい具合にお腹もすいていることだし**]
(117) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 02時頃
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……そう、お仕事が。
[口振りから九重がしばらくこの街で仕事をすることが窺われて。 それなら、と。櫻子の口元が少し綻ぶだろう]
わたくしも、兄の情報を探して。 しばらくこの街に滞在する予定ですの。
[だから、と前置きして]
お仕事の合間にでも、またお会いできると嬉しいですわ。 九重様には、なにかお礼がしたいですし。
[にこり、と上品に微笑んで。 それではお付きの者が待っていますので、と。 深々とお辞儀をするだろう]
(118) gurik0 2015/12/05(Sat) 15時頃
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―――ああ、それと。
[それから、何かを思い出したように九重に顔を近づける。 ちょこん、と背伸びをして。九重の頬に軽く口づけをした]
これが西洋での別れの挨拶だと、爺やに聞きましたわ。
[爽やかに笑みを浮かべた]
……ごきげんよう、九重様。
[くるりと九重に背を向けて、車掌室を後にしようとするだろう。 少しだけ頬を赤くして。はしたなかったかしら、と。 旅の開放感が自分をそうさせたのだ、と言い訳をしながら**]
(119) gurik0 2015/12/05(Sat) 15時頃
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なるほど、そうでしたか。 櫻子さんのお兄様のことは、私も気に留めておきます。
[何か情報があれば連絡すると伝えて]
礼を受けるほど、大層なことはしていませんが……、 お会いする時間がとれそうなら、近いうちにまた。 故国の言葉で喋るのは、いい気分転換になりますからね。
[幾分かの名残惜しさも感じながら、別れのお辞儀に、頷いて]
(120) migya 2015/12/05(Sat) 16時頃
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――はい? なんでしょう?
[伝え忘れたことでもあったのか。 耳打ちをするように、近づく櫻子に応じて――]
え、
[頬に、柔らかい感触。甘い香りが、ふわりと漂った]
……へ、いや、えっ、
[清涼な笑顔に対して、自分はおそらく、随分な間抜け面を浮かべていたことだろう]
あ、はい……またいずれ、櫻子さん。
[半ば以上呆然としながら、その背を見送った]
(121) migya 2015/12/05(Sat) 16時頃
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……え、っと……、……うん、まあ……、
[櫻子の唇が触れた頬に、指先を触れて。ふと、思う。
自分もこちらで知ったことだが、あの挨拶、唇を直接は触れさせないのだ。
次に会ったとき、間違いを正してやるべきだろうか。
うん、そうしよう。あれを、他の誰かにやる前に。
ただし、そう――もう一回、あの挨拶を受けたあとで*]
(122) migya 2015/12/05(Sat) 16時頃
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― 列車内→ホーム ―
[ 夜の麦畑で行動をともにしたイアン、シェリー、キャロライナの姿を見つければ、ほっとした顔で近づいて挨拶を交わすだろう。]
おはようございます。 風邪を引いていませんか?
………色々ありました……が、 とりあえず、スウェルグに到着してよかった。
[ 周囲を見渡し、サクラコやジャンの姿も探す。]
(123) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 16時半頃
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[ シェリーに向かっては、]
腕の怪我、大丈夫ですか? よろしければ、おばあさんのお店まで 荷物をお持ちしましょうか?
[ と申し出る。 彼女が遠慮して断れば、]
実は、ここでの宿を決めていないのです。 おばあさんにご紹介いただけないかと思って………。
[ 困ったように目を伏せるだろう。]
(124) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 16時半頃
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[ 傍らにイアンがいれば、彼の大荷物>>110にも心配そうな視線を向け、]
持ちましょうか? ここへはお仕事で来られたのですよね?
………そういえば、鳩は無事でした?
[ 鳥籠を覗き込もうとするだろう。]*
(125) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 17時頃
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[ サクラコと同郷らしい東洋系のコート姿の男性が通りかかれば、彼の頬が不自然に赤いことに気づいたかもしれない。
サクラコが倒れたこと>>4:133も、車掌室でのできごと>>119に彼が動揺していること>>121も、このときのペラジーには知りようがなかったけれども。]*
(126) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 17時半頃
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[――櫻子と幾らか時間をあけて、車掌室を出た。 なにやら乗務員がにやにやしていたが、完全な無実というわけでもない。 顔面が熱を持つのを自覚しながら、丁重に無視をして自分の個室へと向かった。 その途中、何度か擦れ違った白フードの青年に、視線を向けられたかもしれない。
そうして――荷物をまとめ、出立の準備を整え、そしてスヴェルグの駅に降り立った]
(127) migya 2015/12/05(Sat) 18時半頃
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―スヴェルグ駅・ホーム―
――……太陽が黄色い。
[まさに『異邦人』か――と、あくびと笑いを噛み殺す。
なんやかやで、結局、徹夜になった。 かれの国の勤め人は二十四時間働けるが、眼球の疲労は避けられない]
あるいは、南海の雰囲気ゆえかな……。
[寒々とした白と灰に覆われた、サラグニッドのくすんだ色とは、ここは違う。 青い海に空、鮮やかな緑。店頭に並ぶ彩り豊かな南国の果物。 暖かな太陽を黄色に感じたところで、当然なのかもしれなかった]
(128) migya 2015/12/05(Sat) 18時半頃
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[多くの乗客とは違い、直ぐに駅舎から出ていくようなことはしない。
この駅のことも見て回る必要があったし、雪燕の車体にも興味はあった。 あの急制動をかけた結果の車体への影響がみられないか、車体を眺めながらホームを歩いていく。
それに、車内や途中駅で言葉を交わした幾人かの乗客と顔を合わせられるかもしれない。 あの麦畑に駆け出していった二人の少女が無事だったかは、気になるところだ。櫻子も気にしていた。 もちろん、この先、再び会うことはない可能性のほうが高いが、それもまた、旅の興趣というものではあるだろうか――*]
(129) migya 2015/12/05(Sat) 18時半頃
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― 午前7時40分の少し前 ―
〔起きて静かに廊下を歩いていたシェリーは 二等車の一角で小さく軋る何かがあるのに気がついた。 そちらに近づくと、どうやら扉が開いているようで 部屋の中ではらり、はらり、髪を揺らしながら 男性>>86が酒瓶を抱え込んで眠っていた。
お疲れなのね。
シェリーは覗いてしまったことを内心謝りつつも その扉を静かに閉めた。〕
(130) sane 2015/12/05(Sat) 20時頃
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― 午前7時40分 ―
〔こん、こん。 まどろみの中、ノック音で目を醒ました。 扉を開けると、老齢の車掌が廊下を回り 乗客を起こしていた。〕
む〜……やっと、ついた、の……
〔シェリーは眠い目をこすりながら、出る支度をする。 やがてくろがねの圧力が抜け、 劣化したプレートが見える頃 重たい荷物を提げて、スウェルグの地に降り立った。*〕
(131) sane 2015/12/05(Sat) 20時頃
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― スウェルグ駅・ホーム ―
[欠伸を噛み殺してホームへと降り立てば、ちょうど目に見えたのは>>117昨夜行動を共にした、キャロライナと呼ばれていた少女の姿。 疲れた様子も見せずに、威勢良く軽食売りとやりとりする彼女を見ながら、この旅で出会った女性は、本当にお転婆ばかりだな、と苦笑する。]
すみませーん、俺もそれ一つ!
