3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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問題児 ドナルドは、飼育委員 フィリップの話を聞きながら、何となく左眼に触れた(06)
2010/03/03(Wed) 01時頃
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― 飼育小屋 ―
[何もないというのは、異形がいなかったと伝えてから、繰り返す少し無機質な声を聴く。 動物相手に本気で怒る訳もなく、いやっと首を横に振った。]
俺の場合は、こっちの眼に視力が少し戻っちまって。 逆の意味で距離感がな……――――
[左眼に触れながら、苦笑を零す。 左眼の視界は閉ざされた筈、だった、が。]
(9) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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―――……っ
[唐突に感じる痛み。閉じた暗闇、黒の中に浮かぶのは。 薄茶色に見えるビー玉。 転がる転がる――闇の方へ。
一瞬闇に消える前、ビー玉が映した人影は]
まさか、な……―――
[左眼を抑えながら、呟く。 ヘクターの姿が見えたなどと、縁起でもなかった。
―――……ケイトの叫び声を聴いた気がした。]
(18) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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問題児 ドナルドは、それでも、見たものが真実だと何故か悟っていた(09)(浸食)
2010/03/03(Wed) 01時半頃
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― 飼育小屋 ―
[鸚鵡が羽ばたく羽音。 それに現実(ここをそう呼んでいいならば)に戻された。]
―――……多分、ヘクターが。 闇に呑まれた。奴は少なくとも鬼じゃない。
[校内のそこ彼処で悲鳴が聴こえる。 呼応するように左眼が痛む。
痛みに耐えながら、フィリップにそれだけを伝えると、ユラリと蠢く足。]
わりぃ、ちと、面かるわ。 眼が……――――
[そのまま何処かへ、闇に姿を消す**]
(48) 2010/03/03(Wed) 01時半頃
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― 文化部棟/軽音楽部室 ―
[飼育小屋を去り際、左眼の視界は微かに>>58滲みでる闇を捉えてはいた。けれど、痛みがそれを違和と認識させることを拒否させ、ただ視たという記憶だけが残る。]
―――……ってぇ。
[無意識に足が向いたのは、所属はしないまでも良く顔を出していた軽音楽部室。此処ならば 今 は一人になれるだろうと駆け込んだ。左眼の痛みは多少マシにはなっていた、が。
―――……心構えなく齎された情報は、受け身だからこそ、心を抉る。まるでそれは、自分を責めているようにも思える。
受け身だったことを。そして、知らずにいたことを、このような形で情報を知らせることで。]
(166) 2010/03/03(Wed) 11時半頃
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キャロル、からか。
[はっと息を吐き椅子に腰かけたところで、>>82キャロライナからのメールが届く。その内容を確かめて返信を打った。]
『to キャロライナ title Re:大事な相談があるの
お?なんか新しい情報でもあんのか? 二人だけで話せる場所なぁ。 俺は今、軽音楽部室にいるんだが、そこじゃ駄目か?』
[―――……早く終わらせなければ。 そう思うのは、無意識にこんなことが続けば身が持たないと、防衛本能が働いたからだろう。 知ることは覚悟がいる。知りたいと思う。けれど、知りたくない。
―――……知ってどうするかが見えない。
なのに、この眼は、ドナルドの意志に反して視せて(知らせて)くる。]
(167) 2010/03/03(Wed) 11時半頃
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[―――……また、携帯が震えた。 >>103セシルからのメール。少しの間見詰める。]
『to セシル title Re:No Title 今、どこにいる?』
[届いた、たった一単語の感情。その先。 知る覚悟はあるのか。知りたいとは思う。何故。 知ってどうするかは、まだ見えていないというのに。
――……嗚呼、それでも。 手がこちらに伸びるなら、届くなら掴みたい(知りたい)。 脳裏にちらつく、罅の入った薄紫(ビー玉)。]
キャロルと会って、その後、だな。
[分裂など出来ない男は、段取りを呟き、濃紺を伏せた。]
(168) 2010/03/03(Wed) 11時半頃
