132 lapis ad die post cras
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― 植物園 ―
[土の温もり、木々の存在感。 噎せるような草の香りに、何処か懐かしさを覚える。
けれど此処には、風がない。
見上げる先は、丸く強化硝子に覆われている。 藍色の宙の向こうを、大きなほうき星が流れていった。]
(9) 2013/07/29(Mon) 01時半頃
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["ライジとジェームス、新天地に向け脱出ポッドにて離脱" その情報は、男を驚かせるに充分な内容だった。]
……ティソは?
[誰が答える事も無い空間に、男の声が低く響いた。 ライジとジェームスが共に降りた事に何の疑念も覚えなかったが。 ティソはライジに固執していたのでは無かったか>>3:187。
彼らの間に何があったのかを知る由は無く、 其れでも凡そ、現状のカップリングは予測可能か。 緩く片手を持ち上げ、乗組員残数を確認する。]
エスペラントと、モナリザ。 キリシマと、ティソ以外。 残り、ティソ、玖休、ジャック。
[キリシマの希望が玖休orジャックである事は明白か。 何れにせよ、誰か一人は単独で脱出するか、 全員が降りた事を見守る必要が有りそうだと。]
(10) 2013/07/29(Mon) 01時半頃
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参休へ、トルドヴィンより。
[耳許の通信装置をオンに、 マザーコンピュータへと回線を繋いで]
脱出ポッド乗船の件にて、 トルドヴィンの要請をお届けします。
一人乗り"最終ポッド"にて着陸か、 又は"パラディソでの着陸"を希望。 …燃料切れで宇宙の藻屑となる事も厭いません。 全員の無事を確認後、行動させて頂きたく存じます。
[直ぐに返答が来るとも思えぬ、傲慢な要請だ。 送信マイクの電源を切った。]
(11) 2013/07/29(Mon) 01時半頃
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[改めて、天空を見上げる。 青い星へ向かうほうき星を、何時までも見つめたまま]
貴方がたならば、 ポッドの中でもゲームをしていそうですね。 …再会できる刻を、楽しみにしております。
[淡く微笑んでそう告げた後、 自己が出来る最大限の行動を思案する。
予測する限りキリシマと組むであろう玖休とジャックに対し、万が一の場合は、ティソと組む事を促した方が良いだろう――
そこまでを思案して、苦々しく笑みを落とす。
彼らにとってそれは「余計なお世話」以外の 何者でも無いだろうと。 一体、自分は何の為に、 そのような行動を起こそうとしているのかと…
俯いた笑みは、微かに歪みを*帯びて*]
(14) 2013/07/29(Mon) 02時頃
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ー廊下ー
[玖休とジャックに会わねば、その一心で廊下を進むと ザンバラ頭のキリシマの、何処か淋しげな背中があった。
廊下の角に消えていった影が誰のものかはわからずに]
髪を… どうしたのです?
こういった髪型を、古いデータで見たことが、確か…
[記憶を手繰るように眉間に皺を寄せ ポンと手を打った]
「OCHI-MUSHA」ですね。
(23) 2013/07/29(Mon) 14時頃
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トルドヴィンは、OCHIMUSHAはSAMURAIの進化系だと思っている**
2013/07/29(Mon) 14時頃
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[キリシマの言葉と過去の情報から推測する。 玖休又はジャックに対し"勝負を賭けた"ような発言。 短く切られた黒髪。 主食では無いが黒髪を食べる生命体。]
貴方が同乗を希望するのは、ジャックですか? …返事は未だ、貰えていない、と。
[些か深入りし過ぎの質問だとは過ぎったものの。 そして落ち武者はサムライの敗北姿と、今学習した]
……余りに可愛いので、からかっただけですよ。 悪い男なのは、否定しませんが。
(28) 2013/07/29(Mon) 22時半頃
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元々、予想は二択でしたので。 ああ、別に詮索する心算はありませんよ。
[緩く首を傾け、不思議そうにキリシマを見遣り]
…貴方も可愛いと思っておりますよ。 無論、ジャックや玖休も同様に。
…私は、最終便で単独で飛ばしてくれと、 参休へ依頼済みです。
(32) 2013/07/29(Mon) 23時頃
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[キリシマの隣へ。 佇んだまま、彼の表情は見ずに真直ぐ対面の壁面を見つめ]
…一人乗りなど冗談じゃない、とは思っておりましたよ。 けれど実際、仲間がそうして先陣を切っているのですし… 事実、誰かが単独で飛ぶ必要があるのですから、問題は無いでしょう?