[背後から近づきながら大きな声でそう言えば、彼女はこちらに気がついただろうか。 気づいたならば、手を振る代わりに片手の鳥籠を軽く振っただろう。 鳥籠の中の鳩は、いい加減諦めたようにされるがままだ。]
(132) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 20時半頃
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[やがて、シェリーもこちらへやってきたならば、怪我の具合はどうかと尋ねて。
あまり良くないようであれば、自分の荷物も仕事も構わず、彼女を手伝おうかとも思ったのだけれど。 こちらが何か言う前にやってきたペラジー>>123が申し出た>>124ものだから、黙っておいた。]
やあ、ペラジー、お早う。 一時はどうなるかと思ったけれど、無事にたどり着けてよかった。 ……すっごい寝不足だけど。
[ペラジーにはそう笑いかけて。]
いや、俺のはいいよ。シェリーちゃんのを頼む。 そう、今から仕事だよ。 舞台女優の会見だってさ。
[昨日の夜の出来事より、よっぽど退屈で、眠くて仕方ないだろうさ。 そう言えば、ペラジーはどんな顔をしただろうか。]
(133) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 20時半頃
|
|
鳩?ああ、揃いも揃ってご機嫌ナナメさ。寝心地が最悪だったんだろうね。
[やれやれ、といった様子で首を振れば。改めてペラジーの方へと向き直り。 >>80ラウンジで、聞けなかった言葉を彼へと尋ねる。]
……君は、これからどうするんだい?
(134) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 20時半頃
|
ペラジーは、イアンにお辞儀をした。
Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 20時半頃
|
〔風が ふわりと、潮の匂いをここまで運んできた。
靡いて邪魔になる髪を思わず手で押さえながら シェリーはスウェルグの駅構内を見渡した。
あの少年も、何事もなければ今頃は―― ……考えていても詮無いことだ。
近づいてくる軽食屋などを、「今はいいわ」と断りつつ 駅のホームを歩いていく。
トヨタの姿を見たなら、 「おはよう」と明るく挨拶をしただろう。>>129
歩くうちにペラジーと出逢うことができただろうか。 イアンの鳩が不機嫌に鳴いていたかもしれない。>>110〕
(135) sane 2015/12/05(Sat) 20時半頃
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おはよう! 私は大丈夫よ。この通り元気元気! …………うん、そうね。
〔空元気はすぐにしゅんと萎んでしまうが、 ペラジーに声をかけられ>>124 俯いていた顔をすぐにあげる〕
ちょっと引き攣るけど、もう平気よ。 えっ。うーん……悪いわ。
〔どうやら荷物を持ってくれる、という提案らしいが そこまでさせてしまうのは、と渋ると、 「宿を決めていない」という言葉が出た。
シェリーは朗らかに笑い〕
(136) sane 2015/12/05(Sat) 20時半頃
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ああ、そういうことなら、 うちに泊まればいいんだわ 大丈夫、おばあちゃんは口は悪いけど根はいいひとよ
〔そうしてイアンの手荷物の方を、といおうとしたところ、 彼が断ったので、>>131 ペラジーとイアンのやりとりのあと、 じゃあ、ちょっとお願いしてもいいかしら、と 彼に荷物を運ぶ手伝いをお願いしてみたかもしれない。〕
(137) sane 2015/12/05(Sat) 20時半頃
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―後日談―
[暫く後、サラグニッド・タイムズに。 イアン・マクイーン宛の二本のシェリー酒が届けられるだろう。
其処には、『雪燕の紳士より』と 少しキザな送り主の名前が書かれるのみ。他に手紙もなく、ともすれば不審物として捨てられるかもしれない。 そんな贈り物だった。
他に宛てはなかった。 思い出を、懐古するような、色。
年代もののシェリー酒は、 サラグニッドより離れたガ―トニアという村の銘柄。 少女の様に白い、ワインだった。**]
(138) sudati 2015/12/05(Sat) 21時頃
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[>>#4 雪燕はスウェルグへ到着し、乗客を見送るように汽笛を鳴らした。 老齢の車掌が中途半端に開いている二等車両の個室の扉をのぞけば、その座席には半分ほど中身のある酒瓶が取り残されているのを見るだろう。]
(139) es 2015/12/05(Sat) 21時頃
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[スウェルグのある宿屋に、一人の人物がやってくる。 その人は宿を求めつつ、ここらで一番近い、海を見下ろせる場所はどこかとたずねていた。]
(140) es 2015/12/05(Sat) 21時頃
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[何かが海に投げ捨てられて、とぷんと小さなしぶきがあがる。 ガラス瓶だ。中には白い何かが数粒入っている。
それは、水平線を目指すかのように波間に消えた。**]
(141) es 2015/12/05(Sat) 21時頃
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― ホーム ―
[ スウェルグ駅の風景は、サラグニッドの寒々とした>>128それとはずいぶん違っていた。 海が近いせいか、それとも暖かいせいか。 この季節でも鮮やかな色を見せる空と海と、木々の緑>>128は、まるで別世界のようだ。
「おっちゃーん、これひとつちょうだーい!」>>117 と、早速集まってきた物売りに元気な声をかけたのは、赤毛のキャロライナだった。
イアンもその後ろから、 「すみませーん、俺もそれ一つ」132 と大きな声>>132を出している。
籠に入れられた鳩は大丈夫だろうか? とペラジーは心配になった。]
(142) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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[ イアンはすぐに仕事へ向かうらしい。 「舞台女優の会見だってさ」>>133 そう説明する口調は、心底うんざりしたふう。
イアンの好奇心を刺激しないのだろう。
「……君は、これからどうするんだい?」>>134 と問われれば、正直に答えるしかない。]
まず宿を決めて仕事を探します。 私も、自分で自分の行く先を………、 人生を決めなければ。
(143) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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[ キャロラインとシェリーが近くにいるならば、彼女たちには聞こえないよう声を低める。]
アイラへ帰りたいわけではないのです。 私にとっては知らない土地なので………。
でも、ラシード王子は違いました。 ひたすらアイラを恋い焦がれて。
だから、せめて……魂なりとも帰してさしあげたい……。
[ ホームからも静かな海>>#4が見えるなら、そちらを眺めて話しただろう。]
(144) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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あっ、おはよう、だね。 えっと……イアンさん!
