191 忘却の箱
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狼
墓
少
霊
全
きみは自らの正体を知った。さあ、村人なら敵である人狼を退治しよう。人狼なら……狡猾に振る舞って人間たちを確実に仕留めていくのだ。
どうやらこの中には、村人が10人、首無騎士が1人いるようだ。
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皆さまお集まりありがとうございます。えー、ごほん。 この催し物、しっかりと楽しんでくださいませ。
…何があっても、文句は言いませんよう、ご了承くださいませ。
(0) 2014/09/02(Tue) 00時頃
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…おはよう、雪の女王様
[降り積もる雪の上で、頭に冠を載せ 佇む女性のいる光景が脳裏をかすめる
頭に載せた冠は真っ白な花を咲かせていて 吹雪に混じって、花弁がとめどなく吹きこぼれ 雪片なのか、花弁なのかわからない有様で
纏いし白い服は裾が風にはためき 包まれた身体は枯れ枝のようにか細く儚い
──それは一体、誰だっただろう?]
(1) 2014/09/02(Tue) 00時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/02(Tue) 00時頃
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[「偉い」>>0:80その言葉が何故だかとても嬉しくて、破顔する。
そして、ゆるやかな、穏やかな、時間。 こうしていると、幸せしかないような気がする。 …しばらく、そうして、男と女性と。 いっしょに食事をする、そんな 「しあわせな時間」を過ごして。]
…ごちそうさまっ。
[手を、合わせる。そうして、他の二人がまだそこに残っていたなら、ぺこっと一礼して、立ち上がった。 もし、呼び止められたならば応じたろうし、特に誰も用がないのであれば、そのまま廊下に出ただろう。**]
(2) 2014/09/02(Tue) 00時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/02(Tue) 00時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/02(Tue) 00時半頃
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…ご機嫌よう
[書庫への道中、すれ違う誰かに挨拶する
見知った顔のような気もしたが やはり、思い出すことは叶わず
挨拶以外の言葉をかけられれば それなりの受け答えはしただろうが
あまり、長くは保たなかっただろう
どこからともなく漂う音楽は>>0:44>>0:45 まだ、鳴り響いていただろうか? それとも、すでに止んでいただろうか?
しかし、書庫まで辿り着いた時には それを聴いていたことすらも、忘却の彼方に消えていた
ただ、左手首の花弁が一層赤みを増すばかり*]
(3) 2014/09/02(Tue) 01時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/02(Tue) 01時頃
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[屈託のない笑顔>>2 夏の日の太陽のような明るさ。 自然と口元が緩んでいたことは、誰からか指摘されなければ気付かなかっただろう。]
……ご馳走。
[手を合わせる少女に倣うように、男も小さな音をパシリ、と鳴らして両手を重ねる。
小さな身体が礼儀良くお辞儀する姿を見たのなら、軽く手のひらを左右に泳がして。 何処かへ向かおうとするのなら止めずに見送っただろう。
もし、二人が会話を続けるようなら、「混ぜてくれてありがと」と礼をして、トレイを片手に後片付けをしようと席を立ったか。
その時、呼び止められたのなら、一言二言、言葉を交わしただろう。*]
(4) 2014/09/02(Tue) 01時半頃
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[食器を見下ろせば、つるりとした器は、“天敵”を排除したことを示しており。 男の気分に呼応するように花が揺れている様子も ボンヤリと映していた。]
──…。
[胸の表面がざらりと疼く。 空の胸元に手をあてると、音が聞こえる。 ──どくり。心臓は、動いている。*]
……こんなところでも。花は、咲くんだな。
[誰にともなく呟いて。ぐしゃりと、歪むのは一瞬。
その後、食器を片付けることが出来たのなら。 頭をぺこりとだけ下げて廊下へ出たか。 傍に誰かいたのなら共に。誰もいなかったのなら一人で。
出入り口に行きすがら、もし人がいたのなら軽く会釈したか。 そこでも言葉を交えたか。一人であったか。 廊下に片足を踏み入れるまで、どのように過ごしたのだったか。]
(5) 2014/09/02(Tue) 01時半頃
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―廊下―
―――……
[ 沈黙。
男は瞼を伏せたまま、音の余韻に浸っていた。 飽きもせず繰り返したフレーズは一体、何処の誰まで届いただろう。 ご飯を食べてから書庫に行くまでの間に、何処かの少女>>3が演奏を聴いていたかなんて知る由もない。
観客と呼べる観客のいない箱の中では白い壁と低い天井が旋律の存在を運んでくれる。 ――この音が誰かの耳に届いて、何かを感じてくれればいい。
瞼の裏には、目的地までの足取りを止めたまま路上で演奏を聴いてくれた、かつての観客の姿。 芸を終えた男に、拍手を。 両腕を広げてお辞儀をする。]
Grazie………またのお越しを…
(6) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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―最上階・天窓の下―
[どれくらいの時、ぼんやりと日光に晒されていただろう。 別段、全身で浴びる必要は無い。 …そもそもにして、"これ"に日光が必要なのかさえ、定かではないのだが。]
さぁて。こんなものかな。
[天に向け真っ直ぐ伸ばしていた左腕、 その先にあるのものは ―――紫色の花、花、花。 左手は種々の花に覆われていて、既に元の形も見えないほど。]
今日咲いてくれた君は、アリウムだね。 …嗚呼、わかっているよ。君達の主張はいつだって正しいさ。
優しい子だ。 きっと君が失くしてくれた記憶は、………。
(7) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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[目を開ければ、そこには白い床と空っぽの袖があった。 緩慢な動きで伸びをすると、ようやく男の鼻にも冷めかけの料理の薫りがたどり着く。]
あれっ、もうそんな時間? 朝食の時間…うわ、もう大分過ぎてる… それも…まぁよし、かな!
[時間が経つのを忘れる程集中出来たということ。 男はポジティブだった。
ベンチの下から空っぽのケースを右足で引き摺り出して、アコーディオンをしまい*始めた。*]
(8) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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[――花が咲いた。 それは即ち、記憶を、思い出を一つ失ったことを意味する。 ただそれがどんなものだったか、当人が確と知ることはできないのだけれど。]
苦しい記憶は、悲しい色に。 優しい記憶は、暖かい色に。
みんなで色々研究したのにね。 …君達についてわかったことと言えば、それくらい。
[自分の生きた証を残そうとする患者の日記から、 彼らの記憶を取り戻そうと必死な縁者の会話から。 様々な"要素"から研究者達が割り出したのは、そんなこと。]
(9) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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[しかしそれすらも、酷く曖昧な定義でしかなく。 その色がどういう意味を持つのか正確に知る人など、 当人を除いて――否、当人さえも。誰一人としていないのだ。
……だから。 花が咲いた時は、該当の記憶は花言葉に肖ろうと決めている。]
紫色の花は、もういいかなぁ。 次は、青がいい。手首から、この辺まで、さ。
[つぅ、と左腕をなぞって。 もちろんそんな我儘、聞き入れてもらえたことはないけれど。]
(10) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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[ちらり、時計を見れば朝食も仕舞いの時間だろうか。 いただきますの挨拶もせず、近くのトレイを手繰り寄せては淡々と口に食事を運ぶ。
特に味わうでもなく、黙々と詰め込む。 その機械的な動作は、実験の合間を縫って栄養を補給する行為に似ていて。
――今はもう、殆ど記憶に残っていない研究所での日々。 けれど習慣だけは、抜けずに残っているようだった。]
(11) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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――……いたよ。
[何が、とも誰が、とも言わず。 視線はあらぬ方へ向けたまま、ぽつん、と声が落ちる。それが独り言>>1:83への答え合わせだとは当の男は気付かなかったかもしれないが。 いずれにせよ、それ以上を問われたところでシーシャに応じる気は無いらしく、ふいと顔を背けると、手近な棚を物色し始めた。]
あー…この辺にあったよなァ、確か… 『忘れても結構ですが』、じゃねぇよ新入り。ふざけんな。 「俺は」、「ひとりも」、「忘れてない」。……あった。
[不愉快そうに顔を顰め、棚から太めのマジックペンらしきものを引っ張り出す。 古びたウェディングドレスを前に立ち尽くすズリエルへと大股で近付くと、ペンのキャップを外して、それからやや乱暴に男の患者服のシャツをぐいと引いた。]
(12) 2014/09/02(Tue) 02時頃
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[勿忘草病の患者は毎日、何かしらの記憶を失って生きている。 欠落する物事やタイミングは人それぞれだ。
――飛び石のような、記憶の欠片を辿って。
自分がこの病に対する熱心な研究者であったことは、手元に残る日記からも容易に知ることができる。 どうやらここへ来てそれなりに時間が経っているらしいことも。
確実に病は侵攻し、日々大切な何かを手放していることを実感もする。
……けれど。だけれども。それでも。 どうしても、本当に忘れたい記憶がまだ、まだ、まだ、]
(13) 2014/09/02(Tue) 02時半頃
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………。ふう。
[物思いから覚めるように、小さく首を振って。
大丈夫。きっとそのうち、忘れることができる。 何故ならそういう病なのだから。 このアリウムだって、きっと悲しい何かが具現化したものだろう。]
よし、栄養補給完了。 今日は誰に会って、何の実験をしようか…?
(14) 2014/09/02(Tue) 02時半頃
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[左腕をぶらりと下げて、足取り軽く階下へ向かう。]
…忘れるっていうのは、本当に素晴らしい。 毎日が新鮮だ。 全てが僕の探究心を擽るわけだからね。
[鳴り止んでしまった懐かしい曲>>6を引き継いで、 鼻唄混じりに白衣の裾をはためかせ。
丁重な礼と共に食器類を返却し、足の赴くはマーチェの元。 行く先で誰かと出会うこともあろうか。 声をかける者あれば、一緒にどうかと誘いをかけよう。]**
(15) 2014/09/02(Tue) 02時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/09/02(Tue) 03時頃
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[黄と青が混じり合うパレット。 鮮やかな緑の中、色とりどりの花弁が舞うキャンバス。 窓の外、白い風に靡く花たちを切り取った風景。 華やかで美しく、そして儚い、箱庭の。
左手が握る筆は淀みなく、 けれどどこかぎこちなくもあった。
皺がれた右手に絡まる細い蔓。 症状が進行し、養分を吸い上げられすぎたのか。 いつからか思うように動かなくなった、右手の指先。
皺がれた浅黒い枯れ木には 今朝咲いたばかりの黄色の花が、ゆらり、ゆらり。]
(16) 2014/09/02(Tue) 03時頃
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――……おや、
[ふわり、と男の鼻を掠めるのは香ばしい匂い。 いつの間にか止んでいる旋律に顔を上げ。 時を刻む針の、微かな音に視線は壁へ。]
もうこんな時間かい。
[傍らに筆とパレットを置く。 椅子から立ち上がれば、トントンと左手で腰を叩き 小さく伸びをして、扉を開いて廊下へと。**]
(17) 2014/09/02(Tue) 03時頃
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本草方士 麻雀は、メモを貼った。
2014/09/02(Tue) 03時頃
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────悪ィな新入り、洗礼だ。
[にや、と口元を歪めて。 引っ張られ伸ばされたシャツの腹の辺りに右手が伸びる。 ズリエルがその意図に気付いたかは分からないが、制止よりも素早くその手のマジックペンがシャツを撫でた。
スペルは?合ってるかよ? 質問の形を取りつつも、一切手を止めずに、大きく、刻まれる名前。Z、U、R、I、E、L、……ピタリ、と動きが止まり。ペン先が離れて行く。]
(18) 2014/09/02(Tue) 03時頃
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[何処か満足気な表情で、青年はニ、三歩後ろに下がった。 幸い、目の前の男が被っていたタオルは、廊下に居た時よりも浅く、ちゃんと目元が覗いている。
ズリエルの顔と、腹の辺りに大きく名前の入ったシャツごと視界に収めて。──きっかり、五秒。見詰める、と言うよりは、凝視に近い。
カシャリ、と、シーシャの頭の中だけで、軽快に響くシャッター音。 だいじょうぶ。 これで、これがあるうちは、聴こえるうちは、大丈夫なんだ。]
……おし。これで、バッチリ。 オマエが忘れても、オレはオマエの顔も名前も忘れねえよ。
[忘れたら教えてやるよ。 言って破顔した青年の意図など分かりようもない男は、どう反応したものか。 満足したらしいシーシャは、引き留められでもしなければ、じゃあなと片手を上げてさっさと踵を返しそうなものであったが。]**
(19) 2014/09/02(Tue) 03時頃
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─廊下─
[何処かひんやりとした廊下に影を落とす。 男の足より少し大きなスリッパは、歩く度に、パカパカと暢気な音を立てていたことだろう。]
………何、しよう。
[パカ。 一度立ち止まり思案。 その頃だっただろうか。 食堂へ行きすがら、耳にしていた旋律>>0:44>>0:45が途絶えてしまったのは>>6]
………。
[──勿体無い。 音が鳴っていた場所を睨むように視線を送る。 何故そのように思うのかは分からない。すっかり気薄になってしまった心は、それがどういった感情から湧き上がっているのかも、よく分からず─…。]
(20) 2014/09/02(Tue) 11時半頃
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………あれ、鳴るかな。
[そこで思い出すのは、少し埃を被ってしまった赤いストラト。 気付いた時からそれは置いてあって、気付けば触れていた、あれ。
今ではどのようにして音を奏でていたのかも、ボンヤリと曖昧ではある、のだが。]
…………。
[手のひらをひっくり返す。 左手の指は、右手と比べて厚く。 たまに豆のようなものが残っている。
それが弦に触れていたから出来たもの、であることさえ分からない。 だが、その傷痕こそが。 ……何ものにも変えられない、尊いものなのだと、そのことは曖昧に理解はできて。
気付けば足の行き先は自分の部屋へ。 途中、誰かとすれ違ったのなら小さく挨拶をしただろう。]
(21) 2014/09/02(Tue) 11時半頃
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―廊下―
[ カチリ。 アコーディオンの箱の鍵が閉まる。
箱の側面から伸びているベルトを右肩に引っ掛けて、持ち上げた。 ギシリとベルトが鳴くと共に、上半身のバランスが左に傾く。]
さて……行こう
[左に重心を傾かせながら、男は食堂に向かう。*]
(22) 2014/09/02(Tue) 12時半頃
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[食堂へ向かう道中。 反対側から近づいてくるスリッパの音>>21が聞こえた。]
や、サミュエル
[すれ違い様、何度か会った事のある知り合いに微笑み掛ける。 手を振ろうと左腕を――…あ、無かったんだ、忘れていた。
少し気まずそうに逸らした視線は、無意識のうちに彼の左手へ。 右手と見比べると、指の形が少し異なっているようだ。マメもある。 そういえば、彼は楽器をやっていたっけ。 記憶を掘り返す為に暫く凝視していたものだから、もしかしたら相手も視線に気がついたかもしれない。
相手が軽い挨拶がてら立ち止まってくれたのなら、音楽談義花を咲かせる*つもり。*]
(23) 2014/09/02(Tue) 12時半頃
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─廊下─
[自室への距離は、どれくらいのものだっただろう。 磨かれたリノリウムの床は、男には綺麗過ぎるように映り。 無意識の内に視線は、うろうろと彷徨う。
そんな矢先であったか。声>>23をかけられたのは。]
………どーも。
[15度にも満たない角度で会釈。 一瞬誰だったか。悩んだ視線は彼の右肩へと向かい、合点。]
…あの音は あんた?
