244 とある生徒会長の日常
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……何をしているのかな、編み物部さん?
[間に合え、と。 彼の前に躍り出て、纏う布を右にはためかせようとした。 それはあたかも、闘牛士の如く……。
経緯を聞けば、助けはしなかったかもしれないが。 熱のせいでやや吐息を荒くしつつも、せめて。彼を逃がし、庇おうと。なるべく余裕を繕いながら、笑みを向けた。]
(117) 2016/01/18(Mon) 23時頃
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どうした!! まだ薬が残っているか!?
[>>113必死に仰ぎながら、影響を受けるまいと口と鼻を覆う。 自身の着ているTシャツを笑っているなどと誰が想像出来るだろう。 >>114そうして団扇の風が加われば、薬の効果は消えようか。]
………さて、厄介な薬は消えた。 これで勝負に集中が出来る。
[結わえた髪が、風に揺れる。 制服はもはや使いものにならず、地に伏せられた。]
(118) 2016/01/18(Mon) 23時頃
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昨日の言葉が真実か否か。 ここで確かめさせてもらう。
[中庭付近では、また別の戦いが幕を開けようとしている中。 男は長定規をするりと抜き、先手必勝とばかり一気に距離を詰め 両手に定規を、大きく振りかぶる!!!そう、つまりは]
―――――いざ!!!!
[落語部の目前に迫り来る仁右衛門!!!!!]
(119) 2016/01/18(Mon) 23時頃
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あら。
[白い布が真っ赤な色に染まって翻る。 そんな錯覚を受けたと思えば、毛糸の鎖はひらりと逸らされ壁を叩く。]
なにをって今は"新入生歓迎会"よ。 粛清に決まっているでしょう。
[突然の乱入者――演劇部の狩生>>117に暗黒微笑で言い放つ。
石動乱入事件の時でお分かりだろうが。 貴紗は割と頭に血が上りやすいし、すぐに過激な手段に出るのだと、一部で噂だとかなんとか。]
(120) 2016/01/18(Mon) 23時頃
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はあ…… し、死ぬかと思った…… 化け猫め、薬さえなけりゃァとっ捕まえたってのに。
[別の所でとっ捕まってるなんて藤之助は知りません。 肩で大きく呼吸をして、漸く計に向き合えました。]
……ああ、奇遇だねェ、同じことを考えていた。 幸い床の滑りも取れてきた所だ、では……
いざ、尋常に勝負!!
[ちょうど奴の胸には、超えると宣言した仁右衛門がいる。 ならば……真剣勝負待ったなし、ですね?]
(121) 2016/01/18(Mon) 23時頃
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今日は桜も盛り、絶好の花見日和…… ここはひとつ、花見の仇討ちの「噺」をしようじゃないか。
[真っ直ぐ手芸部に扇子《カゼ》を構え、 立ったまま、「噺」の力を吹き込みます。]
悪戯好きの若い衆、花見の余興をとあれこれ考え、 本物そっくりの敵討ちの芝居をおっぱじめたんだが…… 芝居を終わらせる、いわゆる「ドッキリ看板」役が、 親戚の長話に捕まっちまって、なかなか到着しない。
「話は聞かせて貰った!!いざ、助太刀致すッ!!」
そうこうしているうちに、 あろうことか本物のお侍が助太刀に入っちまって、 やいのやいので大騒ぎになっちまうんだ。
[構えた扇子《カゼ》は、見る間に太刀に見立てられた。 切れ味こそ芝居の鈍さですが、刀そっくりの間合いです。]
(122) 2016/01/18(Mon) 23時頃
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庇うのならば同罪。
チャクラム 基本の円ラッシュ!
[冷静さを欠いて、経緯の説明という大事な部分を忘れ。 続けざまに毛糸の円《チャクラム》を鋭い手裏剣のように狩生へと3投げる。]
(123) 2016/01/18(Mon) 23時頃
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なんのッ!!
[ガキンッ!!!]
[たった今見立てた太刀で、真正面から切り結びます。 二つの固い信念がぶつかり合う激しい音!火花! とても、定規と扇子がぶつかったようには見えません。]
ぶふっ
[え、今笑ったって? いやいやいやいや。 仁右衛門に笑ったなんて、そんな事ァないですよ?]
