204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[少女について書かれた文章には続きがある。
禁断の赤い果実――欲望の実を食べた少女は、 街を追われることになる。 実を食べたものは皆魔物になってしまうと信じられていたからだ。 友人達にも、両親にも責め立てられ、しかし愛しい人がいる街から離れたくなかった少女は、街の中を逃げまどう。 逃げ切れなくてもいい、せめて最後に愛しい少年に会えたら ――少女の願いが通じたのか、少女の前に少年が現れた。
「僕はずっと君を見ていた」 少年は、少女にそう告げる。 少女が少年を見ていたように少年もまた、少女を見ていたのだ。 「だからせめて君が魔物になってしまう前に、 綺麗なままで終わらせてあげたいんだ」 少年は手にしていた槍で少女の腹を刺し貫く。 少女は、最後に少女に会えた喜びと、想いが通じていたことの嬉しさの中で息絶える。
それが、少女の結末。]
(+0) 2014/11/19(Wed) 22時半頃
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[少女は幸せな最期を迎えた。
――では、自分はどうなのだろう?]
(+1) 2014/11/19(Wed) 22時半頃
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[救いは、そう簡単には訪れないらしい。 ただの肉の塊となり果てた自らの死体を見下ろして、ディーンは小さく息を吐く。
彼に食べられたことも、その所為で命が潰えたことも自分の選択の結果だ。構いはしない。しかし、何故死して尚自分がこの場にいるのかがディーンには理解できない。自分の選択の結末を見届けろ、ということなのだろうか。]
――……。
[何にせよ、自分の身体に用は無い。 これはニコラにあげたものだ。 ディーンは部屋を出て廊下に向かう。 拭かれた痕跡がありながらも、まだうっすらと血の跡が残っている階段を降りていく。足音はしない。]
(+2) 2014/11/19(Wed) 22時半頃
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― 2階・居間 ―
[血の足跡が消されていても、彼の居場所はすぐに分かった。 恐らく、彼がずっと持っていると約束してくれた自分の瞳があるからだろうとディーンは推測する。 物音も無くすり抜けるように居間に入る。 ペチカの温かみは感じられない。]
――……ニコラ。
[ずっと一緒だと約束をした。 吸い寄せられるかのようにニコラの傍に立ち、柔らかな日の色の髪に唇を落とす。
そういえば、全てをあげるとも約束した。 今のこの――幽霊ともいうべき自分は、どのようにして彼にあげれば良いのだろう。]
(+4) 2014/11/19(Wed) 23時半頃
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[自分の全てを捨て、愛しい者に全てを与えたディーンには、 他に傍にいるべき相手はいない。 大切なもの――大切だったものは、昔馴染みに託してきた。 本当はあったかもしれない傍にいる資格すらも、捨ててきた。
ベネットならば彼を正しく守ってくれるだろうと信じていた。 彼の命ももう失われているのだとは、まだ、知らない。]
(+5) 2014/11/19(Wed) 23時半頃
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[ニコラが大事に抱えているもの。 それが自分の眼球だと、すぐに気付いた。 彼は言った通りに、大事にしてくれている。 いずれは腐り落ちていくけれど、せめてそれまでは、彼の手の中にあって欲しいと願うばかりだ。
居間に起こる出来事の全てを視界に収めながら、ディーンが意識するのは彼の周りのことに限られる。 ニコラの横に並ぶように立ちながら、ディーンはそっと指先で明るい金の髪に触れていた。]
…………?
[>>+8何かの動く気配がする。 人の足音とはまた異なる――ずっと前から慣れ親しんだ気配だ。]
(+9) 2014/11/20(Thu) 00時頃
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――……シメオン?
[まさか、そんなはずはない。 思い浮かんだ名前を口にしてから、ディーンは瞼を伏せる。
しかし、他に慣れた気配だなんて思うものがあるだろうか。 自らの欲望を認めるまで――自分の「太陽」を見つけるまで、 ディーンの一番近くにいたのは、彼だ。
勘違いであって欲しい。 死して尚身勝手なことを願い、ディーンは重い溜息をついた。**]
(+11) 2014/11/20(Thu) 00時頃
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― 少し前の居間でのこと ―
[名を呼んだ後、ディーンはしばらく気配のした方を見ていた。 >>+12一瞬目が合いそうになったのを逃げるように逸らして、屈みこむ背中をじっと見つめて、>>+13もう一度、彼が振り返った時は確かに、目が合った。]
――……シメオン。
[ディーンはもう一度呟く。 確かに彼はこちらを見ていた。 ニコラにさえ見えないこの姿を、確かに見ていた。 それは、彼が自分と同じ状態であるということを表している。
つまり、彼の命もまた、潰えたのだ。]
(+15) 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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[ディーンは、ニコラの金の髪に視線を落とす。 彼の幸せを願っていた。それを一緒に探すことは出来なくとも、幸せになって欲しいと願っていた。
彼と共に旅をするきっかけになったのは、彼が右脚を食われたことだ。彼の右脚を食べたのは、ディーンのいた旅芸人の一座の一人だった。 足が上手く動かなくなった彼の面倒を、誰かが責任を持って見る必要がある。そうして白羽の矢が立ったのは、彼の遠い親戚でもあるディーンだった。 日常的に触れ合っていたほど近しいわけでもなく完全に無縁とも言えない遠い親戚という関係性は、周囲の大人たちにとっては都合の良い理由になった。
共通点といえるのは、せいぜい金の髪の色ぐらいのものだ。 しかしそれでも、シメオンと初めて会った時、ディーンは彼が自分の太陽だと思ったのだ。 彼が、我慢の上に成り立っている暗い道を照らす光だと。
しかし、ディーンの太陽は他にあった。 今ならば分かる。自分はただ、縋るものが欲しかっただけだ。 だからこそ、子供である彼を太陽だと思った。思おうとした。]
(+16) 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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[いうなれば彼は、我儘の犠牲者だった。 最低限の接触以外を避け、まるで神聖なもののように扱って、結果的に彼に寂しさを植え付けた。 そうして最後には彼の為だと詭弁を使って彼を捨て、自分だけが楽になろうとした。
それは、許されざる罪のように、ディーンには思えた。]
…………。
[唯一、醜い自分を受け入れてくれたニコラの髪に触れる。 一房抓んで、唇を落とした。それは祈りの代わりだった。 全てをニコラに差し出した。 しかし、今残っているこの、ひとかけらは。 彼に差し出そうとも差し出せない、今の自分は。
最後の機会、なのではないか?]
