52 薔薇恋獄
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― と或る夏の補講日 ―
――……先生、その答えだと三角ですね。
[目の前で付け足される文字に、微かに相好を崩した。 彼のペンを借りると、『だ』の後に付け足す文字2つ――『った』。
彼が付け足した文字が、己の想いの代弁か、彼の想いなのか判らないけれど。 どちらにしても、現在形では間違いな筈。 ――……そうでなければならない。]
国語の先生達は、そういうところも細かいですよ。
[ペンを返しながら言って、ふっと息を吐いた。 その段階で、初めて、視線を彼と合わせた。]
(289) mitsurou 2011/05/28(Sat) 15時頃
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――……鳴瀬先生、俺は貴方のことが好きでした。
貴方自身として好きな部分がちゃんとありました。 貴方と楓馬は……違う。
でも、楓馬自身と貴方自身を比べることを赦されるなら、 恋情は楓馬に強く感じます。 ――……貴方と楓馬を重ねていると思う程には、 彼の存在は、俺の中で大きいんです。
[時が経ったからこそ、伝えられる想い。 重ねていない部分でも、眼の前の人が好きだった。 けれど、その恋慕の想いは、楓馬を矢張り越えてはあの段階ではなかった、と。]
(290) mitsurou 2011/05/28(Sat) 15時頃
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会計士 ディーンは、メモを貼った。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 15時頃
ディーンは、俺のラ神!!!!ちょwwwおまwww喰われろと!!!
mitsurou 2011/05/28(Sat) 15時半頃
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― と或る夏の補講日 ―
――……鳴瀬先生は、困った人だな。
[己が訂正して、訂正された文字を見て呟く。 言葉上手く伝わらないもどかしさ。 当時の彼の彼自身の気持ちを比べた訳ではないから。 彼の言葉に困った顔をした。
ジジジっと蝉の鳴く声がする。少しだけ彼の視線を感じる。 そして紡がれる言の葉を聴いて、少し肩を揺らす。]
知ってましたよ……と言ったら傲慢と思われますか? 大事だと言ってくれたから、そうかなとは思ってました。
(297) mitsurou 2011/05/28(Sat) 17時半頃
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でも、それは、あの時の気持ちですよね? そうでなかったら、栖津井先生への今の貴方の気持ちは?
[だから、好きだった、としないと互いに困るのではないかと。 彼の視線が外れた後、視線をあげて言葉にした。
窓から風が吹き込む。 癖のない己の髪は簡単にサラリと揺れるから、 目の前にかかるそれをゆるりとした動作で耳にかけ直した。 その間も、視線は外を見やる鳴瀬へ。 まともに眼は見れないから、目から少し下、言葉を紡ぐ筈の唇に。]
(298) mitsurou 2011/05/28(Sat) 18時頃
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会計士 ディーンは、メモを貼った。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 18時頃
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― ある日の街角 ―
[本屋で探す本は、問題集と進路に関するもの。 あれから、オンラインゲームに費やす時間は大分減った。 2,3冊選んで、次は新書の新刊でも……と思って踵を返した時、己を呼ぶ声がした。]
……栖津井先生?
[本屋で問題集の中を改める為もあって、眼鏡をかけていたことが幸いし、振り返った先に声の主を直ぐに見つけることが叶う。]
先生も、何か探しに来られたんですか?
[此処はこの辺りでは専門書も多く扱っている本屋だったから。 鳴瀬との一件もあり、少し栖津井と2人であることに居心地の悪さを感じつつ、それでも顔には出さぬよう、当たり障りのないことを尋ねた。]
(307) mitsurou 2011/05/28(Sat) 19時半頃
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― 街角 ―
嗚呼、暇潰しとかですか?本屋は潰れますよね。
えぇ、そろそろ真面目に考えないといけない時期なんで。
[ボソボソっと短い会話が幾つか。 その後、沈黙が続く。 沈黙に耐えきれず、用もないのにあると言いかけた時。]
――……はい?
