194 花籠遊里
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[堅苦しく喉を詰めるネクタイのノットに指を掛け、 布擦れの音を聞かせながら、傍に捨てた。 シーツの海に溺れる彼をサルベージする振りをして、 そっと寝台に片手を突き、顔貌を覗きこむ。]
そして、お前さんは俺のものになった。
呼べや、櫻子。ベッドで呼ばせたことはねぇ名だ。 お前さんにこの先の分も、全てくれてやる。
[彼へと己の名を強請り、低く笑気を零しながら。 機嫌良さ気な身は、先ずは頬へと、淡くキスを捺して見せた。*]
(79) momoten 2014/09/25(Thu) 21時半頃
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墓荒らし ヘクターは、メモを貼った。
momoten 2014/09/25(Thu) 22時半頃
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── 郊外のお屋敷 ──
[甘やかな接吻けを、唇を触れ合わせてから 檻から連れ出された僕は、華やかな街を過ぎていきます。 鮮やかな街並みにはまるで子供のような声をあげておりました。 そうでもしないと、気が付いてしまいそうだったのです。 僕の鼓動はずっとずっと、早鐘を打ち続けておりました。
たどり着くのは、しらないおうち。 都見下ろせるその家につれられて、鼓動は更に煩さを増すのです。
これから、どうなるのでしょう?
──愚問です。 欲しい答えは決まっているのですから。]
(80) anbito 2014/09/25(Thu) 23時半頃
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わっ あ!
[放られた体は、場に似合わぬ素っ頓狂な声をあげたことでしょう。 あまり触れることのなかった、ベッドというものの上で 小さな痩躯はぽよんと跳ねました。]
その、それは…
[彼は僕に、花籠に帰す気はないと仰いました。 けれど、鎖で繋ぐこともないと申します。 帰るべきはここだと。 そう、おっしゃられました。 捨てられて、今まで。 帰る場所なんてありませんでした。 花籠だけがすべてで、そこからは出ることさえ望まなかった身です。]
僕の……お、うち…?
[そう思っていいのでしょうか、と。 射干玉が問うように彼の瞳を見上げた時にございます。]
(81) anbito 2014/09/25(Thu) 23時半頃
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あっ、あのっ!! お仕事は、い、いいのですかっ
[ネクタイに手をかけるお顔が、僕を見下ろしている表情。 惹かれない筈がありません。 僕の鼓動は高く、また煩く鳴り始めました。]
こん、な お時間ですしっ!
[聞きなれない衣擦れの音が、声を上ずらせます。 唇が触れた頬が薄い櫻に色付きました。 視線はふわふわと彷徨います。 良さそうな機嫌は崩れてしまうでしょうか?
それでも、落ち着いていられないのです。]
(82) anbito 2014/09/25(Thu) 23時半頃
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貴方様の眸は僕を見ていると?
[そうではないでしょう? 僕の名は、貴方が嫌がる響きを模した。]
僕は、僕ですよ、花主様。
[名を模しただけの、中身はきっと貴方様を裏切った花には程遠い。>>73>>74]
(83) lalan 2014/09/26(Fri) 00時頃
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[いくら拭っても止まる事をしらぬ雫を、それでも指で拭い。
一目見れるだけで良かった。 帰ってくれ、顔など見たくもないと罵られるのも覚悟していた。 それなのに、どうして彼は泣いているのか。
再び顔を合わせるのに、少なくとも季節は一巡りしている。 ……そこから、数えるのをやめてしまったのだが。 墨色の髪と己のこげ茶を見る限り、それ以上の時が流れていたのだろう。 忘れるつもりは無かった。忘れられるとも思って居ない。 あんなに、心の中に深くふかく……]
(84) オレット 2014/09/26(Fri) 00時頃
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[―――……感情のままに藤色の手を強く引く。>>72 零れ落ちた一滴は、朧月の水面を確かに揺らし。 それは強い波となり、朧を突き動かす衝動となる。 抱きしめた藤之助は記憶の中の彼よりやはり細い気がして。 壊してしまわないように、手折らぬように、砕かぬように熱を移そうとする。]
藤之助、
[どう、伝えればいいのか。いや、伝えていいのかすら分からずに。 ただ墨色の髪を撫でる事しかできない。]
(85) オレット 2014/09/26(Fri) 00時頃
