182 【身内】白粉花の村
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……と、いうことは、クシャちゃん飲める人なの?
[にぃ、と嬉しそうに口角を上げれば、それなら少し付き合ってよー、と葡萄酒のグラスを持ち上げた。そのままグラスに口をつければ葡萄酒を飲み干して、ほんのり熱く火照った頬を指先で触れて。その“友達”とやらは何者なのだろう、と想像する。酒を酌み交わす友達がいるのはいいことだと思う反面、なんだか面白くないと思う自分もいて大人気なく嫉妬してみたりして。]
じゃあ、クシャちゃん驚かせる為にぼんきゅぼんになるねぇ?
[冗談めかして呟くとパフェのスプーンを手に取り、溶けかけたアイスをつついて口に運ぶ。彼は驚いたらどんな表情をするのだろうか、前髪の下の瞳はどんな色をしているのか、考えてみるだけでもわくわくする。残り少ないパフェはやや温くなってしまっていたけれど、そんなことを想像しているレティーシャには些細な事に感じられた。]
(+19) 2014/07/05(Sat) 21時半頃
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ええっ、早い!もう食べ切ったのー?
[多量のデザートを短時間で食べ切った青年に対して驚きの声をあげると、すごいねー!とはしゃいで。なんて面白い人なのだろう、と尚更彼のことを知りたくなる。自分でも制御出来ないほどに彼への関心は肥大化していった。良くないと分かっていても、それは心地良くて。このまま欲望の渦に沈んでしまうのも悪くない、と思った。
そんは思考を少女の無邪気な声>>+14が遮ると、我に返って。こんな感情を人に悟られるわけにはいけない、とこちらも無邪気な笑みを作って、またねー!と手をぶんぶんと振り替えした。]
(+20) 2014/07/05(Sat) 21時半頃
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それって、変な酔い方でもしたんでしょー?
[彼のにつられて笑うと、お酒をあんまり飲まないのか、それともお酒に弱い体質なのか、と想像してみて。正体の分からない“友達”とやらに対抗心と嫉妬が入り混じった感情を抱く。]
じゃーあ。 わたしがグラマラスな大人の見た目になったら、嫌でも付き合わせるー。
[少し考えて駄々っ子のように言えばその時にはいい大人になってお酒を飲むようになっているんじゃないかなー、なんて続けた。それとも未だに誰かの言い付けを守って禁酒しているのだろうか。それも、面白いかもしれないなぁ、と思って。――どちらにしても退院後にお互いどうしているか予想も出来なくて。彼の周りにもっと人が寄り付いたら、レティーシャことも、こうして話していることも、過去として追いやられてしまうのではないだろうか、と不安に思ったりするけれど。]
(+28) 2014/07/05(Sat) 23時半頃
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――そんなに見ても、何も面白くないよ?
[視線を感じて彼を一瞥すると、首を傾げた。さっきまで彼のことを観察していた自分の姿と重なって、苦笑いを浮かべて、なんだか恥ずかしい、と片手で火照った顔を軽く隠した。だからといって彼の視線が嫌なわけではなく、寧ろ彼を独占している気になって心地よくも感じて。残り少ないパフェを食べ切るとご馳走様でしたと手を合わせ、目を伏せた。彼をわたしに縛り付けるにはどうすればいいだろう、と。楽しそうに笑む表情とは別に、彼に見えないところで爪が食い込むくらいに手を握りしめた。]
(+29) 2014/07/05(Sat) 23時半頃
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そっかあ、苦手なら仕方ないねー。
[彼の反応から嘘にはすぐに気づいたけれど、それなら無理に勧めないよ、と笑った。彼が動揺するような何かがあったこと、そんな姿を見た誰かがいることに静かに憤りを感じて。誰かが既に彼の素顔を見ているかもしれないと思うと、息が詰まるような感覚に襲われる。この感情を抑える術は持ち合わせていなくて、より一層握り込む手に力を加えることしか出来なかった。]
気を遣われるのは苦手なんだもん。
[ぽつり、と呟くと右手の人差し指でつん、と彼の額の辺りを1度つついて。苦手なんだから無理して飲もうとしなくていいから、と続けた。執着心と欲に塗れた心にもまだほんの僅かながらに良心のような気持ちは残っていて、それがなんだか気恥ずかしくて小さく息を吐く。それでも、恥ずかしさは消えなかったけれど。]
(+33) 2014/07/06(Sun) 00時頃
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なんだぁ、気付いてたんだねぇ……?
[でも、クシャちゃんは見られても恥ずかしがらないから仕返し以上だよ、と口を尖らせれば空のお皿とその下のトレーを見つめて。食べ終わっているのに此処に居座るのは迷惑だろう、と考える。]
――クシャちゃん。もう少し時間ある?
[よければ、わたしのお部屋に来ない?と声を掛けて。こんなこと人に言ったのは初めてなせいか声は震えていたけれど、彼には気付かれていただろうか。]
(+34) 2014/07/06(Sun) 00時頃
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クシャちゃんも恥ずかしかったなら、おあいこでいーよっ!
