297 湿っぽい古風和ホラーRP村「紫陽花奇譚」
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だけど――……、
[だけど、と]
それは――ゆうちゃんになら、や。
[笑みを浮かべる"姉"を、見詰めて]
――確かにな。 姿形や声は、紛うことなきゆうちゃんや。 朝に甘くて優しいんも、やっぱりゆうちゃんや。
[けど、と]
せやけど……、別人とまでは言わんけど。 なんやろな……いつものゆうちゃんとは"なんか違う"わ。
[じいっ、と]
(72) 2019/07/12(Fri) 22時半頃
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[木妻岩までは少し距離があるが、行けないことはない。 たぶんそう、という芙蓉の言葉を聞けば>>70、ゆっくりと頷いた。]
わかった。
[動かん、と言うのと合わせて、素直に受け止めた。 こうなると挟まれた定吉には申し訳ない。どちらを一人にするかの瀬戸際に立たされたのだ。 無論、朧自身は芙蓉のそばにいてやれと思っているが。]
(73) 2019/07/12(Fri) 22時半頃
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――山の社――
[そうして、高台からすぐのところにあるお社へ向かった、のだが。]
――――えらいことなっとんな。
[朱塗りの禿げた古い鳥居に向かって、ざあっと一面あの紫陽花が道を作っていた。 さあ来い、やれ来いと、導かれているかのように。 こくり、と生唾を飲み下して、文字通り花道となっているそこを一歩一歩踏みしめながら歩いた。]
(74) 2019/07/12(Fri) 22時半頃
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――……な、本当のこと言うてや。
["姉"の瞳を、覗き込むように]
あのな――、朝は思うんよ。 ゆうちゃんはずっと、朝のこと守って、助けてくれた。
さっきも、朝だけ置いてかんて。 ずっと一緒で、守るて言うてくれた。誰にもやらんて。
だから、ちょっとくらい違っても、ゆうちゃんはゆうちゃんやと思う。
(75) 2019/07/12(Fri) 22時半頃
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[────その巨木は、その岩は。 ずいぶん昔に、見捨てられたままだった。
かつて、人々は、その巨木へと通った。 そこには、願い叶えてくださる神様が座すと信じて。
かつて、人々は、その巨木を捨てた。 己らが神と信じていた存在は、 実は神でもなんでもなかったのだと、結論づけて。
その後、多くの村民が、 飢饉に見舞われ命を落とした────]
(76) 2019/07/12(Fri) 22時半頃
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―村の道―
……歌、なんやっけ、あの歌……
[まだ祖母が生きていたころ、 言い伝えになぞらえて、歌っていたような記憶がある。]
……ひいろのいと…いと… つむいで……、巌に……、
[ぽつ、ぽつ、記憶たどりながらたどたどしい歌を歌う。白子の透明さがひさひさと揺れる。──風が吹いたのだ。湿った風は歌を運ぶ。>>58
どこか、遠い記憶の。 さっき聞いた旋律に似ていた。]
……、こども?の…こえ…?…
(77) 2019/07/12(Fri) 22時半頃
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せやからな、もし、ゆうちゃんが……なんや、その。 なんか……しとるんだとしても、朝は誰にも言わへん。
[ぼそりと、口にした]
朝はな、ゆうちゃんと一緒がいい……、だから。 ゆうちゃんが悪いことしててもいい……なんなら、"朝を消してもいい"よ。
[それを口にしたら、疑惑では済まなくなる――が、口にした]
(78) 2019/07/12(Fri) 22時半頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2019/07/12(Fri) 22時半頃
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[────罰があったったんよ、 白く抜ける、短命の子は、きっと、きっと、罰があたったんよ]
(79) 2019/07/12(Fri) 22時半頃
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んん…
[>>70 不安定なまま残すのも危険な気もするし、 かといって怪異現象が起こる可能性の有る場所に 引っ張っていくのも論外。
一旦芙蓉の様子見をする事にして、朧の背に声をかける。]
──後からいくから、やばなったら、大声だしや!
(80) 2019/07/12(Fri) 22時半頃
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朧も芙蓉も、その岩の事知っとるんやな。 俺はそこらの話、全然聞いたことないんやわ。
教えたら探検に行く思われとったかもなぁ。
岩やけど、おなごに例えられてるんやね。そこ。
[子供の頃、山は駆け回ったが 定吉自身に木妻岩について教わった記憶はなかったので。 そんないわくありげな場所が隠れていたのかと新鮮な気分でもあった。*]
(81) 2019/07/12(Fri) 23時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2019/07/12(Fri) 23時頃
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――さっきの約束、守ってくれれば、いいわ。
ずっと一緒、って――、 朝を消すとき、一緒に……出来ればぎゅってしてくれたら、それでいい。
[そう、囁いた*]
(82) 2019/07/12(Fri) 23時頃
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双子 朝顔は、メモを貼った。
2019/07/12(Fri) 23時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2019/07/12(Fri) 23時頃
飴師 定吉は、メモを貼った。
2019/07/12(Fri) 23時頃
双子 朝顔は、メモを貼った。
2019/07/12(Fri) 23時頃
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―村の道― [歌声に誘われるように、 無様に倒れて汚れた膝を払うこともせず、ひたり、ひたり、歌声の聞こえたと思しき方へと歩いていく。>>58]
……あのこがほしい…、… ……あのこじゃ、わからん……
[はないちもんめ。 すぐ息が切れてしまうから、遠目に聞くしかなかった歌だ。 慰めるように、古い歌を歌ってくれたのは、亡くなる前の祖母。
……ひいろをつむぎ、 こいに つまん でむすびましょ。 しんぼくさまの いうとおり。]
……いうとおり。
[夢遊病のような足取りで、向かった先に、はっとするほどの赤い色が、ちらり。]
(83) 2019/07/12(Fri) 23時頃
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……朝顔ちゃん、…夕顔ちゃん…?