[食堂で朝食を貰いに向かう途中だったか。 病院内に流れていた旋律と、彼の右肩にかけられた箱を見て尋ねてみようと。]
(24) 2014/09/02(Tue) 14時頃
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[その前か後ろか。微笑んでいた彼が不意に視線を逸らしてしまったのは。 不思議に思い、後を追った先。 やがてその終着点が自身の左指だと気付く。
ああ、そう言えば。端々に飛び散った記憶の欠片を手繰り寄せて。 彼は左腕が無かったのだっけ。浮かび上がる情報を捉えれば、左手をひらりと軽く振って。]
まだ豆から花は咲いてない。 ………そういう豆じゃないけど。
[機微のあまり見られない表情のまま、冗談をひとつ。]
………笑うところ。
[俯き加減に付け足せば、ちらりと“左腕があっただろう”場所に視線を向けて。少し立ち話でもと、足を止めてみた。]
(25) 2014/09/02(Tue) 14時頃
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[––––––いたよ。 え、と問い返す様に頭だけで振り返るが 部屋に鼠かゴキブリでも居たのか、これを着た人間が居たのか。 当の本人は素知らぬ顔で棚を漁り始めたので、開きかけた口を閉じて見守った。 小さな刺のある声が、強調する様に、言い聞かせる様に、部屋に鼓膜に反響する。 引き出しに指先をかけた左腕には、包帯。この男も患者には違いないのに。 思いつドレスに向き直ろうとした時…何かの蓋が開く音。今度は着ていたシャツを、]
あ……ペ、え、あっちょっとそれ太、油性!?
[通常の筆記には使われそうにも無いマジックペン。 制止も叶わずあれよあれよと言ううちに白地に黒が、スペルが、刻まれて行く。 解放されて見下ろせば、腹の辺りに逆さまの名前。勝手に、書かれた? これは。枯れた声で問おうとすればまんじり、しっかり、凝視され。瞳の奥に、吸い込まれる。 ぽかんと開いた口からは凶悪な歯も見えていたやもしれないが、シーシャは、何故か、笑った。
忘れねえ、忘れたら、教えてやる。 俺は、ひとりも、忘れてない。
満足げな男の言葉を反芻しつつ…少し首を傾げるが、この感覚。安心、する様な。]
(26) 2014/09/02(Tue) 14時頃
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………あ、あの。
[立ち去ろうとする姿を少し呼び止め。 ぎょるりとした眼球で見渡し、目をつけたのはミシンの入ったケース。 それをシーシャの足下に引きずり置いて、 その傍にしゃがみ込み。またタオルを深く被って、その地点からそっと見上げてみる。 図体の大きな熊が、切り株の影に隠れる様な妙な光景。 相手は困惑したか、笑ったか。 此方からはタオルとミシンの陰で分かりはしない。]
…ご勝手ながら、僕も、僕も忘れない様に。 お世話になった先輩さんです、から。 案内からコレまで、ありがとう。シーシャさん。
[コレ、とシャツを引っぱり示し、申し訳無さそうに。 少し口角を上げて笑い、坐ったまま手を緩く振った。]
(27) 2014/09/02(Tue) 14時頃
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[シーシャが立ち去れば、ミシンケースの傍で暫く目を伏せる。
幼い頃、薄暗い部屋で、留守番をしていた。 誰も、誰も暫く帰って来なくて、心細かった。 そこに突然、インターホンが連打される音がして。 誰か悪い人間が来たのか、と酷く怯えて、 思わずミシンケースの陰に隠れた。 暫くして鍵が開いて、人が入ってきた、 それを見て、困惑すると同時に、何故だか安心した。 誰が入って来たかはすっぽ抜けている。
そんな、パン屑みたいな記憶の断片に、シーシャの痩せた身体を捩じ込む。 ほら、もうあの時に入って来たのは彼の姿だ。残った記憶と、繋げて。]
でも、あの人も患者には…違い無い、よな。
[忘れずにはいられない、不安定さの中。 人の服に断り無しに名を書く。その行為のインパクト、普通であれば忘れ難い物だろうに。己を嗤う様に、泣き出す寸前の様に顔を顰めてシャツを捲ってみる。
彼の書いたRとIの間の辺りに新たな、薄い朱色の花が咲いていた。**]
(28) 2014/09/02(Tue) 14時半頃
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[相手>>25の肩からぶら下がっていた左腕が振られる。 凝視していた視線はその動きを猫のように追い掛けた。 突拍子もない冗談には思わず相手の顔を見て、目を瞬かせたけれど。]
………ふ、
[まず最初に唇から空気が漏れた。 眉尻を下げて、目元が弧を描く。 顎を引いておかしそうにクスクスと…男に左腕があれば、口元にあてがわれていたかもしれない。
表からは見え辛いけれど俯き加減に喋る相手は、自分より2つ年下の"青年"だと実感した。 うん、ちゃんと面白いよ。
足を止めてくれたのを見れば、男と会話をしてくれるようだ。 ニコニコと笑みを浮かべたまま「あの音」について首を傾げてから、右肩から下がる箱をポンと叩いた。]
(29) 2014/09/02(Tue) 15時頃
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………?あぁ、アコーディオンの事かな。 ふふ、君にも聞こえていたんだね。
…確か、君もやっていたよね…コレ……えーと、ギター! 僕も君の演奏を聴いたことはあった…はずだ
[音の感想を男からは聞いた事が無い。 それは本人が抱えてくれればいい。
そんな事よりも、だ。 右手でギターの弦を弾く真似をしながら相手に問い掛ける。 話をしながら、男の耳には彼の奏でるギターの鋭さが思い出される…*…ような。*]
(30) 2014/09/02(Tue) 15時頃
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[空気が、揺れる。 顎を引いて視線を送った先の青年>>29の口元は曲線を描いており、冗談が伝わったことから、ふう…、と安堵のような小さくため息を吐いたのだったか。]
そう、その音。聞こえた。 ここはそんなにうるさい場所じゃない…と思うから。 多分、みんなにも聞こえてる。
[“ここ”とはいったものの、男に残る記憶といえば、殆どはサナトリウムでの生活ばかりで。 比較対象は薄ぼんやりとした、光景しか浮かばないのが事実。
そのことにやはり、やや緩んでいた双眸は眇められてしまい、睫毛も物憂げに伏せられる。
──俺は、何処でうるさいと感じたのだろう?
尋ねることの出来ない問いを、胸中で揺らしてみせて。]
(31) 2014/09/02(Tue) 16時頃
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………。やってた。
[──やってたっけ? 尋ねずに、頷く。とにかく頷く。 やっていた。きっと。きっと弾いていたはず。]
……聴いてくれてた、よな? あんたは…、きっと。
[一歩。彼の元へ歩み寄りながら。問いを重ねては、歩を進めて。 唇をぎこちなく震わせながら、それでも笑おうと。]
………。はは。カッティング、慣れてんね。
[ギターを弾く素振りをする相手に向かって漏れ出た呟きに、瞳が一度。*確かにぐらついた*]**
(32) 2014/09/02(Tue) 16時頃
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[鍵のかかっていないドアを開けると 書棚の林立する光景が目に入る
見渡せば本を読むためだろう 革張りのソファ、数脚の椅子と机が置かれていた
サナトリウムに来てすぐのこと 医師のスティーブンに好きなもは何かと問われ 『素敵な物語』と即答すると ここがあるのを教えてもらった経緯がある
そのスティーブンの名前も覚えたそばから するりと記憶の中から消えて行った
自分のつけてた記録を見た限り 消えやすいのは人の名前なのだろう まるで、初めて物語を読むかのように そこには知らない名前が上がっていて
いつしか意味を感じなくなった]
(33) 2014/09/02(Tue) 17時頃
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―回想>>0:49―
[たまには持ってきてくれ、という先生にちょっと振り返って。]
気が向いたらね!
[くすくす、と笑いながら言葉を投げ返す。 きっと何度も言われた言葉だろう。 けれど、それに従う気にあまりなれないのは…]
(あのリンゴは、私の大切な、“思い出”…)
[誰にも汚されたくない、大切な、大切な。 そんなことを言ったら、親身になってくれる先生に失礼なのはよくわかっているのだけれど。 誰にも触れさせたくない、そんな気持ちになってしまうナニカなのだ…]
―了―
(34) 2014/09/02(Tue) 18時半頃
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[木々の間をすり抜けるように 棚から棚へと動いて行って本を物色する
それぞれの段には、誰が収めたのだろうか ほぼ隙間なく本が詰まっており その背表紙をそっと、愛おしげになでた]
今日は…あなたね
[スッと取り出したのは、一冊の日記帳 ずっと昔、ここにいたらしい誰かが書いたもの しっかりした装丁で、まるで書物のような外観だが 文具店で売られていたものなのは覚えていた]
(35) 2014/09/02(Tue) 18時半頃
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|
…綺麗ね
[それを手にしてソファにかけると 壁に掛けられた一幅の絵が目に入り しばし、それに見惚れる
鮮やかな色彩で描かれた花々 その隅に、異国の文字で書かれた雅号 何と読むかはわからなかったが、印象的で ここにいた誰かが、遺したものかも知れない]
(36) 2014/09/02(Tue) 18時半頃
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―回想・食堂>>0:58―
[傍らの少女が青年に声をかけ、その青年が食事の輪に混ざれば快く迎える。]
おはよ、サミュくん。 あは、ピーマン苦手なんだっけ。
[まるで仇か何かの様にそれを睨みつけたような彼に少し笑いを零し。 自分の皿に乗った緑の欠片をつまみあげて、口に運ぶ。]
おいしぃんだけどなー?
[呟きながらも、どうにも苦い顔を隠せない様子>>0:80が目に入れば思わずぷっと吹きだした。]
嫌いなのに、頑張って食べる方が、偉いよー
(37) 2014/09/02(Tue) 18時半頃
|
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[ほぅっと、ひとつため息を吐いてから 手にした日記帳を開いて、ページを捲る
見知らぬ名前の見知らぬ誰か その誰かが綴り続けた「自身の記憶」を しばらくの間、読み耽る
それを読み終わるか、誰かが訪れるか それまでは、じっと文字を追っていただろう
時折、歌を*口ずさみながら*]
(38) 2014/09/02(Tue) 19時頃
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[ごちそうさま、と手を合わせる少女>>2に乗り遅れ。]
あ、速い!
