308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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冗談でしょう?! ばかげたこと言わないで。 ほかに何か方法があるはずだわ。
……そうよ、 わたしのスマートフォン。 家の中でなくしてしまったの、 まだ充電が残っているかもしれない。
見つけたら、そう、 SNSを通じて助けを求めて──、
(+59) 2020/10/24(Sat) 22時半頃
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[ わたしは必死に反論したわ。 絶対に許すわけにはいかないと思ったの。
何かほかに手立てはないかと、 記憶を探って知恵を振り絞って言ったのね。
けれど、奥さんは非常に苛立った素振りで、 ぶんぶんと大きく首を横に振るばかりだった。 そしてヒステリックな口調で叫んだわ。]
(+60) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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ないわよ! そんなの出てきっこないし、 助けなんてさんざん求めたわ。 でも、この混乱の真っ只中で、 誰も気に留めちゃくれなかった。
無理なのよ、今はまだ。 状況が落ち着くまで、 なんとかして生き延びないと……
(+61) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[ 奥さんはぜいぜいと肩で息をしていた。 呼吸を整えるように深呼吸をして、 そして、またわたしをじっと見るの。
良いわよね、あれだけいたら、 しばらくの間はきっとしのげるわ
真剣な目でそういう奥さんに、 わたしはこれ以上何と言えばいいの? 代替案が何も思い浮かばない、 自分の頭とこの状況がひたすらに憎かった。]
だめよ、絶対に。 あの子たちを食べるだなんて……
[ わたしの声はいつしか泣きそうだった。 そんなわたしを見たご主人が、 ずいぶんと落ち着いた様子で口を開いたわ。]
(+62) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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エドワーズさん、考えてみてください。 普通の状況ではないんです、そうでしょう。 きっと皆そうしています、家畜だけじゃない。 乗馬用の馬やペットのミニブタを食べてでも、 人々は生き延びようとしているはずです。
それと何が違うんですか? 何としてでも生き延びようとすることが、 そんなにも残酷で、醜いことなんでしょうか
(+63) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[ 顔を覆ってしまいそうなわたしの手首を握り、 わたしの目を覗き込むようにして彼は言った。
ご主人もやっぱり真剣な目をしていたの。 正しいことを言っていると信じている者の、 まっすぐで強い眼差しをわたしに向けていた。
……言葉が出てこないの。 ノーリーンを撃ったときと同じよ。
彼らの言うことは間違っていないようにも思えた。 けれど、わたしの心は確かにノーと言っていたわ。
それでも小さく首を横に振るわたしに、 ご主人は畳みかけるように言葉を重ねたわ。]
(+64) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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お孫さんを死なせたいんですか? 私は、息子に生きていてほしい
(+65) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[ 喉がからからに乾いていたわ。
魂を吸われてしまったみたいに動けないわたしに、 ご主人は考えておいてください≠ニ言った。
その場を去っていく二人の背を見送りながら、 わたしの頭の中はもうめちゃくちゃだった。
あの子にひもじい思いをさせたくないわ。 いつか自分の綴った言葉が頭の中に響いていた。 けれど、そんな惨いことが許されるはずない。
ねえ、そうでしょう? わたし、何かおかしなことを言っているかしら。]
(+66) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[ お願い、答えて。いのちに優劣があると思う?**]
(+67) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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― 数日後・コーヒーショップ『abbiocco』 ―
[あれから何日が過ぎただろう。 窓から覗く空模様だけでは、正確な時間は掴めなかった。 壁掛け時計の針は、濁った膜に覆われてよく見えない。
畑の間を走る道路から、車の音は聞こえなかった。 規制がかかったか、 あるいは車に乗る人そのものが少なくなったのだろう。 数少ないエンジン音も、明らかに壊された形跡のある ドアを見れば、速度を上げて走り去っていく。
ここを訪れる者はいない。 孤独が満ちるはずだった――それなのに。
例外は、いつもと変わらぬ体勢のまま俯いている。]