[彼の嘘はすごく分かりやすい。これといって明確な理由はないけれど、直感で彼の嘘が分かってしまうのだ。彼に悪気は無いんだろうけど、彼に嘘を吐かれることが――見え透いた嘘を吐かれることが我慢出来なくて。それを素直に信じてあげられる余裕も、優しさも枯れ果ててしまった。]
そっか。それなら、良かった……。
[彼の答えに、断られたらどう誤魔化そうかと思っていたところだった、と安堵の笑みを漏らす。それじゃあ、行こうか!と明るく言えばトレーを返して自室へと足を進めて。
転院してから自室には向かって居なかったが為に、院内の地図と睨めっこしながら廊下を数分ほど進んだあたりで足を止める。何度か部屋の番号と名前を確認すれば、小さく頷いて。]
……ん。ここみたい……!
[呟くと扉を開けて一足早く物の少ない部屋に入ると、入っていいよー、と声を掛ける。それからベットの端に座れば手荷物が部屋に届けられていることに気付いて中身を覗いた。手荷物の中のワインオープナーを取り出すと、彼に見つからないようにポケットの中に入れて。]
(+36) 2014/07/06(Sun) 01時頃
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うん、綺麗なお部屋だね! ベットもふっかふかだし……!
[素敵な部屋と彼は言うけれどレティーシャの目には家具の少ない質素な部屋にしか見えなくて。彼の目が完治していないのではないか、という疑いの色を濃くすれば唇をきゅっと結んだ。彼は――なんで嘘を吐くのだろうか。負の感情はもう自分ではどうにもできない程に心を染めあげて、後戻りはもう出来ないのだと知らせるように酷く痛んだ。]
……わたし、ね。 クシャちゃんに嘘吐かれているの、知ってるんだよ? ――ねぇ。教えて。 どうして、わたしに嘘を吐くの……?
[震える声で彼に訴えかけるように言葉を吐くと、静かに立ち上がり変に警戒されないように気を使って彼にゆっくり背後から歩み寄る。ある程度の距離まで近付くと、そのまま彼の背中に体重を預けて左腕を身体に絡ませて。その後素早く右手でポケットの中を弄り、先ほどのワインオープナーを取り出すと強く握った。]
ごめんね、 こんなはずじゃ、なかったのに――……。
[彼の耳元で囁けば、自らの醜い心を表しているような螺旋状の針を彼の背中に軽く触れさせて。弄ぶようにくるくるとワインオープナーを回すと、悲しげに目を伏せた。]
(+42) 2014/07/06(Sun) 03時半頃
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嘘、だね?
[緊張と不安から震える声を抑えるように、それでいてそれを彼に悟られないように注意しながら彼に問う。答えたくないなら答えなければいい、それなら――この螺旋の鍵で彼の心を開いてもらうだけだから。]
――何言ってるの? もう遅いんだよ、なにもかも。
[こうして彼を傷付けようとしているのだ、今更“なかったこと”になるわけがないのに。出来れば、こんなことしたくなかったんだよ?と彼に囁いて。]
痛くなるかは……クシャちゃん次第だよ?
[にぃ、と口の端を引き上げる。それから流石に服の上からじゃ刺さりにくいだろうと考えて、針を背中から首の肌が見えるあたりへ先端を焦らすように身体から離さずに移動させる。]
どうして嘘を吐くの?
[再び同じ質問を投げ掛けると、針の先端を彼の首の付け根にコルクを抜く時よりも僅かに浅く差し込む。…これが脅しではないことを彼に伝える為に。はたして彼は痛がってくれるだろうか、そして、笑顔の仮面を外してくれるのだろうか。]
(+57) 2014/07/06(Sun) 13時半頃
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なんで……?どう、して……?
[どうしてここまでしているのに嘘を吐くのか、と動揺を隠しきれずに何度も何度も繰り返す。]
――怖く、ないの? 逃げてもいーんだよ?
[もちろん、簡単に逃がすつもりなんてないんだけど、と心の中で呟いた。ただ、逃げようとするなり、反撃するなりしてくれたほうが、こうして良心との狭間で迷わなくてもいいのにな、と思ったりもして。いっそ、彼に嫌な奴だと思われて嫌われたほうが楽なのだろうか。それとも、そこまで思われてもこの執着心は消えずに彼を求めるだろうか――。答えには辿り着くことはなかったけれど、そのうち自ずと分かるからいいや、と彼に刺したそれをさらに押し込んだ。螺旋が2周程彼の体内に刺さったのを確認すると、そのままくるくるとハンドルを回すのはあまり面白くないかな、と上唇をそっと舐めた。]
(+63) 2014/07/06(Sun) 16時半頃
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クシャちゃんの、嘘吐き。
[吐き捨てるように囁けばハンドルを斜めに勢い良く引っ張ると、螺旋が皮膚を引き裂いて。じわじわと溢れる赤い液体を右手の指先てすくうと湿った唇に塗り、それを綺麗に舌で拭い去ると満足気に笑みを浮かべた。]
ねぇ、嘘を吐いてないなら教えてよ。
[背後から幸せそうに笑ったまま、彼の顔を覗き込んで目にかかる前髪を撫でて。]
――わたしの髪は何色だった?
[意地悪く、彼が答えられないであろう質問を投げ掛けると螺旋の先で彼の頬を突ついいた。これでも彼が顔色を変えたり、嘘を吐くようならば、どうしようか、と考えながら彼の反応を伺って。]
(+64) 2014/07/06(Sun) 16時半頃
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