[あまり食べるのが早い方ではない彼女は、慌てて残った食事を口へと運ぶ。 別れを告げる少女へと手を振り返し。]
ん、またねーペラジーちゃん!
[続いて食事を終えた青年が席を立とうとすれば、そちらに目をやり。 少女を見送る姿を見守った後で、彼女の口元はゆるり弧を描く。]
…サミュくん、にやけてる。
[ぽそりと呟いた言葉は、彼の耳に届いただろうか? 聞えなければわざわざ言い直すこともしないが、もしも聞こえていたなら、何かの反応が見られたならば、一言、好きなの?と尋ねたことだろう。 それ以上の追及はするつもりもないし、躱されたらあっさりと引くだろうけれど。 彼女の表情には、一抹の憧憬のような何かが見られたかもしれない。]
(39) 2014/09/02(Tue) 19時頃
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ごちそーさま!
[漸く食べ終えた食器を前に、ぱちりと手を合わせ。 かけていた席から立ち上がる。]
さってと、私も行こうかな。
[食堂を出るまでに誰かに声をかけられれば応じただろうし、かけられなければそのまま食器を片づける。 そして、廊下へと歩み出たところで、どこからともなく流れる曲に一瞬だけ、歩みを止めたのだった。]
―了―
(40) 2014/09/02(Tue) 19時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/02(Tue) 19時頃
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…べっつに、いいよ、そういうの。 どうせ顔付き合わせんだから、まいにち、ここで、死ぬまで。
[引き留められて振り返れば、引っ張り出したミシンケースの横にしゃがみ込んで、此方を見上げる大柄な男。>>27口にするのは、ぽそぽそと、小さな感謝で。 何故だか怯えた小さな子供を見ているような心持ちで、見下ろすその瞳がまた、シャッターを切る。
肩を竦めて、皮肉めいた返事。 素直に気にするなよと言ってやれればいいのだろうが、そのやり方は忘れてしまった。否、たぶんはじめから、持っていないのだろう。
踵を返して片手を上げる。じゃあな、と言いかけた唇が音を飲み込んだ。どうせ、まいにち。反芻したのは先ほどの自分の言葉で。ならやっぱり、続く言葉も、少し違う気がして。]
──────『またな』。
[下ろした片手で、貸し出し受付台の上に乗った飴玉の包みを数個、くすねる。手ごとポケットに押し込んで、備品室を後にした。 落ちた声音は、もしかしたら、少しだけ柔かったかもしれない。]*
(41) 2014/09/02(Tue) 19時頃
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[天気の良い日は、外を散歩するに限る。 食事を終えた彼女は、中庭へと歩き出す。]
…ん。あったかい。
[例えばお日様の温もりとか。 例えば優しい風の匂いとか。 例えば囀る鳥の声だとか。
そんな何気ない一つ一つが、感じられることが幸せだと思う。 大層な者じゃなくていい。 生きている限り、思い出は増えるのだから。]
(42) 2014/09/02(Tue) 19時頃
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――… Somewhere over the rainbow Way up high …――
[口をついて出る歌は、いつ歌った歌だろう? それは、思い出せないだけなのか、忘れてしまったのか…]
――… There's a land that I heard of Once in a lullaby …――
[流れる風が、彼女の髪をざぁっと流した。 その隙間から流れ出す、色とりどりの花びら。 色も形も様々なそれらは、花の形を取って彼女の髪を飾ることは無い。 まるで、散りゆく思い出に未練など無いように…]
(43) 2014/09/02(Tue) 19時頃
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[中庭の隅に、置かれたベンチ。 色あせたそれは、何とも言えない情緒を醸し出す。 そこにちょん、と腰かけて、空を見上げた。]
――… あなたは今どこで何をしていますか? この空の続く場所にいますか? …――
[今日のそらは、青くて深くてとっても綺麗なの。 貴方も一緒に見てるかしら? 見てるといいなぁ。]
――… いつものように笑顔でいてくれますか? 今はただそれを願い続ける …――
[風に乗せた唄はあの人に届くことは無いけれど。 あの日、泣きそうになりながら、別れを受け入れてくれたあなたが、新しい幸せを見つけていますように。
毎日毎日、願っていた**]
(44) 2014/09/02(Tue) 19時半頃
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[安堵の息を吐いた後に続く会話>>31>>32には「うん、そっか」などと、嬉しそうに顔を綻ばせる。
ふと、彼の瞳に落ちる影。
…このサナトリウムにいる人達は会話の最中に、彼のように表情が翳ることが度々ある。 何が切っ掛けになったのかは分からないが、まさに彼は
頷く。
"聴いてくれてたよな?" 唇を震わせて、笑う。
男はただ、静かに、少し眉尻を下げて微笑むだけ。 揺れる 眼の奥に映った男自身を 見る。]
(45) 2014/09/02(Tue) 20時頃
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………久しぶりに、君と弾きたいな。 朝食を摂ったら君の部屋に行ってもいいかい? ここのところ話す機会が無かったものだから…"久しぶりに"…ね。
[明確な答えは口にしなかった。 穴だらけの会話に彼は、何と答えるだろうか。
首肯したとしても断られたとしても、当たり障りのない会話を少し交わしてから男は食堂へと*向かうだろう。*]*
(46) 2014/09/02(Tue) 20時頃
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[腕を後ろに回して、足を投げ出すようにして、ぶらぶらと廊下を歩く。]
どっこに行こうかなー。
[その様子は端から見れば楽しげ。 …部屋に戻るという選択肢は、いまの所、ない。
狭い空間よりも、広い空間が好きだ。 その理由は憶えていない。 さてどこに行こうか、と、立ち止まって案内板を見る。
まったく警戒心なく、じっと見入っているため、誰かが背後に立っても気付かないだろう*]
(47) 2014/09/02(Tue) 20時頃
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[新たに咲いた花を暫く眺めてから、 鈍く、ゆっくりと立ち上がる。 シーシャによって開け放された引き出しから 手頃なペンを、何本か取り、手提げから書きかけだった付箋のブロックを取り出すと、続きを––––––]
…アルコールランプ…で……ああ、割ったんだ。 アレを、ええと…何、だっけ、ペ、ぺ、ぺ…
[唸りながら、付箋の空きに平たい皿の図を描き、取り敢えずは仕舞う。さて、ついでに何か必要な物はあったか、と数分、目を巡らせたが、結局鉛筆類とカラーペンも何色か頂戴する程度に留まる。 雑然としたこの場所は落ち着く気がするが 戻って来た用務員と出くわしてしまうのも気まずく感じ、そぅっと外へ出た。]
…ここ、何処なんだろう。
[数歩もしないうちに、立ち止まる事になるのだけれども。]
(48) 2014/09/02(Tue) 21時頃
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[馴染みのアコーディオンの調べも消えてしまい、自室にどう戻ればいいのやら。道順など覚えてる訳も無く、既に廊下には先程の導き手の姿も無く。 箱の様なサナトリウムの構造はさほど複雑では無い…筈なのだが、さっぱり分からない。]
あ、ご飯…食べないと、な… ………あっちかな、食堂。
[腹に咲いた花をシャツの文字越しに撫でながら、廊下の一方を向いてすん、と鼻を軽く鳴らす。 正直、食欲は余り無いが食べないと保たない、と繰り返し注意されているのだ。
肺の底には花畑、腎臓1つがポプリ瓶。 横隔膜には押し花7つ。内部から散々咲かれてはいるが、まだ鼻は利く。 またタオルを深く被り、乳母車の様なテンポで歩き出した。 そういえば、怖がらないでくれたな、とぼやきつつ。]
(49) 2014/09/02(Tue) 21時半頃
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[唄が、聴こえる。
先ほどとは違う、か細い高い声。 金属の小さなベルを鳴らしたような。硝子のふちをなぞったような。 立ち止まって、耳を澄ます。声は、中庭の方から聴こえている。>>43]
…──クリス、……。
[目を閉じた。音。唄。刻み付ける。 でもきっと、忘れてしまうのだ。『視』なければ。いずれ、取り零してしまう。だから、今だけでも。
ふ、とひとつ息を吐いて。 先ほどよりも、ゆっくりと、歩を進める。遠くで鳴る唄声を聴きながら。 そうやって食堂を通り過ぎた向こう、壁に貼られた案内板の前に佇む小さな人影を見付けた。>>47]
(50) 2014/09/02(Tue) 22時頃
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[足音を忍ばせて、案内板を見ているらしい少女に近付く。 そーっと、そーっと。真後ろに立っても、集中しているらしい少女はそれに全く気付いた様子は無く。
猫のようにしなやかな所作でしゃがみ込むと、悪戯っ子じみた表情で、手を伸ばして────]
なァにしてんだよ、チビ助ぇ──よッ、と!
[少女──ペラジーを、後ろから所謂「たかいたかい」の要領で、抱き上げた。]
(51) 2014/09/02(Tue) 22時頃
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-診療室で-
[わけのわからないビョウキ>>0:67、と嘲笑って見せる青年には、いつもの様に笑って見せる。]
僕は割と好きだよ、この仕事。
[ピンセットで根を取り除き、丁寧にガーゼを当てる。幸い血管や腱には傷はないようだ。]
―――ほら、おわり。
[傷口を握る手を、少しだけ見やった。 食事の邪魔をしたことについての謝罪。>>0:69 その裏に飲み込んだものに気付きながらも、男はあえて触れない。 言いたくなければ、言わなくたっていい。伝わっているのだから。]
(52) 2014/09/02(Tue) 22時頃
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[食事の皿はまだぬくもりを残していた。]
シーシャも食べておいで。 ―――また、夜にガーゼを変えるからね。
[そう言って彼が診療室を出るのを見送る。 廊下で、青年はしばし立ち尽くしているようで、しかしそれを眺めつづけるのは何だか悪趣味な気がして、扉を閉めた。]
……うまい。
[少しだけぬるくなったスープを口に含み、飲み下した。]
(53) 2014/09/02(Tue) 22時頃
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[そうして食事を食べながら、机の上のラックに几帳面に並べてある患者たちのカルテを1つ1つ検める。]
―――クリス、は、いつも通り…
―――シーシャは、腕の傷を治療…
[小さくつぶやきながら、朝見た様子を書き留めていく。 するすると滑る万年筆は流れるような筆記体をカルテに書き留め―――ふと止まる。 ズリエル、と書かれたカルテに、朝様子を見に行くべきだったか、と少しだけ後悔した。
……どのくらい時間がたったろうか。カルテを書き留める男のもとに誰かきただろうか。 空いた食器が少し乾き始めたころ、軽くなったトレイを片手に男はまた食堂へ向かった。]**
(54) 2014/09/02(Tue) 22時半頃
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本草方士 麻雀は、メモを貼った。
2014/09/02(Tue) 22時半頃
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─回想・食堂>>37─
[どうやら拒まれることは無かったようで。二人のそばに腰かけようと近寄りつつ]
………。
[愛称で呼ばれる際には少しだけ、唇を尖らせるような真似を。「苦手なんだっけ」の言葉には無言で小さく頷く真似をしたか。]
…苦いだけだろ。
[美味しいと口元に寄せては、食している彼女>>37に眉を唇を引き結んで。“偉いよ”には、小さくため息を。]
……俺、子どもじゃないし。
[眉を寄せたのは、口内に広がる苦味と、*子どもの主張*]
(55) 2014/09/02(Tue) 23時頃
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[その後、少女が手を重ねる音>>2が聞こえて。周りはどうなのかと軽く女性>>39を見れば、どうやらまだ食事の途中のよう。
彼女の食事が終わるまで待とうか。そう思っていたのも束の間。 口元の指摘を伝えられたのなら、曲線を描いた彼女の唇を見つけたか。]
…………。 ピーマンよりは。…クリスさんのそういうところは、……好きじゃない。
[口元を覆いながら親指を添えれば、確かに女性の言うとおり緩み切っており、思わず視線を逸らして。
“お先”そう声をかけたのなら、空のトレイを掴んで逃げるように席を外そうと。
彼女が浮かべる表情の変化には、つい、っと視線が寄せられたけれど、尋ねることは無く。
仄かに香るてっぺんに咲いた花が一度、礼をするかのように*揺れた*]
(56) 2014/09/02(Tue) 23時頃
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―中庭に繋がる廊下―
[サミュエルと別れた後、食堂への廊下を一定の足並みで進む。
…――ザァッ。 外の、草の、土の匂い。 色素の薄い髪の毛を乱す風に、思わず両目を瞑った。 風が運んできたものは、]
………声…
[足を止めて顔だけを窓の外>>44に向ける。 聞き覚えのあるフレーズは、男も好きなものであった。 庭の片隅にチラつくブロンドと風に舞う鮮やかな点を視界に収めながら、男もまた口ずさむ。]
……―――――
[それは男にしか聞こえない小さなものであったが、彼女の旋律に重ねるように。決して、彼女の唄の邪魔をしないように。]**
(57) 2014/09/02(Tue) 23時頃
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[じーーっと。ひとつひとつ。場所の名を見て考える。 と、突然、身体が宙に浮いた。]
―――っうわーーっ?
