276 ─五月、薔薇の木の下で。
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[時間の経過なんてわからない。 夢も見なかった。 ただ、仄かに――――薔薇の、香り]
………んー、
[名前を呼ばれた。 無意識に伸ばそうとした右手が自由にならず、 その理由を探っている途中で、目を覚ました]
おー、 ……朝? じゃ、 ないよな
[天気が悪い気配はしない。 それでも、目を擦りながら窓を開けようとする。あければきっと、甘い香りが流れるだろうと理由もなく予感して]
(145) 2018/05/19(Sat) 23時半頃
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ユージンは、「これ?」と布巾を軽々取ってよこす。
2018/05/19(Sat) 23時半頃
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[普段中庭をぶらついていれば 季節の草花たちの匂いは必ずするもので それは魔術師の管理が良いからなのだと思っていた]
寝れたか? まだ夜にしても……変な天気だな。
[寝起きにしては空腹感もそうなく 時間が経っているようにも感じないが 寝て起きたような気もするわけで]
太陽出てる?
[窓を開けようとするから それを覗き込もうと並んで]
(146) 2018/05/19(Sat) 23時半頃
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[窓は鍵をかけ忘れていたようで、手をかけただけで簡単に開いた。 中庭を見下ろす窓]
う、わ
[質量をもった甘い香りに包まれる。 眩暈が天地を曖昧にし、座り込みそうになったところを、咄嗟に左手でピスティオに凭れ掛かって事なきを得た]
なんか、 ……この季節って いつも こんな?
[驚いているのは自分だけかもしれない]
(147) 2018/05/19(Sat) 23時半頃
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謝られることじゃないです。 評価自体に悪気がないのはわかってますし、喜んでくれるのは嬉しい、ので。
[隠してきた内側に謝罪する>>99のを否定した。 自分のしたことで喜ばれる事自体は嬉しいのだ。説明しづらい矛盾なのは、自覚している。
マーク>>1:264のことは純粋に凄いと思った。 自分を形成していたものを、断ち切ること。その勇気は今、自分にはない。 羨ましかった>>1:292。言葉にすることは出来なかったけれど、背中が遠く感じるほどの、強さに似た感覚を抱いていた。]
あなたこそ、俺の欲しいことばかり言う。
[そう言って、笑おうとして。けれど笑みは作らずに目を伏せて、ゆるくかぶりを振った。]
(148) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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[ケヴィンの姿が見えた後、「通りすがり」というロビン>>121にはっと思い出し]
そういえば先輩、 ご飯、行かなくて大丈夫ですか?
[彼の瞳もケヴィンに向いていたのを見つつ、聞いてみた。自分も後で何か食べよう、と思いながら。 こうして心配ひとつしてケヴィンを見やりながらも、立たない襟に雫一つ落としそうな濡れ髪に視線が移ろった時、ふと思った。]
(匂い、ちょっと濃くなった気がする。 誰か薔薇、中に持ってきたのかな)
[今、このことを特にあやしく感じた訳ではなかったのだが――まるで、見えない いろ を探し求めるように、マークは無意識に鼻腔をひくりと動かした**]
(149) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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……いや。きっと、俺の話を聞いたらみんなそう言うんだと思うんです。 作品を貰うより隣にいるほうが好きだって。
俺がひとりで怖がってるだけなんです。
[誰も、モリス・レーヴェンを否定したことなどない。 自分が評価に溺れているだけだ。]
でも、それなら俺はあなたの――
[隣がいいんだ、と。 言いかけて、そして、微かな物音と呼ばれる名>>101に、はっと身を強張らせた。]
(150) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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ヒューは、モリスの視線を思い出す
2018/05/20(Sun) 00時頃
モリスは、ヴェルツの名に、イアンが意識を向けたほうを互いに見て。
2018/05/20(Sun) 00時頃
ピスティオは、花の匂いに噎せて。
2018/05/20(Sun) 00時頃
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…まあ、そうだろうなぁ。
[信じない>>143。 自分が逆の立場であったなら同じように言ったに違いない。 微かな花の香はどこからくるのだろうう。 落ち着かせたい神経が、騒めく]
信じる信じないは任せるけどさ。
[詰めた距離が遠くなる。 だから、自然と足が一歩、二歩、進む。 手の中にあるものを古ぼけたピアノの椅子に置く。 これで、手が空になった。 ずっと抱えていたので、少し疲れていたし、気が楽になった]