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問題児 ドナルドは、ケイトの哂い声が聞こえた。しかし、今左眼は緋色を映さない。
2010/03/03(Wed) 11時半頃
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― 軽音楽部室 ―
[続けざまに2つメールが届いた。 1つには返事を返さない。今から会うなら不要だろう。 1つには返事を返す。]
『to セシル title Re:Re:Re:No Title 樹?伝説の木の下か? ちと、今取り込み中だから。少し後に向かう。 移動するなら、連絡よこせ。』
[短すぎるメールに苦笑を零して返信し、パタリ携帯を閉じた。 樹が直ぐに、伝説の木と変換されたのは、先程そこに自分が向かったからだった。
――……そうしている間に、部室の扉が開くか。]
(177) 2010/03/03(Wed) 11時半頃
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― 軽音楽部室 ―
おぅ。居んぞ?入れ入れ。
[ノックの音に応える。キャロライナが入ってくれば、相手に合わせるように、唇の端で笑って見せる。鍵がかけられるのは気がついてはいたが、そんなに大事な話かと、少し居住まいを正した。]
うん?何だ、藪から棒に……――――
[伝えられた言葉に、少し濃紺を見開く。 ―――……密室故か、甘い花の香りが、強く立ち込める。]
信じるか信じねぇかっつーたら、信じるかね。 嗚呼、俺も、多分死んだ鬼は分かる、んじゃねぇかな。 信じるかぃ? 多分、だが。さっき、ヘクターが闇に飲まれて……――― ヘクターは鬼じゃ、なかったが。
[花の香りの所為か、見える異相の瞳に宿る何かの所為か。 ―――……眩暈がした。]
(180) 2010/03/03(Wed) 12時頃
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― 軽音楽部室 ―
[暗い影が落ちた。けれど、それは友人の死を悼むものだと、まだドナルドは疑うことなく思っていた。顰める顔は、ヘクターを思って。]
嗚呼、綺麗な色だな。 キャロルの左眼と一緒の色か……―――
[見せられたビー玉に、濃紺を細める。 いつか、彼女の異相の瞳の色を褒めたと同じ、偽りない讃辞。 顰めた顔を、ほんの少し緩める。]
(188) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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メアリーは、違うのか。 嗚呼、俺も違う、が……―――― 俺のビー玉を見せるだけじゃ、駄目なのかい? 確かに、本物を見せるって証拠はねぇから、別に、視られても、かまわねぇけ、ど。
[辛そうに視線を床に落とす様に、何かあったのかと慰めるように自分とは色合いの違う赤毛に手を伸ばす。
キャロライナの言葉に何かおかしいと、引っかかりを覚える、が。眩暈が花の匂いが、どこか思考を麻痺させる。
赤毛に指先は、触れたか否か。]
(189) 2010/03/03(Wed) 12時半頃
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― 軽音楽部室 ―
[伸ばした無骨な指先は、少女の髪に触れた。 立ち込める甘い花の香りは、嗚呼、過去を想い出させて。 少女と似てはいない、女の影を重ねる。
どろり、溶け始めた異相。 その時気がつかなかったのは、その所為。]
ああ、屈めばいいんだな?
[未だこの世界に同化は薄い男は、頷いて訝しがりながらも腰を落とす。]
(208) 2010/03/03(Wed) 13時頃
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……―――っ!?
[次の瞬間、唇に触れるのは温もりと花の蜜。 濃紺が見開かれる。 それでも、尚、拒めないのは、拒まないのは……―――。
セシルに血をあげた時と同じよう、相手の好きに任せた。 髪に触れていた手は、滑り下りて、背を撫でる。 唇が離れる間が出来るなら]
どうしたんだ?
[ただ、柔らかく問いかけるだけで。 それは、>>@33ケイトの悲痛な心の叫びを聴いたからというのもあったかもしれない―――手を伸ばされたなら、自分で出来うる限りは、そう思うのは偽善であったとしても。]
(209) 2010/03/03(Wed) 13時頃
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― 軽音楽部室 ―
[拒まないのは、触れたら傷つくといった、ケイトとセシルの言葉を思い浮かべるから。拒否すれば、この少女もそう思うだろうと。
―――……濃紺と異相が交る。
淫らに揺れる様に、けれど……と思う。]
(218) 2010/03/03(Wed) 13時半頃
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それは、本当にお前の気持ちなんかね? 惑わされている気持ちじゃねぇって言えるのか?