[間が抜けた声を上げて、声がした>>51方へ視線をやる。]
あ、シーシャだ! あのね、なんかあたし急に身体が浮かんで、びっくりして……どうしよう?
[持ち上げられているという事に意識が行っていないため、彼に持ち上げられている、という考えに至らない。 きょとんとした顔で足を所在無さげにゆらゆらとゆらす。 胸の花も、いっしょに、揺れる]
(58) 2014/09/02(Tue) 23時頃
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ぶぇしょっ!
-廊下-
[歌声と共に、ふわり、と花弁が窓から舞い込んだ。 その一片に鼻先をくすぐられ、男は突風の様な大きなくしゃみを廊下に響かせる。気を取り直す様にかぶりを振り、吹き込んだ窓の方を見れば、金髪を風に靡かせ歌う、女性の姿。 邪魔、してしまったかな、と申し訳無さそうに身を縮め、鼻を袖で擦る。]
…あんな、患者さんも居たんだ。
[ちらりと見た歌う女性は、何処からも花は咲いていない。 包帯や杖も見当たらなく、時々検査の時にすれ違う他患者の様に見るからに弱っている様な様子は無く…歌声も軽やかに感じ。
色とりどりの花弁の落ちる廊下。見下ろすと、奥の角へ流れる白い矢印と、食堂の字。 まだ利用している人間が多いのか、談笑も匂いと共に微かに届く。 んぅ、と頭を軽く掻き、タオルを被り直して、其方へ。]
(59) 2014/09/02(Tue) 23時頃
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─廊下─
[透ける髪が揺れる。微笑み。そして向けられた瞳>>45]
………。
[男の問いに答えは無かった。
どうしてかは、分からない。 分からないからこそ、推測になる。 けれど、続けようとは思わなかった。
──答えが無かったことの答えを知りたく無かった、なんて。
ふわり。男の意思とは裏腹に*花は香りを強くさせた*]
(60) 2014/09/02(Tue) 23時半頃
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……アンプ、ないから音でないんじゃないの。
[“久しぶり”が久しぶりであるかすらも朧気だというのに。 誘いの文句には、軽口一つ叩きつつも、頷いて。]
…チューニングでも、しとく。
[自然とこぼれ落ちた言葉に、自分自身が驚きながらも、ギュッと握りしめた掌を胸の辺りに添えて。
それは大事そうに大事そうに。 決して離さぬように。
*薄っすらと微笑む*]
(61) 2014/09/02(Tue) 23時半頃
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[約束が守られるのかは分からない。
覚えているのかも分からない。
それでも、口で約束を紡ぎ終えたのなら、胸に手を添えて。
彼>>45が食堂へ向かうのなら、また後で、と口上で伝えて自分は自室へ向かうだろう。
勿論、会話が続くようなら、言葉少なではあるけれど、暫しの時間を共に過ごしたか。*]
(62) 2014/09/02(Tue) 23時半頃
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[奇襲は成功したらしく、>>58上がった声に青年も微かに笑い声を漏らす。 きょとんとした顔で首を傾げるペラジーを、落とさないよう腕を回して抱き直した。片腕に座らせるようにして、片手で背中を押さえてやる。これで良い加減、浮いてる訳では無いことに気付くだろうか。駄目押しに喉の奥で低く笑って言った。]
あァ?イイじゃねえか、浮いたって。 歩かなくったって好きなとこ行けるぜ、ホラ。
[どこ行きてえ? 言いながら適当に歩き出す。ま・チビ助がオレを見下ろしてんのは百年早えけどなあ、なんて揶揄しつつ。 高い視界を彼女が楽しんでいるなら、それもいいかと、暫くそうして抱いていてやるだろう。]
(63) 2014/09/02(Tue) 23時半頃
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-食堂前-
………んー…。
[暫く歩いたか、何処かで誰かとすれ違い、話でもしただろうか。 漠然と、食べなくてはいけないという義務感。そして自分の病室から近かった気がする、という理由で来たは良いものの 食欲の薄さと馴染みの無い人の数への恐怖感が足を止め、入り口でぼんやりと佇む。]
……あのう、申し訳ない。 その…朝、パンだけじゃ、駄目ですか。
[様子を見に来た食堂のスタッフに、恐る恐る訪ねる。 流石にそれだけは少なすぎるのでは、などと言いつつも スタッフは早足で厨房へ向かい、パンとマグに入ったスープの乗ったトレイを差し出した。深く、深く頭を下げて礼をすると、出入り口側の隅の席に腰を下ろし。手を合わせてからパンを千切る。]
………。
[しかし、暫くは口に含まず。誰しもやった事があるように 白いふわふわとした部分を指で押し固め、小さな立方体を付くりつ弄んでいる。 誰かに声をかけられれば、まずは一つお辞儀をするだろう]
(64) 2014/09/02(Tue) 23時半頃
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― 廊下 ―
[廊下を歩けばゆっくりと景色が流れ出す。 匂いに誘われるように向かう先は、食堂。
ゆっくりゆっくり。 動いてるのか止まってるのわからないくらい 静かに流れる時間を泳ぐように向かう途中。
開いている窓。 白い風に乗って、囀るような声が聞こえてくる。>>43]
(65) 2014/09/02(Tue) 23時半頃
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―――あの子みたいな声だ。
[実際の声は、もう覚えていない。 その記憶はとうに花を咲かせてしまったから。 ただ似ているような懐かしさだけが胸に落ちる。
僅かに目尻に皺を寄せて、微笑んだ。]
(66) 2014/09/02(Tue) 23時半頃
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? ? ?
[腕が回されて>>63戸惑っていると、腰が着地する感覚。背中に感じる手。]
わっ、わー… すごい、シーシャがあたしを浮かばせたんだね!
[浮いた事への否定がなかった為、少しズレた納得の言葉をもらす。]
えーとね。いま、どこ行くか考えてたんだ。 でもシーシャも一緒ならどこでもきっと楽しいと思うな。 シーシャは行きたい所、ある?
…ふふふ。浮いてるの、たのしー。 あたしも本とか読んでシーシャを浮かばせてみたいなー
[世界の見え方が変わっている。それが、楽しい。]
(67) 2014/09/03(Wed) 00時頃
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[変わる世界。 もう、少女の世界は既に変わった。 しかし、変わったからこそそれを知らない。
身体の中を、何かが這う。 手の甲を突き破って現れる。
青い花が咲く。 また、世界が変わる。**]
(68) 2014/09/03(Wed) 00時頃
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あー…どっちでもいいがよ…
[解けぬ誤解に面倒な説明は放り投げ、調子を合わせてやる。>>67 こちらからの問いに一緒ならどこでも楽しい、と答える子供らしい素直な反応は、可愛らしい反面、シーシャの胸の内をざわつかせるには充分で。
舌打ちを堪えたのには、気付かれなかったろう。 その苛立ちは、彼が彼女の喪失したものを知っているから。 そして、彼自身が、この奇病とそれによる忘却という喪失を──受け容れていないからだ。]
行きたいとこ?オレは、そうだな…、
(…外。外に、出たい。けど。)
[それは、ここに来たときに二度と叶わぬと決まった望みで。 中庭の小さな切り取られた空だけが、このサナトリウムに住まう患者たちに与えられた、小さな『外の世界』。]
(69) 2014/09/03(Wed) 01時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/03(Wed) 01時頃
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[どこかからくしゃみの声>>59がすると、はたと歌をやめ。 きょろきょろと辺りを見回して、それから窓を見やる。 目があったならば、にこりと笑んで手を振ったことだろう。]
…誰だろ。
[面識のない人だった。新しい患者さんだろうか。 そそくさと立ち去ってしまった彼を見送り、記憶を手繰る。 どうにも思い出せないのは、知らないから…と思いたい。]
(70) 2014/09/03(Wed) 01時頃
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[腰かけていたベンチから立ち上がり、ぱんぱんとスカートの裾をはたく。 もう一度見上げた空の、四角く切り取られた枠の中を、鳶が一羽、くるり旋回して飛び去った。
翼が欲しいとは思わない。 自分で選んでここへやってきたのだから。 ここで静かに時を終えることを、恐ろしいとも思わない。 きっと私は充分に、幸せを貰っている。]
…ふぁ… ちょっと眠くなってきちゃったなぁ…
[あまりに心地よい気候のせいだろうか。 昼寝しても良いなぁ、でもその前に、さっきの人確認したほうが良いかなぁ。 そんなことを思いながら、中庭を後に、廊下へと戻ろうと歩き始めた。]
(71) 2014/09/03(Wed) 01時半頃
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クリスマスは、廊下辺りで誰かにあったかもしれない**
2014/09/03(Wed) 01時半頃
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…マーチェのジーサンに。絵見せてもらおーと思ってたんだっ、た。
[自分も相手も誤魔化したような答え。ズリエルと会ってから晴れていた翳りが、再び双眸に落ちる。 暗澹とした吐き気じみたものが胸の奥から競り上げて、ぐらぐらと視界が揺れそうになる。
腕の中のささやかな体温を、落としたくはない。 そうなる前にと、羽根のように軽い身体をそうと床に降ろした。目線を合わせてしゃがむと、ポケットの中を漁る。備品室からくすねた飴玉の包みを幾つか、小さな手に握らせた。]
コレな。『外』で売ってるやつ、こっそり貰ってきた。 一人で食ってもいいし…そうだな、新しい奴、来てたから。クマみてえでデカいけど、やったら仲良くなれるかもしんねーぞ?
[ナイショだと言い含めて、ぐりぐりと頭を撫でてやる。 誰かと食べてくれれば、自分が吐いた嘘にも気付くだろう。その黄色い飴玉は、とても酸っぱいのだ。渡した幾つかのうち、甘いのは青い一粒だけ。余程運が良くなければ、ペラジーも一緒に食べる誰かも散々なのは間違いない。
シーシャがペラジーに何か与えるときは、大抵がこんな悪戯ばかりなのだが。一向にその応酬は、止む気配がない。]
(72) 2014/09/03(Wed) 02時頃
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[それは、ペラジー自身の病と、シーシャの矜恃の問題であって。 窘められようが、改める気は毛頭ない。スティーブンに怒られるのならば、ちょっとは、ちょっとだけ、考えるかもしれないが。]
また、後で。な。 前みて歩けよ。
[返事を待たずに立ち上がった。 小さな手の甲にちらついた、鮮やかな青。>>68極力視界に収めないよう、視線を逸らしてすぐに中庭の方へと歩き出す。
昨日は無かった。いつ?そんな事は知りようもない。毎日毎日咲いて散ってを繰り返す者だって居るのだ、あんなもの。あんなものが。]
(73) 2014/09/03(Wed) 02時半頃
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(……………気持ち悪ぃ)
[毟り取ってやりたい。 返せと叫んで、二度と咲かないように根絶やしにしたい。今度は彼女から何を奪って咲いたのだろう。気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
込み上げてくる衝動と嘔吐感。喉の奥が苦しい。早く、はやく。彼女の視界から消えないと。角を曲がる。足が震えた。堪え切れない。ああ、きっと自分は酷い顔をしている。]
──────……ッ、…ぁあア!!!!
[続けて二回、角を曲がって。目の前に開けた空間、硝子張りの向こうに中庭が見えた。 瞬間、躊躇無くその嵌め込まれた硝子を殴り付ける。 二度。三度。割れないのを知っている。四度。硝子越し、白い風に揺らされた花達が、容易に激情を煽って。五度。ついでに蹴飛ばした。強化硝子が衝撃で揺れる。脚が縺れて膝を着いた。酷い吐き気に廊下の隅でえづくものの、なにぶん出すものが無い。
げほげほと噎せながらその場に座り込んだ。 肩で息をして、蹲る。無意識に左腕を包帯ごと握る。握る。
誰かが通りすがっても、何時ものことと見て見ぬふりをするか。声を掛けるなら、およそ不機嫌そうな返事が返るのは間違いないが。]**
(74) 2014/09/03(Wed) 03時頃
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[ふと、色とりどりの花弁の彩る廊下の先から響くくしゃみ。>>59 足を止めて顔を上げれば、頭にタオルを被った大柄で猫背気味の男。 知らない顔だ。
それは知っていたのを忘れてしまったのか、最初から知らないのか。 わかりようもないけれど。
わからないことを気に止めなくなったのはいつからだろう。 慣れてしまったのは、いつから。 随分長く、ここにいる間に それすら花となって咲いて散ってしまったように。
ただ在るのは、足元に散る花弁だけ。]
(75) 2014/09/03(Wed) 14時頃
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[袖で鼻を擦っている男の視線を辿り、窓の外へと。 白い風に花弁が踊る中、囀る声が止まり。>>70 日の光の下で輝く金色に眼を細めた。
大柄な男に、笑いかけ手を振る彼女。 鮮やかな金色を揺らして中庭から廊下へと向かってくる姿へ、道すがらゆっくりと足を向け。>>71]
やあ、クリスのお嬢ちゃん。 今日はいい天気だ。 日向ぼっこはおしまいかい?