そこだっ!!!
[刹那に刀を返し、そのまま計の足を狙って、斬りこむ!]
(124) 2016/01/18(Mon) 23時頃
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……ふぅん。
《歓迎会》の主役は、あくまでも新入生で。 ボクらの聖戦は、言うなれば余興。
そこに何故、粛清なんていう無粋な文字が出てくるのか。 ちょっとボクには理解できないけどね……?
[>>123飛び交う毛糸の戦輪《チャクラム》に、低く嘲笑を向けて。 闘牛士《マタドール》を模した動きのまま、戦輪《チャクラム》を弾く。
……が。]
(125) 2016/01/18(Mon) 23時半頃
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…………っ。
[上がりつつある熱に、戦輪《チャクラム》を避けそこねて。 二つは弾けたものの、もう一つが。左の肩にぶつかり、布を構える手が鈍る。
その途端。 闘牛士《マタドール》の構えにも、揺らぎが生じたのは。傍目にも明らかであろう。]
(126) 2016/01/18(Mon) 23時半頃
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[>>122固有結界たるその噺には、独自の空気がある。 つい膝が重くなり、聞きいってしまうのを自制しながら]
中々面白い噺だが そんな噺如きでは俺の定規は受け止め――――……
[ガ キィ ンッ!!!]
なん………?
[何だ、今の音は。 奴の持つ扇子と、自身の持つ定規が “噺”に聞き惚れ、刀のもつそれと同じ本質に変わったとでも!?]
(127) 2016/01/18(Mon) 23時半頃
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だ、が しかし ッ―――――!!!!
[>>124足に斬りかかる扇子。 それは今や扇子刀《センス・ブレード》とでも言えようか。 本質が刀に変わったとしても――――……]
その“剣捌き”だけならば 剣道部の方が上!!!!
[1度暗黒剣を受けた身。 足への斬撃を定規でもって、受け流し]
(128) 2016/01/18(Mon) 23時半頃
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はあああああ―――――ッ!!!!!
[もう一度。 真正面から叶わないのであれば 文芸部渾身の一撃は、横から薙ぎ上げるように!!!]
(129) 2016/01/18(Mon) 23時半頃
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余興にしても限度があるでしょう。
猫神くんはね。 やってはいけない一線を越えたの。
[浮かぶ嘲笑>>125に怒りを滲ませ。 闘牛士《マタドール》のに誘導される牛のように、今この瞬間のターゲットは狩生へと移る。]
(130) 2016/01/18(Mon) 23時半頃
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……隙あり。
[幻想の赤い布>>126が色褪せる。]
かぎ針だけが私のワザではないのよ。 貰うわ。
――編み物拘束術 首狩りマフラー!
[ストールの下から取り出した二本の棒針から編み出されるロングマフラーが、バランスを崩した狩生の身体に巻きつきに行く。 物騒なネーミングだが、良く伸びる毛糸なので完全には窒息はしない生徒会公認の安全仕様です。]
(131) 2016/01/18(Mon) 23時半頃
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っ なに……!?
[>>128 足払いを、いとも簡単に受け流した。 その動き、まるで剣道部の身のこなしをトレースした…]
ぐっ ぁあああああああッ!!!!
[>>129 次の瞬間、鋭い剣閃が藤之助の脇腹を捉えたァ! そのままぶっ飛んで、動かなくなる藤之助。これは…]
(132) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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……粗忽長屋、という「噺」がある。
[聞こえる声は、手芸部の背後からです。]
ある日のらりくらりと八五郎が町を歩いていると、 行き倒れが出たってんで、役人が身寄りを探している。 八っつぁん、その死体の顔を一目見て驚いた。 こりゃあ、おんなじ長屋に住む熊五郎だ!と。
一目散に長屋に飛んで帰って、熊五郎に報告する。
(133) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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「おぉい熊さん!向こうでお前さんが死んでたぞ!」
『何言ってんだ。俺ァ、確かにここに居るんだが?』 「お前さん、あんまりそそっかしいもんだから、 まだ自分が死んだのに気付いてねェんだよ!!」
……さあ、たった今あんたが倒したおれは、 本当におれだったのかねェ……?