[鳩の人、という呼称は知らなくとも、 昨夜どんな名で呼ばれていたかはしっかり覚えていた。>>132 手……ではなく、鳥籠を振る様子に目をまあるく見開く。
――あたしが鳩だったら目を回しちゃいそうだよ!]
(145) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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[ペラジーが近付いて来れば赤毛を揺らしてぺこりと一礼。>>123]
へーきへーき。むしろ元気すぎるくらい……かな。 ホント、無事着いてよかった。話には聞いてたけどすっごくいいところ! 海は綺麗だし、……こういうのとか、 情緒ある、って言いそうじゃない?
[言いつつ指差したのは、簡素に《 Swelg 》と駅名のみが刻まれたプレート。>>#5
やがてシェリーもやってくれば、賑やかな一団が形成されることになるか。 無論見た目的にも目立つ]
(146) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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[ イアンが疑問を持っているようなら、さらに言葉を続けるだろう。]
もしかすると、私たちが知らないだけで、 アイラは独立国家ではないのかもしれません。 国際的には大国の一部にすぎず、 ために「アイラ」という地名が記されていないのかも。
………私たちは幼すぎました。
[ 左手をぎゅっと握り、]
でも、これからは………。 いつまでも知らないままではいられません。
だから、まずは働いて、生活費を稼ごうと思います。
(147) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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[やりとりを小耳にはさみながらも小腹を満たすのに余念がないのがその時のキャロライナであった。 黒髪の男の人>>129には、軽食を冷めないうちに詰め込む、 若干お行儀の悪いところを見られてしまったかもしれない。 新聞を読みながら、であったので、 お行儀の悪さ度合は三割増しだ。
そういえば街規模の新聞の一面に、 今頃は西の大陸に行ってるはずの父の名前など普通はあるはずがない、とふと気付くが。 買ってしまったものはしかたない。 丁寧に折りたたんでトランクにしまう。
キャロライナの知らいない誰かさんにとっては、 古い友人だったり、恩人だったりするかもしれないこれまた別の誰かさんの――人生の一端が詰まった紙束を]
(148) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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[ イアンが心配そうにしていれば、笑みを作り、]
そう心配しないでください。
………では、仕事を紹介していただけませんか? 読み書きはできますし、複数の外国語にも通じています。 通訳、翻訳、事務仕事………。
新聞社でもお役に立てると思いますよ?
[ 冗談めかしてそう言った。]*
(149) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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――……ああ。
[毛色の違う幾人かの集団。そのなかに、見知った少女たちを認めて]
――何時間かぶり、かな。 あんな状況で駆け出していくから、心配したんだ。
[蜂蜜と、ぬいぐるみ。前者の少女の負傷を目にして、半瞬、眉を顰めつつ]
まあ、息災ないようで、良かった。櫻子さんも、気にしていたよ。 ミス・キャロライナに、ミス・ペラジー。
[そうして、櫻子が口にしていた名を、口にする。もちろん、片方は盛大に間違っている――]
(150) migya 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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[ 朗らかに笑いながら、>>136 「うちに泊まればいいんだわ 大丈夫、おばあちゃんは口は悪いけど根はいいひとよ」>>137 と保証するシェリーの荷物を受け取ると、>>137]
ありがとう。 ………本当に、ありがとうございます。
[ 真顔になって、感謝の気持ちを伝える。 シェリーが嫌がらなければ、彼女の手を両手で握っただろう。]*
(151) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 21時半頃
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〔キャロライナが来たとわかれば、 シェリーはぱっと顔を綻ばせただろう。 新聞を読みながら軽食を食べる様子に、 「おじさんみたいよ」とちょっぴり苦笑したものの。
イアンとペラジーのひそひそ話はきこえない。 東国の紳士を見上げて、「おはよう」と挨拶した後、 彼の口から飛び出た言葉に首を傾げた。〕
さくらこ、さんに会えたのね。よかったわ。
〔結局彼がおつきの人だったのかどうかは分からずじまい〕
ペラジー君は女の子だったのね? 気づかなかったわ
〔勘違いに勘違いを重ねた。〕
私、シェリーっていうの。貴方のお名前は?
〔そんなことを聞きもしただろう。〕
(152) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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― スウェルグ、朝食の風景 ―
[ルーカス……いや、ジャンだろうか。 ともあれ、サイラスにとっては嫌味としか思えない言動に溢れているこの男は、店員に何か頼んでいた。エッグ、と聞こえたからサイラスはそのままメニューを眺めることを放棄し、窓の外に視線を投げた。 仕事に行くのだろうか、俯きながら早足で歩いていく人が見えた。 店先に花を並べている人もいる。その後姿が誰かと重なった 猫に餌をやっている少年も見えた。
そこまで眺めたところで、ようやく視線を戻し よくわからない、と首を傾げた]
仕事、 って言われても ………真っ当な仕事じゃないだろ 大体、嘘か本当かわからないなら、俺はあんたをなんて呼べばいいんだよ
(153) 茄子 2015/12/05(Sat) 22時頃
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[文句を言うも、続いて投げられた名前に、サイラスはまた小さく口をあけて、やがて下唇を噛んだ。彼女の名前を口にされたことも、それを聞いて沸いた感情も、咄嗟に答えられなかったことまで、全てが煩わしい]
……世話になった、人だよ もう会えないし 大体、関係ないだろ
[ちょうどよく運ばれてきたベーコンエッグを受け取れば、自然と視線をそらせるだろう。祈りも捧げず、金を出す気もないくせに何も言わず、そのままナイフとフォークを器用に使って食事を始める。 固めの目玉焼きは二つ。ベーコンは薄くとも脂はたっぷり。一日半ぶりの食事は、結局のところ、サイラスを夢中にさせた。 一皿食べ終わって水の入ったコップを一息に干すまでは、先への不安などはすっかり忘れることが出来た*]
(154) 茄子 2015/12/05(Sat) 22時頃
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〔ペラジーに荷物を渡したのは、 彼がイアンと話を終えた後。>>151〕
……あのぅ、重すぎ、とかだったら、遠慮なく言ってね。
〔荷物を持たせることにまだ抵抗があるのか そんな事をいって――目を見開いた。 両手で手を握られた。いつかのやりとりを思い出し〕
いいのよ! 困ったときはお互い様よ。
〔気恥ずかしさに頬を薄ら染めながらも、 にっこり笑って、その手を受け入れた。*〕
(155) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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〔ホームを出る際、〕
スウェルグに 「青いうみねこ亭」って料理屋があってね、 まあ、気が向いたら来てちょうだい。
〔キャロライナやイアン、トヨタの姿を見たなら そんなことを伝えたかもしれない。
振り返った先には仕事を終えて静かに佇む雪燕。
「ありがとう」と小さく呟いて、 シェリーはホームを後にした。*〕
(156) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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― それから ―
〔「青いうみねこ亭」
蒼い海の波音が耳に届きそうな街の一角。 鮮やかなゼラニウムやパンジーの花が、傍らで零れるように咲く扉をくぐれば、古めかしくも小奇麗な料理店がそこにはあって、白髪の少し気難しそうな女主人が、最高の笑顔を振りまいて客を出迎えてくれる。〕
おばあちゃん、ただいま!
