166 あざとい村
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[そんなこんなで────]
ま、そろそろ──ね。
[危機感を煽るために、セシルはそっと身を隠した。]
(+0) 2014/03/08(Sat) 11時頃
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[ジリヤが縛られている体育倉庫で どこかの床がカタン──と小さな音を立てて、ずれた。
外からは見えない跳び箱の中に、 隠し通路を通って来たセシルが現れた。
ひょいと上の段を片手でずらして、顔を覗かせる。]
(+1) 2014/03/08(Sat) 11時半頃
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[人差し指を立てて唇の前に添え、静かに──と身振りで示す。
ジリヤが頷くのを確認して、 内側から跳び箱の縁に手を掛ける。 半分ほど身を乗り出すと、反動をつけてひらりと飛び降りた。]
お疲れ様、ジリヤ。 包帯を外しに来たよ。 こっちに来て。
[マットの端にジリヤを呼び、 器用に縛り目を解きながら声を潜めて話し掛ける。]
(+2) 2014/03/08(Sat) 11時半頃
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[解いた包帯をくるくると巻いてポケットにしまい 痛いところはない? と、尋ねる。]
スージーの占いに反応したってことは、 ジリヤが人狼の尾を持っているんだよね? 先生達から、詳しい話は聞いてた?
[座って、と促して ジリヤの様子を見ながら一つずつゆっくりつ質問を重ねる。 寒そうにしているのを見れば]
あ、悪い。 とりあえず風邪をひくと悪いからここから出ようか。
ジリヤがどこまで知っているのか。 それと、僕の役目。 外に出てからゆっくり話そう。
[と、脱いだジャケットを差し出し、にこりと笑う。 その後、肩を痛めとは思えぬほど軽々と跳び箱をずらし、 その下に口を開けている隠し通路を見せた。]
(+3) 2014/03/08(Sat) 11時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/03/08(Sat) 12時頃
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[包帯を解きながら、ジリヤの話に小声の相槌を返す。]
ヒューから? まいったな……じゃあ人狼役のもう一人はヒューか……。
あいつ、僕を出し抜くなんてやるじゃないか──。
[独り言に近い最後の言葉は、 どこか悔しそうな色合いを帯びた。]
誰かが覗いたとして、 中にジリヤがいなかったら余計にミステリアスだろ?
[長い袖に指先まで隠した姿に目を細め とりあえず付いて来て──と、 体育倉庫の地下から伸びる隠し通路を通って 体育館に程近い、保健室に出た。]
(+6) 2014/03/08(Sat) 22時半頃
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[保健室のベッドの下にこんな通路があるなどと 知っている生徒は限られている。
扉を閉めてベッドを元の位置に戻すと 万が一に備えてカーテンを閉めた。]
座って。 色々あって疲れてるだろ。
(+7) 2014/03/08(Sat) 23時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2014/03/08(Sat) 23時頃
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まず僕のことからか。
実はね、僕はこの訓練は始まる前、 ダン先生から直接協力を依頼されてるんだ。
去年よりも実地に近い形で訓練をするから 僕は、その訓練がスムーズに進むようにサポートしろって。
[セシル自身ももう一つのベッドに腰掛け、 やはりボリュームを抑えた声で説明しだす。]
誰が人狼役かは教えてもらえなかった。 それを見抜くことが、僕の訓練だって。
(+8) 2014/03/08(Sat) 23時頃
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眠かったら眠っちゃってもいいよ。 ヒューが人狼なら、この通路も聞いてるだろうから ここに捜索には来ないだろ。
[返って来たジャケットを羽織り、ベッドの上で片膝を抱える。 なにやら納得してくれている様子>>+9にクス、と笑い]
悪いな、僕もヒューは狩人役だと思ってたからさ。 ジリヤも、全然わかってる感じじゃなかったし、 僕としたことがすっかり騙されたよ。
[これじゃ僕の訓練は失敗だな、と苦笑する。
(+10) 2014/03/09(Sun) 00時頃
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[思いついてベッドを降り、 勝手に給湯器を使って湯を沸かす。
かと思えば、保険教諭の机の中から インスタントコーヒーを見つけ出し、 紙コップに二人分のコーヒーを淹れて戻って来た。]
食後のコーヒーはいかが?