[「噺」の世界で瞬時に本物と身代わりをすり替える、 通ずるは一度限りの「奥の手」でございます。]
(134) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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今から出すのは、おれの奥義…… まんじゅうこわいの「噺」をしようじゃないか。
[ここで突如、藤之助の目がキラリと真剣味を帯びる。 ……何を隠そうこの演目、あの伝説の落研部長、 仁右衛門が最も得意としていた演目にございます。 初心者向けだと侮るなかれ。単純な内容だからこそ、 「噺家」の実力が全て滲み出るってな代物なんです。]
さあさあ、これでとどめの真剣勝負! 超えたいならば、こいつを倒していくがいい!
(135) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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……は? 歓迎会【だから】粛清と言ったのは、君の方じゃ…………
[>>130熱も相まって、掛けた文脈は繋がらず。]
っ、あ……!
[>>131しゅるり。 首にも余裕で巻ける長いマフラーに、その身を囚われる。]
…………はっ、だからどうした? これだけ伸縮性があれば、すぐにでも……
[拘束、と言っても所詮は毛糸、と。 その身を捩り、抜け出そうとして。]
(136) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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暇をもてあました町の若い男衆が集まって、 自分の怖いものは何かと話し合っておりました。
「俺は蛇がダメだ。舌なんかチロチロ出しやがって、 ありゃァ、どうにも気味が悪くってしょうがねェ。」
『じつは俺、蜘蛛が大の苦手でなァ、 ああもう、考えただけで寒気がするぜ……!』
[男を真似て、腕を抱えてぶるっと身震いをしてみせます。]
そんな中、ある男がまんじゅうを怖がってみせ、 脅かそうと企む仲間達にまんじゅうを買いこませる。 数ある落語の中でもお馴染みの「噺」です、が……
[地の底を這うような低い声で、藤之助はにやーり。]
(137) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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[ フ ワ ァ ]
……………………この、肌触り……?
[ふと、狩生の肌にマフラーが触れる。
柔らかな質感、心地よい吸収性。 その心地よい温もりに、すっと。狩生の体から力が抜けて……]
(138) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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まさか…………
最高級、カシミア…………?
[もしかすると、そんな上等な毛糸ではないのかもしれないが。 優しさ(物理)に包まれ、いい加減体力も限界を迎えていた狩生の瞼が、ぐうと下がっていき。]
(139) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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これは だめ、だ
ねむく、 な、 る……………
[膝から崩れ落ちるよう。 狩生の体が、倒れた。]
(140) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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……さて、手芸部の。 みぃーんな言ったんだよ、 あんたの恐ろしいモノも、ちゃんと話さないとねェ?
そら、少しでも思い浮かべてみろ、出るぞ出るぞ……
[背後に出るか。周りを囲むか。藤之助の姿が変わるのか。 見えるモノはそれぞれですが、この計はどうでしょう。 とにもかくにも、これが藤之助の最終奥義で御座います…!]
(141) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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―――――やったか!?
[などと叫ぶがお約束。 >>132動かなくなる身体を見ても >>133聞こえる声は、背後から。]
く、ッ……残像か!? いや違う――――……
[ずざり、と瞬時に身を離すも 耳の奥で残る声色の余韻が、少年を深く世界に沈める。]
(142) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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……まんじゅうこわい、なら俺でも知っている。
[何故ならお茶の間でよく見る姿が よく演じる演目であるからだ。 その顔は今や手芸部の胸に張り付いているが]
俺の恐ろしいもの ……俺の、恐ろしい、ものは……
[そういえば今し方、背筋が氷るような思いを]
(143) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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………お、お前、いつから其処に!!!
[少年が幻影として見た姿は。
暗 黒 微 笑 を浮かべた林藤貴紗
その人であった!!!]
(144) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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ふふ。 まさか化学部対策のひとつとしてに持ってきていた秘蔵のカシミヤを、貴方に使うことになるとはね。
[ふわふわのマフラーは優しく狩生>>128に絡みつく。 その心地良さ(物理)に包まれ抵抗を止めてしまった者は、やがて全身をカシミヤに覆われ安らかな眠りに落ちるという。]
(145) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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購入費用。 持ち出しだったんだから。
しっかり堪能してね。
[急速に睡魔に捉われる彼に声はどこまで届いていたのだろうか。]
(146) 2016/01/19(Tue) 00時頃
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