いえ、ない、ですけ、ど。
[突然の誘いに、瞬いて。 つい勢いで、是と答えてしまった。]
(313) mitsurou 2011/05/28(Sat) 20時半頃
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― と或る夏の補講日 ―
――……先生、それだと二股ですよ。
[随分、沈黙を作った後、本当に困った声を出す。 呆れたような声を出さないことが、答えではあるのだけれど。]
―――………。
[答案の間違い箇所を一応聴くフリをする。 公式を使う順序を少し間違えていた。 たった一か所、順序を間違えただけで答えは変わる。 運命は、もっと複雑に、多分その繰り返し。
――……そして、正しい答えはきっとない。]
(321) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時頃
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志望校ですか、そうですね、少し迷ってます。 最初は経済学部に行こうと思ってました、数学好きですし。
[会計士になろうかと思ったけれど、 己の名前が、かい けいし という事実に今更気が付いたのはこの間。 ちょっとそれは……と思い悩んでいる。 両親は何を考えてと小一時間、悩んだのだが、 あの天然な母親ならありえるかと納得してしまった。 非常に残念なことではあるけれど。しょうがない。]
法学部も考えてはいます。 父さんに随分迷惑かけたから、跡継ぎたいとも思います。
あとは……――― 高校の数学の教師になろうか、悩んでますよ。
[チラリと向けられた視線を、今回は真っ直ぐに受け止めた。 それが答えだと。貴方自身を好きだという答えだと。]
(322) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時頃
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……鳴瀬先生、キスしましょうか。
[ふっと思いたったように言う。]
それで最後にしませんか。 それで最後にしたい。
[3という数字は難しいから。 赦されるなら2つでも3つでも愛したいけれど。 人の気持ちは複雑だからこそ ――……1つを選ぶことを誠意と示したい。
楓馬に、蘭香に、鳴瀬に、栖津井に……―――。]
(323) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時頃
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ディーンは、って、文先生、マジ鬼畜把握した!!!
mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時頃
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― 薔薇の園にて ―
紅子さん……―――?
[相手が同族嫌悪を抱いているとは、流石に思っていないのだが。 楓馬に叱咤激励をする姿に、少しキョトンとして、それでもやはりそうなのか……と思うのは彼の蘭香に対する想いに。 眼差しを送って見れば、なんだか厭そうな顔をされた、かもしれない。
そうこうしてる間に、少しだけ蘭香の紡ぐ言葉が変わった。 まるで、自分たちの存在を認識しているように。 戸惑う楓馬を尻目に、己は手を刺し伸ばしたままだけれど、それだけでは足りない。 蘭香が求めるのは2つの手だから。]
(327) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時半頃
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楓馬、迷う暇なんてない。伸ばせよ手。 伸ばさないで後悔するくらいなら、伸ばした後、後悔したほうがマシだ。 だいたい、伸ばしても後悔はしないだろっ。
[蘭香の姿が霞む様子に焦って叫ぶ。 それは、実体験だから、嘘ではない。 あいた片方の手を伸ばして、楓馬の片手を取った。]
3人で……帰るんだろう?
[紅子さんを入れる余裕が今はなかった。 後で紅子さんに叱られようと思いつつ、掴めたなら楓馬の手を握る力を強めた。]
(328) mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時半頃
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ディーンは、ひそかに、ちまセシル[[who]]を愛でている。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 21時半頃
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― 喫茶 ハルシオン ―
……いえ、自分の分は自分で払いますよ。 他の生徒に見つかって、ひいきとか言われたら拙くないですか? 此処まで来るウチの生徒って、物好きだとは思いますが。
[栖津井の言葉に、問題児の集まりと言われるゲーム部であっても、基本的に真面目な態度を崩さない蛍紫は、此処でも生真面目に言う。 それを聴き入れられるかは、さて……――。]
此処、前から気にはなってましたが、 流石に1人で入る気にはなれなかったんですよね。
[栖津井に連れられて、 心持重い足取りで本屋の前にある喫茶店に入る。 そこが楓馬のバイト先とはしらない。
――……今まで、あえて聴こうとしなかった。 彼が己のオンラインの姿を知らないのと一緒で、 多分引かないといけないラインだと思っていたから。]
(331) mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時頃
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会計士 ディーンは、メモを貼った。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時頃
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― かつての……(以下略 ―
[手を伸ばして後悔したと……碧の眼が物語れば、ひょいっと片方の眉をあげた。 確かに付属することに後悔がないといえば、自身も否だけれど。
――……蘭香が助かることを、後悔することはない。 そういう意味合いの言葉だったから。
それでも、繋いだ手に力を込めれば、差し出される手。 そのことに、後悔はしていないと思いこむ。 2人だから、こうして、蘭香に手を伸ばせるから。]
(345) mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時半頃
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蘭香っ……―――!!