[軽く指先を持ち上げ、胸元を押さえてみる。 "懐"の在り処を確かめるように]
…懐に招く、とは… どのような感覚、なのでしょうね。
(38) 2013/07/29(Mon) 23時頃
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[「難儀な」との言葉には眉尻を下げてただ笑った。 そして紡がれる『晒す』その内容に惹かれ、 座り込むキリシマへ視線を落とし
思案する。――表情は無へと変化を遂げる。 プライドの、内側を。 他人に見せた事の無い面を。
小さく、穴が開いたように感じた瞬間を。
続く言葉を受けて漸く、現実へと帰化し]
…恋しているのですね、貴方は。
そして私も…、全く心当たりが無い訳では無いようです。
[くすくすと笑った]
(49) 2013/07/30(Tue) 00時頃
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[不意に存在感を感じて振り返る先、 ティソの姿が見えた>>42]
―――…ティソ。
[声を掛けたのはやや遅かった。 ティソへ届いたか、解らずも振り向いてくれたなら 此方へ手招くよう、指先を持ち上げるだろう]
(50) 2013/07/30(Tue) 00時頃
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[『心当たりが無い訳では無い』と告げたのは キリシマの思い人の事では無く
自分の中の、"懐に招いたかもしれない人物"の事だった。
思案して漸く、"そうかもしれない"と気づいたレベルで]
(52) 2013/07/30(Tue) 00時頃
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[ティソから『ティソ』が居なくなった事実には まだ気づいておらず。]
引きとめてしまって、すみません。
…脱出ポッドの件ですが。 相手は既に決まっておりますか?
[ティソへそう質問を。]
(60) 2013/07/30(Tue) 00時半頃
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どうでしょうね。 …植物を枯らすのは、昔から得意でしたし…
[シャワーへ向かうというキリシマへ、静かに頷き… 叩かれた肩から、ほんのりと温かな優しさを感じた。]
畏まりました、…で、例の件ですが。 何があっても、単独で飛ぶ事はご遠慮ください。 …どうしても、という場合、私へ一報を。
あ、――キリシマ、 [ふと、思いついたように顔を上げて]
未だ、私と寝るお心算はありますか…?
[単なる性質の悪い意地悪の心算だ。]
(61) 2013/07/30(Tue) 00時半頃
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[異星人からの"ツッコミ"は極めて的確だった。 自ら枯らす気はないにせよ、育てていける自信は無いのだ。 何故なら…、
それをキリシマへ相談するのは甘えというものだろう。 軽く瞼を伏せ、頷くに留め。]
非常に残念です。
[そう言いつつも、その答えを欲していたのだ。 恋とは、愛とは一途なものであって欲しい、理想に過ぎないが。
否、少しばかりキリシマの生態に興味があったのも本音だが 何も言わずに去っていく彼を見送った]
(69) 2013/07/30(Tue) 00時半頃
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[此方へとやって来たティソの頭部を何気なく見遣る。 円形の、時々長い耳の生えるアレは、もう居ないのだろうか。]
―――…、カニ? ですか?
[フォン、と電子音を響かせディスプレイを展開する。 乗船者名簿に"カニ"を探すが、検索にHitしたのは 海の部屋の立体映像のみだった]
蟹は、荷物扱いでしょう。 ……何か?
[目を離した隙に、ドン引かれていたような気がし]
(71) 2013/07/30(Tue) 01時頃
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[キリシマを見送るティソへ、穏やかに微笑んで]
ええ、もう話は終わりましたから。
[何事か思いついたらしきティソに惹かれ その眸を見つめる事数拍の間――…
やがて驚きは困惑するような、何処か淋しそうな、 自分でも良く解らない曖昧な微笑みへ呑まれて行った。]
私は、単独で最後に降りる意思を参休に伝えています。 ので、他の方々には二人一組で飛んで頂きたいのです。
エスペラントとモナリザは恐らく一緒に降りるでしょう。 故に具体的には貴方とキリシマ、玖休、ジャックですね。
(72) 2013/07/30(Tue) 01時頃
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[頭部にハゲが…? 否、髪を掻き分けた訳ではないので 其処には気づかないけれど、 寄生種の存在が居なくなった事実には気づき。
画面上の蟹画像から、蟹を熱く語るティソへと視線を移し 「そうですか…」と、失礼にも話半分で聞き流した。
更に距離を開けられてしまった。 これがキリシマも言っていた ティソの"警戒"だろうかと思案を拡げ]
そうですね、仕事的に。
[何時にも増して、ティソの反応が他人行儀に感じられ。 続く言葉に注視して意識を結ぶ]
―――…? 何故、単独で降りようと思うのですか?