(+68) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[最初、彼がその場を離れた時、助かったと思った。 好きな方を選べと言ったけれど、 あんなもの、二択の皮を被った一本道だ。 悔いのない選択など、今ここには存在しなかった。
しかし彼はすぐに戻ってきた。 その手にあったのは、 申し訳ばかりの缶詰と土のついたままの野菜だ。
彼はコートの袖で拭った人参に齧りつく。 眉間に皺を寄せ、泣きそうな顔をしている癖に、 目の光だけは消えないまま。]
……ふ、 ふ。
[思わず小さな笑い声が零れた。 シーシャが視線だけでこちらへ問いかける。]
(+69) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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ふ……いや、すまない。 前言撤回しようと思ってね。
私はキャロルにはなれないが、 ははおや 君は、キャロルによく似ているよ。
[薪を燃やす炎に似た赤毛を思い出す。 太陽が落ちて来たみたいな笑顔を思い出した。 シーシャは虚をつかれたような顔をした後、 一瞬だけ眉間の皺を解いて笑みに近い表情を浮かべた。]
(+70) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[それからずっと、10フィートの境界は保たれている。]
(+71) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[寝る時は私のベッドを使いなさいと言ったけれど、 シーシャは頑として聞かなかった。 生きる為に必要な分だけ動き、 必要ない間はすべて店の壁に背を預けて過ごしていた。
会話はほとんどない。 日に何度か彼の名を呼んでは、拒否の一言で幕を閉じる。 あの日から、状況は平行線のままだ。今日も駄目だった。
――嗚呼、 そんなことをしている間にまた夜が来てしまうのに。 空が暗く滲んでいくのを、濁った左目で見つめていた。]*
(+72) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[コンビニのカウンターの奥から 商品の煙草を数箱拝借して、懐の中に入れた。
髪を掻き上げ、大きく溜息を吐く。 誰もいないコンビニの床に、ずるずると座り込む。 煙草に火を点し、男はのんびりと紫煙をくゆらせた]
……どーすっかな。
[あてもなく、コンビニの白い天井を見つめた]
(55) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[ それから、同じことの繰り返しだった。]
(56) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[このコンビニの出入口はひとつ。 逃げ場所も隠れ場所もない。
長居してはいけない、と 理性は警鐘を鳴らすのだが、 どうにも一向に足が動かない。
煙草片手にスマホを開き、SNSの投稿を追った。
ふ、と口元を微かに緩ませ返信を打つ。 スマホからの手動投稿だ。 スパム文はその発言から消えていた]
(57) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[投稿ボタンを押した瞬間、 スマホに影が差した。
見上げれば、口から涎を垂らし 瞳から理性を失くした女が こちらを見つめていた]
う、うわああああああああああああ!!!
[咄嗟にパンの入った戸棚を手で倒し、 女を下敷きにしようとする。 足がもつれ、うまく立ち上がれない]
(58) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[――――食料を。
床に転がった菓子パンを ひとつふたつ拾い上げてから ゾンビから逃れようと、出口へと駆けだす。
あまりにも必死すぎて、 男は周囲への警戒を怠っていた。 それが仇になった。
死角から、今度は老婆のゾンビが飛び出して 男へと飛び掛かったのだった]**
(59) 2020/10/24(Sat) 23時頃
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[ ビルの非常階段で、眠りに落ちかけては目覚めた。 せめてもの護身用にと抱えたモップの柄。 何度目だろう、がくりと体が揺れて、頭を振る。 ビルの隙間の空は白んできていた。
朝日の差す空をぼんやり眺めていると、 "何か"が非常階段の扉を突然叩いた。]
ひ───
[ ここにもこれ以上いられない。]
(60) 2020/10/24(Sat) 23時半頃
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[ モップを持ったまま、階段を駆け下りる。 路地を出ようとするとその先には"何か"の姿が ちらりと見えた。 こちらはダメだ。 踵を返し逆に走り、通りへまろび出る。 できるだけ安全なところへ。
でもそんな所どこにあるんだろう?]
(61) 2020/10/24(Sat) 23時半頃
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[ 逡巡し、足が止まると斜め後ろから呻き声がした。]
や───
[ 思わず振ったモップの柄に、鈍い感触が響く。 そこにいたのは呻き声を上げる"何か"で。]
───っ!!!