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[彼が掌から零れ落としてしまった沢山のもの。 幼心や好奇心は、これから己の庭で育てられる。 彼は自身を捻くれていると思っているが、到底同意できない。]
お前さんだけの家じゃねぇよ。 主人は俺さね、掃除や炊事でもしてりゃ暇も潰せるだろう。 そうして、俺を待ちゃあ良い。 もう、俺は蝶でも蛾でもねぇ。 ―――…ちゃんと帰ってきてやるからよ。
[本当は、彼が家に明りを灯していてくれたなら、 それ以上望むことは何も無かったけれど、 愚直に告げるほど己は素直に出来てない。
今か今かと、必ず帰る己を、彼が待っていてくれるなら、 それで良い等、誰に注いだ毒より確実に己を侵す。]
(86) momoten 2014/09/26(Fri) 00時頃
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(俺に、ついて来てくれないか。)
[一生と言わずとも良い。 あの時のように、傍に居て笑ってくれているだけでいいからと。
言葉が、どうしても出てこない。]
(87) オレット 2014/09/26(Fri) 00時頃
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仕事は終わった。 もう数刻経ちゃ陽も落ちる。 夜まで待て? 冗談じゃねぇよ、何夜越えたと思ってんだ。
[低く笑った男が、何処から夜を数え始めたのか彼は知らない。 櫻が花弁を散らし、人に変わるまで、もう散々待った。
鼻先を頬に摺り寄せ、距離を詰め、空の右手が首筋に触れる。 武骨な感触を肌理に添わせ、衣の袷に指を掛けた。]
眼ぇ、見ろよ。 もう、隠し事なんざさせやしねぇ。
[言葉尻に足すのは、眦に捺したリップノイズ。 物慣れぬ生娘のような彼に興は挫けず、寧ろ笑みが深まった。]
恥らえよ、特別だ。 抵抗して良いぜ、お前さんを金で買わない初めての男だ。
(88) momoten 2014/09/26(Fri) 00時頃
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[差し出した舌で頬を嬲り、足を左右に開かせるよう膝を進めた。
強引ではあるが決して無理強いでない所作は、 今まで彼に見せてきたような、花にする手順ではなかった。 僅か和装を乱せば五指は平たい胸を這い、鼓動を手繰る。]
―――…櫻子、
[元より低い声が、彼の傍で空気を揺らす。 ゆっくりと摘み上げた乳嘴を柔らかく親指の腹で擦り、 硬い皮膚の感触が、心音を引き上げるように懐いた。]
………愛いやつよな。
[毒でも蜜でもなく、真情からこんな言葉を吐き出すような男だと、自分でも知らなかった。*]
(89) momoten 2014/09/26(Fri) 00時頃
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私の瞳はいつでも。 お前だけを見ているのにね?
[嘘が嘘を塗り潰す。 色は宵闇、赤褐色。]
寂しいことだよ。
[くすくすと、媚つく嘘に笑う。]
(90) あんび 2014/09/26(Fri) 00時半頃
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[強く引かれた手>>85、それに目を丸くするも長年酷使された体は踏ん張ることもできず彼の胸元に飛びこむように身体は傾ぐ 壊れ物を扱う様に抱きしめられればどきり、と鼓動が跳ねる。記憶の中の彼より、幾分か胸元は厚くなっているのは職業柄であろうか、それとも自分が弱り、衰えてしまっているからだろうか
自分の名が呼ばれる、それだけで赤くなる頬に動揺が抑えきれない。昔みたいに気持ちを隠すことがどうしてできないのか。 別れてから長すぎる年月は、心の奥底に沈めた思いを風化させるどころかより濃く熱く焦げつくように燃え広がってこの胸を掻き毟る 髪撫でるその手が、温かすぎてもう
欲しかったその優しい手がいまここにある 逢いたかった人に抱きしめられ、こうして名を囁かれ。ああもう私は、一生分の運を使い果たしてしまったのだろう。そう思ってしまう位にしあわせ、というのだろうか]
(91) sinonome 2014/09/26(Fri) 00時半頃
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――浚って。連れて行って…… 一生でなくてもいい。貴方の刻が欲しい
[手に手をとって去って行った鶴と亀 あの時、言えなかった言葉 あの2人の様には難しいとは分かっている 迷惑だろう事は分かっている
それでも、願うだけなら――許してくれないだろうか 貴方が、好きだから]
(92) sinonome 2014/09/26(Fri) 00時半頃
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甘いご冗談がお好きですか?
[嘘と嘘で躍らせる。 揺らいだ焔は宵闇色の掌の上だというのに。]
ええ、寂しいですね……?