…それより、……私の事が解りますか?ティソ。
(79) 2013/07/30(Tue) 01時半頃
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それは貴方も同じでしょう?
[懐かしむ事が出来るのは。
次第に理解出来てくる。 この"ティソ"は寄生されていないティソなのだろうと。 自分の知るティソは、もう居ないのだろうと。]
……名前は? 私の名前。
[本名でなくてもいい。 トさんだとか変態だとかド変態だとか、言っていただろうと。 一歩二歩、引かれた距離を踏み越えて、その肩を掴もうとし]
(81) 2013/07/30(Tue) 02時頃
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[肩を掴む。細く華奢なつくりだ。 明らかな畏怖を露呈するよう、彼の身がびくりと震える。
我儘で甘えたがり、 それなのに本当に言いたい事は素直に言えない。 不器用でとても脆い、そんな印象だった"ティソ"。
ライジを、或いはジェームスを好きだった"ティソ"。]
ああ――…、…… 寄生生物は、ライジ達の、元に…?
[正解は、今のティソにももう解らないのかもしれないが。 宿主を捨ててまで、共に在りたかった存在、 それがライジとジェームスだったのだろう。
そこまでを思案すると力が抜け、 彼の肩から滑り落ちた指先は床へ。 その場へ屈み込んでいた。]
(84) 2013/07/30(Tue) 02時半頃
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[ティソの前で、俯いて思案する。 このティソも、以前の"ティソ"も、その前のラッシードも、 その全てが"ティソ"だ。
其処を否定する心算は無い。 記憶を失うという行為も、"ティソに必要だった事柄"に違いない。
ならば、今自分が出来る事を。 これからの"ティソ"を、構築させていけば良いのだと。
屈み込んだまま視軸を持ち上げ、下方からアリスブルーを見つめ]
―――トルドヴィンです。 トルドヴィン=ヴャトル。
貴方は、独りで飛んではいけない。 キリシマ、玖休、ジャック達の誰かと組んでください。
(85) 2013/07/30(Tue) 03時頃
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……ああ、"解らない"のですね…、 それならそれで構いません、……私には好都合だ。
[最後の言葉はぼそりと、抑揚無く零れ落ちた本音。 決して口にしてはいけない言葉、解ってはいたけれど。
己の名を反芻する彼へ、そうだと告げるように頷いて立ち上がり。 そっと、耳許へ飾られた白薔薇を挿し直そうと指先を伸ばし]
貴方が独りで飛んだら、私が不幸になります。 勿論、他の誰が独りで飛んでも同じですが――
……貴方が独りで飛んだら、…立ち直れそうにありません。
[その理由を告げる気も無い癖に。けれど全てに嘘は無い。 最後にそっと、頬を撫でようと]
私がそう言っていたと…、玖休やジャックに伝えて貰えませんか。 貴方自ら、二人に同船を誘ってみて欲しいのです。
(87) 2013/07/30(Tue) 03時半頃
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[困惑の眼差しを前に、男の表情も翳りを帯びて。 白薔薇は優しい香でティソを包んでいるのに。
告げられた問いは、予想外のものだった。 『寧ろ、貴方が私を嫌っていたのでしょう?』 出掛かった言葉を飲み込んだのは、怯えた様子を目にしたからで。
そっと頬のラインをなぞるように撫で、 瞼を瞑る彼の唇へほんの一瞬だけ、唇を重ねようと]
―――嫌いです、……。
[彼の事を不器用だなんだと言っておきながら、 そんな事しか、言えなかった。 きっと、酷く落胆した表情をしている。 自尊心なんてずたずただ。
いたたまれなくなってそのまま、彼から視線を逸らし廊下を進んでいこうとし]
(89) 2013/07/30(Tue) 04時頃
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トルドヴィンは、白薔薇の香が、胸の奥へと沁みた**
2013/07/30(Tue) 04時半頃
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[ティソの横を通り過ぎるように歩を進めたその瞬間、 掴まれた指先、引き止められる意識。
物理的な因果でないのなら、電流が伝うはずは無いけれど… 男の心にも、言い表すことのできぬ何かがコネクトした。 踏み止まった接続を、彼自ら繋ぎ直してくるようで。
けれど、続く彼の疑問符が的確過ぎて 顔を上げる事は出来ずに 床上へ滑り落ちた荷物をただ、ぼんやりと見つめ]
それ、は……、
[弁明の言は音には出来ずに]
(94) 2013/07/30(Tue) 17時半頃