[記憶の端にまだ残っている彼女の名を呼び。 目尻に皺を寄せ微笑んだ。**]
(76) 2014/09/03(Wed) 14時頃
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[自分を「浮かばせている」彼の内面の揺らぎ>>69には…気付かない。 一瞬だけ、引っかかりを持っても、疑問を持っても。それは、胸の黒い花に吸収されて忘れ去られる。 だから、行きたい所、の答をそのまま待つ。]
マーチェさん。 そっかー、いいかも。あたしも、おじーさんの絵、好きー…
[と、彼の答え>>72に返した所で、自分の身体が元通り地面に戻されるのを感じる。きょとん、と首を傾げて、視線上に来た彼の目をじ、っと見つめる。 やがて、手に握らされたのは、幾つかの飴の包み。]
わ。『外』の飴! えへへ、うれしいなあっ、シーシャ、ありがと!
[『外』。その言葉に、ほんの少し、ざわつくものを感じる。 感じた所で… 何故かは思い出せない。 魚の小骨がささったような不快感。もどかしさ。 それでも、今は、今は、ここにあるものが大切だ。]
へー…あたらしいひと。じゃあ、早速この飴一緒にたべよーっと!
(77) 2014/09/03(Wed) 19時半頃
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[屈託のない笑み。それをすれば仲良くなれる。そう、確信を持って。]
―――って、あれ?シーシャ、行っちゃうのー? 一緒に行こうよー。 ……んー。
[声をかけても、背は遠ざかる。ならば仕方がない。 切り替えは早かった。 少し前ならば、もっとぐずっていただろう。
だって、少し前までは『哀しみ』があった。
世界は変わってしまった。 少女はそれに気付かない。
青い花が、揺れる。]
(78) 2014/09/03(Wed) 19時半頃
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[中庭から廊下へ。 入ろうとしたところでかけられた声>>76に、振り返ると、にこりと笑う。]
おはようございます、まぁさん。 うん、おしまい。 また後で、来るかもしれないけれど。
[ちょっと日の射す中庭を振り返りながら、答える。 日差しに眩しげに眼を細めてからもう一度、振り返って。]
まぁさんも、日向ぼっこ? ぽかぽかして気持ちいいですよ。 今日は本当にいい天気だもの!
(79) 2014/09/03(Wed) 19時半頃
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|
[多分、まぁさんとは日向ぼっこ仲間だったような気がする。 そう思ってるのは勘違いかもしれないし、正直自信はないけれど。
けれど彼女はまぁさんの纏う穏やかな空気が好きだったし、度々こうして話しかけてもらったような気がするのだ。
しかし実の所、まぁさん、の本名を思い出せないことに、彼女自身は気づいていなかった。]
(80) 2014/09/03(Wed) 19時半頃
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またねー。
[そう、角を曲がる>>74シーシャの背中に手を振ると、またぶらぶらと歩き始める。]
えーっと、あたらしいひとはどこにいるのかなー。
[そんな事を呟きながら。もし、誰かとすれ違ったなら、その相手に「あたらしいひと」の事を聞いて。
――ふと、天窓から差し込む光に目を細めた。]
(81) 2014/09/03(Wed) 20時頃
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そう言えば…
[さっき、「咲く感触」がした左手を上げる。 その手の甲に咲く青い花。
…今度は何を忘れたのだろう。 その事を考えると少女はたまらなく不安になる。しかし、不安は長くは続かない。不安を突き詰めるための思考方法。それが欠落した、ただただ漠然とした不安だからだ。]
まあ…いっか。 ………全部お花になっちゃうのは、怖いけど。 大丈夫だよね。
[根拠のない『大丈夫』を、少女は心から信じていた。**]
(82) 2014/09/03(Wed) 20時頃
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|
[そのまましばらく、まぁさんと立ち話でもしたろうか。 言葉が途切れた刹那、叫び声と共に聞こえる、何かを殴打した音>>74。]
え、何…?
[聞き覚えのあるような、ないような怒号にキョロキョロと辺りを見回して。 まぁさんを振り返り、申し訳なさそうな顔を一つ。]
ごめんなさい、まぁさん。 ちょっと、見てくる…!
[音はすぐそこであったようだ。 まぁさんを伴うより、一人で行った方が早いと判断した彼女は駆け出す。]
(83) 2014/09/03(Wed) 20時頃
|
|
…シーシャさん!?
[一つ角を曲がればこそに居た青年の姿に、驚く。 何だか荒れた様子に、心をざわめかせ。 それは始めて見る光景ではないのかもしれないけれど、放っておけなかったのは確かだ。]
どうしたの? 大丈夫?
[近づけば、寄るな触るなオーラをビンビンに感じるが、頭から無視して顔を覗き込むようにしゃがみ込む。 彼はこちらを見てくれるだろうか? そんな余裕さえ無さそうなら、そっと背中を撫でようと、手を伸ばした。 触れる前に払われなければ、恐る恐る、宥めるようにその背を撫でるだろう。].
(84) 2014/09/03(Wed) 20時頃
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─廊下→自室─
[“口上の約束”を終えれば、自室へ向かおうと足を動かす。
少々大きめのスリッパが奏でる浮いた音が、先程までは気にならなかったというのに。
苛立ちは無意識に手のひらへと向かい、ギュッと力を込めて違和感に気付く。]
………何。
[ふわり、と空気に漂うのは*花の匂い*]
(85) 2014/09/03(Wed) 21時半頃
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──っ!
[勢いのまま、手のひらをひっくり返す。 右手の親指の付け根、そこに根を下ろしているのは淡い鴇色。 それは花開いているというのに控えめな、親指一本程の大きさではあったけれど。 確かに一輪、新しく蕾が開いていて。
思わずぐしゃりと、花を潰す。]
………。
[広がる蜜の香り。 鼻を掠める芳香に瞳が揺れて。 中庭から聞こえてくる声の主>>43>>45が脳裏に遅れて浮かび上がったことにだけ、ため息を吐けば逃げるように自室へと。]
(86) 2014/09/03(Wed) 21時半頃
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─自室─
[朝から代わる代わる流れる音の調べも、この室内では少し曇ったものになるのは、窓を開けていないからか。
青を落としたような凪いだ空は曇ることなく、柔らかな曇は穏やかに流れている。
“穏やかな日常” この小さな箱庭から覗く風景に ただただ、視線を落とした。]
………。
[部屋の隅。 黒いビニールのケースに手をかける。チャックを下ろせば姿を表すのは、少しだけ埃を被ったボディと、僅かに錆びた弦が六本張られたネック部分。
ズシリと重い、それを持ち上げベッドに腰掛ける。 弦に挟んであったピックを一枚取り出せば、親指と人差し指に挟もうとして──花びらが邪魔をした。]
(87) 2014/09/03(Wed) 21時半頃
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………。
[ふわふわと新たに芽吹いた花びら。
このことが告げることといえば、新たな思い出が散ってしまった。 変えようのない現実。
次は、何を忘れてしまったのだろう。 記憶を辿ろうとしても、どの記憶が分からなければ、道筋などわかるはずも無く。]
…………っ、
[胸を焦がすこの感覚。 その名前は、もう。 ──…忘れてしまった。]
(88) 2014/09/03(Wed) 21時半頃
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[どれぐらいそうしていたか。 無造作にギターを寝台に置いたまま、立ち上がる。
約束をしていた、ような気もするが、如何せん思い出せず。
廊下に再び足を踏み入れた時。 そこには誰がいただろう。
音が止んでいたことには気付かぬまま。新たな物音>>74が耳に入ったのなら、驚きに目を見開かせただろう。]
……また?
零れた声は男が意識する前に溶けてしまい、“また”とは何がまたなのだろうか。首を傾げつつ足を動かしたか。
もし、音の所在地を辿る際に誰かとすれ違ったのなら、何があった?なんて、尋ねただろうか。]
(89) 2014/09/03(Wed) 21時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/09/03(Wed) 21時半頃
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―暫くのち、廊下―
[朝食後、訪ねたマーチェの部屋に人の気配は無く。 数度のノックの後、そっと扉を開いて中を確認する。]
留守、ですかね。 …マーチェ?
[ふわり。風に乗って鼻腔を擽るのは画材の匂い。 部屋の片隅に重なるキャンバスの山から一枚、仲間外れに目を留めて。 その中心、一番大切な部分の空白を認め>>0:53、小さく肩を竦める。]
(90) 2014/09/03(Wed) 22時頃
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[この白い箱の中、鍵のかかる個人のスペースなどそう多くはない。 各病室も然り。いつ、何を忘れるかわかったものではないのだから。
こうしてこっそり人の部屋を覗くのは悪い癖だと知りつつも、 どうせ忘れるのだからと、自分に甘い言い訳を。
プライベートを覗き見て、誰かに怒られたこともあったかもしれない。 けれど、そんなことはとうに忘れて。 罪悪感より探究心が勝るのは、まるで遠慮を知らぬ子どものよう。]
(91) 2014/09/03(Wed) 22時頃
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[マーチェが居ないのならば、後で出直そう。 イーゼルの端にメモを添えて、そっと部屋を後にした。]
『親愛なるマーチェ
ついに紫のブーケが完成したんだ。 記念に一枚、描いてくれないか?
…僕が僕自身の本質を忘れないように、 可能なら左手だけでなく胸から上も、一緒にね。
君のファンの一人より』
[別段、約束をしていたわけではない。 ……いや、していたのだろうか? どちらにしろ、二人とも覚えてはいないけれど。
こうして適当に思い付いたことをでっち上げるのも常だから、きっと彼は気にしないだろう。]
(92) 2014/09/03(Wed) 22時頃
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[今日も今日とて、特にやることもない。 ない。…ないのだろうか?
ふと視線を落とした先、白衣の胸ポケットに小さな手帳を見つけて。 習慣的に持ち歩いているそれを開けば、今日の"タスク"が書いてある。]
……うーん。
[パラパラとページを捲れば、好奇心を刺激することが色々と書き連ねてあるものの。
サナトリウムに居る人、居た人達との会話の数々。 自身の記憶。研究の詳細。 花の栽培記録。最終的な剪定イメージのイラスト。
――この膨大な量を見返すには、廊下は適当な場所とは言い難い。 落ち着いて手帳を読める場所に移動しようと、書庫へ向かう。]
(93) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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―書庫―
[そこには既に、先客がいて。 扉を開ければ、柔らかな旋律が漏れ聞こえてくる。>>38
オクターブ下のハミングでそのメロディを追いながら、 書架の間から、ひょこりと顔を覗かせる。]
…やぁ、書棚の妖精さん? 本日のご機嫌はいかがかな。
[問いつつも、手元のノートに目を落とす。 目当てのページを探し出すと満足に頷き、会話を続ける。]
(94) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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ジリヤ。 今日は、どんな『物語』を読んでいるんだい?
[邪魔にならぬよう、されど遠く離れ過ぎず。 近くのソファに腰を下ろして。 さて、この子とはどんな話ができるだろう。
――…この子は、どんな子だっただろう?]**
(95) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/09/03(Wed) 22時半頃
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……ッ、触んな、……!
[聞き覚えのある高い声が、足音と共に近寄ってくる。すぐ傍らにしゃがみ込んだ気配。心配しているとわかる声音。>>84 背を撫でようとする手のひらの体温が、空気越しに直ぐそこ。瞬間、鼻の奥がツンとするような情動が脳内を焦がして、半ば叫ぶような拒絶の声が出る。
微かに空気が震えた。 背中に触れるはずだった手は、そこに止まったままで。 怖がらせてしまっただろうか。後悔と、自嘲と、放っておいて欲しい気持ちはないまぜで、ごつんと額を壁に押し付ける。
鼻の奥はずっと痛むままだ。もしかしたらこれは、]
――なんでもない。どうってことねえ、から……クリス。
[泣きたい、のかも、しれない。]
(96) 2014/09/03(Wed) 23時頃
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─廊下─
[割り振られた病室から踏み出した廊下にて聞こえた物音>>74
ふらり、と誘われるままにそちらの方へ赴いた時は誰か傍にいただろうか。それとも一人だったか。
スリッパの音を鳴らしながら、歩く先。そこには一組の男女の姿。
長いブロンドの彼女>>84は、確か今朝頃に朝食を共にした女性で。 その女性がしゃがみ込んでいる先に目を凝らせば、蹲る男の姿を見つけた。]
(97) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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……何してんの?
[思わず口からついた言葉は、その場にそぐわないものだったか。 失言だったかもしれない。 そう思い口元に手をあてた瞬間、視界に入る包帯に包まれた左腕>>74]
…また、毟った?