[放たれた言葉に、問いかける。 違うと言われた時、どうするかなど見えていない。 ただ、きっと、望むもの全ては与えられないと思う。
自分が作った壁。他人が自分に作った壁。
打ち壊すほど、男はまだ正気を手放していない。 そして、正気を手放していないからこそ、拒めない。 嗚呼、それと……――――。
貪られる口腔。煙草の香りを纏う唾液が啜られて。 触れてくる舌に対応しないことで、答えを求める。
―――……濡れた音と、花の香りは蜜の香りに移って。]
(219) 2010/03/03(Wed) 13時半頃
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― 軽音楽部室 ―
[絡む舌に、自分からは応えないまま。 乳房に愛撫を求められても、動かさぬまま。 服の上から触れられた雄は、男であるから欲望は擡げるけれど、華奢な身体を押し倒すなどということには至らず。]
そうか……―――
[嘘じゃないと、こんなことしたかった訳じゃないと、座り込み項垂れた少女に、そこで初めて自分から抱きよせた。
全部否定したわけでも。全部肯定したわけでもない。
こういう行動を取ったのは、少なからずケイトの影響があると分かっていたから。だから……―――]
(238) 2010/03/03(Wed) 14時半頃
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俺は、キャロルの全部もらえるほどの男じゃねぇよ。
[詭弁を少女の耳元に落とす。 正解は、全部を支えることはできない。
それでも、自分が出来ることがあるなら、と。 過去、慰めを求めて寄ってきた女たちに、したような行為は、事の最後までをすることは、トラウマと正気が許さなかったけれど。
蒼から零れる涙を、唇を寄せて吸う。 涙の跡を辿って、唇は頬を滑り、少女の唇に触れる。]
ありがと、な。
[触れ合わせたまま、そう、呟いた。]
(239) 2010/03/03(Wed) 14時半頃
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― 軽音楽部室 ―
[触れた唇を離して、少女の赤毛を抱えるように両手を添えて、流れる涙を胸元のシャツに吸わせるように抱きしめた。]
ったく、何時の間に一ちょ前の女みてぇになっちまったんかねぇ。
[とは言っても一年しか見ていないが。 たかが一年。されど一年。 抱き寄せれば甘い香りが鼻孔をくすぐる。]
俺も男だからな、結構耐えてんだぜ、これでも。
[そんな言葉が慰めになるのかは、分からないが。 キャロライナが落ちつくまでは、抱きとめる心算で。]
(248) 2010/03/03(Wed) 15時頃
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問題児 ドナルドは、感じた悪寒に『理性総動員してるのに(略)』と裡で文句タラタラ。
2010/03/03(Wed) 15時頃
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― 軽音楽部室 ―
ばかもん、め……―――
[私なんかとか、我慢できなくなったらとか、なんてことを言うんだと、莫迦と言う口。けれど、キャロライナのいつもの笑みを映す濃紺は柔らかい。それが無理をしていると分かるから尚更。嘘を吐いたと言われても、怒る素振りは見せない。]
嗚呼、俺ももう少し色々さぐってみっから。 ヘクター見たいに闇に飲まれていくのを、視るのはもうごめんだ。
[キャロライナの力に関して頷くと、人と約束があるからと、立ち上がる。]
(274) 2010/03/03(Wed) 15時半頃
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[―――……我慢しているというのも嘘ではない。 花の匂いは、理性を鈍らせる。
その所為か、女扱いをしようとしたからか。 何時もなら子供のように頭を撫でたところを、拒まれないなら去り際掠めるように頬に唇を寄せた。]
じゃ、なんかあったら連絡よこせよ?