[負けず嫌いの子供が如く、引けぬ笑みはそのままに。]
(93) lalan 2014/09/26(Fri) 00時半頃
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[新しい場所で、僕の色んなものが育っていきます。 それは僕だけでじゃなく。 きっと、二人で。]
しゅっじ んっ
[その言葉に、一気に耳が熱くなりました。 おうちに対しての意味だったのかもしれませんが 自意識の過剰な僕は、別の意味へとそれを変換してしまったのです。]
(94) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃
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……待、ちますっ。 お洗濯も、お食事も、お風呂もご用意しますから。
…──寂しがらせないで、くださいね?
[言の葉が一つ一つ、素直に溢れて行きます。 僕はきっと、堪えず灯をともしてこのおうちで帰りを待つでしょう。 だから、寂しくなどさせないでください。 本当はあなたさまに逢えるまで、寂しくて泣いてしまいそうだったのだから。]
(95) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃
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そんっ な… 、ぁ
[幾千とは謂わずとも、何度も夜を越えてきました。 それを主張する声に返せたのは、微かに詰まるような声です。 彼の鼻が頬へと擦れば、香るのは変わらない櫻香。 首筋に触れた指先に、過敏なくらい体が強張ります。 指が肌をなで、着物の袷を解こうとするならば 弱々しくも頭を振るのです。 否定ではなく、射干玉がベッドに広がって行くでしょう。]
っ……は、ず かし
[唇が鳴らす音は、肌理を愛でられた証。 書斎で落とされた額への接吻けが甦るようでありました。]
ばか……っ! ていこ、なん…てっ
[出来ないとわかっている癖に。 本当に、酷い御方です。]
(96) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃
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ん、っ
[足を開かせるよう動く膝に、僕の甘い声が溢れます。 頬が唾液を乾かして、なのに一層仄かな色を灯しておりました。
丘などない胸に指先が滑ります。 その指には鼓動も何もかも、伝わってしまっているのでしょう。 緊張で少し湿った体はすでに熱く、肌を上気させております。 呼ばれたりなどすれば、どきんと鳴ったのも用意にわかることでしょう。]
え、く ぅ …さま ぁ、っ!
[まだ慣れぬ名前を小さくにだけ口にしますが 指が胸にある小さな飾りを愛撫すれば、それも甘き声にて掻き消されてしまいました。 低い声が届けば、ふるりと体が震えます。 あゝ、なんて甘い睦言を囁く御方なのでしょう。]
(97) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃
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や、優しく…… して、くださいませ。 ……はじめて ……なのです。
[既に快楽に潤んだ射干玉が、彼を見上げて小さくおねだりをいたします。]
だい、すきな… 殿方と… 寄り添うのは…──
(98) anbito 2014/09/26(Fri) 01時頃
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[息が、詰まる。 湧き上ってくるのは、彼の言葉通りに攫ってしまいたいという欲。 しかしそれを溢れさせまいと待ったをかけるのは、他でもない『朧』だった。>>92 きっと、今、手を取り走りだしてしまったなら。 今以上に今まで以上に苦しい思いをさせてしまうかもしれない。 『俺』の我が儘だけで、そんな思いはさせたくは無い。絶対にだ。
しかし。しかし、このまま手を離せ別れてしまえば。藤之助が今以上にボロボロになってしまうのでは無いか。 今度こそ完全に『失って』しまうのではないか。 ……這いあがってきたのは恐怖と、それから。]
いいのか藤之助。 ……お前の、手をひいても。忘れなくても。 お前を好いているが故に、私欲の為に藤之助を貰い受けると聞いても尚。 お前はそれを望むのか?
[何かを誤魔化すかのように、藤之助の耳元で囁き朧の顔を覗けぬように隠してしまう。 あの晩以上に酷い顔をしているであろう表情を、見せないように。]
(99) オレット 2014/09/26(Fri) 01時頃
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[忘れてと、別れの前日願った言葉 嘘だ、嘘だ嘘だった 忘れないでほしかった。心の一片でも占領できたらと。綺麗な頃の自分のままでなんて醜い願いを抱いて、本当の願いを言えなかった、あの秋の日の夕暮れ。空に滲んでいたのは白い月
そして今――自分の肩越し、隠される朧月夜>>99 囁き落とされれば頬全体に朱が奔り、耳まで染め上げられたのははたして気付かれたか、どうか
記憶より少し伸びた焦げ茶の髪に両手を伸ばし優しく梳いて。何度も、何度も 秋風とともに薫るのは花としての香りではなく、優しいいつもの、煙草の]
忘れないで。
――私は、私もお慕いしています ずっと貴方が好きだった……
[ほろり、とまた1つ涙が零れ落ち、それは彼の纏う紺の羽織りに染みを作る 立場とか、この身の下賤さとか そんなものをなにもかも忘れる位に ただ、その腕の檻に抱かれて、そこで咲きたいと願うのだ]
(100) sinonome 2014/09/26(Fri) 01時半頃
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[だから]
……貴方を望んで、いいですか?