〔そう言って、シェリーは出迎えた祖母に突進する勢いで抱きついた。 少々遅れてやってきた孫娘に、祖母は驚きながらも、口元を綻ばせる。
遅かったじゃないか。列車の旅は疲れただろう――大丈夫よ、楽しかったわ。話す事もたくさんできたの――そうかいそうかい。まあまずはお上がり……おや、そちらの人は――〕
(157) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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〔孫娘といくらかやり取りした後、ペラジーが共にやってきていたなら、彼を見て老婆は訝しげな顔をしただろう。 シェリーが幾らかの経緯を話すと、ふふんと鼻を鳴らし〕
「泊めろ、だって? また急な話だねえ。 マ、おまえに免じてこの子を信用するとして、だ。 ゆっくり朝飯でも食いながら この子とおまえの話をじっくり聞かせてもらおうじゃないか」
〔ペラジーを「この子」と呼びながら、 老婆は短い列車旅で出来た娘の友人の宿泊を許可したのだった。*〕
(158) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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ああ、おはよう。 ええ、櫻子さんとは会えました。ミス――、……、
[ペラジーは女の子? という、眼前の少女から発せられた言葉に。 東洋の微笑――ひとまず浮かべておく笑顔を貼り付けて、言葉を途切れさせ]
――ミス・シェリー、いい名ですね。 私はココノエ、トヨタ・ココノエです。
[応じて、己が名を返して]
――三十年後の辞書を探せば、そこに載っているでしょう。 世界で一番安全な、鉄道網を造り上げた――そう、歴史に名を残す予定の男ですよ。
[そう、笑顔を浮かべてみせた*]
(159) migya 2015/12/05(Sat) 22時頃
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[ 赤毛のキャロライナが目立って>>148いたせいだろうか。 車両を検分するかのようにホームを歩いていた>>129東洋系の男性が、 「――何時間かぶり、かな。 あんな状況で駆け出していくから、心配したんだ」>>150 そう声をかけてきた。
車内で1度も話したことのない彼の口から、 「ミス・ペラジー」>>150 と名を呼ばれてペラジーは困惑する。
彼の視線はシェリーに向けられていた。]
(160) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 22時頃
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ペラジーは私ですが………?
[ そう名乗るよりも早く、 「ペラジー君は女の子だったのね? 気づかなかったわ」>>152 と勘違いしたシェリーが言い出した。]
いえ、女性のペラジーをお探しなら、 別の方でしょう。
[ 人違いをしたのだろうと思い、 「トヨタ・ココノエです」>>159 と名乗る男性に困惑した視線を向ける。]
(161) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 22時頃
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[窓の外に視線を投げる彼の顔をじっと見つめて居た。 彼にとっては嫌味ったらしい男なだけかもしれない。実際、その通りの事しかしてないのだから、否定する気はないが。 少し顔を眺めてから、目線の先を追いかけた。>>153
朝を行く人々、其々の日常風景。 それを眺める彼にはどう映るのだろうか。]
まっとうな仕事っていうのが、どんなものかは知らねえが、 人には話せないな。詐欺だし。
なんだ、俺の名前を呼ぶ気があるのか。
[おかしなやつ。と笑う顔は上機嫌だ。 此方に戻った視線を見つめ返し、首を傾げる彼。 口から出てきた文句にも、よい傾向じゃねえのと構え。 先ほど盗み見た名前を口にした。 わかりやすい程の、反応。 ただ、見えた感情にはわずかに眉を顰めた。 気づかれないほどの小さな動作。]
(162) sudati 2015/12/05(Sat) 22時頃
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あ………、 あの時はごめんなさい。 ちょっといてもたってもいられなくって……
! サクラコ……、そういえばサクラコは無事―――、?
[こちらに気付いた黒髪の男の人に、 謝ったり訊きたいこと訊いたりと忙しなくしている中、 彼が呼んだ名前の片方に違和感を感じ、ペラジーの方を向く。>>150 当のペラジーも困惑している様子。>>160]
だってさ。普通にペラジー君でいいみたい。
[と、シェリーの勘違いをただし。 とりあえずな乗れば場が丸く収まると判断してシェリーに続けて名乗る]
あたしは……キャロライナ。キャロライナ・バートン。
[父親は無名の冒険家でありうんぬんはやっぱり言わなかった]
(163) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 22時頃
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世話にか。……いや、関係あるな。 俺は、サイラスと仕事がしたいんだ。 だから、こうして此処に居る。 大事な仕事仲間の交友関係は気になるだろ?
[運ばれてきたベーコンエッグを眺め>>154。 逸れた視線に息を吐き、ナイフとフォークを使い食べる様を見つめては、自身の処に置かれた海鮮たっぷりのパエリアを軽くつついた。小粒ながら海老をふんだんに乗せた、其れは程よい味で。 軽食しか食べてなかった身には、よく沁みわたり。一息に水を飲み干す彼ほどとはいかないものの。味わう間は、口を閉ざし料理を楽しんで。]
もう会えない、か。 …なあ、まっとうな仕事じゃなきゃ嫌か。 俺と組めば、少なくとも食事はある。抜かなきゃいけないときはあるけどな。…食べるの好きだろ。
[そこまで言葉を重ね。 少し考えるように、区切り。大きく息を吐いた。 どういえば良いか、考えあぐねるように。口八丁はお手のものだ。其れこそ、手を変え品を変え、れば良い。 だが、…それでは意味はないだろう。
手に持ったコップの水を一飲み、喉を潤して。]
(164) sudati 2015/12/05(Sat) 22時頃
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簡潔に言うとな。 ―――、一人は嫌なんだよ、もう。
[だから、お前を誘っている。 好ましく思えたから。シンプルな、答えだ。*]
(165) sudati 2015/12/05(Sat) 22時頃
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ああ……熱いうちに食べてこそだからね。 私の国でも、そうやってかぶりつくものはあるよ、懐かしいな。
[新聞片手に、見慣れぬ軽食を頬張る人参色の髪の少女(>>148)に、頷いて]
……んん……、
[キャロライナと、ペラジー。己で名前を交換したわけではないが、そう聞いていた。 が、それは違うという。ペラジーだと聞いていた蜂蜜の少女は、シェリーと名乗った]
……熊野櫻子という名に、心当たりは? キャロライナとペラジー、大切な友人だと……、……そう聞きましたが。
[数時間前の言葉(>>121)を思い返して、訊ねる。男だったのか]
(166) migya 2015/12/05(Sat) 22時半頃
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安全な、鉄道網……。
[雪燕は穏やかな海を湛える終点の街に着いて。 しかし昨夜の出来事は決して寝物語ではないのだ。だから気になってしまう]
その……もしも昨夜のようなことがあなたの国でも起きたら。 ……じんろう、が入り込んだら、ココノエさんはどうするつもり?
