241 線路上の雪燕
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― エピローグ ―
[キィ、と扉が開く音。 からん、とベルが鳴る音。 こつん、と杖を突く音。 かちゃり、鍵を閉めた音。
陽射しが柔らかに差し込む店の中。
「いくよ」
老女は静かな声で 二階の居住スペースに居る人に声をかけた。
「はぁい」と返事をして日記を閉じた少女が駆けてくる。 丸い目に、柔らかな茶髪が印象的な少女だ。
少女が掌を差し出すと、 小さな手を皺くちゃの手が握り返した。*]
(199) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[記念公園の一角に、それは安置されていた。]
「おばあちゃん、ここがおばあちゃんの来たかったところ?」 「そうよ」
[そう答えた老女の視線の先には、 黒い古びた車体がある。 かつては黒く光っていたボディも、今は煤けて、 老兵のような趣をかもし出している。]
「今の列車と全然ちがうね、おばあちゃん」
「そうね。私はこれに乗って来たのよ。 この重そうな体が、 たくさんの人を乗せて、寒い中を走ったものよ 走るときに鳥のように囀りもしたわ。」
(200) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[老女は懐かしそうに車体を見上げながら言う。]
[たった一晩の旅でも、沢山の出会いが詰まっていたと。 リコリスのような赤毛の少女に、 人の好いやさしい青年。 気立ての良い紳士は、 老女の実家でとある酒を購入してくれたそうだが、 その後の行方がわからなかった。
東国の紳士に、異国のどこか寂しげな少年。 金髪の物憂げな青年。 それから――…………]
「スウェルグでもいろんなことがあった筈だけど…… どうしてかしらね。 何十年経った今も、たまに夢に見るのよ。 あの列車の旅を」
[そういってガーベラの花束を列車の傍に添えた。 海風が深く皺の刻まれた顔を撫でていった。]
(201) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[瞬きを一つ、二つ。 老女は少女の方に向き直り、笑顔で言う。]
「帰りましょうか。 途中でおやつを買ってあげる。 それで、暖めたミルクに蜂蜜をいれたのと一緒に頂きましょう」
「わぁい!」
[喜ぶ少女の手を引いて、
「雪燕」に一礼すると、その場を去った。*]
(202) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[家に帰り着いた少女は、 ポストの中に封筒が投函されているのを見つけた。
指輪などが詰められた小さなオルゴールを 鳴らしては撫でている老女にそれを渡す。
老女は差出人欄をしげしげと眺めると]
あら、あら。
[ふふ、と微笑んで、懐かしげにその名前をなぞった。 差出人は――。 **]
(203) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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― スウェルグ・12:46 ―
[シェリーが口にしていた「おばあちゃん」という言葉に、>>137 家族のことを思いだしていた。今や連絡先も謎の父親のことを。
あの、青く広がる海の、ずっとずっとずーーーっと西の向こうに大陸があるのだとしたら。 眼前の、凪いで穏やかな海に手紙を流せば、 ずっとずっとずーーーっと西の向こうの大陸まで届くのだろうか]
届いたとしたって。 親父が受け取れるかどうかわかんないじゃん。海沿いにいるかどうかだって……。
[しかしどうしてだろうか。この考えを無碍にできないのは]
(204) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[結局、「青いうみねこ亭」に行く道中でレターセットを買った。 空のボトルは……なかったので、行く先で融通してもらうことを考えなければ。 料理屋なら望みは高そうだけれど。
きっと、キャロライナはこれからもずっと、 整った道、誰かが敷いたレールの上を走る、 そんな“旅”しかしないだろう。
30年後はおろか、もっと近い未来の10年後だってまだわからないけれど。 それだけは確実だろうと。
だから、届くか分からない手紙を海に向けて流すことが、 キャロライナ・バートンにとって最初で最後の“冒険”になる]
(205) Akatsuki-sm 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[冒険譚に相応しく、長い手紙になりそうだ。
惜しむらくは――― 軽快なる線路上の雪燕の鳴き声を、 ボトルに封じ込められないこと。それくらい**]