[早速自分はそれに口をつけ、 おどけて片目を瞑りながらもう一方をジリヤに差し出す。]
で、ヒューは君になんて?
訓練の目的とかは、 もしかすると僕の方が詳しく話を聞いているかもしれないけど 一応、摺り合わせしておこうか。
まだ、僕の仕事は終わったわけじゃないから。
(+11) 2014/03/09(Sun) 00時半頃
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[ミルクたっぷりの甘いコーヒーを手渡すと 再びベッドの端に腰掛けて、あははと軽やかに笑う。]
迫真だった? それならもう一つの目標は達成かな。
ダン先生に言われてたんだ。
狩人には自分の素姓を隠すスキルも必要とされる。 誰にも違和感を抱かせてはならない。 訓練が終わるまで騙しきれ──。
ってね。
[ダンの口調を真似て、少し戯けて言う。]
(+14) 2014/03/09(Sun) 12時半頃
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……いや、
[──が、コーヒーをもう一口飲むと]
カイルには大分怪しまれてたか……。
[訝る少年の顔を思い出し、苦笑を浮かべて肩を竦めた。]
サイモン先輩の“演出”のお陰でいらない苦労したよ。 本当なら先輩は隠れるだけで、 悪霊の話は僕から伝える手筈だったのに、さ。
「サイモン先輩を見つけたけど目の前で消えた……。 消える前にサイモン先輩は、 人狼の悪霊の仕業だって言い残して……」
[──どう? この方が信憑性あるでしょ? と、演技してみせてから、また戯けて尋く。]
(+15) 2014/03/09(Sun) 12時半頃
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うん、『本格実戦演習』。 だけどこれにはもう一つ目的があって。
それは、 ──一年生の適性を見る、というものなんだ。
人狼対策科の進路はその道のエキスパート──つまり、 対策科の生徒の大半が、 将来犯罪者達と関わる職業に就くことになる。
適性がなければ、自ずと危険も跳ね上がる──よね。
(+16) 2014/03/09(Sun) 12時半頃
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だからね、適性がなければ普通科を勧める。 それでも人狼対策科への進級を望むなら 本人にその覚悟があるか確かめる。
逆に、適性を見出せば 普通科を希望している生徒でも勧誘する。 危険な仕事だからこそ、 適性のある人材を確保したいらしいよ。
───この訓練にはそういう側面がある、ってこと。
(+17) 2014/03/09(Sun) 17時半頃
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まぁ──そんなわけで僕のもう一つの仕事は このグループの一年生の 適性評価だったんだ け ど ──
[そこまで言って、 セシルは妙に語尾を強調した。]
特別点って何? 聞いてないなぁ…──
[整った顔に浮かべた笑みが凄みを帯びる。]
(+18) 2014/03/09(Sun) 19時半頃
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ダン先生も狡いな…… そんな大事なこと僕に内緒にしておくなんて……。
[黒いオーラは主にダンに向けられているようだ。]
教えてくれれば僕ももっと人狼チームに全面協力して 村人チームを駆逐するのになぁ。
[──だから教えなかったのだろうと 容易に推測のつく物騒な呟きは ジリヤの視線を感じればピタッと止まる。
そしてにこり。
冗談冗談──と笑いながらコーヒーを飲み干した。]
(+19) 2014/03/09(Sun) 20時頃
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[小声での呟きを聞くと、 セシルは空になった紙コップを片手でくしゃりと握り潰し 隣のベッドの上を横に移動するジリヤの横に座り直す。
切れ長の瞳は面白がるように細められ あまりにも自然に、ジリヤの双眸へと近付いた。]
ねぇ──
[静かな保健室に潜めたテノールが落ちる。]
ヒューはどうして君に頼んだんだと思う?
(+22) 2014/03/09(Sun) 21時半頃
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ヒューって莫迦だけど、 流石に本気で勝ちに行くつもりなら僕に頼むだろ? どうしてジリヤだったのかなって、気になるよね。
……もしかして、ヒュ
[クス、と意味深に笑いながら 次の言葉を発しようとした瞬間、 ヒューの声>>69が保健室のスピーカーから流れ出し]
────…っと、ゆっくりしすぎたかな。
[慌ててベッドから立ち上がった。]
(+23) 2014/03/09(Sun) 21時半頃
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そろそろ僕はあっちの様子を見に行くけど、 ジリヤはどうする? ここで寝ててもいいし、付いて来てもいい。 ──けど、
…──ヒューが気になるなら、おいで?