[ばけもの、という呼称を使うのは躊躇われて。 昨夜誰かが噂していた単語をうろ覚えのまま使って問う]
(167) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 22時半頃
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――キャロライナ・バートン。
[ぬいぐるみのほうの少女が、名乗った名に頷いて]
私はトヨタ・ココノエです、ミス・バートン。 櫻子さんは、ええ、もちろん……その、お元気ですよ。 急制動のときに、少し、頭を打ったくらいで。
[応じる言葉は、微妙な間が入ったかもしれない。知れず、己の頬に触れてはいた]
(168) migya 2015/12/05(Sat) 22時半頃
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〔ミス、で途切れた言葉を追うと、 紳士はなんとも言えない微笑を浮べていた。 そこにある意味も知らないシェリーは、 ただ彼を見上げて言葉の続きを待つ。
と、後ろから「ペラジーは私ですが……?」と 彼>>161の声が聞こえた。 キャロライナの訂正を聞いて漸く理解する。>>163 やっぱり男の子だったらしい。〕
そうよね。
〔まあ、外国の人からすれば色々とわかりづらいのかもしれない。顔の違いだとか、名前の違いだとか。〕
(169) sane 2015/12/05(Sat) 22時半頃
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〔そこは軽く流すことにして、 トヨタ・ココノエと名乗る紳士の言葉に、 「まぁ」とほんのり驚いてから>>159〕
お仕事、って、そういうことだったのね。 かっこいい。
じゃあ本当に貴方の名前が歴史に残るか、 三十年後に確かめることにするわ
〔そういって、 こちらは能天気にころころ笑ったのだった。*〕
(170) sane 2015/12/05(Sat) 22時半頃
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そうですね――まずは、そもそも、入り込ませない。
[キャロライナの問いには、そう応じる。
あるいはそれは、傲慢であったかもしれない。 多くの乗降客のすべてをチェックすることなど、出来やしない]
水際での阻止に全力を注ぐのは、前提です。 それでも、何がしかのことが起きたらば――、
[いまはまだ、かれの脳内にしかない構想を]
(171) migya 2015/12/05(Sat) 22時半頃
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――鉄道警察の整備は、もちろんですが。 むしろ、そう――ダメージコントロール。
たとえ、ひとつの路線が潰れても。 代替輸送が可能な近傍路線のある鉄道網が、カヴァーする。 並行して、迅速な復旧。乱れた運行予定もフレキシブルに、乗客本位に。
[鉄道を利用する乗客すべてが、予定のとおりに、予定した場所につけるように]
あとは――、……これは夢ですが。 従来の鉄道の数倍の速さで、主要都市間を結ぶ、高速鉄道――その構想を抱いていますよ。
[と、付け足しのように]
(172) migya 2015/12/05(Sat) 22時半頃
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――ええ、期待していてください。
そのときは是非、周りに自慢してやってください。知り合いだってね。 そう、そのついでに、連絡をいただけたら幸いですよ、ミス・シェリー。
[無邪気に笑う少女の手を取って、くつと笑って]
同国人に聞くところでは――こちらでは、これが別れの挨拶だとか。
[と――その手に顔寄せて、西方の騎士の真似事をしてみせる。 もちろん、同郷の少女のしたのと違って、触れることはなかったけれど]
(173) migya 2015/12/05(Sat) 23時頃
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|
― 「青いうみねこ亭」 ―
[ 海に近い街の一角に、古いながらも鉢植えの花で飾られた1軒の料理店。>>157
シェリーに続いて入っていったペラジーは、祖母らしい老女に紹介されると、微笑んで会釈する。 「じっくり聞かせてもらおうじゃないか」>>158 という老女に、どこから話すべきかを考えながら。]
まずはサラグニッド駅からでしょうか?
[ 同意を求めるようにシェリーを見た。]**
(174) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 23時頃
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|
……まっとうな仕事なら、俺もやったことないけどさ
[それだけ言って、あとは食事に没頭した。詐欺、なんてしたこともない。――そうだろうか?今まで誰も騙したことがないなんて、言えるはずもない。雪燕でも結局一度も名前を名乗らなかったし、彼女――パティにも、街を出ることを伝えなかった。どんな仕事をしているか、言ったこともなかった]
まず、一つ目
[水のおかわりを頼みながら、息をつく]
なんで、俺と仕事がしたいんだよ わけがわからない 一人が嫌なら、他にもいるだろ ……それに、俺はあんたの名前を呼ぶ気はない
二つ目。 食べるのは、好きでも嫌いでもない ……そう、死ぬ気はまだないから食べたいけれど んで、最後に
[ようやく、椅子に背を預けて顔をあげた。一人は嫌なんだ、ってどんな顔して言ったのか。見逃したことを後悔しながら]
(175) 茄子 2015/12/05(Sat) 23時頃
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……。む。 それ見た目は大丈夫だけど中身が大丈夫じゃないパターンじゃないよね? 頭打ってヘンになったりなんて……してないよね?