[処置された片腕に視線を向けながら、漏れる自分の言葉に眉を寄せて。
何処か苦しげに見える姿>>96に今度こそかける言葉が思い浮かばず、新しく咲いた右手の花を握り締めつつ、暫く眺めていただろう。
頭の花を揺らしながら。]
(98) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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[千切る、捏ねる、ころり、立方体。 千切る、捏ねる、ころり、立方体。 千切る、捏ねる、ころり、立方体。 パンを弄りながら、胃には入れない。 咀嚼し、反芻するのは中庭の風景。
視界をひらひら邪魔する白の隙間から、ちらりと見た女性は 此方に向かって手を振っていた様に、見えた。 ほんの一瞬。思わず逃げ出してしまったのだが–––悪い事をした、気がする。 また会う事があれば、きちんと挨拶をしよう、と密かに決意し、付箋に走り書き。 金色、くしゃみ、歌、わらった、と。
刹那に過った、何処かの踏切の近くの杭みたいに、黄の花の絡み咲いた腕。 力無い様に見えたあの腕は、何処か懐かしく感じた。 検査室で隣の寝台から垂れているのを見た、だろうか。 ただ単に、乾いた何かに浮かぶ黄、という曖昧な記憶の欠片があったのだろうか]
(99) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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[ああそういえば、昨日だったか一昨日だったか。 治療の折に、腕に花の咲いた医師か…患者かに、症状について聞かれた気がする。 あの人の手は花にすっぽり覆われてて、あんなにすっかり覆われた状態は初めて見て。 …その時はつい、黙り込んでしまった。
病に罹った人間の末路、その姿が『どうなるのか』。 過去について、何とか点繋ぎを試みるの、は。
意識を現実に戻せば、真っ白な皿の上には、5×5=25の柔らかく白い立方体が整然と並んでいる。 そして指先には力を入れ過ぎたのか、ぺたんこになった乾いた白が一つ。 やめよう、と呟いてそれを口に弾き入れ。 冷めたマグの中のスープを一瞥して、水面に映った自分の口元に、一瞬呼吸を止めた。]
(100) 2014/09/04(Thu) 00時頃
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あ゙…?、…そういうオマエは育ってんじゃねーか、随分。
[クリスとは少し話をしただろうか。 不意に後ろから聞こえた声に、口元を拭いながら顔を上げる。>>98 表情の乏しい顔に、揺れる頭頂の花。 見ようによってはなんだか少し間抜けなその青年は、よく見知った患者の一人で。
遠慮の無い問いに、鼻白んで皮肉で返す。 ふらつく足で立ち上がると、その目の前まで近寄って。頭半分ほど低い位置にある青年の顔を両手で無造作に挟んだ。
むに、と圧迫しながらやや強引に視線を合わせるように上向かせ、その瞳を覗き込む。 そこに自分の姿が映り込むのを、確認するように。]
オイ…オマエ、ちゃんとまだ覚えてるかよ。サミィ。 オレの名前、言ってみな。
(101) 2014/09/04(Thu) 00時頃
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[口ずさむ歌にわずか重なるように 聞こえてくるのは自分のものより低い声>>1:94]
…ご機嫌よう
[声をする方へ視線を移せば 書架の間から、白衣姿の男性が現れた]
…先生
[やはり、名前は思い出せず 自分の名を呼ぶ彼へはそう返しておく]
(102) 2014/09/04(Thu) 00時頃
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[近くのソファへ腰を下ろして問う彼へ ふわりとほほ笑んでから 読んでいた日記帳>>1:38をちらり見て]
桃色の秋桜を咲かせた女の子 …誰かに思いを寄せてた思い出、みたい
[淡い恋心、その想い人へ語りかけているような もしかしたら、手紙代りだったのだろうか?
始めの方は、少女らしく 可愛らしい甘酸っぱい想いが綴られていた]
(103) 2014/09/04(Thu) 00時半頃
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[「早く貴方に会いたい」 毎日そんな言葉で締めくくられていて
会ったらこんな話をしたい こんなことをしたい 一緒にどこへ行きたい あんなことがあった、こんな話をした
明るい希望に満ちた話題が多いのだが やがて、語りかけてた相手の名前が失われた
名前が失われた途端 言葉から一気に熱が失われてゆき その想いも色褪せてしまったようだった
散ってまた咲く花の色も それに合わせるかのように変わっていった]
(104) 2014/09/04(Thu) 00時半頃
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―食堂―
[中庭から貰った鼻唄を連れながら、見えたのは「食堂」の目印。足を踏み入れた瞬間、料理の香りが一際強く漂う。すぅっと、ゆっくり息を吸い込んで、吐く。
唐突に背後の廊下、それも結構遠方の方から、食堂の談笑に太鼓のような音>>74が聞こえた。鼻唄を止め、弾かれたように振り返る。 リズムの無いそれは…誰かが苦しんでいる音だろうか。]
………コリーン、ミッシェル、オスカー…シーシャ……
[…誰だろう。 名前を覚えているうち、激情を持ち合わせている人を声に出して復唱した。もし会えたのなら、話でも聞いてみようか。 すぐには向かわない。 男にとっては喧騒さえも愛しい日常だったから。
ようやく食堂に足を踏み入れて、カウンター横の砂糖とミルクを右手の袖の中に入れる。 皿に乗った料理とコーヒーを同じ手に持って手頃な席を探し始めた。]
(105) 2014/09/04(Thu) 00時半頃
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[何と無く知り合いを探してウロウロしていた所、大柄な男性>>99の背後を通り過ぎた所で数歩後ずさって二度見をした。 だって彼の皿の上に、パンとは思えないキューブが陳列していたから。 興味を惹かれてソワソワしている男を、もしかすると相手は気がついているかもしれない。
考えるよりも先に、彼の皿の隣に自分のプレートを並べる。]
食事中に失礼、君のお隣に座っても?
[ちょうど相手がスープに口を付けた時>>100であった。 答えを聞く前に席に着いたのなら呼吸を止めたような相手を覗き込もうとして]
……もしもし?
(106) 2014/09/04(Thu) 00時半頃
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[色素の薄い髪から覗く二対の瞳>>101 視線が合ったのなら、軽く会釈を。 きっとここに住み着いてからの癖のようなものを彼にも向けただろう。
会釈の度、頂点にて揺れる花は、目覚めてすぐ手で萎れさせたというのに。時間が経てばやがて、瑞々しさを増していく。]
…雑草みたい。
[その姿と相手の皮肉には、“育ち過ぎ” と、皮肉には曖昧な言葉ではぐらかそうとして。
そのまま約束が果たされるまで何処かで時間を潰そうか。踵を返そうとした矢先、何処か覚束なくも見える足取りに視線を向ける。]
(107) 2014/09/04(Thu) 00時半頃
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[一歩、二歩。近くなる距離。 それは気付いた頃には腕を伸ばせば届く距離になっていたか。 クリスがその場にいたのなら、一瞬だけ僅か開いた瞳を向けただろう。]
──ッ。……。
[頬が彼の両手により圧迫され、上へと上がる。息が少々詰まり、覗き込んでくる瞳をぼんやりと眺めながら、きっと間抜けな顔をしているんだろうな。そんなことを思いつつ、この光景に心が揺れないのはきっと。]
……シぃ、シャ
[まだ、彼を覚えていた。からだろう。]
(108) 2014/09/04(Thu) 00時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/04(Thu) 01時頃
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……、ハ。上出来。
[名前を呼ばれる。さやさやと鼓膜を揺らす、その音。 発した言葉よりもずっと満足げに、笑い声を漏らして。固定した顔を解放してやる、ついでにわし、と一回、その癖のある髪を撫でた。
実際それは、そう珍しい遣り取りでもない。名前、言ってみな。サミュエルと行き会えば、数日に一度はそう声を掛ける(半ば強要とも言えるが)。
他の患者がどう考えているかは知らないが。忘れたなら、思い出せないなら、覚えればいい話だ。覚えられないなら、何度でも教えればいい。 疑う事を忘れたペラジーに、何度でもおかしな悪戯を仕掛けるのも。その辺りが、彼なりの理由であって。]
鬱陶しいなら剪定しちまえ、そんな花(モン)。 なんならオレが毟ってやるよ。
[それでも、いずれ忘れられる事に、何も思うところが無いわけでは無く。 心情が表情に出ぬよう、押し殺すように、忌々しげに。人差し指で、ぴ、と目の前で揺れるその花を弾いた。]
(109) 2014/09/04(Thu) 01時半頃
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[––––食事中に失礼、
呼吸を止め、マグに口を付けた瞬間に側から掛かる、『聞き覚えのある』声。 ぱちり、瞬きと共に狭範囲に固まって居た意識が広がり、この時漸く人物の気配を認識した。 隣で小気味良く鳴る高めの音、傍に別の食器が置かれて…ひょいと覗き込まれ。
あ…は、はい。どう、ぞ?
[顔を向けると ぱ とかち合った、瞳と瞳。 あれ、声は解るのに、顔、知らない。 目付き悪いの、見られてしまった、と反射的に逸らした先、飛び込んで来る、ばっつりと失われた、左腕。 ああ、と声が漏れる。花絡む腕、花覆う掌、包帯の巻かれた腕。散々吸われ空洞の多い脳裏に滑る患者達の肩から指先。 だが目の前の男は、その質量すら肩から失われている。]
……そう、かぁ…。
[まじまじと、空っぽの袖を見下ろすぎょろりとした目。彼はどんな顔をしただろうか。 何か、告げただろうか。どちらにしろ、彼の肩からかけられた馴染みの音色を守る箱に。 そして彼が男の『よく知る』音の持ち主だと、すぐさま気付く事はない。]
(110) 2014/09/04(Thu) 01時半頃
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あ…えっと……要ります? ソースか、塩か、芥子か、何か。
[プレートに乗った料理を見て、ふと聞いてみる。 何か頼まれれば、少し腕を伸ばして取り渡すつもりで。
流石に、まだ互いを良く知らぬ同席者が居る状況で、手遊びに没頭する事は無く。 マグに口を付けながら、相手の様子を伺うが…その目はちらちらと、失われた左腕に向かう。 相変わらず整列した、手元の皿の上の5×5は時々何の気無しに積み上げられるかもしれないが。 一定間隔でスープに浸され口に運ばれる弄り残しのパンや、その茶色い皮。 彼のトレイの上にはスプーンもフォークも、無い。**]
(111) 2014/09/04(Thu) 02時頃
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先生、チョコレートコスモスってご存知ですか?
[日記帳の最後の方に出てきた花の名 それをセシルに問う]
彼女は、それを最期に咲かせたそうです ほら、ここに…書いてあります
[日記を綴った少女とは違う文字で 彼女の症状と、その後の報告が最後にあった
その部分を指し示し彼を見つめる 一体何と答えただろうか?
「恋の終わり」という花言葉を持つ花を 自分はまだ知らないことすら、*覚えていない*]
(112) 2014/09/04(Thu) 02時頃
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[頭上で空気が揺れる。 相変わらず頬を挟まれたまま眺める相手>>109の様子は何処か満足げ。
圧迫感がなくなったのなら、少し爪先立ちになっていた踵を下ろして。]
……、と。…何。
[ぼふりと広がった髪を押し付けられれば、肩を竦めつつも口元には弧を一つ描いた。]
(そう、俺はきっと…知ってる。)
[依然として右手の花びらを押し潰すように握りしめる。萎れた花びらが一枚床下に落ちたようだけど、気にもとめずに顔を上げて。]
…あんたに毟られたら、剪定どころか…穴が空きそう。
[本来風通しをよくするための誘いには、からりと軽い調子で返した。]
(113) 2014/09/04(Thu) 02時頃
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[未だに存在感を表す花びらを、指先で揺らされたのなら、笑いながら双眸を眇めただろう。]
…植木鉢より。 路地でいいから、外で咲きたい。
[頑丈に出来た硝子を眺めながら、新しく咲いた花を隠すように右手を後ろへ。]
…今日はどんな悪戯やってきた?