[携帯を取り出しながら、言い置いて、部室を出た。]
(275) 2010/03/03(Wed) 15時半頃
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― 伝説の木へ向かう途中 ―
[甘い花の香りが唇に残る。 どうにもそれが落ちつかなくて、煙草を咥えながら携帯を確かめる。>>177でセシルにメールを送って以降、返信は来ていなかった。]
随分時間経っちまったけど、まだいんのかね……―――
[頭を掻いた。
『さみしい』
その感情に返す答えを 嗚呼、キャロライナに対したのと同じように持っていないのに。 それでも
『しりたい』
と思ってどうするのか。]
(278) 2010/03/03(Wed) 15時半頃
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問題児 ドナルドは、いきもの係 キャロライナの香りが唇に移って、吸う煙草がフローラル系を吸ってる気がしてならない。
2010/03/03(Wed) 15時半頃
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[煙草の味がいつもと違う。 それでも、常と同じように、赤い火はテールランプが光を引くように、伝説の木に向かって行く。
―――……答えを持たない男の足は、けして早くはない*]
(282) 2010/03/03(Wed) 15時半頃
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問題児 ドナルドは、奏者 セシルの姿も化学教師の姿もまだ見えてはない。
2010/03/03(Wed) 16時頃
問題児 ドナルドは、化学教師 スティーブンが、伝説の木の傍にいたことは知れるか否か*
2010/03/03(Wed) 16時頃
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― 伝説の木 ―
―――……よぉ。なに、呆けてるんだ?
[辿り着いた時には、化学教師も、ディーンも、ケイトの姿もすこにはなく。在るのは座り込んだ放課後の王子様。
反応はあったろうか。なかったろうか。 さみしい と伝えてきた相手の傍による。
未だ纏う花の香りに、ふと、この木は花をさかせていたっけ?と1年特に意識していなかったが故に、知る由もないことをふと思った。]
(299) 2010/03/03(Wed) 18時頃
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― 木の下 ―
おぅ。ドナルド様だ。
[冗談めかせて自分を様付けし、唇の端を持ち上げて見せる。 薄紫の奥で、仄かに闇色が揺れて見えた。]
―――……どうしたんだ?
[覚悟などないまま、尋ねる。 尋ねなければ ―――……消えてしまいそうだと思った。
視線を合わす為にしゃがみ込む。 微かな花の香りが動く。 濃紺は、酷く変化したセシルの腕を少しだけ視た。]
(302) 2010/03/03(Wed) 18時頃
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― 木の下 ―
[ほんの少し動いた腕から、ゆっくりと視線をあげる。]
セシル……――――?
[左眼から零れる一筋の光。 以前なら、それに触れるのを躊躇っただろう。 けれど、躊躇いなく指先を伸ばした。
>>@33 セシルが自分に似ていると言った、ケイトの言葉を、想い起こして。
ほとり、椿が落ちるように、ドナルドの唇から赤が落ちる。 つま先で赤を消しながら、濃紺は薄紫から逸らさない。]
(308) 2010/03/03(Wed) 18時半頃
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― 木の下 ―
――――……傍に、居る。
[掠れる声を拾う。 考えるよりも前に。悩むよりも前に。 傍にと。相手の腕が伸びないなら、差し出す手。
まるで、子供が捨て猫を拾ったよう。 どこまで護れるか、分からない約束。
それでも]
傍に、居させろ。
[先を見るからきっと さみしい のだと。 ふっと、言葉を紡ぎながら思った。]
(322) 2010/03/03(Wed) 19時半頃
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問題児 ドナルドは、ケイトの闇に引きずられないよう、叶うならセシルを抱きとめようと。
2010/03/03(Wed) 19時半頃
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― 木の下 ―
[例えば、捨て猫が
温もりを知らぬまま死ぬのと 温もりを知って、それが一時であるのと
果たしてどちらが不幸なのか。 そんな話に似ている。
―――……そんなこと、答えなどないのに。]
(335) 2010/03/03(Wed) 20時頃
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言いたいことがあんなら、全部言っちまえ。 なあ、先のことなんて分からねぇけど 今、俺はお前の傍にいる。
[ただ、自分は知らないで逝かれる辛さを知ってる。 だから、今回は知りたいと思う。]
鬼でも、鬼になりきれない鬼でも。 ―――……セシルの傍にいる。
[伸ばされた手を絡みとった。 抱きしめられるなら抱きしめる。
ケイトのどこか少しだけ哀しく聴こえる笑い声に、彼女は温もりを知らないから求めるのか、知っているから求めるのか、そんなことを思った。]
(336) 2010/03/03(Wed) 20時頃
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― 木の下 ―
[明るい未来を視れないのは、互いの性質か。 それとも、この世界に侵食されているからか。
コリーンとは違い、セシルは今目の前にいるというのに。]
―――……ん?