[なぜ、途中で言い淀んだのだろうかと思って、 浮かんだ推測をココノエ氏に問う。>>168 頬に手で触れた意味までは分からぬまま]
(176) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 23時頃
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|
[その後、問いに応じてココノエ氏が語る構想を聞いた。>>171>>172 表情は熱心そのもの。だが、どういうことかちゃんと理解できたのは最後の一部分だけ。 圧倒的に勉強が足りてない少女は、しかし]
……ってことは雪燕よりもっと早い列車をつくるつもりね! すごいじゃない! 30年後が楽しみだわ。
[そう言って目を輝かせたのだった*]
(177) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 23時頃
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最後に ………俺は、あんたを信用できる気がしない
「大事な仕事仲間」なんだろ それで いいのかよ
[きっぱり断るつもりだった。勿論今も頷くつもりはない。腹を満たす当てはこの先もないが、この男に背中を預けることなぞ出来るはずもない。
それなのに、理由はサイラスにはまだわからないけれど。 問いに対する答えを、期待していた。 信用できないと言いつつも、一人が嫌だなんて、笑い飛ばしてやることも出来た台詞を、すんなりと受け止めてしまったのがいけないのかもしれない。
知らぬ土地に一人立つにはまだ、覚悟が足りていないのだ*]
(178) 茄子 2015/12/05(Sat) 23時頃
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―人参色の少女との、閑話―
頭を打って……、まさか、そういう……?
[キャロライナの疑義>>176を、否定は出来なかった。 なんといっても、解体されたとはいえ、熊野財閥のご令嬢である。
――それが、しがない公務員に、あんなことを。確かに、その可能性は否定できない――]
…………それは、判らない。
[誤解を招きかねない表情と声で、そう応じたのだった――]
(179) migya 2015/12/05(Sat) 23時頃
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|
……ふふ。
[またいずれ>>121、と九重は言った。 だから、これが本当のお別れじゃない。 未だ感触の残った唇を指でなぞって、微笑んだ]
さて、こんなものかしら。
[自室で荷物の整理をしていた櫻子は、 バッグを持って立ち上がる。 いよいよ雪燕とはお別れだ]
(180) gurik0 2015/12/05(Sat) 23時頃
|
|
もちろん――、夜行の必要がないほど、早い列車をね。
[目を輝かす異国の少女>>177に、頷いて]
――なんなら、開通式に、招待しましょうか。
30年後には、そのくらいの立場には、いるつもりですからね――、
[笑って、そう応じた。その大言壮語が、どうなったかは――*]
(181) migya 2015/12/05(Sat) 23時頃
|
|
[自室から出た所で、ルーカスの部屋が目に入った。 こんこん、とノックをした。返事はない]
……もう降りてしまわれたのかしら。
[結局。捨て置かれたシルクハット>>4:130に気付くことはなく、櫻子はその場を去った。車掌室にいなかったのだ。きっと兄に似たあのお方も無事だったのだろう、と]
あら、この香りは。
[列車から降りると、潮の匂いが鼻腔を擽った。 兄と過ごした故郷の屋敷から見える海と、同じ香り]
まずはお付きの方と合流しないといけませんわね。
[櫻子の兄探しの旅はまだ終わらない。 むしろ始まったばかりだった*]
(182) gurik0 2015/12/05(Sat) 23時頃
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― 十年後 ―
[専務、社長からお電話が。秘書が短く告げた]
まあ、お兄様から?
[電話を取ると、まだ年若い専務は上品に微笑んだ]
もう、お兄様ったら。最近、連絡をくださらないのだから。 櫻子は心配しておりましたのよ。 ちゃんとご飯は食べておりますの? もちろん夜更かしはしておりませんわよね?
[矢継ぎ早の質問に、電話の向こうの相手が苦笑したのが分かった。櫻子ももう人妻になったのだから、俺なんかのことに構ってくれるなよ。冗談めかして言われれば、口を尖らせただろうか]
まあ、それもそうですけれど……。
[結婚したって何だって。兄はいつまでも兄なのだ]
(183) gurik0 2015/12/05(Sat) 23時頃
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ああ、そう言えば。 例のスポンサーの件、許可していただいて嬉しいですわ。
[すっと顔を引き締めて、仕事モード]
なにしろ、世界的な冒険家の後援ですもの。 スポンサー企業として名を連ねれば、 必ずや我が社にプラスとなると思いますわ。
[櫻子の手元には、「冒険家バートン、世界最高峰に挑戦」という新聞記事が置かれている]
(184) gurik0 2015/12/05(Sat) 23時頃
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ええと、お兄様の方のご用件は……? あら、海外の新聞社からの取材ですの。
[若き女実業家、各社からの取材の問い合わせは多い。 しかし、その新聞社と記者の名前を聞けば、 櫻子は微かに顔を綻ばせるだろう]
サラグニッド・タイムズ……? 分かりましたわ。お受けするとお伝えして。
[スウェルグ駅の潮の香りがした気がした。 あの一夜の旅は、今も櫻子の心の中に残っている*]
(185) gurik0 2015/12/05(Sat) 23時頃
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―XX年後―
――……ここまで、来たか。
[打ち上げられた花火が、真昼の空に、白煙を撒き散らしている。 国内の、新都と旧都をわずかな時間で結ぶ、高速鉄道の開通式である]
……ああ、久しぶりだね。 まあ、取材でもなんでも、好きにしていくといい――、
[個人的に招いた来賓の人々を、迎えて。 国家鉄道局の長たる男は、外国からの客に、純粋な笑顔を向けた――*]
(186) migya 2015/12/05(Sat) 23時頃
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[まっとうな仕事なら、俺もしたことがない。>>175 そう言う彼に少しばかり苦笑を浮かべてしまった。 身なりを見れば、それくらいは分かる、だが、決定的なまでに自分と彼は違って見え。だからこそ彼に問いかけたのだが。食事に没頭する彼にならい此方も食べることに集中し。]
……ん?なんでって? お前とだったら、面白いだろうなって思えたから。 どうせやるなら楽しい方が良いだろ? なんだ、残念。俺は呼んで欲しいんだけどな。
[息をつく彼に。返す言葉。 一人は嫌、と言ったときの顔を見られなかった事に少しだけ安堵していた。たぶん、情けない顔をしていた。誰にも見せたことのないような、妹の前でも無論。]
うまそうに、食べてた癖に。
[死ぬ気がない。という言葉にそれなら良かった。と、笑う顔は、ルーカスの其れとは随分と違っている。此方が素なのだが。漸くと上がった顔を見返して。]
(187) sudati 2015/12/05(Sat) 23時頃
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信用なんて、必要ねえだろ?今は。 そんなもの後から、ついてくるもんだ。
……俺は、それで良いと思っている。 他の奴じゃなくて、お前が良いともな。
[きっぱり断られていたら、どうしただろうか。あまり想像したくないな。と思った。頷くつもりのないだろう言葉。だが、其れでも良かった。信用なんてされないような人生を送ってきた。
人を騙す事ばかり上手くなって。其れで、操ることを巧みになったと思う。ただ一人は、それでも嫌なのだ。……痛む胸に。顔を膝つく腕で、隠しては、色眼鏡の下。]
だからよ、今は答えは保留で良いからさ。 …少しだけ、話相手で居てくれよ。
ルーカスじゃなくて、俺の、さ。
[兄でもなく、貴公子然とした男のでもなく。]
(188) sudati 2015/12/05(Sat) 23時頃
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ジャンは、本名だ。
[他は、持って生まれなかった。*]
(189) sudati 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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― 数日後 ―
[ 「青いうみねこ亭」に落ち着き、仕事を紹介されたころだろうか。
ペラジーはスウェルグの街を歩いていた。 ――ポスターで見かけたレモンの木を探して。
特徴的な黄色い実をつけていなくても、記憶の中にあるその姿を見誤ることはないだろう。 周囲を見回しながら、穏やかな海へ歩いていく彼の横顔に浮かんでいたのは、]
(190) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[ 過去への郷愁か、
それとも未来への………。]**
(191) Hallucigenia 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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わかったわ。 その時は、皆に自慢しちゃう。
[手をとられたので、きょとんとして彼を見上げた。] [それから、彼がしたことにはびくりと体を固まらせて あわあわと取られた手の指先を屈めもした。]
……もう!