[記憶の端から掴む前に、唇が紡いだのは、世間話。 何も変わらぬ怠惰な日常であっても、それを普段通りだと。 その感覚を、ただただ求めようと。
胸の内で根を下ろし出す花に気付かぬふりをしつつ、問いかけてみた。忘れてしまう前に。]
(114) 2014/09/04(Thu) 02時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2014/09/04(Thu) 02時頃
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[廊下の途中に設えられた、小さな休憩スペース。 ベンチと、小さな観葉植物。ウォーターサーバー。
水の入ったコップを手に、ぼんやりと、ベンチに座っていた。
自分は今何をしていたか。 何の目的で歩いていたか。指を折って、確認する。 そう、シーシャに飴を貰った。 それを、あたらしいひとにあげたら仲良くなれる。]
……うん。おぼえてる。
[記憶を辿って、一人頷く。]
(115) 2014/09/04(Thu) 05時頃
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[ここに来るまで、とりあえずそれらしき人物には会っていない。 クマみたいにおおきい―― 確か、そう聞いた。 まだ、人の顔と名前は覚えてる。覚えてる、はず。 だから、見たらわかるはずだ。忘れていなければ。]
………。 あたしだって、忘れるのは …いやだな。
でも……なんで いやだったんだっけ。
[青い花は、元から左手にあった気がする。]
……うーん。
[ただ、なんとなくの、モヤモヤ。 別に、なんてことはない。ないけれど、それはそのままある。]
(116) 2014/09/04(Thu) 05時半頃
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[まあいいか。と、思う心に偽りはない。 心は凪のよう。ただ モヤモヤにつながる、何か、決定的な部分が、ぷっつり、切れていて―― 考えようとすると、目眩に似た感覚に襲われる。
やめよう。
それより、さっき聞いたあたらしいひとに会いに行こう。 誰かと一緒にいるのは、楽しい。 自分の中を見るより、自分の外の何かと関わっている方が落ち着く。]
(117) 2014/09/04(Thu) 05時半頃
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[ただ、行くあてナシに、探すのは流石に不安だった。 誰かに聞くのがいいか。]
…せんせい、とか。食堂の人なら知ってるかも。 ――シーシャに聞いとけば、良かったなー。
[そんなわけで。立ち上がって、来た道を引き返す。 のんびりと。
そうして歩いていれば、中庭の見える辺りにも差し掛かっただろうが、そこにはまだ誰かいただろうか。 誰かがいたならば、手を振って、人なつこく挨拶をしただろう。**]
(118) 2014/09/04(Thu) 06時頃
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― 廊下 ―
[向けられる屈託ない笑顔。>>79 その背後に広がる中庭。 太陽の光が降り注ぐ中、サァ、と白い風が動き花弁が舞う。]
おはよう、そうかい今日はおしまいか。 描いていたら過ごしてしまった、これから食堂だよ。 また後で来るなら、一緒に日向ぼっこしようか。
[まぁさん、と呼ぶ声にくしゃりと皺を寄せて笑い視線を自らの右腕へ落とす。 黄色の花弁が太陽を追いかけるかのように、中庭の方を向いて咲いて。 彼女のように、笑っているような気がした。]
(119) 2014/09/04(Thu) 09時頃
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[彼女に出逢ったのはいつだろう。 中庭で日向ぼっこをしているところ、建物の中からこちらを見ていた彼女を手招いたのがはじまりだったか。
彼女が忘れてしまったとしても、恐らくまた手招くのだろう。 そうして繰り返す出逢いは、どこか遠い記憶に重なりながら。]
(120) 2014/09/04(Thu) 09時頃
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[顔を上げて彼女を見れば。 皺がれた手を伸ばして金色の髪に絡んだ花弁を摘まんで落としてやり。]
今日のは、おいしかったかい?
[世間話のように問うそれは、記憶の味か。食事の味か。**]
(121) 2014/09/04(Thu) 09時頃
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本草方士 麻雀は、メモを貼った。
2014/09/04(Thu) 09時頃
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―回想・廊下―
[まぁさんに、彼女の髪に成るリンゴの話をしたことがあったろうか。 その記憶は定かではないけれど。 どちらにせよ、食堂へ行く、と言った>>119後の問い>>121に、朝食の話と思いこみ。]
うん、今日のご飯もとってもおいしかったのよ。 ピーマン入ってたけど。
[顔をしかめながら緑の天敵にアタックしていた青年の姿を思い出してくすりと笑いをこぼして。 後の日向ぼっこのお誘いには快く頷いた。]
えぇ、しましょ、日向ぼっこ。 …そういえば、まぁさんは、最近お外の絵は描かないの?
[ふと思いついたことを尋ねる。 まぁさんの絵は、結構好きなのだ。*]
(122) 2014/09/04(Thu) 09時半頃
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―角を曲がった廊下―
[触んな、と鋭く放たれた言葉>>96に、びくりと伸ばしかけた手を止めて。 行き場をなくした手を、空中にさまよわせながら、そわそわと青年の表情をうかがう。 怖い…とは、思わない。 けれど、途方に暮れてしまって。
なんでもない、どうってことない、と繰り返す青年。 こんな時、どんな顔をすればいいのか、わからなかった。 …笑えば、いいのだろうか?]
…大丈夫…
[微笑と共に、大丈夫だよ、と言いかけて。 何が大丈夫なのだろうと自問しかけたところで、耳に届いたスリッパの音>>97に、思わず口をつぐんだ。]
(123) 2014/09/04(Thu) 09時半頃
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[サミュくんの無遠慮とも言える問いに、答えてか答えずか、立ち上がる青年に、あ、と思う間もなく。 立ち上がるタイミングを逸した彼女は、しゃがみ込んだまま、二人の会話を見上げる。 どこか切迫感に近いモノを感じるやり取りに、思わず息をひそめてしまうが。 一瞬すれ違った視線>>108には呆けたような顔を返してしまったのは、許してほしい。]
…仲、いーなぁ…
[ぽつり、つぶやかれた言葉には、わずかな羨望と、一握りの寂しさ、残りはなんだかよくわからない、日向ぼっこに似たぬくもりが込められていた。]
(124) 2014/09/04(Thu) 10時頃
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[つぶやきが二人に聞こえたか否かはわからないが、それをきっかけにしたように、ようやく立ち上がる。 背の低い彼女は、長身の二人の視界には入らないだろう、そんなことを思いながら、そっとその場を立ち去ろうと思う。 声をかけられてしまえば止まるが、かけられなければそのまま自室へ戻ろうと思った。*]
(125) 2014/09/04(Thu) 10時頃
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[二人と言葉を交わしたか否か、その後部屋へと戻ってきた彼女は、ぱたんと扉を閉めてから、にこりと笑う。]
…ただいま。みんな。
[真正面の壁に掛けられたコルクボードに貼られた数々の写真は、このサナトリウムで出会った人たちのそれだ。 二人で写っているものもあれば、単体で写してあるものも。中にはどうしても逃げられてしまって、顔の余りはっきりと映っていない隠し撮りの様なものまで。 そして、それらの写真のそばに、一枚ずつメモがピンで留められていた。
名前。簡単なプロフィール。特徴。話したこととか。 毎日眺めるそれらの情報は、彼女の中では既に記憶か記録か分らない。]
(126) 2014/09/04(Thu) 12時半頃
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[この部屋に誰を入れたことがあったか、あるいは入られたことがあったか、定かではないし、もしかしたらこの写真を見つけただれかに何かを言われたかも、中には苦言もあったかもしれない。 けれど、やめる気はなかった。
これが、私が私として生きる術だから。]
んーっと…ぉ…
[歩み寄り、写真を順に眺めてゆく。 先ほど中庭から、窓越しに顔を合わせた男の人、彼はこの中にいたかしら? 割合特徴的な顔だったから、あればすぐにわかると思うのだけれど… やはり、その中に写真がないのを確認して、安堵する。]
うん。 じゃ、増やさなきゃね。
[コルクボードの下に置かれたポラロイドカメラを取り上げる。 デジタルカメラもいいけれど、すぐに消して取り直せてしまうところが好みではなかった。 一つ一つの記憶、大事にしたい。
同じ理由で、コルクボードにはあの人の写真はない。]
(127) 2014/09/04(Thu) 13時頃
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[あの人を忘れるときは、私が私を止めるとき、だと思う。 だから、あの人の記憶を、記録で上書きする必要はない。
ポラロイドカメラを首から下げて、部屋を後にする。 あの男の人は、写真を撮らせてくれるかしら。 どんな人だろう。 名前は、なんというのだろう。
新しい記憶。 新しい記録。
それを増やすのは、なぜだろう、心が浮き立つのだ。**]
(128) 2014/09/04(Thu) 13時頃
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風通し良くていいじゃねーか。 空きっぱなしが不満なら、ピーマンでも植えてやらァ。
[穴が空きそう、そう言われれば>>113肩を竦めて軽口ひとつ。それが彼の嫌いなものだと知っているから。頭頂で花の代わりに揺れる緑色を想像すると、自然笑いが込み上げた。
先刻までの激情は潮のように引いて、その目元には幾分穏やかさが掠める。 それでも。サミュエルが中庭に意識を向ける間、視線は床の上に散った花弁を一瞬だけ見留めて。外で。そう聞こえた言葉に、また少し、鼻の奥が痛んだような。そんな事はおくびにも出さないのだけれど。]
ン? …あー、今日は、コレ。
[続けざま、振られた世間話みたいな問い>>114に、くく、と喉奥で笑う。ポケットから引っ張り出した飴玉を、くるくると手の内で弄んだ。
そうして、コレ、と示しながら包みをひとつ開いて、人差し指と親指で挟んだその黄色い一粒を。極々自然な所作で、隣に立つ彼の唇へと押し込んだ。]
(129) 2014/09/04(Thu) 14時頃
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─角を曲がった廊下─
[しゃがみ込んだままの彼女>>124に向けてしまった視線。
浮かべられた表情は何処か幼く見えてしまい、“大丈夫?”そんな言葉を唇が紡ぐ前だったか。 両頬に力が加わったのは>>101]
(何処が…?)
[不意に聞こえた呟き>>124は、確かに耳に届いたけれど、確かめようにも少々浮いた身体ではうまく言葉に出来ず。
いつのまにか立ち上がっていた>>125女性の姿には気付けず、目の前の男の問いに返すのでいっぱいいっぱいであったが、シーシャはどうだっただろうか。]
(130) 2014/09/04(Thu) 20時半頃
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…センスを疑う。
[軽口一つ叩きつつ、思わず頬が引き攣るのは、緑の固形物を思い出したから。 舌に残る苦味。女性の前であるから飲み込んだ渋く滲んだ味は、唇の曲線を一本筋へ変えて。 笑みを浮かべる彼>>129とは対照的な、何処か不貞腐れた顔を向けた。
だが、少しばかり相手の雰囲気が和らいだように感じれば、ほっとする。彼がそのとき何を考えていたのか。窓辺を見つめる男には想像が付かず。]
……飴?
[世間話をと振り返った先、右手の花を潰していれば、コロリ。 彼の手のひらで転がる小さな袋。
呆けた顔で黄色い円が取り出されるのを眺めていれば、押し込まれる黄色いお菓子。]
(131) 2014/09/04(Thu) 20時半頃
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……林檎?
[仄かな甘さと微かな酸味を舌に乗せてもごもご口を動かしていれば。 自然と蜂蜜色の髪を持つ女性を思い出して、彼女の呟き>>124についてはまた後で本人に尋ねてみようかな。そんなことを考えて。]
…新しいヤツ、来るんだっけ? そいつにもこういうことした?
[口でコロコロと飴を転がしつつ尋ねてみる。 クリスがその場にいたのなら、“会った?”と尋ねただろう。]
……今度、ピーマンやる。
[飴を転がしながら呟いた言葉。 自らの嫌いなものを礼としてやる、だなんて。 彼はどんな顔をするのだろう。 少し気になりつつも、胸に広がる空虚感に一度目を伏せた。]
(132) 2014/09/04(Thu) 20時半頃
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『……林檎?』
[大人しく飴を含んで転がしたサミュエルの疑問符に、にや、と笑う。手の中に残った包みを摘み上げて、目の前に翳して。]
残念、オマエのは林檎か。 ちび助にやったのは檸檬。真ん中くらいまで舐めないと、甘くならねぇの。
[恐ろしく酸っぱいだけの飴玉は、誰の元へ渡ったのか。 そう言えばズリエルを指名しておいた事を思い出す。とばっちりもいいところだが、まあ後で謝っておこうか。
少なくなった飴玉を手の中で転がしていると、その「新しいヤツ」について質問が飛んでくる。>>132 こういうこと。それが、どれに当てはまるのか心当たりがあり過ぎて曖昧にあー、と唸る。少しだけ首を捻ってから、言った。]
なんも。してねえよ、シャツにラクガキしたくれぇ。
[オマエにもやったっけ、まえに。 少し懐かしそうに笑って、視線は強化硝子の向こう。 中庭に降り注ぐのは、午後の和らいだ光。]
(133) 2014/09/04(Thu) 21時半頃
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[不気味な程静かに消えてしまう自身の記憶に疑心を抱く事はあれど、サナトリウムに来てから出会った人達の名前を忘れた事は、未だかつて一度も無い。
だから、覗き込んだ相手の顔>>110が始めて見たものであることもすぐに分かった――だって凄く印象に残りそうな顔だもの。 控えめの肯定に「ありがとう」と微笑む。
トン…。 椅子の上に箱を置いて、肩からベルトを外した。 コーヒーの入ったマグに指を引っ掛けた時、どこか間延びした声、左腕に…視線。 すぐにはそちらに顔を向けず、黒い液体をそのまま一口。]
………苦いや。
[じんわりと広がる独特の風味。 困ったような笑みを浮かべた。
此方の料理を見やって言葉を掛けてくれる相手にはふにゃりとした表情を向けた。]
(134) 2014/09/04(Thu) 21時半頃
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ううん、辛味は結構だよ。甘党でね。 君のお皿の方が…調味料以外にも足りない物が多いようだけど。
[自分の物ではない皿の上には、礼儀正しいパンの列とカップに注がれたスープのみ。 皿から、黒髪が掛かった横顔に視線を移す。 相手>>111はスープを飲んでいる。 時折、そうするのが義務のようにパンを捏ねては積み上げる。 此方をチラチラと伺いながら。
そんな様子を、男は無遠慮に眺めていた。 右手のフォークは料理に向かうことなく、男の手の中で複雑な軌道を描いて遊んでいる。]
僕の左腕に…思う所でもあるかい?