(101) sinonome 2014/09/26(Fri) 01時半頃
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甘かろうが。 蛇はなんでも、丸呑みするんだよ。
[甘さも苦さも要らぬほど。 掌の焔を弄ぶ。]
お前はいつだって、誰を見てもいないね。
[笑みに向けるは、氷の微笑。]
(102) あんび 2014/09/26(Fri) 01時半頃
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[花同士の恋など、あってはならない。 そう聞かされていたのか、教えこまれていたのか。
藤之助の言葉は予想外だった。 友である事で隣には立てても、執着と背中合わせのそれをひた隠しにしてきた。 まさか、同じ思いでいてくれたとは思わずに、藤之助を抱く手に力が入る。>>100
始まりはいつだったかはもう思い出せない。 どこか幼子のように嬉しそうに笑う顔も、花としての雰囲気も、 仕草も声も瞳の色も髪の色も。 全て、すべて気がついたら好きになっていた。 あってはならないと沈めていた心が、浮かび上がっていく。 ………もう『朧』の静止の声は聞こえない。]
(103) オレット 2014/09/26(Fri) 02時頃
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無論だ。 寧ろ、俺の一生をくれてやるから、俺以外を望まないでくれ。 ……とまで言ったら、流石に横暴か。
[隠しきれない『しあわせ』の色が声に滲み出す。 問題が無いわけではない。 しかし昔とは立場も違えば、朧の身を絡める鎖も籠も牢も無い。 『たいせつなもの』をすくい上げられるならば、俺はどんな問題でも乗り越えよう。]
次の新月の晩。花でも枯れ草でもない、ただ一人の男が。 必ずお前を浚いに来ると『約束』しよう。
[耳まで赤く染まった愛い人の頭を撫で、幸せそうに笑い。 ようやく彼を、解放した。]
(104) オレット 2014/09/26(Fri) 02時頃
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[友という霞で包んでひた隠しにしてきた心 力を込めて抱かれれば>>103、より彼の胸元に寄り添うようになり。熱が身体を支配する
髪撫でる手はいつしかその背に回され、離したくないとしがみ付く幼子の様に――別れ惜しみ縋る恋人の様に抱きついて 柔らかな秋の月明かりに淡く焦茶の髪が光の輪を作り、秋風に舞う様子を視界の端に捕えながら零れる吐息は安堵と歓びに溢れていた
凛とした佇まいの中に感じる海の様な穏やかさ ふとした瞬間に紡がれる優しさに もう何時になるか分からない位ずっと昔に恋していた]
(105) sinonome 2014/09/26(Fri) 02時頃
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横暴じゃないです。 私の一生、貰って下さい。
[貴方じゃないといやだ、と 彼の声に滲む温かさ、それに応える様に自分の声に滲むは愛しさだったろう 問題も何もかも呑み込んで、浚いにきてくれるのならば、一時別れる切なさも悲しさも胸切られる思いも呑み込んで]
霞は、お待ちしてます、ずっと
[頭撫でる手に擽ったそうにしつつも、幸せそうに笑う姿を見れば同時に彼には赤く染まった頬が見られてしまったろう 花である前親から贈られた己が名告げながら解放される際の寂寥感を押し込めて、彼に微笑む姿はかつての鏡花と言われた物よりもっと柔らかく
それは彼にしか見せぬ、心からの笑みだった]
(106) sinonome 2014/09/26(Fri) 02時頃
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―在る日の花籠―
なんだい、朧。
[枯れ花の声。 男は揺り椅子に身を置いたまま。]
お前の我儘を、私は幾つ聞けばいいのかな?
[厭味たらしく笑みを湛え。 暫くは黙って話を聞こう。 聞き終えたなら重い腰を持ち上げて。]
(107) あんび 2014/09/26(Fri) 08時半頃
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[蛇、と称する悪食に、冷えた微笑を突き付けられ。 皹が、ぴりと走った。>>102]
(108) lalan 2014/09/26(Fri) 14時頃
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