[恥ずかしいやら、なにやらで半ば怒りながら するりと手を引くと 複雑そうな面持ちで彼を見ては]
お元気でね。
[そういって、”西洋式”の挨拶を ――きちんとした作法で――返したことだろう。>>173*]
(192) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[>>143ペラジーへの問いかけは、意外にもあっさりと返ってきた。 人生を決めなければ。 そう言った彼の決意の表情に、安堵し、笑う。 少し小さくなった声で続く言葉>>144>>147には、彼の様々な思惑が詰まっていた。 彼の故郷、見知らぬ異郷の地、アイラ。 胸が熱くなるのは、きっと好奇心のためだけではないだろう。
そこは大切な友人と、その友人の大切な人が、探し求める場所。]
……君の大切な人のためなら、それはきっと叶えないと、ね。
[彼が選んだ旅路は、大変な道のりになるのだと思う。 少し心配そうな目で見れば、そんな視線に気づいたのか、彼はやがて言葉を続けた。 その言葉に、心配げな顔はやがてにやりとした笑みへと変わる。]
(193) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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― 青いうみねこ亭 ―
[柔らかな微笑みと会釈に、 シェリーの祖母も気をよくしたようで>>174 おいしい朝飯をつくるから待ってなさい、と やる気のよう。
ペラジーに問いかけられたシェリーは]
そうね。まずは、そこから話しましょう。
[雪燕に乗るまで。乗ってから。 その短くも濃密な時間を語っていきましょう、と 彼の言葉に同意した。>>174]*
(194) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[教養、マナー、言語能力、そして行動力。出会ってからの彼の言動を振り返る。 ……成る程、どれをとっても、働くには申し分ない。 彼の旅路の行く先を考えても、それは至極理にかなっているものに思えた。]
……なかなか、厳しいよ?
[ニタニタと、少しだけ底意地の悪い笑みを浮かべながら。 丁度先日、編集長から言われた言葉を思い出す。 『一人であちこち走り回ってないで、お前もいい加減地方にアシスタントの一人や二人でも置いてみたらどうだ』
――ペラジーがそれでもいいと言うのならば、彼は今日、今すぐにでも記者見習いだ。]
(195) yuj1n. 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[仕事に楽しさを見出したことはない。 苦しみしかなかったから、ルーカス――否、ジャンの答えに空になった皿を見つめる瞳が揺れた。 食べることにも、そう。楽しみも、こちらは苦しみも感じたことはなかった。けれど、不思議と今のベーコンエッグは美味しかった。空腹のせいだけではないのだろうか]
……美味いものは美味いんだよ
[そう、減らず口を叩いて、視線を合わせる。
目の前の、この男は誰だろう。 改めて、サイラスは不思議に思う。 初めて顔を見た気すらした。
話相手、なんて口下手だから無理。そう言おうと開いた口はすぐにまた閉じられる。それで良かった。「ルーカスじゃなくて…」そう、口にした男の顔をちゃんと、見れたから]
(196) 茄子 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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………ジャン、 えっと
[名前を呼ぶのは、特にこの名前を呼ぶのは複雑で、サイラスはすぐに後悔を表情に表して、また視線を窓に逃げさせる。 少し目を離しただけで、人の数は倍ほどにもなっていた]
……よく、わかんねーけど
[迷った右手の指が、下唇をつまんですぐに離した。 目の前に来た自分の手指を、掌を見つめて、言葉を探す]
あんた、って 思ったより普通、なんだな
[余裕なんか、やっぱりなさそうで、それはサイラスと一緒なのに。欲しいものを自覚して、ちゃんと手を伸ばせる――欲しいもの。それは、今はつまり自分だろうか。そう、思い至って、また言葉を無くした。 ただ、今の言葉に先ほどまでの刺々しさが薄れていることは伝わっているといい。薄れているだけで、けしてなくなったわけではないけれど*]
(197) 茄子 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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『きょうは おみせがおやすみです。 いいてんきだから おばあちゃんといっしょに おでかけができます。
かえりに おいしい おかしをかってもらうんだ』
(198) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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― エピローグ ―
[キィ、と扉が開く音。 からん、とベルが鳴る音。 こつん、と杖を突く音。 かちゃり、鍵を閉めた音。
陽射しが柔らかに差し込む店の中。
「いくよ」
老女は静かな声で 二階の居住スペースに居る人に声をかけた。
「はぁい」と返事をして日記を閉じた少女が駆けてくる。 丸い目に、柔らかな茶髪が印象的な少女だ。
少女が掌を差し出すと、 小さな手を皺くちゃの手が握り返した。*]
(199) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[記念公園の一角に、それは安置されていた。]
「おばあちゃん、ここがおばあちゃんの来たかったところ?」 「そうよ」
[そう答えた老女の視線の先には、 黒い古びた車体がある。 かつては黒く光っていたボディも、今は煤けて、 老兵のような趣をかもし出している。]
「今の列車と全然ちがうね、おばあちゃん」
「そうね。私はこれに乗って来たのよ。 この重そうな体が、 たくさんの人を乗せて、寒い中を走ったものよ 走るときに鳥のように囀りもしたわ。」
(200) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[老女は懐かしそうに車体を見上げながら言う。]
[たった一晩の旅でも、沢山の出会いが詰まっていたと。 リコリスのような赤毛の少女に、 人の好いやさしい青年。 気立ての良い紳士は、 老女の実家でとある酒を購入してくれたそうだが、 その後の行方がわからなかった。
東国の紳士に、異国のどこか寂しげな少年。 金髪の物憂げな青年。 それから――…………]
「スウェルグでもいろんなことがあった筈だけど…… どうしてかしらね。 何十年経った今も、たまに夢に見るのよ。 あの列車の旅を」
[そういってガーベラの花束を列車の傍に添えた。 海風が深く皺の刻まれた顔を撫でていった。]
(201) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[瞬きを一つ、二つ。 老女は少女の方に向き直り、笑顔で言う。]
「帰りましょうか。 途中でおやつを買ってあげる。 それで、暖めたミルクに蜂蜜をいれたのと一緒に頂きましょう」