(+24) 2014/03/09(Sun) 22時頃
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[>>+25きっぱりした返答を満足気に見返し、 ごく当たり前に手を差し伸べてジリヤを誘う。
そしてまた、ベッドをずらして地下へと戻った。 地下通路を通って向かうのは体育倉庫──ではなく]
こっちからステージの壇上に出れる。
[ステージの壁を隠す緞帳の裏。
重いカーテンは小さな出入口の開閉くらいでは揺れもしない。 音を立てないようにジリヤに手を貸し、 カーテンの裏を通ってステージ裾に移動した。]
(+26) 2014/03/09(Sun) 22時頃
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[ステージ裾からそっと体育館を覗き見た時、 まだ体育館にはスーザンもロビンも戻って来ていなかった。
勿論、アオイの姿も────]
…────、
[ブルーグレーの瞳が揺れる。
迷うようにジリヤを見て、また集まった面々に視線を戻し 逡巡の後──短く溜息を吐いた。]
(+27) 2014/03/09(Sun) 22時頃
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ごめん……ジリヤ。 少し一人でここにいてくれる?
移動したければ自由に移動してくれていいよ。 保健室までの道順は覚えたよね。
僕は──…
[言いかけて、クス、と笑う。
少し困ったように眉尻を下げた顔で、 結局、それ以上は何も言わず、 ジリヤに背を向けると緞帳の裏から隠し通路に戻って行った。]
(+28) 2014/03/09(Sun) 22時半頃
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[隠し通路に戻ったセシルは、 一度保健室を経由して、扉から慎重に校舎へと出た。
物音に耳を澄ませ、 誰かに見つからないように細心の注意を払って廊下を進む。
途中でスーザンとロビンの声を聞き、 二人が合流して体育館に戻るのを確認すると その様子を物陰から数秒眺め、足音を潜めて走り出す。
──どうせアオイは僕を探しに行ったんだろう。
困ったような苦笑をまだ顔に貼り付けたまま、 なんとかと煙は高いところを好む──の諺に従い アオイが上にいることを疑いもせず、セシルは階段を上る。]
(+29) 2014/03/09(Sun) 22時半頃
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[三階に着いてすぐ、 どこかの扉の隙間から漏れて来るような泣き声に気付き 息が詰まりそうになった。
声の聞こえて来る方へそっと近づき、 半端に開け放たれた扉に嵌った丸い防音ガラスの中を覗く。
──────いた。]
(+31) 2014/03/10(Mon) 00時頃
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[天井を見上げ、身も世もない泣き喚く少女の姿に 心臓を掴まれたように苦しくなる。
これ以上、誰かが喪失の涙を流さずに済むように── 少しでも悲しみが減るようにと狩人コースを選択したはずなのに、 誰よりも泣かせたくない人を自分のせいで泣かせてしまった。]
────……
[それが酷く、痛い。]
(+32) 2014/03/10(Mon) 00時頃
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[すぐにでも飛び込んで行って無事な顔を見せてあげたい。 訓練のための嘘だと教えてあげたい。]
(莫迦はどっちだ──。 それじゃあアオイの適性を見極められないじゃないか)
[──でも。]
(もう、十分だろ。 アオイには無理だ。 こんなことで泣いてるようじゃきっと狩人には──)
[────嘘だ。]
(+33) 2014/03/10(Mon) 00時頃
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[───耐えられないのはアオイじゃなくて]
(+34) 2014/03/10(Mon) 00時頃
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──────。
(+35) 2014/03/10(Mon) 00時頃
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[後一秒遅ければ、セシルは音楽室に踏み入って アオイを攫って行っていただろう。
カイルが来るのが後一秒遅ければ──。]
……。
[階下から駆け上がってきた足音>>135に気付いて 咄嗟に隣の音楽準備室に滑り込んだ。
扉に背を預け、息を潜める。 視線は窓の外へ。
窓枠の中に、絵画のように切り取られた月を見ていた。]
(+36) 2014/03/10(Mon) 00時頃
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