[よかった、──無事だったのか、と。 胸をなでおろす亀吉の回り、 紫陽花の花が咲き誇る*]
(84) 2019/07/12(Fri) 23時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2019/07/12(Fri) 23時半頃
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["姉"と対峙する最中に]
――……、っ。
[聞かれた――か? いや、ほっと安堵する様子>>84からは、そうは見受けられないが]
箕島の兄さん――足も腰も、まだ立っとったんやね。
[少し前に向けた軽口(>>1:164)を持ち出し、苦笑を浮かべてのち]
……なんでいまここで、兄さんが来はるかなあ。
[彼のまわりに咲き始めた紫陽花を目にして、なんともいえない息を吐く。 本のことでそこそこ話したこともあるし、身体が弱い同士の親近感もあった]
(85) 2019/07/12(Fri) 23時半頃
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――社――
[大鳥居の横抜け、手を清めようと手水舎へ向かう。 ふと、水面が揺らめいた気がした。]
――――っ!
[近づけば、さらさらと細く湧く手水の溜池の中に、透明な紫陽花の花鞠が所狭しと浮いていた。 水に濡れて、透明な萼片はさらに透けて、ゆらゆらと光を揺らめかせているように見える。 柄杓で一杯掬い手を清め、一杯掬い口清め、もう一杯掬って、勢いよく頭から清水をかぶった。 普段であればまだ紫陽花も咲かぬ頃。冷えた手水は首筋をつたい着物にも染みて背筋を震わせたが、頭を切り替えるのにはちょうどよかった。]
(86) 2019/07/12(Fri) 23時半頃
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[賽銭をはずめるほどの豊かさはないが、今は社に座す神を信ずる心ならば過去一番だろうと思う。 柏手を打ち、一礼すると真っ直ぐに社を見やり。]
――――お鎮まりいただけんか。
[凛と、一声、言い放った。 同時、こちらの敬虔な態度とは真逆に、威嚇するような藤の香の気配が、紫陽花たちを取り囲もうとする。]
(87) 2019/07/12(Fri) 23時半頃
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――……はよ帰って、お風呂で足揉んどきって。
[――と、この場から離すようなことを口にした。
朝顔にとって、村人の大部分はどうでもいい存在であったけれど。
姉、家族、妹分のたえや準姉の日向に次ぐ程度――、 いなくても困らないけどいたほうが楽しい程度には、感じている相手ではあったので*]
(88) 2019/07/12(Fri) 23時半頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2019/07/12(Fri) 23時半頃
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―朝顔と、夕顔の場所―
……、──立っとるよ、なんとか。
[朝顔の言いように>>85苦笑を浮かべる。 少しだけ、似たような笑顔だったかもしれない。 体の弱い者の諦めのようなものか。]
……、どうしたん、… きたら、まずかった? ……その、あっちこっちで…、人が、おらんようなって…紫陽花、咲いて…、…心配しとったんやけど、……
[首を傾ぎ、不安そうに声が小さくなる。 いらんお世話やったかな、と、かすかに苦笑い。]
(89) 2019/07/12(Fri) 23時半頃
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……せやけど。
[>>88 諭されるように言うさまは、 なんだか少し大人びて聞こえた。]
……、朝顔ちゃんと夕顔ちゃん、一緒に居るんやったら、 …大丈夫、かな。……。
[自身が頼りないとは自覚している。 紫陽花がほろほろと咲く中で、 うん、と小さく頷く。 体が弱いとはいえ、夕顔もいるからか朝顔のほうが己よりよほどしっかりしているように見えたのは、何故だろう。 ──>>78ひそやかな決意がそうさせたのかもしれないと、亀吉は知る由もなかったが。]
(90) 2019/07/13(Sat) 00時頃
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……、朝顔ちゃんと、夕顔ちゃんも、 気ぃつけるんよ、…どうやって気ぃつけたらいいか、わからんけど……
せや、今、朧と沼のじいさまを追っかけて、 芙蓉と定吉が山に登ってるん。
……なんか、この状況の理由を探る、 とっかかりになったら、ええけど……
[な、とにこり、笑うのは 安堵させるつもりだった。 夕顔の雰囲気が常と違うなど、魂を分けた双子でもない、忘れ去られるも脈々と続く呪いだけが現した身ではわからない*]
(91) 2019/07/13(Sat) 00時頃
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お鎮まりいただけんか。 もう、雨月の村人は随分と懲りた。 神の威光しろしめされたいのでありましたら、もう充分と思ってくださらんか。
これからご神木と木妻岩も回ってまいります。 まだ足りぬというのなら、この藤屋の朧、この身を捧げても構いやしませぬ。 だから、どうか、お鎮まりいただけんか。
[本人の意志裏腹、連れてはいかせぬと抵抗を続ける藤香は強まっていく。 威嚇と調伏の力に、神に近しいものにはざあざあと胸騒ぎのような気配が届くだろう*]
(92) 2019/07/13(Sat) 00時頃
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……え、と。その。
[苦笑いに、なんといっていいものやら(>>89)]
や、心配してくれたんは、嬉しいんよ……? その、そうやなくてな。ああ、ええと……、なんや。
[言葉を探しているところに>>90]
あの、そう、それやの! 朝とゆうちゃんが一緒おったら、なんも心配あらへんから!