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[キリシマとジャック、玖休の誰が誰と組んだとしても 組まなかった人間の心はきっと傷ついている。 そんな状態で狭いポッドの中、 たった一人で孤独を背負わせたくない。
ティソも同じだ、ライジやジェームスを思いながら、 ―――…独りポッドに乗せる事はしたくなかった。 記憶が欠落しもう彼らを思う気持ちを覚えて居ないとしても これ以上淋しい思いを、させたくは無い。
そして、自分がティソの孤独を拭おうとすれば、 誰かが代わりに孤独を負わねばならないのだ。
『誰と一緒に乗っても同じだ』 そんな風に感じていた少し前が、嘘のようだった。 それでも、
博愛主義と言われようとも、此処だけは譲れない。
それに、]
(95) 2013/07/30(Tue) 17時半頃
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乗員の安全を確保するのは、私の務めです。
[回答ですらない、一方的な言葉で彼の質問を拒絶する。 そんな己の鼻先を、酷く濃く薔薇が香る。 強引に引き寄せられる感覚。 先程の何倍もの鮮明さで感じられる唇の柔らかさ。
ぬくもりと、儚い微笑み。
何を思考するよりも早く彼の躯を両腕で抱き締めていた。 存在を確かめるよう、忘れないよう、焼き付けるように。 踵を下ろすまでその腰を支え、微笑を眩しそうに見つめて]
そうですね、……嫌がらせの方法を善処します。
今日のところは、これを頂いて行く事で 仕返しとさせて頂きましょう。
[床に落ちたパックを拾い上げ、そのパックでぽふり、 とティソの頭を叩いてから…廊下の奥へと消えていった*]
(96) 2013/07/30(Tue) 17時半頃
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― 自室 ―
[自室へ戻り、手にしていたパックをデスクに置いた。 中身はどうやらカツサンドらしい。 制服の胸元を寛げ、そのまま寝台へダイブする。]
……腹をすかせているでしょうね、……今頃。
[枕に頬を埋め、デスク上のパックを見つめて笑った。
考える事は山ほどあるような気がするのに、 脳が思考する事を拒絶している。
だから笑っているのだ。 このまま幸福感に包まれていたいのだ。]
―――…、このまま、
[パラディソが新天地へ着陸出来たら良いのに、と。 リアリストらしからぬ思考を最後に、意識は遮断された。]
(97) 2013/07/30(Tue) 18時頃
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― ⇒記憶 ―
[何処までも続く緑の草原 ヒトの背丈までもありそうな 雄々しく茂る緑のカーテンが、左右へと割れて道をつくる
ざわり、頬の横をすり抜ける風が 大地までも揺らすように、草花を撫ぜる
創られた道の中心に、ふたりの女性が佇んでいた 腰までの長い金色の髪の女性と、肩までの短い金髪の女性 そのどちらも、同じ顔つくりをしている
彼女達は双子だった そして互いを文字通り"永遠の伴侶"として愛し合っていた]
(100) 2013/07/30(Tue) 20時頃
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―――ママ…!
[翡翠色の眸をもつふたりの女性は、 優しく抱き上げ、頬擦りをしてくれた
柔らかな風が 母たちのスカートの裾を巻き上げる 翡翠色のスカーフが 藍色の空へと旅立った]
(101) 2013/07/30(Tue) 20時頃
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[翡翠色のスカーフは 風なき藍色の宙へと消えた]
(102) 2013/07/30(Tue) 20時頃
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[其処で電子音が意識を覚醒させる。
半分、眠気に持っていかれている意識のまま 受信ボタンを押すと、 ぴょこりと愛らしいちいさな玖休が飛び出してきた]
―――…、……その話ですか、ええと…、
[持ち上げた指先で、耳許の端末を操作する。 玖休の現在地を確認。資料室か。]
今から其方へ、行っても宜しいでしょうか。
(103) 2013/07/30(Tue) 20時頃
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[了承の意を耳に通信を遮断し 寝惚けた躯を起き上がらせる。
玖休が単身残る、と連絡してきたという事は―― 左右へ首を振り、過ぎる予測を打ち消す。 自分には、踏み入ってはいけない領域だとそう、思った。
さて、どうやって交渉したものか。 玖休と同じ思考が巡っていたとは気づかぬまま、 襟元を正しカツサンド入りのパックを手に、資料室の扉を目指す]
―――玖休、……。
[其処には未だ、仮初の草原が存在しただろうか。 無かったにしても、滅多に立ち入ることの無かった資料室、 その内部を物珍しそうに見渡して]
