217 【突発誰歓】幸福の壷【十二支騒動記】
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―少し前― [宴の支度ついでに、他の者に先んじて 酒を一口。
見咎められれば、悪びれることなく]
毒見よ、毒見。 多少行儀が悪いのも大目に見よ。
[濡れた盃を振って見せ。 水盆に盃沈め、さらさらとすすぐ。
騒ぎが聞こえたは、そんな時。]
(39) 2015/02/15(Sun) 11時半頃
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何事か。
[水盆の中泳いでいた白い手が、 ぱしゃん、と水を跳ねさせた。]
(40) 2015/02/15(Sun) 11時半頃
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[朝告げ鳥の見ぬ間に、 深い眠りの災禍が彼の方を襲ったなど――。
傍にあって災厄見落とした悔い持つ者とはまた別に、 傍にすらいなかった悔いを抱くまで、 僅か数秒のこと**]
(41) 2015/02/15(Sun) 12時頃
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―集会所・座敷― [指先より跳ねた水音、滴る雫もそのままに。 向かうは禍つ気配に騒ぐ場所。
几帳の類を払う仕草さえ、常の酉では酔ってもせぬ乱雑さ。]
何事かと……問うまでもないのう。
[震えた唇で、ようよう紡ぐ。 顔色悪しき南方と>>5、呪いではと呟く黍炉の>>17>>18声に 微かに瞳を見開いて。
けれど、不安の色を幼き者たちに気取らせるような真似はしない。]
(77) 2015/02/15(Sun) 20時半頃
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やはり…あの壺が因果の要であるかのう…。 南方、そなたは大事ないか?
[直接壺を手に持っていた巳の男へと声をかける。 疑いの色はなく、向けるはただ、労りばかり。]
(78) 2015/02/15(Sun) 20時半頃
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ジェニファーは、ミナカタの表情を「ん?」と覗き込む。
2015/02/15(Sun) 20時半頃
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[ちらと聞こえた未の声に>>49僅かに苦い笑みを浮かべた。]
王子様の口づけとな…。 意味合いはあろうが、未はまだ知らぬのか。
生くる気、すなわち「いき」を注ぐことで、 悪しきものや死気から遠ざける呪法よ。 しかし…、ここには主の尊よりも強い気持つものはおらぬゆえな…。
[ばっさりと切って捨てた南方の言葉に>>51、 少し緩やかな笑いへと変じつつ。]
(79) 2015/02/15(Sun) 20時半頃
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[はた、と言葉を飲み込む。 毒虫食らい、蛇を食み、龍を飲み干し、悪しきを退ける。邪を下す。
それが――酉。]
(83) 2015/02/15(Sun) 20時半頃
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付け焼刃かもしれぬが、 せぬよりはマシであろう。
[宣言するように零し、今は眠るばかりの御前へと そっと膝をつく。]
早う起きて、寝こみを襲ったとお叱りくださいませよ。
[切ないばかりの囁きを今は聞く相手もおらず。 眠る神の唇に唇合わせ、生くる気吹き込み、 邪気を、呪いを己が内へと飲み込む。]
(84) 2015/02/15(Sun) 20時半頃
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[そっと離した唇が次に紡ぐは、守りの呪。]
大神脅かす災厄あらば、幼き者へ災禍注ぐならば、 それは先ず、この身に降れ。 悪しき牙が正道に立ち戻るまで、 よこしまなるが、まことにもどるまで。
まずはこの身に牙突き立てよ。
[神の内側に蔓延る呪いを僅かなりとも飲みくだし、 次に襲われるかもしれぬ十二のうちの誰かを思い。
せめて次には己がその贄たれと願う。 次こそは、深き眠りに落ちる前に、守ることが適うよう、 願いの詞を紡ぐ。]
(86) 2015/02/15(Sun) 21時頃
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[酉の神気張りつめるは一瞬。 傍らで表情硬くする沙耶に気づけば>>92、柔らかな髪を梳いて 微笑んだ。]
我も長く年月重ねたと思うておったが、まだまだ力不足よのう。 あの壺から善悪それぞれの気が放たれたことは感じ取れても… その先は…。
[ゆるく首を横に振り、それ以上はどうしようもないのだと告げる。]
力及ばぬことは歯がゆいが、 せめて…善き気を受けた者が無事であるように努める他ないゆえな。
(100) 2015/02/15(Sun) 22時半頃