[ 声にならない悲鳴を上げながらモップを引く。 "それ"はぐらりと後ろに大きく揺れた。 私は通りを走る。走る。走る。
ビルの路地、エントランス、自販機の陰。 非常階段、駐輪場、マンションの裏。 止まっている車は大抵ロックが掛かっていた。 他人の家は──どうしても罪悪感が消せなかった。
つまり、私の居場所は今この世界には どこにもなかった。]
(62) 2020/10/24(Sat) 23時半頃
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[日が暮れる前にはいつも家に戻り、 インターネットで情報を集める日々だった。
対策を練りたい、そんな投稿も見かけたが、 俺自身はこの目でまだ見てはいない。 なんの有益な情報も出すことはできないでいた。
SNSで告知されていた配信、とやらもみていた。>>3:56 同じように見た人が保存していたものが YouTubeなどにもあげられて、 繰り返し見られるようになっていた。
これが親切に教えてくれた謎のX君なのか。 マスクと長く伸びた前髪のせいで、 表情や顔つきまではよくわからなかったが、 本当に、現実にいる誰かが あれらの投稿をしていたのだなと なんだか不思議な感じがした。]
(63) 2020/10/24(Sat) 23時半頃
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[それと。 ゾンビが、本当にいるのだということも。 それまでにもニュースや動画も見かけてはいたが 俺が目にしたのは、どれもヤツらが遠目で 映っていたものばかりだった。 荒れ果てた都会の光景の中、 カメラ?をもつ謎の猫X君の走る音が響く。]
よじ登るのは、時間がかかるのか……。
[謎の猫X君が言っていた台詞と同じことを口にして ヤツらがどんな動きをするのかを、 つぶさに観察した。 綺麗な空をみたい、というセリフには>>3:85 なんだか無性に目の奥が熱くなった。]
(64) 2020/10/24(Sat) 23時半頃
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みず……欲しい……
[ 何度目だろうか、小さなコンビニの裏手で 座り込んだ私は思った。 水も、食べ物もない。 頼りのスマホもバッテリーが心許なくて。 そもそもこんな状態でスマホの決済も 使えるのかどうかわからなかった。
きっと私は"あいつら"と変わらない目をしていた。 そのまま横に積んであったコンテナに少しだけ 身を預けると。
ごとん。
コンテナの影からコロコロとココアのボトルが 転がり出た。 恐らく廃棄予定だったのだろう。 いくつかは袋が破られていたが、賞味期限切れの おにぎりも落ちていた。]
(65) 2020/10/24(Sat) 23時半頃
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余計、のど乾くじゃん───
[ へへへ、と笑い声が漏れているのに、涙が出る。 ココアを拾い上げて飲み干すと、やっぱり甘くて 喉に絡まって仕方なかった。 乱暴におにぎりのパッケージを開けると、 海苔が全部持っていかれてただの白いおにぎりに なってしまった。
何もかも滑稽で、笑いが止まらない。 早く飲み込まないと、またあいつらが来るのに。]
(66) 2020/10/24(Sat) 23時半頃
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[ そうして、何度も同じことを繰り返して、 やっと自宅だった場所に帰り着けたのは 4日目の夕方だった。]
(67) 2020/10/24(Sat) 23時半頃
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[ どうして家へ戻ってきたのか自分でもわからない。 でも、もしかしたら──あの猫がいる気がした。
マンションは、半焼というレベルだろうか。 火の手の出ていた東側は真っ黒になっているが、 私の部屋近辺は多少煤けているだけに見えた。]
う、わ。
[ エントランスに人気はない。 プラスチックが焼けたような臭いがあたり一面 充満していた。
あまりの焦げ臭さに口元を手で覆いながら とぼとぼと階段を上る。 あの時猫を連れて逃げ出せたのが奇跡かもしれない。]
(68) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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ガシャーーーン!!!!!
(69) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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『逃げろ!!!!』
[聞き慣れた宿屋のおじさんの、叫ぶ声が響く]
(70) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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