(151) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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[花畑に顔を突っ込んでも こんな匂いはしないのではと思うほど 濃厚な香りが広がっている]
わ、大丈夫か。
[ふらつくヒューを支えつつあまりの濃さに 窓から離れてベッドへと戻る]
いやこんな匂いは初めてだ。 本当に花の、か? だれかの香水瓶ぶちまけたとかそーゆー。
(152) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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元々、敵わないってのはわかってんだ。 母さんにずっと言われて、従って、続けてきただけだったからさ。 でも、音楽は好きだし、ここに来てからも続けてたことも後悔してない。 生まれてきたから、音楽を続けてきたから、お前にあえたし。
[揺れる瞳>>143を見やり、息を吐く。 音楽をやめると言った時の彼を思い出しながら、浮かぶ苦笑]
だけど…これ以上、お前にしんどい思いさせるのも、嫌なんだ。 だから、音楽もやめる。 もう、この場所にも来ない。
[自分がもう完全に戻らないと言えば、諦めてくれるだろうと。 自分も、きっと諦められると*]
(153) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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[促されるままにベッドに戻り、座り込む]
や、香水ってレベルじゃねーだろ、 ……なん、というか
[薔薇の香りに、中てられる。 そもそもの耐性がない新入生――それも、何の力も持たぬ身ならば、夢にもぐりこんだ香りに、思考が溶けてゆく]
生きてるみてー、というか
[喉が渇く。唾を無理やりに飲み込んだ。 やはり、熱が出たのかもしれない。そう、思い込むことも出来そうなくらい]
(154) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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どうしようもないな。 落ちないなら。
[ 何度目かの攻防を想起して、肩をすくめる。]
頭から爪先まで優等生だろう? 貴方だって四六時中花に囲まれている訳ではないだろうに。
[ あと1センチ足りない。 諦めて手を下ろしかけた所に、横から大きな手>>144が伸びてきた。 大きく無骨。細くて頼りない自分の手と見比べる。]
それだけ背が高ければ、届かないものなんて無さそうだ。
(155) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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世渡り上手で、 おまけに口も上手い。 性格が悪い後輩の粗相も許してくれる。
[ 軽口を続けようとしただけだった。 受け取った布巾で傷口を塞いで、空っぽな会話を楽しもうと。]
僕も貴方ほど器用だったなら、
[ 口を突いた言葉はきっと、 歳上を前にして気持ちが緩んだせい。]
……何でも手に入りそうで、羨ましいな。
(156) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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[ 誤魔化すように相手を見上げて、 正しく笑う。 中庭で染み付いた薔薇の香りが自分から漂った。]*
(157) 2018/05/20(Sun) 00時頃
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いきてる……花が……
[その言葉に想像したのは 薔薇の枝が伸びて二股になりのっしのっしと歩く姿 流石に無いと思いたい]
臭くは無い筈なんだけど、なんかこー ざわざわすんなあ、風も無い。
[昨日は強かったように思うから その後一気に開花したのだろうか そんな蕾の群れは見なかった気もするが]
(158) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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ヒュー、大丈夫か? なんか風邪か?
[様子のおかしさに熱を見ようと手を額に伸ばした]
(159) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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[ 扉の隙間から流れる薔薇の空気が 紫煙の名残を消していく。 少しずつ満ちる花の気配>>151 手の物は咄嗟に机に置いていたけれど、 近づく彼の出した結論>>153に目を見開き それから唇を噛み締めた。 ]
…………分かってない。 君は何も分かってないよ、ベネット。
[ 襟元>>1:33に向かって腕を伸ばした。 哀しげに暮れていた瞳はどうしようもない 感情に波立つ。 ]
(160) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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誰がそんなことを、望んだ?