(206) Akatsuki-sm 2015/12/06(Sun) 00時頃
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[何処か遠くで、女の啜り泣く声がする] [幾つも立った十字架の前、女は男に肩を支えられ] [真新しい吊り橋をキシキシと鳴らしながら、そこを去る] [中程で一度、振り返るが、視界は既に深い霧の中] [悪夢から覚めた微睡みの瞬間の様に] [その霧は重く、そして曖昧だった]
(207) 通雨 2015/12/06(Sun) 00時頃
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[空になった皿。何もない。>>196 何を彼は思うのだろうか。自分勝手な考えを口にしているだけだ。だが、他の言葉は思いつかない。詐欺師が笑わせる、ただ、食事はおいしかったから。
彼と食べる食事は、おいしいと思う。 減らず口を叩く彼が、視線を合わせてくれたのが嬉しいから。
此方を見る目が、不思議そうに光って見えた。 彼の眼に映る俺は、誰だろうか。 開かれた唇が、言葉を発さず、また閉じられる。 待つ、時間が酷く長く感じられた。]
……早速名前を呼んでいるじゃねえか。
[思わず、ふきかけ。複雑そうな彼にそうちゃちゃを入れる。余裕ない自分を隠すため。追いかける視線の先には増えた人。倍に膨れ上がった彼らは何処か目的地があるのだろうか。……
迷う、仕草。言葉を探す、顔。 それをじっと見つめ。]
(208) sudati 2015/12/06(Sun) 00時頃
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……当たり前だろ?、余裕なんて見せかけだ。
[言葉は一度詰まった。 とげとげしさが薄れた、今は其れだけでもよいから。 唇に浮かべた笑みは何処か、穏やかに。安堵の色を浮かべて、伝票を持って立ち上がる。]
もう少し、…付き合えよ。
[行先は決まってない。 妹に会う為に乗った列車を自分は途中下車したのだから。 だから、もう少しは、…もう少しじゃない。 それでも、良いだろうと彼の肩を叩いて。 頭を乱暴に撫でては―――行こうぜ。と促した**。]
(209) sudati 2015/12/06(Sun) 00時頃
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― 後日 サラグニッド・タイムズ編集部 ―
[サラグニッド・タイムズ新聞社は、今日も今日とて忙しない。
流れるように動き続けるオフィスの仲間達を眺めながら、イアンは「青いうみねこ亭」へと掛けた電話を切った。 内容は、つい先程、>>138自分宛てに届いた小包のうちの一本を送る旨。
『雪燕の紳士より』 住所も無しに書かれた気障な宛名に、してやられたと頭を抱えたのは一時間前ほどのこと。 また、彼に貸しができてしまった。 次にどこかで会ったときには、今度こそ酒を奢らなければ。
編集部は今日も騒がしい。 遠い異国の鉄道計画の話や、或る冒険家の話、最近話題の詐欺師の噂のあれやこれや。 騒然とする編集部の片隅で、デスクに戻ったイアンは原稿用紙との睨み合いを再開する。
担当するコラムの締切は今日。その書き出しを決めるため。 悩んだ末に、やがて彼は万年筆を走らせた。]
(210) yuj1n. 2015/12/06(Sun) 00時頃
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[雪燕は、今日も誰かの旅路をひた走る――――]
(211) yuj1n. 2015/12/06(Sun) 00時頃
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[「余裕なんて見せかけ」 その言葉の前、あいた間には気づかずに、ただ、そう――安堵した。見せかけでも余裕を演じることの出来ない自分を、今は惨めに思うこともなく。 ただ、普通の男が、普通に一人を寂しく思って人を恋しがる。 普通のこと。 サイラスにとっても、自然なこと。
急に肩が軽くなったような気がした。何も減ってはいないのに、鞄を持つ人数が増えたような、そんな心地だ。
立ち上がったジャンを見上げる。 にやついていない普通の笑みを、ただ見上げて、それにまた何故か安堵したから、髪を混ぜる手を跳ね除けないでおいた]
(212) 茄子 2015/12/06(Sun) 00時頃
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……ん、着いてくよ あんたが、俺の話し相手になるんだからな
[そう言って、新たな一歩を、踏み出そう]
(213) 茄子 2015/12/06(Sun) 00時頃
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