[名を呼ばれれば、抱きとめたまま俯く相手の顔を見る。 睫毛が濡れて光って見えた。 俯いた顔の下に自分の顔を近づけて]
セシルの事が、知りてぇんだ……――― もう、後悔はしたくねぇ、から [眦に唇を寄せようとしながら、願った。]
(352) 2010/03/03(Wed) 20時半頃
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問題児 ドナルドは、自分の垣根が壊れる音を聞く。(06)(浸食)
2010/03/03(Wed) 20時半頃
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― 木の下 ―
[キャロライナにしたように、眦の雫を吸う。 頬に伝う痕も―――違うのは唇に触れなかったこと。 離して、薄紫を見詰める濃紺は何処か暗い。]
話せつーのに、俺のこと話さないのもずりぃか。
[逃がさぬよう。抱きとめたまま言う。 もう、死んでしまった女(コリーン)のこと。 腹に子供がいることを誰にも言わずに、バイクで死んだと。 腹の子は、自分の子の可能性もなくはないこと。]
違ったとしても、多分、本当は コリーンは俺に助けて欲しかったんだと思う。
[あの時、先頭を走りたいと駄々を捏ねた貌。 他にも、今思えば、思い当たる節はある。]
(366) 2010/03/03(Wed) 21時頃
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でもな、俺は莫迦だから、言ってくれねぇと分からねぇんだ。 なぁ、お前は、何をそんなに恐れてる?
[言ってしまった裡。 吸血衝動にセシルが侵されていた時は言えなかったこと。
―――……だから、もし。 その先は、まだ秘めたまま、今度はセシルの言葉を待つ。]
(367) 2010/03/03(Wed) 21時頃
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― 木の下 ― 殴る、か……―――。 じゃあ、俺の手は、怖かっただろう、な。
[返ってきた言葉に、少し苦く微笑む。 どれだけ、喧嘩で拳を使ったか、覚えてない。]
お前を殴らねぇから……―――
[背に回していた手を落とした。 布を掴む鉱石の指先に触れようとする。]
それじゃ、駄目かぃ?
[柔らかく問う。触れると切れるだろうか。 切れても、身体の痛みより、知らない痛みの方が痛い。 それは、言葉ではもう伝えたから。
―――……それ以上の言葉も、行動も 今は、ドナルドは持ち合わせていない。]
(387) 2010/03/03(Wed) 21時半頃
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― 木の下 ―
莫迦なのは、今更だけどなぁ……―――
[いつかのように、喉を鳴らして笑った。 本当に、指先が切れたことなど大したことでないのに。]
なぁ、お前の手は身体を傷つけるから分かりやすいが。 俺も、違う意味で、お前を傷つけないか 怖いぜ?
[あと一歩。何か届かなくて。 嗚呼、言葉で届かないならどうすればよかった?
血濡れた指先を握りしめるなら、そこにはもう触れない。 寄せられた眉の間に、唇をあてる。 形のよい鼻筋を滑って、唇に―――……触れるか。
どうして、そんなことをするのか、明白な答えはなく。 唯、脳裏に、何故か化学教師の顔が浮かんだ。]
(398) 2010/03/03(Wed) 22時頃
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― 木の下 ―
―――……先生も、か
[柔らかく触れて、離れるだに聴こえた言葉に、浮かぶのは苦笑。でも、濃紺は笑っていない。]
まぁ、異変っていや。異変か。 正気の沙汰じゃ、ねぇわな。
[うろたえる相手との距離を詰める。 男相手に、こんな場所で、手を出そうとするなどと。 ―――……キャロライナとの件で裡に宿った熱はそのまま。 残り香の甘い香りが、理性の箍を緩め、指先がセシルの華奢な顎を捉える。]
お前は、無防備過ぎなんだよなぁ……――― だから、予防は貼っといたんだが。 まぁ、嫌なら、やめる、とめろや。
[拒まれないなら、今度は魂すら吸い取るような接吻けを。]
(422) 2010/03/03(Wed) 22時半頃
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― 木の下 ―
[傷つけるの意味合いは、本当はこういう意味合いではなかった。 ただ、傍にいるといったことで、もし、傍にいられなくなった時のことを思ったなら――そう言う意味であったのに。]
んっ……―――
[掴まれた腕が少し切れたか。 その痛みと、唇の端から漏れる声に、正気が少し戻る。 離せば、銀の橋が、2つを繋いで、切れる。]