[ 存外、静かな声だった。 伸ばした腕は緩やかに降りる。 ]
(161) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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君も結局、姉さんと同じか。
[ 諦めたような声が落ちた。 しかしその中に罪悪感以外に芽を出すのは 薔薇の香りに充てられたせいなのか。 ]
自分がしんどいの間違いだろう? …………俺のせいに、しないでよ。
[ 吐き捨てたような声色。 普段なら口にしない筈の棘ある台詞。 口角を上げてそれから笑った。 眉尻は上がらないまま、諦めたように笑った。 ]
(162) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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君とは対等な友だちでいたかったよ、ベネット。 ……だから君にはこんな所、見せたくなかった。
[ 汚いエゴの塊の部分。 知られたくなかった秘密を打ち明ければ、 今度は手荷物を持って扉の外に 向かおうと体を壁から剥がした。 ]*
(163) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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[モリス、と呼ぶ名が重なる。隣り合っていた体温が近くなる。 こちらからも息を潜め身を寄せれば、動揺と慄然を浮かべた表情が、夜闇の中でも見えてしまった。 自分の似たような表情をしていたかもしれないが、生唾を飲み平静を繕う。 何を怯えることもない。そのはずだ。生徒会長と二人、夜風に当たって他愛ない会話をしていただけだと。 誰に会ったってそう言えばいい。 だというに、心拍は早く、緊張を語っていた。
薔薇の香りが強く、満ちていく。 こちらに近づいてくるような足音の気配は、感じない。]
(164) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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[ゆっくりと、視線をイアンの側へ戻す。 欲望を顕に求められて>>103、先の驚きとは別の意味で鼓動は落ち着かない。 視線の微妙な噛み合わなさで、欲しがられているものに勘づいた。 男同士だと拒否もできたはずで、けれどそうしなかったのは、ようやく自分の欲しかったものが、自分に向いたからだ。 薔薇の香りに中てられて、ふ、と小さく笑んだ。 パンを支えて膝の上、夜風に冷やされるばかりだった手を、向かい合う頬に触れようと伸ばす*]
(165) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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仕方ないねえ。
[ それでも以前よりは手を洗うようになった方だ。 尻ポケットに入ったままのハンカチが汚れるくらいには。 頭から爪先まで優等生だという(>>155)、オスカーを見る。 四六時中、薔薇と土の匂いをさせた俺が そのたった1センチを拾い上げてしまう。 ]
世渡り上手、口も上手い、後輩の粗相も許す。 キミにはそんな風にうつってんのね。 器用さならそれこそ、画家先生や演奏家の方が器用でしょ。
俺になったってなにも手には入らんよ。
[ 見上げ、正しく笑う顔を見て(>>156)。 ]
(166) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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オスカー。 キミの表情(かお)は美しいね。
[ 土で汚れてはいない、ザラザラの指を伸ばす。 逃げる素振りを見せなければ、それは頬に触れ やわやわと、撫でる。 ]
美しすぎる。 花は咲きすぎると、狂うんだよ?
[ 正しすぎて。 まるで泣いているようだ。 ]*
(167) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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や、風邪じゃなくって……
[ピスティオの手が冷たい。 先輩の手を思い出した。 そういえば、やはり熱を出した時に、こんな風にしてもらったっけ。
笑って、目を閉じる。 目覚めたばかりだけれど、このまま眠りに落ちてしまいそうだ]
(168) 2018/05/20(Sun) 00時半頃
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…………。
[行かなくて大丈夫か。 その言葉に、元々部屋を出た目的を思い出す。>>149
何が起きているのだとしても、空腹ではいざという時に力がでない。実はあまり空いていないが、詰めておいて損はない。]
……うん、大丈夫じゃないな。 補給してくる。……では。
[マークに頷き一つ。ケヴィン先輩にも会釈して、ゆったり歩き出した。**]
(169) 2018/05/20(Sun) 01時頃
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手、 気持ちいいな
[先輩みたいだ、 口が寝言のように音なく動いた。 それから、ことりと夢に落ちる。
目覚めても、そこが夜のままならば そこは現か、それとも夢か―――**]
(170) 2018/05/20(Sun) 01時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 01時頃
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ああ、解るもんか。 お前じゃないからな。 俺がわかるのは、望んだのは俺で、いまのお前がしんどそうな顔に見えるってこと。
[襟元に伸びた手>>160を払うつもりはなかった。 したいようにすればいい。 首を絞めるでも、掴んで殴るでも。 のぞく赤がその望みを肯定するようにシャツの隙間に鮮やかな色]
(171) 2018/05/20(Sun) 01時頃
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[吐き捨てたようなその声に表情は変わらない。 笑うでも怒るでもなく、だからと言って泣く気配もなく。 ただ、淡々とその言葉>>163が続くのを聞いていた]
…そっか。ごめんな。
[ただ、ぽつりと落とす。 出ていくなら、止めるつもりも勿論なくて**]
(172) 2018/05/20(Sun) 01時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2018/05/20(Sun) 01時頃
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俺にだって君が分からないよ。 何か言いたげに見えたから、 俺に何か伝えたい事でもあるのかと思ったけど。
[ 首を絞めたり、掴んで殴ったりなどしない。 一度引っ張った襟元。 隙間から覗く赤>>171に一瞬、目を伏せ。 変わらぬ表情>>172に顔を上げた。 ]
(173) 2018/05/20(Sun) 01時半頃
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謝らないで、ベネット。 君は、何も悪くはないよ。 君のお母さんに関しては…… 俺の母さんが、悪いから。
[ もらったパンを鞄に詰め、ケースを片手に持つ。 背中を向けながら語るのは彼の瞳の色を 見たくなかったから。 ]
君が、俺の弟だとするなら俺たち兄弟は、 せめて母さん達に縛られないよう自由であるべきだ。 音楽を止めること。それが君の意志なら ……俺には止められないよ。
(174) 2018/05/20(Sun) 01時半頃
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