(+17) 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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ニコラ。少し、行ってくる。 ……必ず、君の元に帰るから ――少しだけ……許して欲しい。
[ディーンにとっての唯一は、ニコラを置いて他には無い。 今、彼に声が届かないことは分かっている。 分かっていても、そう言い置いて居間から階下へと向かうニコラの側を一時離れて、シメオンの去った方向へ向かう。]
――……シメオン!
[そうして、一際大きな声で、名前を呼んだ。]
(+18) 2014/11/20(Thu) 22時半頃
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[シメオンの去った階段を昇り、>>+19ディーンはそこで足を止める少年の姿を見つけた。 これまで彼の名を呼ぶのに、声を張ったことなどなかった。 その必要性がなかったからだ。
ディーンは、ふと考える。 自分が子供の頃、飲み込んだ我儘がいくつあっただろうか。 言ってはいけないと思っていた事がどれだけあっただろうか。 ――それらを溜め込んだせいで、より一層苦しむことになったのではないか。]
……シメオン。
[>>+20彼が消えたドアの向こうを暫し見つめてから、ディーンはその姿を追い、部屋の中に入る。 寝台に腰掛ける姿を見てもう一度、今度はいつもの音量で名前を呼んだ。]
(+21) 2014/11/20(Thu) 23時頃
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…………ああ。
[>>+22問われた内容を把握する為の間が空いた。 どうやら彼は自分の名前を覚えていないらしい、と理解して、ディーンは僅かに目を伏せ、彼の問いを肯定する。
それから、彼の前に歩み寄って>>+23見上げる顔をま近くに見下ろす位置に立つ。]
君は、シメオンという名前で…… 僕の、たった一人の 家族、だった。
[言い慣れない言葉に、眉を寄せる。]
(+24) 2014/11/20(Thu) 23時半頃
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家族に会うのに……理由は、いらない。
[どんな物語でも、芝居でもそうだ。 現実がそうであるかどうかは定かではないが――そうであって欲しいと、思う。]
(+25) 2014/11/20(Thu) 23時半頃
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[>>+26手が伸びてくる。 これまで、彼に手を貸す以外――つまり、自分の手以外を彼に触らせたことはない。 反射的に逃げそうになって踏みとどまった。 触れられることを厭う理由は、もう無いのだ。
シメオンの指先は頬に触れた。 体温は感じない。 ディーンの眉間に寄った皺が、僅かに緩む。]
……ディーン・クロフォード、だ。 君の名前は、シメオン・クロフォード。
僕の、弟だ。
[姓なんて必要がないと思っていた。 しかしそれは、家族であるということを示す為の記号だ。]
(+28) 2014/11/21(Fri) 00時頃
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[>>+29まさか、引っ張られるとは予想もしていなかった。 しかし我儘の一つも言わなかったシメオンのことを思えば――そんな彼に甘えていたことを思えば、頬の肉が多少伸びるぐらいは仕方が無い。 それに何より、シメオンの手を引き剥がすことは出来ない。]
……呼び捨てで、いい。
[おにいちゃん、はむず痒い。 照れも何もかもをいつも通りの気難しい表情の奥に隠して、ディーンは必要最低限だけを告げる。
シメオンの記憶に欠落があるらしいこと、それ以外は何ら変わらないように思える時間。 ――しかし、旅はもう終わった。 いつまでも続く時間は無く、ディーンには帰るべき場所が出来た。]
(+30) 2014/11/21(Fri) 00時頃
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シメオン……僕たちは旅をしていた。 でも、それももう、終わった。
……僕は、君を裏切った。 でも、君のことは今でも、大事だと思っている。 ――幸せであって欲しいと、願っている。
[果たして、今の彼にこの言葉は届くだろうか。 ディーンには分からない。 しかし、告げるべきことであると思ったのだ。
>>546名前を呼ばれた。 ディーンは静かに背後を振り返り、口元にささやかな笑みを浮かべる。 再びシメオンに向き合った時、ディーンの片目が失せ、ぽっかりと穴が空いていた。]
(+31) 2014/11/21(Fri) 00時半頃
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[たとえもう一度、山小屋での数日間をやり直すことになったとしても、同じ道を選ぶだろう。 ディーンが選ぶのは、連れ添った弟を守って共にいる道では無く、ずっと待ち続けた太陽に身を捧げる道だ。
ディーンの片目は、ここにはない。 いや、片目だけではなく、命も、心も、全部。 残るひとかけらは、残滓だ。 ――死に至る間際に一瞬だけ見た、眩しい日の光の名残。]
…………シメオン。 君は僕の、大事な弟だった。
[全ては過去形になる。 ディーンからシメオンに手を伸ばすことは、できない。**]
(+32) 2014/11/21(Fri) 00時半頃
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