(105) 2013/07/30(Tue) 21時半頃
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[擬似的ではあれど、風を感じるホログラムに心奪われ、名を呼んだ本人の存在に遅れて気づくという失態を重ねるものの]
……戦利品? です。 一緒に食べましょう。
[奪い取ったカツサンドのパックへ興味を覗かせる 無邪気な彼の手へと委ね、緩慢に内部へ歩みを進め]
――で、早速例の件ですが…、 困るのですよ、私の"最後の任務"を横取りされては。
(107) 2013/07/30(Tue) 21時半頃
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[パックから残りのもうひとつのサンドを手に取り パックは適当な場所へと置いた。]
―――…、……。
[玖休の声のトーンの変化に、彼を見遣る。 そう、業務内容を盾にするのなら、彼と自分の立場に大差は無い。]
恐らくは、この艦が最後の搭乗になりそうですので …任務を全うしたかったのです、それと……
[此方を見透かすような玖休の眼差しが、胸に痛い。 瞼を閉ざし、観念したとばかりに溜息をひとつ零し カツサンドへ齧りついた]
…これ以上、誰も単体での着陸をさせたくなかった、という…、私の我儘が最大の理由、です。
(109) 2013/07/30(Tue) 22時頃
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[無のままの表情は、敢えて感情を見せぬ為のものではなく 常と変わらぬものであった筈だけれど。 裡に隠す"なにか"がある時と、そうでない時では 挙動に異変も起こるものかも知れず。
カツサンドを齧る。咀嚼する。 半分程口にして漸く、反対側が"既に齧られている"事に気づいた。]
……貴方を、独り此処へ残すのも厭、です。 狭いポッドではないにせよ、……きっと、淋しいものだと思うのです。
["トルドヴィンがティソと"よりも、"ジャックはキリシマと"、その言葉に眉がぴくりと跳ねる]
(118) 2013/07/30(Tue) 22時半頃
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[反対側の小さな齧り痕を上に、暫し其処を見つめていた。 これでは本当に変態みたいではないか。 双眸を瞑り、澄まし顔でぱくり、残りを口腔へ押し込んで]
ヒューマンだから、アンドロイドだから。 そういう括り関係なく皆、仲間ですからね。
[故に淋しさという痛みを感じる心を皆、持っている。 今見えた溜息、それもヒュームの感情と何ら変わらない。 玖休の笑顔を前に、決意という障壁が揺らいでしまう]
強いですね、玖休は。 ―――私よりずっと強くて、優しい人だ。
(125) 2013/07/30(Tue) 23時頃
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[玖休を包む穏やかな空気が一変する。 両頬を、包み込むように触れる冷えた指先へ惹かれるよう ほんの少し腰を落として視線を向け―――…
一糸揺るがぬ真っ直ぐな、真摯な眼差しに縫い止められる。 目を逸らす事は出来ず只、彼の強い意思に呑まれていた。]
……仰る通り決意は、"逃げ"でもありました。 哀しませるのが、怖かった。淋しがらせるのが、……
[一人を護れないものが、全員の心を護るなど、不可能だ。 此処に来て漸く、初めて理解する。 そしてもう一つ、初めて触れる感情が目の前に存在した。]
……「寂しさ」が、宝物…、
(144) 2013/07/30(Tue) 23時半頃
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[怖い。自分が独り宇宙に取り残される恐怖とは異なる。 危害を加えたくない相手の心の内側を傷付けてしまう事への畏怖。 だから、踏み込む事も踏み込ませる事も好まなかった。 臆病さを幾重もの自尊心と障壁で包み隠す事の気恥ずかしさ。
けれど、それすら彼は理解してくれている気がした。]
玖休は、ひとりではないのですね。
[自分にとって特別で、大切なものを、]
見失う前に、……有難う、玖休。 育てる事が出来るか解りませんが、…芽吹いた感覚を大切に、してみます。
―――艦を、…頼みます。
[頬にはまだ、指先を残してくれているだろうか。 そうであればそっと、その掌へ頬擦りしてから、姿勢を正す]
(156) 2013/07/31(Wed) 00時半頃
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――トルドヴィンより、参休へ。申請取り消し要請。
[微か視線を持ち上げて耳許の端末に触れ、 音声にて、参休へ取り消し要請を。
回線を切断後、玖休を見遣り浅く会釈した。]
(159) 2013/07/31(Wed) 00時半頃
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