[呼ぶ声も重なっただろうか。 伸ばした3つの手が交差する。 ――……その時、紫の眼は、ほころびる薔薇の世界を視る。]
……夢では、ないよ。
[ほぅっと息を吐いて、すとんっと膝を落とした。 汗ばむ額を撫でる風、薔薇の香りは……――それでもきっとある。 蘭香に安堵の表情を見せながらも、視線は無意識に、本来の薔薇恋獄の主を探していた。]
(346) mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時半頃
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― 喫茶 ハルシオン ―
……ふう、ま?
[奢りの件や、こういう雰囲気の所は互いに1人では矢張り入り難いとか、話しながら入ったものだから、一瞬気が付くのは此方の方が遅かった。紫の眼を丸く見開いて、少しの間呆けて彼の姿を見詰めた。]
ああ……―――。
[やがてぎこちなく去って行くのを、見送って、こちらもギギっと栖津井の後を着けて席につく。 以外と冷静な栖津井に、普通はそのような反応なのだろうか、と思う。確かに、他の知り合いに出先であっても、ここまでは動揺しないだろう。動揺してしまったのは、多分相手が楓馬だから。
――……なんだ、あんな可愛い格好、他人に晒してるのか。
そんな風に、少しだけ嫉妬の心が擡げたりもする。]
あっ、では、同じもので。
[取り立てて飲み物にこだわりはないから、栖津井にオーダーを尋ねられれば、そう返す。 まさか、オーダーを楓馬が取りに来ることはないよな?と、それを望むような、望まないような……相変わらず腰の座りが少し悪かった。]
(349) mitsurou 2011/05/28(Sat) 22時半頃
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― と或る夏の補講日 ―
………鳴瀬先生は、残酷ですね。
[提案に否と返ってくれば、ゆるく首を振った。 困った顔をするのは、仕方ないだろう。 その答えは、彼はこの想いを抱えて生きて行けと、 言っているに等しいのだから。]
多分、俺は、貴方が思っているより、 貴方のこと好きですよ。
[区切りをつけたいと思うくらいに――好きなのに。 区切りをつけないと、箇所箇所できっと引っかかってしまうから。それでいて、逸らされる視線のように、どこまでも噛み合わない歯車。 諦めたように、窓際の席に戻り、鞄を手に取り]
(360) mitsurou 2011/05/28(Sat) 23時半頃
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――……続けますよ。 まだ、貴方にハンデなしで、勝ってないですから。
[先に教室を後にする人の問いかけに、そう答えた。
ほら、こうして引っかかり続けるのだ。 きっとずっと、死ぬまで、死んでも。
その背に向ける表情は、少し苦しむような笑み。 手を伸ばすには、遠い背中だった。 そして、今自分は、楓馬に手を伸ばすことに、躊躇いはないから。]
(361) mitsurou 2011/05/28(Sat) 23時半頃
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ディーンは、よし、ちょっとお風呂。
mitsurou 2011/05/28(Sat) 23時半頃
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─ 喫茶 ハルシオン ─
――……ええ。
[楓馬が去って後、オーダー後に尋ねられた問いかけに、少し戸惑って頷く。 栖津井は、色々知っているとはいえ、基本的に色恋沙汰には疎い故に。
もし、別れたりなんだりしていれば、先程とは少し違う反応になっていただろう。 あそこまで、お互い動揺はしなかったのではないだろうか。]
栖津井先生も、その後は?
[聴かれたなら問わねばなるまい。 どこまでも律儀に尋ねる。
もちろん、2人の幸せを願っていないわけはないのだけれど。 どうしても、特に栖津井に対しては後ろめたい部分も、ないわけではなくて。]
(370) mitsurou 2011/05/29(Sun) 00時頃
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― 喫茶 ハルシオン ―
……ですよね。
[どことなく愉しそうな相手の様子に、ほうっと息を吐く。 今が、補講日より後ならば、脳裏に掠める記憶があるから。
運ばれ来た紅茶には、レモンを1枚に角砂糖を1つ。 やはり取り立てて拘りはないから、普通の人がするであろう分量を護る。]
はい……――?