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[気が探せる。>>66 確かに稚い子は告げた。
喜ぶ素振り見せながら、何やら言葉濁した午に、 ちらりと視線を送る。>>89]
最善かどうかは分からぬが、 タルトとショコラの言うことにも一理あると思うぞ。
[さらりと申の頭を撫でる。>>97 真似技の術に拘泥してより、本来の申の姿を見たのは数えるほど。 それは何やら少し寂しい。]
(116) 2015/02/15(Sun) 23時頃
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悪しき気を眠らせ、鎮めるは道理に適うておろうて。 尤も…御方と同じように、我らも眠りに取り込まれるが早いか、 油断はならぬがの。
[せめて施した呪に従い、悪しき気がまずは己に向けられれば良いが、と 小さく嘆息する。]
(117) 2015/02/15(Sun) 23時頃
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[うんうん、と懸命に背伸びする沙耶の前にかがみこんで>>112 頭を触りやすくしてみる。
ふっくらとした小さな掌が、触れるのに、そっと笑みを深くした。]
我は夜明けの鳥ゆえな。 たとえ眠りついても、 きっと、主の尊や皆を起こしてやろう。
[約束、と軽く小指絡めて。 少しでも年若い朋輩が狼狽えることないように振る舞った。]
(125) 2015/02/15(Sun) 23時頃
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[櫻の声に、然り、と頷く。>>131]
禍事は曲がる、邪は横に倒れる、などとも言うのう。 どちらも本来の在り様からずれてしまうことでな。 在るべき姿から歪むのは…苦しかろうて。
[助けられればよい、と願うのは。 主たる神だけではなく――]
(141) 2015/02/15(Sun) 23時半頃
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[さて、神が倒れた折、尤も傍に控えていたのは誰であったか、 あるいは不審な振る舞いの者。 そして、子の言葉によって、悪しき気ではないと告げられた午の、 その煮え切らぬ言葉。
どうにも纏まらない思考に、苛立ち隠すよう、口元をそっと袖で抑える。
思案の糸を断ち切ったは、戌であった。>>159]
タロ?
[酉と比べればはるかに幼い彼の、唐突な、 けれど毅然とした物言いに言葉が継げない。]
(163) 2015/02/16(Mon) 00時半頃
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幼くとも、いい男っぷりだのう。
[嗜めるでなく、宥めるでなく。 ともすれば無鉄砲にも聞こえる提案は>>162、けれどひとつ筋の通ったもの。 他に打開策のない状況では、尚のこと。
笑って褒めるくらいしか出来ぬ歯がゆさ隠し、 見事、と微笑んで見せた。]
(170) 2015/02/16(Mon) 00時半頃
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ジェニファーは、グレッグの頭を撫でた
2015/02/16(Mon) 00時半頃
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[戌の宣言に、それまで閉ざした唇を開く。]
我は、まず眠らせる候補からは真っ先に午を除くとするかのう。 子の言葉の真偽までは図れぬが…偽りとも思えぬゆえな。
あとは…
[ゆっくりと言の葉区切る。]
タロでないものを仮に眠りに選ぶならば、 騒ぎのおり、主の尊の傍近くおった者かのう。
[視線が手ずから壺を渡された南方と、 暴走の終着に抱き留められたジョージへと向かう。]
(188) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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…だが、悪しき気帯びた者がその自覚さえもない場合もあるであろう。 浮かび上がるは良くない考えばかりよ。
[己の悪しきに染まるを気付いていなければ、 振る舞いさえも無自覚だろう、と。
わずかの逡巡の果て、 沙耶の提案には>>186首を横へと振った。]
その案は一人のみに責を負わせるでな。 それならばすまぬと頭下げて、 タロの提案飲む方を己の責で選ぼうて。
赦せ、とは言わぬ。
(195) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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[けれど、たとえ、どんな眠りの最果てでも、 必ずや夜明けを告げてみせるから―――]
(197) 2015/02/16(Mon) 01時頃
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