朝としては、兄さんのが心配やなって! そんだけや!!
[だから。納得して、早く逃げて――と。
彼を包むように咲く紫陽花と、"姉"とを交互に見遣って、願う]
(93) 2019/07/13(Sat) 00時頃
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双子 夕顔は、メモを貼った。
2019/07/13(Sat) 00時頃
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─山中─
まだ、昼の色のまんまやな。
[山の隙間から空を仰ぎ見る。 先ほどと同じ曇天。 午後の光を遮るように薄暗く、 それでも夕の橙は微塵も滲む様子の無い曇天。]
わからん… 神様か狐かどうか、とにかく意思を持って 神隠ししとるもんのがおるとしても。 なんで今頃それやっとるか、ほんまわからん。
[7つの子供から老人、既婚者から未婚の娘まで。 隠す対象も手当たり次第なのも不気味だ。]
(94) 2019/07/13(Sat) 00時頃
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なんやこう、空気がざわざわと落ち着かんな… 変な嵐でもきそうっちゅうか。
[無意識に社の方角を見る。 静かな山の中。藤の香りは空気の中に 薄れ、紛れてもう匂わない。
今の状況が嵐どころか天変地異よな…と言いかけ、 家族が神隠しにあった者が居る場では不適切だと気づき 言葉をそのまま呑みこんだ。*]
(95) 2019/07/13(Sat) 00時頃
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[――山を登ったという四人(>>91)は、還ってこれるのだろうか。
ちらりと"姉"を見やったが、どうにも、まったく判らない。
山が関係あるのかもなんなのかも、全然、まったく。 以前は双子だからかどうか、お互い、ある程度は考えてることが判ったものだけど――あるいは、自分の側だけの幻想だったのだろうか……?*]
(96) 2019/07/13(Sat) 00時頃
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―山中―
定吉ちゃんは、 いかんでよかったの?
[ 朧が社へ向かう様子を見送った後、また紫陽花に視線を戻す。定吉の声が聞こえる。 わからん、と声が聞こえる。嵐と聞くと、頷いた。]
嵐が来たら、紫陽花も全部散るんやろうか。
かみさま。なんでやろ。 ――― なんでなんやろな。
[ 神様が何を考えているか、解らない。断片的に聞こえる声は、ただ聞こえるだけのものだ。 だけどもその声が聞こえるたびに、何かが締め付けられる気がしている。]
(97) 2019/07/13(Sat) 00時半頃
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ひとつ、 …ひとつな、ほんとうは、 聞こえとった事が、あってな。
雷門さんは、 たえちゃんが、呼んだんよ。
たえちゃんが、呼んだから、 雷門さんも、行ったんやて。
ほんとかどうか、 わからんけど…。
[ 紫陽花を見つめたまま。 藤の香りはもう届かず、少しだけ社の方へと向けた。]
(98) 2019/07/13(Sat) 00時半頃
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―朝顔と夕顔のそばで―
……そ、そんなに心配やろか? ……もうちょっと鍛えられたらええんやけど……
[>>93 朝顔の心知らず、へなりと笑って。]
そんなら、言う通り、 ちょっと足でももんでくるな。 山の方も見に行きたいし……。
朝顔ちゃん、夕顔ちゃん、またあとでな。
[小さく手を振って、ようやく、きっと「ようやく」と感じられるほどにおっとりと、2人に背を向けて、自分の家へと歩みだす。 もとより、其処でなにがしかの手掛かりを探すのが目的だったのも思い出した。紫陽花の花がふわり、ふわり、と硝子の細工のように咲く中を、戻っていく。]
(99) 2019/07/13(Sat) 00時半頃
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[またあとで(>>99)と聞いて]
ん――、さいなら。
[――と、その背に応じた]
(100) 2019/07/13(Sat) 00時半頃
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……?…うん。
[肩越し振り返り、また小さく手を振った。>>100 朝顔の言葉の真意を知らないまま。]
(101) 2019/07/13(Sat) 00時半頃
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