[カップに口をつけた当たりで、また鳴瀬の名が栖津井の口からでる。 もう少しタイミングが遅かったら、少し噎せていたかもしれない。
……この人は何を言う気だろうと、窺うように視線を向けた。 万が一を考えて、カップを受け皿に戻す。 これだから、後ろめたいことがあるのは、辛い。]
(377) mitsurou 2011/05/29(Sun) 00時半頃
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ディーンは、ラ神様wwwwwwwwwwリアルで紅茶噴いたwwwwwwww
mitsurou 2011/05/29(Sun) 00時半頃
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― 喫茶 ハルシオン ―
――……そうですか、泣いて。
[カツっと小さな音が、カップを置く際に鳴る。 その中で聴く事柄に、微かに軋む心の音を具現化するように。]
必要、ない訳ではなかったんですけれどね。
[少しの間、瞑目する。 言葉を選ぶ間をつくるように、一度置いたカップを再び手にとって口につけた。 こくっと一口紅茶を啜った。]
先生は、俺に何か仰りたいのでしょうか? それとも、何か聴きたいのでしょうか?
[結局、単刀直入に尋ねることにした。 声音は、努めて穏やかに。 少し哀しげで低い相手の声音を聴いてしまえば、そこには拒否できない力があった。]
(394) mitsurou 2011/05/29(Sun) 01時頃
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ディーンは、栖津井先生のはげしさに(*ノノ)ってなってる(
mitsurou 2011/05/29(Sun) 10時半頃
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―――……彼女が、居ないかと、思ってな。
[2人の再会を視界の端でみつつ、声をかけられたならそう応える。 蘭香が楔から外れたことで薔薇恋獄の世界は綻んではいるけれど、 消え去った訳ではないと――紫の眼には映るから。]
あとは、他の3人も居ないかな……とか、な。
[ぼそっと呟いて背後を振り返れば、 紅子さんがギリギリした顔で此方を見ていた。 ふっと顔を綻ばせて、楓馬に言う。]
なぁ、蘭香に紅子さん紹介しないでいいのか?
[すごい顔してる……とは、紅子さんのプライド上言うことは控え、 彼が紹介をするようであれば、先程とは逆にふらっと1人脚を進めて行く。 薔薇の香りに誘われるように、少し時間の感覚は曖昧。]
(441) mitsurou 2011/05/29(Sun) 11時頃
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おや、此処は……―――。
[随分歩いたという感覚は薄い。 目覚めた木のうろに良く似た――実際同じ場所であるが、に辿り着く。 あの時は、ゆっくり見て回る余裕はなかったけれど。]
……薔薇?
[そこに薔薇の苗があることに気が付く、つっと細める眼。 嗚呼、その根元には……―――]
日向(ひなた)、日向(ひゅうが)……。
[見つけた彼女の想いの残滓――躯。]
(442) mitsurou 2011/05/29(Sun) 11時頃
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― 喫茶 ハルシオン ―
[「キスして欲しい」という行で、少しはっとした顔をする。 思い出す、補講日の出来事。 キスをして終わらせようとしていた。 でも、それは自分のことしか考えていない行動だった。
――……だから、矢張り眼の前の人には叶わないと思う。]
――……好きには、色々形があって。 鳴瀬先生と俺は、その形があわなかった……んだと思います。
[真っ直ぐに見据える眸を、すこし揺らいで見詰め返す紫は、 おそらく歳相応に見える筈だ。
日頃は、歳より老けて見られることが多いけれど、 そういうところは、むしろ若すぎる。]
(446) mitsurou 2011/05/29(Sun) 11時半頃
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多分、俺が鳴瀬先生に手を伸ばしても 喧嘩ばっかりになったと思いますよ。
楓馬とも、喧嘩しない訳ではないけど……でも。
[と、呟いたところで機械みたいな言動で給仕に楓馬の姿が見えるか。 つっと口を閉じる。 水の継ぎたしを受けながら、栖津井と彼の会話を聴くけれど]
楓馬、紅茶の代わりは、お前のお勧めがいいな。
[ぽそっと願う。 多分彼が何を選択しても、それは自分の好みにあうだろうから。 ……彼が意地悪をしようと企まなければ、だが。
彼を盗み見る目は、色々な感情混じるけれど、 ベースが恋するそれだ。 ――……基本的に、心を委ねている。それが、答え。]
(447) mitsurou 2011/05/29(Sun) 11時半頃
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― 喫茶 ハルシオン ―
[楓馬の反応はどうであったか、なんであれ、去るその背を愛しげに見送った後、栖津井に向き直る。]
――……いや、俺に怒りを覚えるのは当たり前かと。
結局、俺は鳴瀬先生に甘えて欲しいと思いながら、 甘えることしかできないから。 そこまで、思い詰めてらしたとは、思わなかったし。
それに……―――
[言うべきか否か迷って、一度紅茶で唇を湿らせた。]
その甘えがあったから。 例えば、あの時、鳴瀬先生の手をとって此方に戻って来ていても、きっと最終的には、やっぱり楓馬に手を伸ばしていたと思います。
(450) mitsurou 2011/05/29(Sun) 12時半頃
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[実際そうなるかは判らない。 それでも鳴瀬の手を離さなかったかもしれない。 それでもあえて言ったのは、栖津井だからだ。]
だから、感謝されるのは、筋違いですよ。 俺こそ、栖津井先生に感謝しないといけないから。
貴方が鳴瀬先生を幸せにしてくれるから、 俺は楓馬を好きでいられるし、後ろめたさも少なくて済むから。
――……自己中で、申し訳ないです。
[飲み干される相手の紅茶を見る。 習って己のそれも飲みほした。]
(451) mitsurou 2011/05/29(Sun) 12時半頃
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ん、あれ、声かけて行かなかったか?