[食事中ずっとチラ見をされるままというのも落ち着かない(自分の事は棚上げだが)。 柔らかな口調で問いかけた。]
(135) 2014/09/04(Thu) 21時半頃
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[近くにしゃがみ込んで居た筈の、陽光を纏ったような蜂蜜色の髪の彼女の姿はどこにもない。>>125 少し、気まずい心持ちで。首を巡らすも、見える範囲にはどうやら居ないようで。
怒鳴った事を侘びなければ、と思う反面、どうにも自ら探しには行きづらい。 都合良く、次に会った時には、と自分の中で決めた。そう広くはない施設の中だ、機会はすぐに来るだろう。
暫し思考を飛ばしていると、やや憮然としたような声音でサミュエルがピーマンの進呈を宣言してくる。>>132 要らねえ。内心思うが、ここはひとつ、頂戴して何か素晴らしい仕掛けをして返そう。そう心に決めた。
そうと決まれば何かこう、ピーマンを使ったアグレッシブな遊び方を調べねばならない。是が非でも。]
(136) 2014/09/04(Thu) 21時半頃
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あァ、…楽しみにしてる。
[傍の彼に、いつになくふんわりと笑ってみせた。どう捉えるかは知ったことじゃない。
ピーマンで意趣返しされて、殊更嫌がる顔を想像──しようとして、何故だかそれは上手く思い描けなかった。 見ていないからかもしれない。ここのところ、目に見えて怒ったり笑ったりする彼を。]
(……コイツ、いつから、『こう』だったっけ)
[ちり。 身体の、どこか深いところが、音を立ててざわめく。 青年の頭頂で揺れる花。床に散った花弁。名も知らないサーカスが来る夜のような、些細で、絶対的な胸騒ぎ。]
(137) 2014/09/04(Thu) 22時頃
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サミィ、……、あー……
[何を言いかけたのか、自分でも分からない。 『大丈夫か』、? そんな問いに、なんの意味も無いのはとうに知ってる。知ってる、筈だ。
結局声は続かず、クリスを見かけたら、探していたと伝えてくれと。 別件とすり替えて、その場を立ち去る事にした。軽く片手を上げてまたな、と。そうして歩き出す。
『植木鉢より、外で咲きたい。』 頭の中で、先ほどの彼の言葉>>114を反芻する。外で。焦がれる気持ちは、同じだろうか。]
(ああ────でも、オレは、)
[目を細め、硝子越しの中庭を眺めやる。どこか遠い。白いひかりも。吹き抜けの空も。薄い唇が、僅かに震えて。オレは。]
──────…そうなる前に、死にてえよ。
[呟いた声は、直ぐ後ろの彼にすら、届かなかったかもしれない。]*
(138) 2014/09/04(Thu) 22時頃
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―書庫・とある物語―
[少女と呼ぶには大人びた表情、 しかし女性というには幾分幼さの残る彼女は言う。 …先生、と。>>102
ぽつり、落とされた返答には柔らかく笑みを向けて頷く。 自分が白衣を好む理由は花の色が映えるからだけれど、 こういった勘違いを振りまくのが好きだというのも、否定はしない。]
へぇ、恋の物語かい? コスモス…良い花だ。うん。
[脳裏に過るは”乙女の真心”。 優しい桃色の似合う、笑顔の素敵な女性が振り向くよう。 …尤も、その顔は何処か霞がかっていて、表情など見えるはずもなかったのだけど。]
(139) 2014/09/04(Thu) 22時頃
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きっと、素敵な恋をした人のお話なんだね。
[少し傍に寄り、ジリヤの手にする物語を1頁、目に映して。
――会いたい、会いたい、早く、貴方に。 過去の人を想い、未来を願う、希望の言葉。>>104
嗚呼、こんな人もきっと、最期は冷たい花を咲かせるのだろう。 自身は記憶を失うのを憂いはしないが、こういう人には辛かろうと。
少し居たたまれなくなって、そっと文面から目を逸らす。]
(140) 2014/09/04(Thu) 22時頃
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[しかし伏せた瞳は、次の瞬間、意表を突かれて僅か開かれ。]
「先生、チョコレートコスモスってご存知です?」>>112
[指差された先、その最期の花の意味を。 咄嗟に思い浮かべてしまうのは自分くらいだろうか。]
ふふふ…チョコレートコスモス、か。 知ってるよ。その名の通り、チョコレートの香りのする花さ。 君の左手首の、その赤よりもう少し暗い色をしていてね、
……花言葉は、”恋の終わり”。
(141) 2014/09/04(Thu) 22時頃
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[少し。間を置いて、]
――或いは、”恋の想い出”。 ”移り変わらぬ気持ち”。
[花の色と失う記憶の関係性は、判明しつつあれど謎も多い。 だから自分は便宜上、花言葉を充ててきた。 複数の意味を持ち、解釈の幅も広い。 失った記憶に執着し、悲観的になることもなくなった。
この物語は… この事例は、”花言葉”の論をまるで後押しするようで、]
(142) 2014/09/04(Thu) 22時頃
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……ねぇ、ジリヤ。 君は、この物語を悲劇だと思うかい?
[彼との明るい未来を断たれた、愛を失った人の物語だろうか。 最期に咲いた花は、 彼女の恋の終わりを悲しく告げたものなのだろうか。]
(143) 2014/09/04(Thu) 22時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/09/04(Thu) 22時半頃
セシルは、ジリヤの淡い双眸を静かに見つめ、目顔で問う。**
2014/09/04(Thu) 22時半頃
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甘党、なら。コーヒー…苦いままで。平気、です?
[マグに口を付け、文字通りの『苦笑い』をした隣人に首を傾げ。 机の片隅にあった調味料群に伸ばしていた手を、砂糖の辺りに彷徨わせるが。とん、と置いた]
……その、僕はあまり、食欲無く、て。 内臓が…結構、お花畑なんです。
[食事量の事を問われれば、巌の様な肩を竦め、キューブを突いて情けなく薄い笑みを浮かべ。 名前の書かれた辺りの腹を緩く、緩く撫でてみせる。 急激に侵された割には、欠損や衰弱の無い身体。 それは外見だけの話、きっと丁寧に半分に開いたらヒトガタの花壇になるのだろう。
廊下でくしゃみをした時にずり落ちたタオルは、被り直したつもりで然程顔が隠れていなかった事に気付くが 柔らかい笑みを浮かべた男の態度はリラックスしている様で。 気にし過ぎだった、かな。と被っていたタオルをそのまま首へかけ。 器用にくるり、くるりと遊ぶフォークにも目は行かず、 どうしても瞳孔は無くなった左腕に吸い寄せられ、自分も見られている、という事には気付かない。]
(144) 2014/09/04(Thu) 23時頃
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[–––––––––僕の左腕に…思う所でもあるかい?]
…あ、すみません。えっと…
[あ、つい、見過ぎて、しまった。 穏やかに聞かれたものの、びくり、と身を震わせたのが目に見えて分かっただろう。 慎重に、言葉を選ぼうとし…少し黙り込み。 考えを練る様にパン屑を練り回し、26個目の立方体を作る。
自室。しっかりと詰められた花弁。付箋に書かれた重量。 下の、古い花弁は、どの色の物も、黒く、茶色く、]
そのう、その腕…は、やっぱり、花の、病気で…?
[言葉は上手くひり出せず。結局は直球で問う事となる。 傷付けていないか、相手の表情を窺いながら。 巻かれた、包帯。脱力した、腕。包まれた、掌。 その先に、1つ、コマが進んだ時、視線の先、またぎょろりとした目を落とす。]
(145) 2014/09/04(Thu) 23時頃
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[空の食器を返そうと、食堂に入れば。]
―――おや。
[テーブルには、新入りとヤニクが座っている。
何気なく食器を返しながら、声を掛けられたなら何言か言葉を交わすだろう。]
(146) 2014/09/04(Thu) 23時頃
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[飴を転がしながら双眸を眇める。]
…ペラジーは喜んでた?
[運良く、なのか。悪くなのかは分からないけれど、彼の話から聞く限り、相当酸味の強いものなのだろう。舌に広がる独特の酸っぱさを思い出せば、カラカラと喉が乾き、うんざりとした顔をする。
手の中で踊る飴の入った袋。 あと何人に仕向けるつもりなのだろうか。そんなことを考えつつチラリ。その新人にも既に実験済みなのだろうか。考えていた矢先何処か勝手に予想していた言葉>>133にころり。飴玉の音が止まる。]
………。それ、目印にしたら会えるかな。
[穏やかな陽射しに視線を向けながら。昔の話には、少しの沈黙。]
……された。あんたにね。
[花びらが一枚、落ちる。]
(147) 2014/09/04(Thu) 23時頃
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[彼に便乗するように柔らかい髪の女性>>125の姿を探したけれど、見つけることは出来ずに、すっかり小さくなった飴をパキリ。 歯を立てて潰す。
口内に残る林檎の味。 そういえば彼女に咲いた花もまた林檎のような香りであったような、そんな気がして。
何と無く薄っすらと彼女の面影を描いては、消し去った。 直接見れば良いことだと思ったから。]
(148) 2014/09/04(Thu) 23時頃
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[皮肉のつもりで告げた言葉>>132にどんな反応が見られるか。 そう思いつつも、ふんわりと笑みを浮かべられてしまえば、言葉は途切れて。
──何を求めて自分は彼にこの言葉をかけたのだろうか?
理解出来ず、瞳が揺れる。 けれど、その揺れた原因こそがただただ分からず、つま先は白く変わるだけ。 不思議そうに首を傾げれば、青い花は瑞々しく咲き誇るだけ。]
(149) 2014/09/04(Thu) 23時頃
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……おう。
[彼が何か言いかけた>>138ことは察しが付いたが、何を問おうとしたのかは分からない。 少しの沈黙の後に付け足された言葉。それが本来自分の名前を呼んだ理由なのか。腑には落ちなくとも、頷いて。]
………。
[軽く手を上げて歩き出す彼に、会釈を返す。 そして彼とは反対側に向かって足を進めて──数秒。]
……誰だっけ、あの人。
[舌に残る林檎の味は、微かにあまい]*
(150) 2014/09/04(Thu) 23時頃
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[セシルの言葉を聞いて>>139>>140]
…素敵な恋、ですか
[恋やおしゃれに、はしゃぐ少女たちを 教室の片隅から見ていた自分
水槽の中でゆらゆら揺れる ひらひらしたヒレや光る鱗で身を飾り 色とりどりの魚のようだった
恋とはどんなものだろう? ふわふわしてて甘い綿菓子みたいなものだろうか?
ならば、きっと自分には無縁なもの]
(151) 2014/09/04(Thu) 23時半頃
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花なのに、チョコレート?
あ、けど…カカオも植物ですし …そういうこともあるのかしら?
[チョコレートコスモスのことを聞き>>141>>142 教わったことへ自分なりに考えてみる
知らなかったことを知るのは、楽しい 例え、いずれ記憶から失われてしまうものだとしても
考え感じて、何かを思う それこそが生きていることだと思うから]
(152) 2014/09/04(Thu) 23時半頃
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…ぁ、あ、あーっ! 先生、おはよう、ございます。
[食事の載った物よりも高く、重なり鳴く食器の音。 視線をずらすと、皿を戻していたのは一番はっきりと顔を覚えている人物>>146。 此所に来る、以前の記憶はパン屑の様な思い出を除いき、ほぼ咲いてしまって残っていない。 それどころか此所に来た、数日前の記憶すらあまり残っていない。 治療が進み、漸く記憶の崩落、もとい開花が収まって。 記憶が保持出来る様になった頃にやっと、認識ができた顔。
会話の途中だったか、一区切り付いたところだったか。 枯れた声をほんのり裏返し、半分腰を上げて呼び止め、]
っぼ、僕の部屋、どこでした、っけ…!?
[思わず、泣きそうな顔で問うたのは 現時点で最も切実な要項。]
(153) 2014/09/04(Thu) 23時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/09/05(Fri) 00時頃
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