傷つけるつーのは、色々種類あるつーことで、な。
[今なら冗談にしてしまえるだろうか。 冗談にしてしまった方が、傷つくのだろうか。 ―――……分からずに。 手さぐりで浮かべる表情は、曖昧な微笑。]
(455) 2010/03/03(Wed) 23時半頃
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― 木の下 ―
[曖昧な笑みを湛えていた唇に、相手から触れる唇。 濃紺を見開いて、そして、細めて……―――。]
傍に、居る……――――
[離れたなら囁く。 ふっと、伝説の木の噂話を思い出す。 告白ではないが、永遠に―――それは死という世界でも。 そう思ったのは、この世界に飲まれて来ているからか。 柄じゃないと、直ぐに霧散した想い。
さて、そんな様を化学教師に遠目で見られていたなどと。もし、用務員と担任が目撃などしていたなら。 ―――……それでも、自分が出来うる限りは、傍にという想いは変わりはしないのだが。]
(485) 2010/03/04(Thu) 00時頃
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問題児 ドナルドは、背後に迫る物音に、思わず立ち上がり振り向いた(挙動不審だった)。
2010/03/04(Thu) 00時頃
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― 木の下 ―
[鉱石の手が退くのを見た。少し眉根を下げる。 嗚呼……―――また、擡げる想いは。 生きて返って、その手が治り、触れてくれるならという想いだけでなく。セシルが帰れないなら、いっそのこと触れても傷つかぬ世界に自分が……―――と。]
――――……。
[足音に振りかえって、ドナルドは沈黙を保つ。 口を開くと、セシルのように墓穴を掘りそうだったからとは言えない。しかし、視線は泳いでいる。]
(508) 2010/03/04(Thu) 00時頃
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問題児 ドナルドは、動揺しているセシルが『 』と思う辺りもう駄目かもしれない(03)(浸食)
2010/03/04(Thu) 00時頃
問題児 ドナルドは、用務員 バーナバスに苦笑いで手を振り返した。用務員より担任に見られたことの方が堪えている。
2010/03/04(Thu) 00時頃
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― 木の下 ―
おきれねぇなら、手、貸すが?
[まだセシルが起きあがれないままなら、触れて傷つくことを厭う様子なく手を差し伸べる。もし、手を取られずとも、気にした様子を見せないのは―――推し測って欲しい。]
―――……まぁ、用務員のおっさんの方は なんつーか大丈夫だろうけど。
[生徒に煙草をたかるような人だ。 性別云々は言うまい。むしろ担任の方が……―――。 などと考える間に震える闇>>@56。
例え言葉は届かないにしても、左眼が 傷む。 これから先を予測するように。 左眼を押さえる ―――押さえても視えてしまうのだろうけれど。]
(535) 2010/03/04(Thu) 00時半頃
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問題児 ドナルドは、用務員 バーナバスの告白は聴こえてませんとも、
2010/03/04(Thu) 00時半頃
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― 木の下 ―
[傷がつかないように、頬を押さえる様子に、左眼を抑えながら、唇の端を持ち上げる。]
俺は、闇に飲まれた人を視ることが出来るみてぇだ。 全部、かは、しらねぇけど、な。
ヘクターも、嗚呼、ヘクターのビー玉の色は俺には茶色に視えた。逞しい、木々の幹の色。一度踏まれたくらいじゃへこたれない。そんな色だった。
[鬼になれない中途半端といったセシルに、その事実を伝えることに躊躇いはなかった。けれど、キャロライナのことは伝えない。
―――……吸血行為をされている時には、願うことすら禁忌だと思っていたのに。セシルの為に、傍に居れるなら、死んでもいいなどと。じわり、確かに闇は心に沁みて行っていた。]
(554) 2010/03/04(Thu) 01時頃
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問題児 ドナルドは、奏者 セシルに、つーかあっちがいい雰囲気だよなぁと。用務員と担任を右眼で見ながらポツリ
2010/03/04(Thu) 01時頃
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