[ふっとかかる声に視線をあげた。 丁度逆光になっていたか、少し眩しげに楓馬を見上げる。
基本的に幼馴染3人の中ではストッパー役ではあるが、 稀にこういう行動をとることがある。 稀故に、性質が悪いこともあるのだが――本人に自覚はない。]
っと、大丈夫か。
[楓馬の体勢が崩れるなら、肩を貸した。]
――……嗚呼、彼女、だ。
[そして、問われることに答え、その彼女の欠片に楓馬が唇を寄せるのを見守った。 こう、若干、眉間に皺が寄るのは、恋心故に赦されたい。]
(463) mitsurou 2011/05/29(Sun) 13時半頃
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─ 喫茶 ハルシオン ─
そういうことにしておいてください。
[お互い様と笑う栖津井に、苦笑を向けた。]
――……。
[そして、つっと紫の眼を細めた。 栖津井の浮かべた表情が、眩しかったから。 重なるのは、先程、オーダーしたときの楓馬の表情。 ちゃんと、俺も彼を幸せにできてるのかな……と、思う。]
多分、鳴瀬先生も幸せだと思いますよ。 貴方に、そんな顔させるくらいだから。
[また、人の気持ちを決めつけるなと言われそうだけれど。 それは願いだった。 やがて、また楓馬の姿が見えるだろうか。 まるで栖津井の笑みが移ったように、穏やかに微笑んで楓馬を迎えるのだった。]
(471) mitsurou 2011/05/29(Sun) 14時頃
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─ 喫茶 ハルシオン ─
[怪訝そうな顔をしている楓馬に、少し首を傾げるも、 目の前に出されるものに眼を細めた。]
クッキーもついているのか。
[何の疑いもなく、つっと手を伸ばす。 蘭の形に思うところはなくはないが、それを口の中へ。]
―――……?、っ!!!???
[おそらくそう言うものだという前振りがあれば、それなりに美味しいものであったかもしれない。 しかしながら、甘い――たとえばイチゴジャムを想像して食べた時の衝撃。]
ふ、ふうま?
[げほっと一回咳きこんで、多分してやったり顔の楓馬の顔を、なんとも言えない表情で見詰めた。]
(472) mitsurou 2011/05/29(Sun) 14時半頃
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─ 喫茶 ハルシオン ─
……びっくり した。
[楓馬の満面の笑みに素直に頷く。 こう笑顔でいられると、怒る気も失せてしまう。 己を呼ぶ栖津井の声に、力なく笑みを向けようとすれば、目の前に碧。]
―――……っ!!??
[掠め取られた唇。片手で覆って真っ赤になっている間に想い人は、厨房へ戻ってしまった。 暫くそのままフリーズしていれば、栖津井に噴出されてしまった。
げほっと空咳を吐いて、ダージリンらしい紅茶に手を伸ばした。
栖津井が口の中で呟いた言葉は聴こえないものの、彼のクッキーは普通であろうことはその表情で判る。 今度、この仕返しはどうしてやろうか……などと、愉しみに思えることが、やはり全ての答えだと、紅茶の味を愉しみながら思った*]
(487) mitsurou 2011/05/29(Sun) 17時頃
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ディーンは、栖津井先生wwwww(いいながら鳴瀬先生をちらってみた
mitsurou 2011/05/29(Sun) 20時頃
ディーンは、ちょっとお風呂はいってきますノシ
mitsurou 2011/05/29(Sun) 21時頃
ディーンは、野久先輩の兄嫁wwwwwwwwwwwwww
mitsurou 2011/05/30(Mon) 00時頃
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