192 革命の嵐
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─ 戦艦ヴィーゾフ号 ─
[ふたたびの混乱が始まる戦艦の甲板を横切り、柵や荷物の影を通って猫はするすると船倉へ向かう。 まるで行くべき場所がわかっているかのような迷いのなさで軍艦の奥へ奥へと進んでいた。 たがしかし、目的の場所にたどり着く前に、扉に阻まれる。
かしかし、と扉を引っ掻く猫を見つけた船員は、首根っこを掴んで扉から引きはがした。 さらに暴れる猫に辟易して、麻袋に詰め込んでしまう。 あろうことかそのまま甲板へ出て、麻袋ごと船の外に放り投げた。]
(3) 2014/09/07(Sun) 13時半頃
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[猫好きの艦長がいればそんな悲劇は回避されたかもしれない。 だが、猫のあずかり知らぬところで艦長は囚われの身になっていた。 ゆえに]
にゃぁぁぁあぁぁ
[悲痛な声を残して猫は水の中。 麻袋からはどうにか這い出したものの、寒中水泳を強いられることとなった**]
(4) 2014/09/07(Sun) 13時半頃
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─ 寒中水泳中 ─
[初冬とはいえすっかり冷えてきた水の中 ───とかそんなことは全く持ってどうでもよく ともかく水だった。水、水水、なんてったって水。
必死の形相で水を掻くも、毛皮はたっぷり水を含んで重い。 あわやひっくり返って流されようかというところ、 真下から巨大な物体がぬっと現れる。]
(30) 2014/09/07(Sun) 22時頃
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[それがイワンという馬番の頭、などということは知る由も興味もなく、ただもうこれを放せば死ぬと言わんばかりにがっつりと爪を立ててしがみついた。
浮き沈みする頭の上で震えていたら、名を呼ぶ声がする。 飼い主の顔を見つけて、彼がちゃんと乾いた場所に立っているのを見て、足場をおもいっきり蹴って小舟に飛び移った。]
(31) 2014/09/07(Sun) 22時半頃
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─ 小舟 ─
[ちゃんとした足場を確保したら、ぶるぶると身震いひとつ。 盛大に水は飛び散ったが、その程度で毛皮が乾くはずもなく、べっしょりと毛が張り付いて目ばかり大きい細っこい怪生物の風情で船底に座り込む。
あとはもう、一心不乱に毛づくろいを始めた。 人間たちがなにやら言い争いをしていることなど、もはや関心の遙か先にある。]
(32) 2014/09/07(Sun) 22時半頃
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[毛づくろいに精を出していたら、不意に小舟が大きく揺れて盛大な水飛沫が上がった。 派手に散った水を浴びて、せっかくの毛づくろいの成果が一部台無しになる。
もう一度体を震わせて水滴を弾き飛ばしたあと、恨めし気な顔で水の中の大男と飼い主とを見た。
ひょいと桟橋に飛び移り、放置されている箱の影にするりと入り込む。 そうして頭から毛づくろいを再開した。]
(35) 2014/09/07(Sun) 22時半頃
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[飼い主に名を呼ばれれば、荷物の影からしっぽだけがちらりと覗く。
背中にはだいぶ哀愁が漂っていた。]
(36) 2014/09/07(Sun) 22時半頃
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[近づいてきた飼い主の顔を見上げ、 撫でられるがままにおとなしくしている。 しっぽだけは、びたんびたんと不機嫌に地面を叩いていたが、ふーと鼻から息を吐き出すと、撫でるその手をざらりと舐めた。
黄色い目でシメオンを見上げ、声を立てずに口だけを鳴く形に開き、額を飼い主の手にごつりと擦り付ける。]
(40) 2014/09/07(Sun) 23時頃
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[そうしてどうにか猫っぽさを取り戻した姿で適当な荷物の上に駆け上がり、人間の視線より高い位置を確保する。]
なぁお。
[低い声で鳴いて、しっぽをぴんと立てた姿は、 どことなく、幸運を祈るとでも言っている風情だった。]
(41) 2014/09/07(Sun) 23時半頃
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[そうして、シメオンがその場を離れるまでを見届けたなら、 三毛猫は優雅さを取り戻した足取りで歩み出す。
向かう先は淫売宿ではなく、人間たちが騒がしくしている場所**]
(48) 2014/09/08(Mon) 00時頃
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