「わぁい!」
[喜ぶ少女の手を引いて、
「雪燕」に一礼すると、その場を去った。*]
(202) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[家に帰り着いた少女は、 ポストの中に封筒が投函されているのを見つけた。
指輪などが詰められた小さなオルゴールを 鳴らしては撫でている老女にそれを渡す。
老女は差出人欄をしげしげと眺めると]
あら、あら。
[ふふ、と微笑んで、懐かしげにその名前をなぞった。 差出人は――。 **]
(203) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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― スウェルグ・12:46 ―
[シェリーが口にしていた「おばあちゃん」という言葉に、>>137 家族のことを思いだしていた。今や連絡先も謎の父親のことを。
あの、青く広がる海の、ずっとずっとずーーーっと西の向こうに大陸があるのだとしたら。 眼前の、凪いで穏やかな海に手紙を流せば、 ずっとずっとずーーーっと西の向こうの大陸まで届くのだろうか]
届いたとしたって。 親父が受け取れるかどうかわかんないじゃん。海沿いにいるかどうかだって……。
[しかしどうしてだろうか。この考えを無碍にできないのは]
(204) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[結局、「青いうみねこ亭」に行く道中でレターセットを買った。 空のボトルは……なかったので、行く先で融通してもらうことを考えなければ。 料理屋なら望みは高そうだけれど。
きっと、キャロライナはこれからもずっと、 整った道、誰かが敷いたレールの上を走る、 そんな“旅”しかしないだろう。
30年後はおろか、もっと近い未来の10年後だってまだわからないけれど。 それだけは確実だろうと。
だから、届くか分からない手紙を海に向けて流すことが、 キャロライナ・バートンにとって最初で最後の“冒険”になる]
(205) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[冒険譚に相応しく、長い手紙になりそうだ。
惜しむらくは――― 軽快なる線路上の雪燕の鳴き声を、 ボトルに封じ込められないこと。それくらい**]
(206) Akatsuki-sm 2015/12/06(Sun) 00時頃
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[何処か遠くで、女の啜り泣く声がする] [幾つも立った十字架の前、女は男に肩を支えられ] [真新しい吊り橋をキシキシと鳴らしながら、そこを去る] [中程で一度、振り返るが、視界は既に深い霧の中] [悪夢から覚めた微睡みの瞬間の様に] [その霧は重く、そして曖昧だった]
(207) 通雨 2015/12/06(Sun) 00時頃
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[空になった皿。何もない。>>196 何を彼は思うのだろうか。自分勝手な考えを口にしているだけだ。だが、他の言葉は思いつかない。詐欺師が笑わせる、ただ、食事はおいしかったから。
彼と食べる食事は、おいしいと思う。 減らず口を叩く彼が、視線を合わせてくれたのが嬉しいから。
此方を見る目が、不思議そうに光って見えた。 彼の眼に映る俺は、誰だろうか。 開かれた唇が、言葉を発さず、また閉じられる。 待つ、時間が酷く長く感じられた。]
……早速名前を呼んでいるじゃねえか。
[思わず、ふきかけ。複雑そうな彼にそうちゃちゃを入れる。余裕ない自分を隠すため。追いかける視線の先には増えた人。倍に膨れ上がった彼らは何処か目的地があるのだろうか。……
迷う、仕草。言葉を探す、顔。 それをじっと見つめ。]
(208) sudati 2015/12/06(Sun) 00時頃
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……当たり前だろ?、余裕なんて見せかけだ。
[言葉は一度詰まった。 とげとげしさが薄れた、今は其れだけでもよいから。 唇に浮かべた笑みは何処か、穏やかに。安堵の色を浮かべて、伝票を持って立ち上がる。]
もう少し、…付き合えよ。
[行先は決まってない。 妹に会う為に乗った列車を自分は途中下車したのだから。 だから、もう少しは、…もう少しじゃない。 それでも、良いだろうと彼の肩を叩いて。 頭を乱暴に撫でては―――行こうぜ。と促した**。]
(209) sudati 2015/12/06(Sun) 00時頃
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― 後日 サラグニッド・タイムズ編集部 ―
[サラグニッド・タイムズ新聞社は、今日も今日とて忙しない。
流れるように動き続けるオフィスの仲間達を眺めながら、イアンは「青いうみねこ亭」へと掛けた電話を切った。 内容は、つい先程、>>138自分宛てに届いた小包のうちの一本を送る旨。
『雪燕の紳士より』 住所も無しに書かれた気障な宛名に、してやられたと頭を抱えたのは一時間前ほどのこと。 また、彼に貸しができてしまった。 次にどこかで会ったときには、今度こそ酒を奢らなければ。
編集部は今日も騒がしい。 遠い異国の鉄道計画の話や、或る冒険家の話、最近話題の詐欺師の噂のあれやこれや。 騒然とする編集部の片隅で、デスクに戻ったイアンは原稿用紙との睨み合いを再開する。
担当するコラムの締切は今日。その書き出しを決めるため。 悩んだ末に、やがて彼は万年筆を走らせた。]
(210) yuj1n. 2015/12/06(Sun) 00時頃
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[雪燕は、今日も誰かの旅路をひた走る――――]
(211) yuj1n. 2015/12/06(Sun) 00時頃
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[「余裕なんて見せかけ」 その言葉の前、あいた間には気づかずに、ただ、そう――安堵した。見せかけでも余裕を演じることの出来ない自分を、今は惨めに思うこともなく。 ただ、普通の男が、普通に一人を寂しく思って人を恋しがる。 普通のこと。 サイラスにとっても、自然なこと。
急に肩が軽くなったような気がした。何も減ってはいないのに、鞄を持つ人数が増えたような、そんな心地だ。
立ち上がったジャンを見上げる。 にやついていない普通の笑みを、ただ見上げて、それにまた何故か安堵したから、髪を混ぜる手を跳ね除けないでおいた]
(212) 茄子 2015/12/06(Sun) 00時頃
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……ん、着いてくよ あんたが、俺の話し相手になるんだからな
[そう言って、新たな一歩を、踏み出そう]
(213) 茄子 2015/12/06(Sun) 00時頃
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